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再生-442 [花鈴-45]

「やはり新しい政党の立ち上げは必要よね?」
「うん、今の与野党を再生するより早いとは思う。
 ただ、実績が無いし、党員ゼロからのスタートだろ。
 新しい政党の新人候補が選挙で勝つのは難しいから、そこに一工夫が必要だな。
 塾生が国会中継の解説や新党にはどんな案が有るとかの情報番組を発信をするとか…。」
「真面目だけど楽しく見られる番組が理想ね…。」
「テレビ番組だと大学教授や名の有る人達がもっともらしく解説するけど、そこを塾生が論理的に説明出来たら面白いと思うよ。
 準備は大変だろうけど、それぐらいのことを出来る人でないと、お金を掛けて議員にまで推して行けないだろ。」
「そうね、説得力は政治家にとって重要なスキルだもの。
 無名の塾生に注目を集められるだけの番組を制作出来たら、私達にとっての第一歩かも。」
「いずれにせよ時間は掛かるが…、俺達の活動に賛同してくれる政治家が現れたらどうかな?
 経歴を全部確認して問題の無い人で有れば話が早くなるかもしれないだろ。」
「私達を利用するのが目的で近寄って来る人で無ければ良いけど…。」
「でも、ギブアンドテイクなら…、その人の再選に力を貸すぐらいのことはしても良いだろ?
 新しい政党の一員となってくれることが前提だけど。」
「そんな国会議員を五人集めることが出来れば、国政政党と認められるのよね。
 私達が国会議員の理想と考えてる様な人が五人も集まれば面白くなるけど…。」
「どうなるか分からないが様々な可能性を考えて置く必要は有る。
 充分想定出来たことなのに、その場になってあたふたしてたら信用を無くすと思うんだ。」
「確かに…、その辺りの事も明確に文章で表して置く必要が有るわね。」
「大変な作業に成るだろうが、焦る必要はない。
 我々の構想が社会に認めて貰えるまでには、どう考えても時間が掛かるからな。」
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再生-441 [花鈴-45]

「塾と言っても何かを教えて貰う場では無く、意見交換を通して切磋琢磨って感じよね。」
「教えて貰うと言うスタンスだったら、その時点で塾生とは認められない、問題はイデオロギーの違い、特に共産主義、社会主義と言った思想に固執する様な人とは建設的な話が出来なさそうな気がするんだ。
 その辺りも入塾に際しての試験でしっかり見極めて行く必要が有るのではないかな。」
「ペーパーテストと面接の他に討論の場が必須だと思うわ。
 討論会を通して各自の考えを確認、そこに時間を多く取りたいわね。」
「討論会には俺達も参加し、政経塾夜明け前が目指すことをしっかり伝え理解して貰った上での入塾、入塾までのハードルが高いけど希望者は集まるのか?」
「そこはメリットをアピールする必要が有るわね。
 経済面の支援、認められればうちの関連会社で役員になる道が有ったり、議員として立候補する時の後押しを約束するとかは必要だわ。
 口約束では無くしっかりした契約書を作成してね。」
「うん、一人一人違った契約書になっても、全て公開する必要が有ると思う。
 一切隠さないと言う方針を貫かないと社会的に信用して貰えないだろ。
 契約書を作成する作業が塾生になる為の大きな作業となる、まずは自身の契約書案をまとめてみるよ。
 花鈴は塾長だけど、やはり契約書を作成して公開したいね。」
「うん、契約書を作成し公開することによって、政経塾夜明け前が目指すことを伝えられると思う。
 分かり易い解説付きの契約書を公開することを目指すわ。」
「確かに分かり易さは必要だな…。」
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再生-440 [花鈴-44]

