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バトル-51 [高校生バトル-06]

「春子姉さん、社会組織論(仮)だけどさ、小論文コンテストのテーマにして行くのはどうかな?」
「そうね、どんな意見が出て来るのかしら、でも体系的な学問として整理して行くのは簡単では無いのよね。」
「う~ん、小学生にも考えて欲しいことから、大学生が研究として取り組んで欲しい内容まで…、ねえ、小論文って、読み手として評価する人をイメージして書くのかな。」
「でしょうね。」
「少し形を変えてさ、自分で読者を想定した…、えっと…、テーマに沿った自己主張ってどうかな。」
「どういう事?」
「読者を小学四年生だと想定したら難しい言葉を使いにくくなるから、説明が難しくなると思わない?
 そうだな…、自分で想定するより、コンテストの主催者側が決めた方が良いのかな…。
 兎に角、読み手を一般的な大人とするより面白いと思うんだ。」
「そっか…、読者をイメージして…、私もあまり考えて無かったわ、大人だって読解力に差が有る、文章が読み取れないのを読者の能力が低いと考えるては…。」
「文章で伝える難しさが有るのだけど、国語の成績が悪い子には言葉や映像を使う必要が有るのかもね。」
「う~ん、そう考えると、今は読者の資質を無視して文章だけで済ませている…、例えば法律だって…。」
「その法律の意味が分かって無い人も、その法によって裁かれているってことかな。」
「犯罪者が自分のした事の意味を分かってやってる場合と、違法だと認識してない場合とでは判決に差が有るとは聞いたけど…、社会集団と犯罪の関係とかも…、う~ん、社会学か…。」
「社会学?」
「社会組織論(仮)は組織を強くイメージしてるから、社会学とは違う括りとして考えたいと思っていたのだけど、社会学が対象としてる範囲は呆れる程広いの…、そうね、私達が取り組もうとしてる事は単に社会学の整理だと言われるかも知れないけど、組織というものを前面に出したいから…、組織社会学とか、でも、子どもから大人まで認識し易い名称にしたいのよね。」
「社会学って、小中学校では社会科ということになるのかな?」
「そうなるわね…、でも範囲が広過ぎるから結局小学校の教科書は簡単な目次、中学校のは少し詳しい目次に過ぎないのよね。
 社会科の中でも歴史は、歴史から学ぶという事が建前だけになっていて、過去の人達が何を成功させ何で失敗したのかを学ぶべき所を、歴史的出来事とそれが起きた年号を覚えさせられてお仕舞いになってる、歴史から学ぶと言う観点が疎かになっているのよね。」
「戦国時代を組織論リーダー論の視点などで考えるのと、関ヶ原の戦いは千六百年に起きた、これはテストに出すからなー、の違いと言うことなのかな。」
「そうなのよね、合戦に至る背景、戦国武将たちの思惑、そこから徳川幕府が…、鎖国によって培われたもの、得る事が遅れたものとか…。」
「ホントは大学入試を意識し過ぎたクイズ的な歴史バトルも見直して行きたい所だけど、今の形は需要が有るからな。」
「娯楽的要素が強くなってるものね。」
「ねえ、姉さんは社会組織論(仮)をどんな形でアピールして行くか考えてる?」
「うん、私は生まれたばかりの赤ちゃんと社会との繋がりから始め、成長の過程で集団の一員となり、集団社会との関係が変わって行く、そんな観点から見直して行きたいと思ってるの。
 YouTubeの日本語チャンネルを使って問題提起したいのだけど、三郎が幼かった頃の写真を使っても良いかな?」
「う~ん、変なのを使わないのなら。」
「勿論よ、変態を喜ばせそうなのは使えないわ。
 ただ、赤ちゃんを取り巻く環境とか、幼児を取り巻く環境のイメージとして使いたいの。」
「でも…、僕の場合は望まれない形で生まれて来た人とは全く違うでしょ…。」
「そうね、養護施設で育った人や虐待されてた人の心も意識しないと…、そこから無責任な大人の行為を考えて貰う方向でも話を進めて行き、社会問題を見つめ直して行くべきってことかな。」
「そう言うのって、簡単には解決出来ない問題だよね。」
「ええ、だからこそ継続的に、YouTubeでは考える切っ掛け、社会組織論(仮)への導入と考えてるのだけど、一つの大きなテーマとしては社会人として働き始め、責任有る大人となるまでに何を学ぶ必要が有るのかを考え、欲望のままに無責任な行動をする人を減らしたいと言う考えも有ったでしょ。」
「うん、食欲に忠実なだけの人なら、周囲への実害は少ないのだろうけどね…。」
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バトル-52 [高校生バトル-06]

「友香さん、こちらに越して来て慣れましたか?」
「そうね、まずはゆったり過ごそうって一郎さんが言ってくれ、二人で散歩とかもしてるの。
 彼が紹介してくれるから少しづつ顔見知りが増えてるのだけど、都会では考えられない顔の広さなのね、彼って。」
「高校までは、学園祭だけでなく、地元のお祭りも仕切ってたのですよ、次郎兄さんや大輔さんと一緒に、それが有ったからサポートカンパニー立ち上げの時も直ぐに協力者が集まったのです。」
「そっか、何にしても環境を変えた事は私にとって良い刺激になってるの、春子さんは大学生になってどう?」
「花の女子大生と言う感じでは有りませんね、先輩方からのお誘いは多いのですが、真面目なものばかりです。」
「思ってたのと違って残念とか?」
「まあ、大学に重きを置くつもりは有りませんから。」
「婚約の話はしたの?」
「はい、大輔さんが迎えに来てくれたりするので、同学年とは少し距離が出来ています。
 彼らが学生社員になるまでは、先輩の学生社員と仕事の話しとか…、教職課程の話もしてるのですが、友香さんは教職課程を経て社会科の先生になる資格を取ったのですよね。」
「ええ、春子さんは教職課程、どうするの?」
「教育には興味が有りますが、教員になる気は全く有りません…、友香さんは兄と結婚する事になって教員への道を諦めたのですか?」
「いいえ、諦めたと言うのではなく、高校生の頃、教師の労働環境がブラック企業レベルだと知り調べてみたら、実際ひどい状況に置かれてる教員が少なく無いみたいだったの…、ねえ、自分達の労働環境をまともな形に出来ない教師に本当の教育が出来ると思う?」
「ふふ、本当の教育なんて…、私達、義兄弟姉妹にとってプラスになった教師は少ないと言う結論に達していますよね。」
「でしょ、子ども達が接する数少ない大人で有る教師の力量が問われるのだけど、教師を志す切っ掛けがテレビドラマだったりしてね、教員の労働実態を知らずに美化された側面だけを見て…、まあ、教師になって愕然としたと言う人は少なからずいるわけ。
 今の教育環境を把握してる人達は安易に教職を選ばないと思うわ、私も教員という立場では無く教育改革を考えて教職課程を取り、高校生バトルに興味を持ったの。」
「それなら、学生社員からカンパニーの正規社員にという流れは不本意では無かったのですね。」
「不本意どころか、教育改革を考えてる人が、それを実現させる一番の道と考えてのことよ、勿論一郎さんとのことも有ったけど。」
「そんな友香さんは社会組織論(仮)のこと、どう考えているのですか?」
「そうね、元々社会科の範囲って広いでしょ、その中から何を小学校で教え中学で何を学ぶのか、限られた時間を考えると難しい選択と言えるのだけど、私は社会科と言う教科自体を一旦潰して再構築するべきだと考えてるの、勿論今の制度下では難しくて、学校は動かないし動けないだろうけど、私達なら、その道筋ぐらいは示せると思うのよ。
 教科の明確な目的を、より良い社会人として責任の持てる大人へ成長させる、としてね。」
「再構築のイメージは?」
「そうね、春子さんは生まれてから成長して行く過程を追いながら、個人と社会との係わりを考えて行くのでしょ、分かり易くてとても良い取り組みだと思うけど、その逆から考えて行くのも面白いと思っていてね。
 まず我々が好ましいと考える社会人像を描いてから、そこに至る道筋を検討するってどう?」
「こんな大人に育てたい、から始めるのですね。」
「こんな人と共に働きたいとか、そう考えた時に自分はどうなのかと振り返ったりもしてね。
 勿論価値観は人それぞれだから簡単ではないのけど、人を騙してでも大金を手に入れたいと言う価値観は否定されるべき、相手の立場を考え思いやりの気持ちで行動することは推奨されるべきだから、凄く難しいという訳ではないと思うの。
 そう言った事を宗教的倫理観ではなく、社会を研究し、より良い社会集団を形成する事を目指して構築出来たらと思うのよ。」
「科学的な判断に基づく理想的な人間社会の構築と言う事ですね。」
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バトル-53 [高校生バトル-06]

「友香さんは社会科の先生になれたのですよね。」
「ノンノン、友香姉さんって呼んでくれなきゃダメよ、三郎くん。」
「う、うん…、友香姉さん…。」
「それで?」
「社会組織論(仮)の事を考えてる時に、民主主義について自分で調べてみたりしたのだけど、なんかモヤモヤしてて…。」
「どんな所が?」
「民主主義は正しい、みたいな教えられ方をして来たのだけど現実は社会問題だらけでしょ。」
「そうね、そのモヤモヤは分かるわ、ポイントは今の民主主義は理想的なものでは無いってことね。」
「理想か、では理想的な民主主義って?」
「実現は不可能だと思っているのだけど、例えば国民全員が政治と真面目に向き合ってること。
 主権者たる国民が、国会議員を容姿や知名度だけで選んでいるとしたらどう?