 政経塾夜明け前の準備は私達家族の他、父が声を掛けた人達で進めているが、既に様々な案が出ている。

「花鈴、政治経済の世界でトップクラス目指す人だから、その為の最低限の知識を持ち合わせていることは絶対必要、試験が必要だよな。」
「そうね、法律を知らないで選挙違反なんて例が有ったもの。
 それとお金の問題ね。
 お兄ちゃん、塾生全員が起業して安定収入を目指すと言うのは難しいかもだけど、本当に優秀な人にはお金の心配に時間を取らせたくないわ。
 政治が絡むから、独立した運営母体が必要になるとしても潤沢な資金は必要になる。
 やはり、株式会社政経塾夜明け前として、希望する塾生には社員として働いて貰いながらと言う形が良いのかしら?」
「何をする会社?」
「経営コンサルタントとかで実績を上げられたら、塾生の経験値を上げられると思うの。」
「確かにな。
 ただ、政治家が企業と癒着なんてことは問題になる。
 その辺りは思いっきり公開して行く必要が有るな。」
「そうね、塾生の経歴もしっかり調査して公開して行く必要が有るわ。
 後になって経歴詐称が見つかったなんて馬鹿らしいもの。」
「徹底的に調査されても問題ないと言える人でないと塾生には出来ない。
 過去に多少のトラブルが有った人でも、それを包み隠さず公開出来る人でないと、我々が考えてる政治家には成れない。
 そんな人が世の中にどれだけるのか分からないがな…。」
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再生-439 [花鈴-44]

 政経塾夜明け前、そこには今が政治的に闇だと言うメッセージが込められていると話す兄は、通信制の高校で学ぶことの限界と無駄な時間を減らしたいと考えていたそうで。
 つまり公的には中卒と言う肩書ながら政経塾の出身だと名乗る道を目指すのだとか。
 既に会社の社長なのだから学歴は関係ないのだ。
 父は市長に推す予定の人物を巻き込んでの展開を視野に入れて動き始めた。
 そんな話は絵梨にも伝わり…。

「花鈴、政経塾夜明け前って何なの?」
「政治や経済の分野でリーダーになる人を養成して行く塾、と言うか志の有る人を支えて行く存在にして行きたいかな。
 まだ、動き始めたばかりだから何とも言えないけど。」
「会社の会長だから経済分野は分かるけど、政治も?」
「政治と経済は密接な関係に有るの。
 政府が懸命に景気回復策を打ち立てたけど、視野の狭い経済人が自社の短期的な利益しか考えられ無かったから景気の低迷が続いたと言えるし、国の助力があればもう少しスムーズにことが運んだと思える大型プロジェクトが有ったりとね、県知事の辞職で進むかもだけど。」
「良く分からないけど、経済の場でも政治の場でも、人に問題が有ったと言うこと?」
「うん、国家と言う高い視点から大きく物事を捉えられてる社長や政治家が少な過ぎると私達は結論付けたの、保身を優先してる人ばかりではね…。」
「それって…、総理大臣とかも?」
「党内のしがらみに縛られて思い切ったことが出来ない…、と言うより、特に有能な訳でも無く、元々総理大臣に成りたかっただけの人ではね。」
「政経塾を立ち上げたとして…、優れた人材を育て上げられるのかしら?」
「結果は集まってくれた人次第。
 つまりは、どれだけ優秀な人材を集められるかがポイントになるのよ。
 実績の無い私塾に夢を抱いて貰えなくてはスタート出来ないから、絵梨も協力よろしくね。」
「よろしくと言われてもな…。」
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再生-438 [花鈴-44]

「これからを考えたら、まずはまともな政治家を育てることから考えないとって事かしら?」
「かもな、松下政経塾なんてのも有るが…。」
「花鈴には大学生の知り合いも多い、松下政経塾に対抗出来る私塾を立ち上げるってどうかな?」
「それは面白いかも、花鈴には情報発信力が有るだろ。
 松下政経塾が何をしてるか知ってる人より、花鈴が取り組んでいることを知っている人の方が遥かに多い気がする。
 政治経済のトップを目指す人が学べる場が増えれば、そこで競争することにもなるね。」
「その、松下政経塾みたいな存在は少ないの?」
「大学とは違うからな。
 学生が卒業資格を得る為に通う大学では無く、真に日本の将来を考える人を育てる場。
 それを社会に認知されるレベルに出来たら。
 思いっきりハードルが高い政治の再生だが、まともな政治家を増やすことで、少しはマシに出来るかも知れないよ。
 花鈴がその気なら全面的にバックアップするが、どうだ?」
「どうして私なの?」
「父さんや俺が動いてもインパクトは大きくないだろ。
 花鈴は塾長の肩書を持った上で塾生として学ぶんだ、俺も塾生だな。
 ここに力を活かしきれて無いギフテッドの連中を呼ぶのも有り、公立の小中学校へどうぞと誘うより良いと思わないか?」
「そうね…、高い能力を活かし切れてない人の話は聞いたこと事が有る。
 活動はネット上で行っても良いけど本拠地はここに置きたいわね。」
「そんなに大きな建物を建てる必要は無いだろう、農業公園の一角にでも建てるか?」
「塾の名前は?」
「うむ、島崎藤村の夜明け前と言う小説は幕末の出来事を描いているのだが、江戸や京都では無く、そこから遠く離れた木曽、今の長野と岐阜の県境付近をメインの舞台としていてね。
 大都会から遠く離れたこの地が活動拠点になったら、少し通じるものが有るかもな。」
「良く分からないけど島崎藤村から名前を借りると言うのも有りなのね。」
「へ~、タイトルだけは知ってたけど、夜明け前って幕末ものなんだ…。」
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再生-437 [花鈴-44]