 容姿が今一で無名、だけど政治家としての能力はとても優れている、そんな人は落選でしょ、もっとも本当に優れていたら知名度ぐらいは自力で上げられなきゃダメね。」
「分かる気がする、不祥事を起こす政治家が後を絶たないのは、人として問題の有る候補者でも票を入れる人がいるからでしょ。」
「ええ、国会議員を目指すのなら、党利党略私利私欲でなく、国民の代表として国の為に、という固い信念が必要な筈なのだけど、お金で票を買ってはならないって、誰もが知ってる基本的な事を無視してしまう人がいるぐらいだものね。
 理想的な民主主義国家では、国民にだってそれなりの資質が求められるの、自分の利益を最優先に考える人、広く社会のバランスにまで考えを及ぼすことが出来ない人ばかりでは理想的な民主主義は成立しない、だから現実的ではないのよ。
 それと政治が難しいのは、利害の相反する人達の意見を、極力双方が納得もしくは妥協出来る様に考えなくては行けないからなの。」
「そっか、国民全員の利害が一致していれば簡単だけど、それは有り得ないものね。」
「今の選挙制度が本当に正しいかと言えば、正しくない、有権者全員が政治を熟知している訳では無いでしょ、でも社会の形を建前の上で平等として行くとしたら分かり易い制度では有るのよね。
 そうだな…、歴史を見直して行くとまた違ったものが見えて来ると思わない?」
「う~ん、少なくとも江戸時代は長く戦争が無かったと言うだけでも、ある意味上手くやってたのですよね。」
「そうね、庶民の多くは制度上、政治を人任せにしていたとも言えるでしょ、そう考えたら今とそんなに違わないかも、今の庶民も政治を人任せにして愚痴るだけ、貧乏人は今も居る訳で、科学の発展で生活は変わったけど、庶民の意識はそんなに変わっていないのかも知れないわ。」
「う~ん、犯罪もなくなっていないか…。」
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バトル-54 [高校生バトル-06]

「ねえ、三郎くん、バトルとは言えない様な高校生バトルなんだけどさ。」
「真子ちゃん、何か思いついたの?」
「うん、自分の夢を宣言し、それに向かって努力して行く、みたいなバトルはどうかな。
 夢を叶えて行くバトルだけど、結果を評価したり順位を付ける必要は無くてね。
 決意表明する事で自分にカツを入れたり、頑張ってる人をみんなで応援したりって感じの。」
「相手を倒したりはしないんだ。」
「むしろ協力し合うとか、でも、スポーツとかで宣言したら熾烈な争いになるかも。」
「はは、それも有りなんだ、真子ちゃんだったらどんな宣言をするの?」
「そうね、三郎くんのお嫁さんになって立派なお母さんを目指しつつ…、人に優しい社会の実現かな。」
「お嫁さんとかと、人に優しい社会では難易度が大きく違うと思うのだけど、結果は随分先のことだよね。」
「結果よりも、夢を宣言することに意味が有ると思ってね、人が応援したくなる夢ならみんなで応援しても良いし…、その…、頑張れって言葉だけでなく…。」
「そうだね、人に優しい社会なんて一人の力では無理だから。
 企画として今からまとめてみようか。」
「うん、でも三郎くんは今日しようと思ってたこと、無かったの?」
「少し有ったけど、どちらを優先すべきか考えたら答えを出すまでに、コンマ二秒さ。」
「ふふ、三郎くんが宣言するとしたら、どんな夢になるのかしら?」
「そうだな…、絶対実現しない理想的な民主主義国家の樹立かな。」
「絶対実現しないと思いつつ目標とする、でも三郎くんがそう宣言したら、理想的な民主主義国家について考える人が増えるのでしょうね。」
「個人的な目標でなく、集団での目標だったり、誰かの夢に乗っかるのも有りかな…。
 バトルとしては途中経過を報告し、その進展を一応競い合うと言うことにする?」
「そうね、注目度を競うとかはどうかしら、注目されず地道に頑張るのも有りとしておいて。」
「夢バトル、小さな夢から大きな夢まで、目標を宣言して気合を入れろ。
 目標を共有しても良いし、誰かの夢に乗っかっても良い。
 静かの応援をするも良し、力を貸すも良し、ってとこかな。
 小さく始めるのなら、初期投資は僅かで済むし、スポンサーの付き易い企画だと思うよ。」
「作文コンテストで使ってるシステムを流用すれば良いものね。
 サンプルとして、ささやかな夢とおっきい夢を用意しておく?」
「うん、僕は絶対実現しない理想的な民主主義国家樹立をテーマに夢を描いてみるよ。」
「じゃあ私は夢バトルの趣旨を整理してから、料理上手なお母さんを目指すと言うテーマで書くわ、ささやかな夢でも応援したくなる文にしないとね。」
「対象を高校生に絞る必要はないよな。」
「そうね、地味に発表して反応を見れば良いでしょ、スタートは作文コンクールみたいなものだから。」
「合併後の新会社が描いてる目標も、全部夢として発表して貰おうか。
 僕たちが何を目指しているのか明確にしておきたいし。」
「会長からお願いするの?」
「う~ん、合併は大きな区切りになるから、兄さんとも相談してみるよ、合併後の新企画第一段としても良いのだからね。
 難しい夢は兎も角、皆のささやかな夢が叶うと良いな。」
「ねえ、うちのお姉ちゃんの場合、素敵な彼氏ってなると思うのだけど、叶うと思う?」
「大丈夫さ、夢を諦めなければ。」
「そうよね…、世の中には体積の大きな人を好む人も…、きっと居るでしょう。」
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バトル-55 [高校生バトル-06]

「次郎兄さん、合併に合わせての組織改編は順調に進んでるの?」
「ああ、各部署のリーダーを中心に春休み中からしっかり準備して来たのは知ってるだろ。」
「でも、後から出来たサポートカンパニーが本家を吸収するみたいな形で良かったのかな?」
「問題ないさ、三郎達が様々な形で高校生バトルに貢献していることは誰もが知ってること。
 高校生バトルの参加者には三郎だけでなく真子ちゃんや春子のファンが多くて、グッズの売り上げも伸びてる、三郎メインのCMが流れ始めたが思惑通り話題になっていて、それに乗っかる形で他のスポンサー企業もうちのタイアップ企画に乗ってくれてるんだ。
 企業としての売り上げが右肩上がりなのは三郎会長の力が大きいと皆が思ってるよ。」
「でもさ、正社員、学生社員共に増えてるから、社員の不満を全部受け止められているのか、少し不安でさ。」
「そうだな、一度確認して置く必要が有るかも知れないね、合併のタイミングで会長から呼びかけてくれるか?」
「それは社長からで良くない?」
「いや、社長発は実務的な話しにし、こう言う内容は三郎からの方が良いと思う、役割分担と言うか、社員の精神的な支柱は三郎、そう言う組織として結束を強めて来たからな。」
「う~ん、そんな話はよく聞かされるけど、実感が湧かないよ。」
「いやいや、社員が大輔や俺に対する態度と三郎に対する態度は大きく違う、俺達にはため口なのに三郎には敬語って奴も少なくないだろ。」
「困るんだよね、偉そうにしたくないから、どう応えて良いのか…。」
「その、少し困った表情が可愛いとか言ってたぞ、写真集を出す話は聞いたか?」
「うん、でも出して売れるのかな?」
「試す価値は有る、コンセプトを…、みんなの弟、真子ちゃんとの皆がうらやむカップル、三郎による温泉紹介にして需要を探るんだ。」
「えっ、変な方向に進んでない?」
「温泉バージョンの購入層が気になるのだろうが、企画を出してる連中は絶対黒字に出来ると話してたよ、三郎の知的な面を前面に出し、その温泉にまつわる話や効能についての解説とか、単なる写真集では無く、少し寂れた温泉を中心に紹介して行けば地方の活性化にも繋がる、真子ちゃんや春子は出しにくいから一人で頑張ってな。」
「え~、もう決定事項なの?」
「温泉旅行はな、家族や関係者が同行するが三郎は撮影に集中してくれ。」
「真子ちゃんも?」
「ああ、ご家族全員を招待する方向で麻衣が話を進めているよ、いずれ親戚になるのだからな。」
「都会では有り得ない人間関係の構築実験、その一環でも有るという事?」
「まあな、一人の人間が普通に関わる人には限りが有るだろ、その中でも自然と優先順位が付いて行くのだが…、全く赤の他人だった人が真子ちゃんを介して遠い親戚になって行くのかも知れない、そんな人間関係を追って行くのは面白いだろ。」
「あっ、春子姉さんが考えそうなことだね…。」
「真子ちゃんは、もう他人ではない、俺の義妹なのだからな。」
「温泉旅行自体は、真子ちゃん的にも悪くないと思うのだけど…。」
「何か不満なのか?」
「あのさ、自分の入浴シーンを見た人たちが何を思うのか、色々微妙でしょ。」
「まあ、細かい事は気にするな、細かい事を気にする奴は大物に成れないと、何処かの誰かが言ってたぞ。」
「はぁ~、どっかの誰かがね…。」
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バトル-56 [高校生バトル-06]

「麻衣さん、夢バトルで各部署が掲げた目標に対し応援が来始めているのは確認してますが、一般からの夢は届いてますか?」
「広く宣伝してない割には良い感じで来てます、明日から最終チェックを終え整理したものの掲載を始めて行きます。」