「民主主義の欠点?」
「色々有るよ、能力に関係なく人気が有れば選挙で当選出来るだろ。
 政治の事が良く分かってない人でも国会議員になれるのさ。
 良く分からないまま人に利用されてしまったらどうだ?」
「国会議員になる為の資格試験とかは無いの?」
「平等の原則が有るからな。
 犯罪を犯した人に制限が掛かることは有るが、少しばかりの条件を満たしていれば誰でも立候補出来る。
 それが民主主義国家の選挙制度なんだ。
 知名度が有る人に、その能力までは知る由もない国民が投票した結果、当選、でも暫くして問題を起こして辞職、何てことも有ったかな。」
「花鈴は政治を再生出来ないかと話してたけど、やはり難しそうだね。」
「再生出来なかったら日本の未来は暗くない?」
「う~ん…、父さんはどう思う?」
「頭が良いと思われている人達が国の進路を決めて来た結果が少子化なんだ。
 次世代を育てる事に失敗してる時点で、政治家だけでなく企業家も反省すべきなのだが、まともに反省出来てる人は僅かだからな…。」
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再生-436 [花鈴-44]

「うちは民間会社だからお歳暮やお中元OKだけど、政治家がお歳暮を贈るのも、政治家にお歳暮を贈るのもNGなのよね。」
「ああ、きっちり守られているのかは、甚だ疑問だがな。」
「政治家の家族宛てに贈るのはどうなの?」
「少額だと見過ごされていそうだが、明らかに便宜を図って欲しいとの意図が感じられたらアウトだろう。
 受け取ったから便宜を図ったとなれば確実に駄目だが、微妙な案件ばかりだろうな。」
「如何に法の隙を突くかなんて事を懸命に考えてる輩が存在するんだよね。」
「うん、ただ、悪意有るパターンだけではないんだ。
 法改正には手間と時間が掛かるだろ、ここの再開発では行政サイドと弁護士を交えて話し合いを行い、法務省とも相談して進めた案件が有ってね、取り敢えず法の隙を突いた形なのだけど、それに合わせて法改正に動いてくれている、改正されれば手続きが簡略化されるからな。」
「そこに政治家も絡んでいるの?」
「勿論さ、立法府で有る国会議員が賛成してくれなかったら法律は変えられないだろ。」
「スムーズに行くのかな?」
「違法なことをしている訳では無いのだから大丈夫、国会審議に問題が起きなければね。
 下らないことで野党がごねると、普通に考えて通る法案の採決が先送りされてしまう可能性は有るんだ。」
「ちょっとだけ国会中継を見てみたけど、同じ話しを繰り返していたり、与党議員の不始末を野党議員がひたすら追求とか建設的でないことに時間が使われてるみたいだけど…。」
「その全てが法律に則って行われてることで、民主主義の良い所でも有り欠点でも有るね。」
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再生-435 [花鈴-44]

「優先順位か…、確かに難しいかも。」
「政治の役割として、沢山有る政策に優先順位を付け予算配分を行う作業が有る。
 そこには当然利害関係が有り、関係者全員を納得させるのは不可能、そこが政治の難しさでも有る。
 より多くの人に納得して貰えれば次の選挙で当選出来るだろうが、多くの人が納得出来ないことをすれば落選の確率が高くなるだろう。」
「父さん、優先順位を高めて貰う為に賄賂を贈ったりとか不正が行われて来たと考えて良いんだよね。」
「ああ、もっとストレートな感じの贈収賄事件も有ったみたいだがな。」
「支所の人達は真面目だから、住民からのお歳暮やお中元は一切受け取らないって聞いたけど、真面目で無ければ受け取る人もいるのかしら?」
「どうかな、ただ、国家公務員として、かなり出世した人の奥さんは送られて来るお歳暮やお中元を送り返すのが大変だったそうだ。
 贈る側としては普通に受け取る人が多かったから普通に送っていたのかもな。」
「立場上受け取れない物を贈られても迷惑でしかない、でも、それぐらいは問題ないと受け取ってしまう人もいる、その辺りの感覚に違いが有るのね。
 うちは公務員では無いからお中元やお歳暮が山ほど届くけど、それによってお父さんの判断が変わることは有るの?」
「全くない、まあ、面白い物なら印象には残るが、高価なウイスキーとかではな。
 どれだけ高価な品でも、必要なかったり興味の無い物だったら誰かにあげるだけ。
 大体、適当な物を贈ってうちとの関係を強化出来るだなんて、送りつけて来る奴も思ってないだろう。
 担当者は今まで通りにと、何も考えずに同じものを送って来てるのではないかな。」
「下手に変えて機嫌を損ねたらとか考えていそうね。」
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再生-434 [花鈴-44]

「そんな制度を変える事は簡単ではないと思うのだけど、全く無理なのかしら?」
「人それぞれ考え方は様々だからな。
 共産主義が良いと言う人や社会主義が理想だと考えてる人もいるし、王政や条件付き独裁国家は有りだとかね。
 有史以来様々な国家が存在して来たが完璧な国のシステムは未だに出来てない。
 今の世界情勢を見てると、この先も難しいと思うよ。」
「AIが発達しても?」
「人間は最終判断までAIに委ねることはしないと…、言い切れないが…。」
「判断か、政治家が判断する根拠は役人がまとめたものだよね?」
「ああ、大臣でも自分の担当してることに対して素人です、なんて人も少なからずいたのだから役人に言われるがままだったとしても不思議ではないな。」
「与党と野党で意見が分かれることが多いのでしょ?」
「ああ、野党は与党とは違った案を出したいと考えている。
 違った案を出したとして、政治的判断で一番難しいのは、二択のどちらを選んでも結果は似た様なことになるけど、そのプロセスに置いて利益を受ける人が偏るような場面だと思うんだ。」
「う~ん…、どっちを選んでも結果に大差がないと、かえって判断しにくいか…。」
「そんな案件ならAIに判断を任せて良いんじゃないの?」
「AIが判断材料とするデータに間違いが無ければな。
 花鈴、完璧なデータって作る事が可能だと思うか?」
「無理なの?」
「無理だな、ネット上のデータを元に判断しているAIは普通に判断ミスをしているんだ。
 政策に関するレベルとなると、利害関係が複雑になって…、極端な話、一人を殺しても十人の生活が豊かに成るのであれば良しと判断する可能性だって有る。」
「有りうるな、花鈴、社会の様々なことに対して優先順位を付けることは難しいと思わないか?」
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再生-433 [花鈴-44]

「知事の思惑で大規模工事が進んでない所があるけど父さんはどう考えてる?」
「自分の県にとって直接的な利益にならないからと、ごねてるだけだな。
 それによって多くの人達が不利益を被っているのだが、法的にはどうにもならなくて不運としか。
 どんな組織にも言えることだが、優秀なリーダーを得られるかどうかには運の要素が有ると思う。」
「アメリカの大統領選挙もご老人と…、自分だったらどちらにも一票を入れたくないよ。
 それでもどちらかが大統領になるということは、お金の有るまともな候補がいないのか、アメリカ人は気にしてないと言うということなのかな?」
「国民は所属政党に関わらず支持したくなるヒーローを求めているのだろうが、大統領選挙には資金が必要、自身がお金持ちか、強力な支持が多くて選挙資金が潤沢でないとだめなのだろう、資金を集める能力が、そのまま政治手腕と捉えられているのかもしれないね。」
「ねえ、日本の総理大臣は国民の直接選挙で選ばれてはいないのでしょ?」
「ああ、与党の代表者がなるから、その決め方は与党の判断になる。」
「そこに色々な思惑が絡んでいそうだな。」
「どんな?」
「自分が将来大臣になるには、どの人に媚びを売っておくべきなのか、そんな感じなのでしょ?」
「ああ、国会議員は次の選挙に勝てるかどうか、その資金、将来大臣になるには…、そんなことばかり考えてるのではと感じることが有るよ。」
「会社でも政治家のパーティー券を買ったりしてるの?」
「多少はな、政治家との悪意ある癒着はダメだが、政治家だって資金を必要としている。
 選挙によって選ばれる議員、その制度が有る限り議員とお金の問題は無くならないだろう。」
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