「多過ぎて作業が大変だとかはないですよね?」
「字数制限をしましたのでそれ程では有りません、AIを使って整理しながらチェックしてます。
 簡潔にまとめたサンプルを参考にして貰えてるみたいで問題の有る応募は僅か、余裕ですよ。」
「夢バトルだけは、僕らが中心となって進める事にしましたが、チーフとして人が足りないとか感じたら早目に言って下さいね。」
「大丈夫です、次郎も見てますから、一郎兄さんと春子さんがスポンサー交渉をして下さってますので、私のメイン業務は至ってシンプルなのです。」
「それなら良いけど…、麻衣さん…、何時もの話し方にして下さいよ。」
「ふふ、何となくね、学生社員の頃は随分緊張する場面を経験して来たけど、地元に帰り義兄弟姉妹と一緒だから気が緩み過ぎない様に気を付けなくては思ってね。」
「緩みそうですか?」
「大好きな弟と話す機会が増えたからな、ねえ、私が高校生の頃、小学生だった三郎さんとみんなで遊びに行ってたでしょ、あの頃はホントに可愛かった三郎さんが今では随分頼もしくなってさ。」
「実は次郎兄さんと二人だけで遊びに行きたかったのでは?」
「次郎と二人の時間は他でそれなりに有って…、みんなでってのが楽しかったのよ、妹はいても弟がいなかったからね、ふふ、妹達と三郎さんの取り合いをしてたら、春子さんの機嫌が悪くなってたよね、大輔さんもいたのに。」
「う~ん、そんな事も…、ところで結婚の準備は進んでいるのですか?」
「ええ、一郎兄さんと友香姉さんの式を参考にしながらね。
 真子ちゃんの夢が三郎さんのお嫁さんになる事だと公開されたけど、その反響はどう?」
「まあ、本人が前から言ってたことだから特に変化は無いかな。
 真子ちゃんのお父さんお母さんも、子育ては手伝うから高校を卒業したら結婚して欲しいって、息子が欲しいとかで。」
「三郎さんを息子にしたいと思ってる人は多いでしょうね。
 気持ちとしては…、もう決めたの?」
「色々言われてはいるけど、大輔さんと春子姉さんがずっと付き合ってるとこを見て来たし、麻衣さんと次郎兄さんも、自分は真子ちゃんといる事が自然だと感じていてね。」
「凄くモテてるけど、他の女の子に興味は無い?」
「真子ちゃんとは、他の人には話せない事も沢山話し合って来て、その過程で価値観のすり合わせと言うか…、うちの両親同様仲良く暮らして行けそうな気がしてるからね。」
「そうよね、私達、義兄弟姉妹は互いに尊重し合ってるから…、ねえ、三郎さん、うちの妹達が自分達も私達の義兄弟姉妹に加わりたいって言ってるのだけど、どう思う?」
「芽衣さんも亜依さんも優しいし学生社員になってくれたでしょ、麻衣さんと次郎兄さんが結婚したら親戚になるのだから是非加わって欲しい、芽衣さん達に彼氏はいるの?」
「ええ、芽衣は私に刺激を受けてか結婚を強く意識してるって、亜依の相手も真面目そうだから、夏休みにでも紹介するわ。」
「うん、こう言うネタの時だけは長兄として話を進めないとね、みんなには自分から連絡を入れるよ。
 二人は夏休み、一緒に帰って来られるのかな?」
「ふふ、義兄弟姉妹になりたいのに長兄からのお誘いを断わるなんて出来ないでしょ。
 スケジュールは春子さんや友香姉さんと相談して調整しておくわね。」
「ねえ…、この地を我らが梁山泊とし…、ここに住んでなくても良いのだけど、義兄弟姉妹を増やして行くって、勿論長兄には信頼出来る人になって貰いたいのだけど…、麻衣さんはどう思う?」
「水滸伝をイメージしてるのね…、私は三郎さんが長兄だったら賛成かな、血縁関係なく私達の目指している夢に賛同してくれる人を仲間にして行くのでしょ。」
「自分が長兄と言うのにそこまでの意味が有るの?」
「ええ、現代社会にはあまり存在しない義兄弟姉妹と言う存在、その中心には多くの人から愛されている我らが長兄、三郎さんがベストなのよ、今後一郎兄さんより年長の人を仲間に加えて行く事を考えてみて、その度に長兄は誰、なんて相談してたらおかしな事になってしまうでしょ。
 若いリーダーを全員で守って行くと言う組織は強いとも考えていてね、三郎さんに力が無かったらただのお飾りになってしまう所だけど、立派に会長の職務をこなしてくれてるのだから、自信を持って私達の長兄でいて欲しいわ。
 でも普段は私の可愛い弟でいてね。」
「う~ん、それでも本当にリーダーをお任せしたくなる人物が現れたら、みんなで考えて欲しいかな。」
「そんな人いるかしら、一郎兄さんだって多くの人に慕われているリーダーでしょ、一郎兄さんレベルの人だって少ないのに、三郎さんの魅力は更にその上ですからね。」
「麻衣さん、買いかぶり過ぎだよ…。」
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バトル-57 [高校生バトル-06]

「三郎、私達の義兄弟姉妹を拡大して行く話、三郎が長兄として引っ張ってくれるのなら私は賛成よ。」
「春子姉さんも僕をリーダーにしたいの…。」
「心配しなくて良いわ、年少者のリーダーに負担を掛けない組織を考えてのことだからね。
 ねえ、例えば一郎兄さんがリーダーになったら、みんなは兄さんに頼り切ってしまうと思わない?」
「う~ん…、そっか、リーダーを少し頼りない存在にすることで、メンバーの意識が高まると言うことかな。」
「三郎は頼りなくなんてない、でも、年少者のリーダーに負担を掛けたくないという意識を、メンバー全員が持つことは組織にとってプラスになるのよ。」
「うん、何となくは理解してるのだけど、先々を考えたら自分で良いのかとも思うし。」
「今後の事を考えてるから三郎が適任なの、梁山泊を目指すのなら尚更ね。
 義兄弟姉妹の発想は固い絆を作る話から始まったことなの、だから審査と言うか…、安易に受け入れ過ぎたくは無いのだけど、核になる私達八人の絆が強ければそれなりに拡大しても…。
 組織構成員が単純な利害関係だけで協力し合ってる団体とは全く違う組織が出来たら楽しいでしょ。」
「だよね、でも、どうなって行くのか不安も有る、仲間になりたいと思う人がいれば、そうは思わない人も居るでしょ。」
「やってみれば見えて来ると思うわ。
 そうだ、私達のライバルになってくれる組織を募集し、構成するメンバーの絆の深さで、バトルしてみるのも有りじゃない?
 敵と言うか競い合う存在が有った方が盛り上がる、えっと…、私達の主張と考えが異なる団体には公開バトルと称しての意見交換を提案してみたり、判定は一般市民にお願いしてさ。」
「う~ん、どんな団体が名乗りを上げるのかな?」
「政治団体、宗教団体が絡んで来るかもだけど、どんな団体が相手になったとしても人間社会を科学的思考に基づいてより良い方向に導くことを考えていれば問題ないでしょ。」
「平和なバトルで済めば良いけど…、ルールは必要だね、相手を誹謗中傷したり物理的攻撃は絶対NGだな。」
「そうね…、スポーツや知力で勝負するのは有りじゃない?」
「あっ、そうか、高校生バトルに立ち返っても良いね。」
「芽衣さんと亜依さんを受け入れるタイミングで、少し情報を流せば仲間の希望者は直ぐに増えると思うから、それまでに約束事をまとめないとね。」
「兄さん達はどうなんだろう?」
「遠い親戚までを含めた共同体構想が有るのだから賛成でしょ、今夜の食事会でみんなの構想が聞けると思うわ。
 私達は真子ちゃんが来るまでに、もう少し構想を練っておかない?」
「そうだね…、募集するのはちょっと違う気がするから、芽衣さん達みたいに自分から加わりたいと言う人を対象に、条件を明確にしておきたいかな。」
「三郎を長兄として尊重し、社会の為に…、夢バトルで各部署が掲げた目標に賛同し協力してくれる人ってとこかしら。
 三郎、お父さんが三郎の義弟になりたいって言いだしたらどうする?」
「え~、それって、訳が分からなくなる人続出でしょ。」
「お父さんもお母さんも仲間外れは嫌みたいよ。」
「そんなこと言ってたね…。」
「まあ、それぐらい混沌としてた方が、義兄弟姉妹の考え方が理解され易いのかも知れないわ。」
「でもさ…、お父さんから義兄と呼ばれる身にもなってよ。」
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バトル-58 [高校生バトル-06]

「次郎、義兄弟姉妹の話、有難うね、連絡したら芽衣も亜依も喜んでたわ。」
「俺の方が嬉しいよ、彼女達が希望してくれたお蔭で新たな展開が始まるし、二人とは麻衣が高校生の頃、結構一緒に遊びに行ってた仲だろ。」
「ふふ、妹達とはあの頃の思い出話しで結構盛り上がるのよ。
 性格とか全然違う三人なのに、三郎さんみたいな弟が欲しいと言う一点だけは一致していたでしょ。
 私達が結婚したら姉の義弟だから自分達にとっても義弟だって喜んでたのよ、まあ、義兄弟姉妹の一員になると、たまに長兄だけどね。」
「三郎は、年上に愛される術を心得ているからな、本人が意識してるのかどうかは分からないのだが。」
「亜依が言ってたわ、芽衣と喧嘩しそうになると悲しそうな表情をするから三郎さんがいると喧嘩が出来なくなったって、みんなで遊びに行く様になってから姉妹喧嘩が一気に減ったとか、言われてみればなのよ。」
「そうだな、俺も兄貴とはもっと兄弟喧嘩をしてもおかしく無かったと思う、春子や三郎の前では躊躇してたかな。」
「仲良し兄弟は私にとって魅力的だったわ、大輔も含めてさ。」
「大輔が春子に告った時は少し引いてたのだろ?」
「まだ次郎と付き合い始める前だったからね、でも、大輔は堂々としてたし、ふふ、春子の方がお前らより余程大人だって次郎が…、あの頃は楽しかったな、今も楽しいけど。」
「これからは分からないぞ。」
「ええ、でも苦楽を共にして行く仲間がいると言うことは、苦しさをも喜びに変えてくれるかも知れないでしょ。
 個人的にではなく、私達が正しいと信じた道を義兄弟姉妹が力を合わせて進んで行く、もっと楽な道も有るのだろうけど、次郎と、そしてみんなと…。
 少なくとも充実した人生を送れそうな気がしてるのよ。」
「そうだな…。
 それでさ、食事会の後、春子が話してたライバル集団のことを少し考えてたのだけどね、俺達みたいな集まりが沢山出来たら面白いと思うんだ、中には悪事に走る集団が出て来るかもだけど、それでも人と人との結びつきが希薄になりがちな世の中だろ。
 そんな中でさ、特に中高生ぐらいが真面目に考えてくれたらと思うんだ。」
「そうね、大人は真面目に集まったとしても利害関係に目が行きかねない、それはそれで良いのだけど、純粋な気持ちで仲間と呼べるものを、中高生の内に作って欲しくは有るわね、私達みたいに。」
「でさ、究極の高校生バトルとしてアピールし、社会問題とも向き合える集団を増やして行くのはどうだろう。」
「私達の義兄弟姉妹を拡大しつつ、各地に様々な義兄弟姉妹を増やして行くと言うことなのね、悪事に走らず、義を重んじるとか掲げて貰って。
 私達の目標には中高生の意識改革が有るのだから、それを進めて行く一つの手段として…、今時の中高生を乗せるのは簡単ではないと思うけど、やってみる価値は有ると思うわ。」
「真面目な子達が動いてくれたらな、形として、小さい組織が集まるという暴力団組織をお手本にするのはどうだ?」
「ふふ、その辺りは言葉を選ぶ必要が有るわね。
 話に乗ってくれるチームが出始めたら、その彼らと相談して行きたいわ。
 まずはどうスタートするか、素案をまとめて皆にも考えて貰いましょうか。」
「芽衣ちゃんと亜依ちゃんにもね。」
「ええ。」
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バトル-59 [高校生バトル-06]

「一郎兄さん、水滸伝ってどれぐらい読まれているのかな、梁山泊と言われてもピンと来ない人が多いんじゃない?」
「そうだな三国志程の人気は無いと思うが、梁山泊バトルのアピールを始めたら少しは増えるだろう。
 俺は小学生の頃に読んだが、仲間が増えて行くストーリーにワクワクしたのを覚えてる。
 まあ、水滸伝を知らない人には、志の有る人達が集まって国を救おうとする話、と言うぐらいの認識を持って貰うぐらいで良いだろう、企画の意図はしっかり伝えて行かないとまずいがな。」
「うん、暴走族のチームや暴力団の組織拡大とは根本的に違うからね、悪事に走るチームの方が簡単に拡大出来そうな気はしてるけど。」
「そう言う連中をも受け止め、犯罪に走る前に教育をと言うのが理想だが、難しいだろう。
 まずは、志の有る人がどれぐらい立ち上がってくれるか、そして市民としての意識を高め合う場を増やして行けるかどうかだ。」
「まずは、大輔さんが小学生の春子姉さんに告白し兄さん達三人が義兄弟になったと言う所から僕らの歴史を紹介だね。」
「ああ、仲良し義兄弟姉妹がどう形作られて来たのか、春子が生まれた頃にまで遡る事になるが、今まであまり表に出して来なかっただろ、だから三郎のファンを中心に注目してくれる人は多いと考えているんだ。
 梁山泊バトル、文章での紹介は春子に任せ、YouTubeでは昔の写真を見せながらみんなで振り返る、芽衣さんや亜依さんにも出て貰おうな。」
「うん、今の活動に繋がる色んな思い出を話して行けば、一回を十五分程度としても結構な回数になって、総再生回数も伸びると思うよ。
 お父さんとお母さんはどうする?」
「登場して貰うが歴史編の終わりぐらいに少しだけで良いだろ、俺達の若さを強調して行きたいからな。」
「歴史編の次は拡大編とか?」
「ああ、梁山泊バトルの進展を紹介して行けたら良いね。」
「アピールしても反応は弱いかも知れないよ。」
「まあな、でも、俺達の義兄弟姉妹に佐伯さんが夫妻で加わりたいと話してくれたし、大輔の親父さんも春子に話を聞いて、三郎の義弟になるのも一興だと話してたそうだ、そんな人達を紹介して行くだけでも話題は尽きないと思うよ。」
「そっか…、社長とか取締役が加わってくれるのは嬉しいね。」
「良いのか、大人ばかりが増えて。」
「今のメンバーだけだと、加わりたい人の整理がつかなくなると思わない?
 尊敬されてる人達が加わってくれたら、若手は安易に参加したいと言いづらくなり、自分達で義兄弟姉妹チームを作ろうってなるでしょ。」
「そうだな、そういう方向性が正解かもな。
 梁山泊バトルを通して誰もが素敵な義兄弟姉妹だと認めたチームとは同盟みたいな形で関係を強化して行きたいと思うが…。」
「考え方が近かったらでしょ。」
「ああ、価値観によって一般参加のチーム同士がくっついたり、時には分裂したりと言った動きが出て来るかもしれない、まあ、そう言ったことも良い経験になるだろう。
 う~ん、ただ…、少人数の固い絆も、人数を増やし緩い形で長く続けるのも悪くないとか宣言はして置くべきかな。」
「理想のチームに出来るかどうかを競うと言う一面が有って…、チームバトルのメインは社会に目を向ける事から始まるとすると勝敗は分かりにくくなりそうだよね、バトルはチームの自己主張が中心になるのかな。」
「主張を競い合うと言う一面も有るだろ、細かいルールやバトルは自由に提案して貰い、少しづつ形を作って行けば良いさ。
 今の高校生バトルで上位にいる人達が引っ張ってくれるのが理想だがな。」
「そうだね、既に有る仲良しサークルが名乗りを上げるかも知れないし、あっ、夢バトル参加者の中にはそのまま梁山泊バトルにも参加してくれそうなチームが有ったよ、地元を愛するボランティアサークルで、応援してる人が増えてるんだ。」
「そう言うサークルなら安心だな。」
「安心じゃないのは…、暴走族みたいな人達…、そんな人達が心を入れ替えて参加してくれたら、それはそれで面白いのだけどね。」
「う~ん、三郎がリーダーとか総長だとかになって、人に迷惑を掛けない遊びを教え込むってどうだ?」
「え~、リーダーとかになる前にボコボコにされるんじゃない?」
「学校のヤンキー系に目を付けられてる訳じゃないのだろ?」
「うん、誰とでも仲良くする様にしてるし、優しい先輩が多いからね。」
「だろうな、三郎をいじめたりしたら、どれだけ敵を作る事になるのか…、学校でもみんなの弟なのだろ?」
「同級生の女の子もね、僕の方が誕生日が早いのに。」
「彼女がいるから仕方なく、ではないのか?」
「でもさ、弟になって欲しいと言いながら、数学を教えて欲しいとも言ってくるんだよ。」
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バトル-60 [高校生バトル-06]

「一郎兄さん、こんにちわ。」
「ああ、真子ちゃん御免な、三郎達は帰りが少し遅くなるんだ。」
「はい、三郎くんから連絡が有りましたが、たまには一郎兄さんと話すのも良いでしょって。
 今ぐらいの時間なら荷物整理は終わってるだろうからと。」
「はは、何かな~、時々有るんだよ、どうして三郎に分かってしまうのだろうと思う事がね。
 卒業アルバムとかを見ながらのんびり整理していて、今し方終わったばかりなんだ。」
「ふふ、お茶でも入れましょうか?」
「冷蔵庫に真子ちゃんの好きなプリンが有るとか春子が言ってたよ。」
「わお、春子さん、春風堂のプリン、買って来てくれたんだ、一郎兄さん、少し待ってて下さいね。」
「うん。」

「兄さん、どうぞ。」
「有難う、なあ真子ちゃんは三郎や春子と付き合って来て不思議な気持ちになる事はなかった?」
「有りますよ、優しさに包まれてる感じで嬉しくて嬉しくて、家族からは性格が変わったと言われてますが、二人と出会ったからだと自覚しています。」
「春子の場合は、たまに兄をからかう様に、俺の考えてる事を言い当てたりとかして、最近はしなくなったのだけどね。」
「三郎くんは、私がして欲しいと思ってる事をしてくれます。
 付き合い始めた頃から、女の子として凄く恥ずかしい話まで真面目に話し合って来たからか…、ホントに私の事を大切にしたいと考えてくれてるのだと感じています、見せかけだけの優しさでは無く。」
「それは嬉しいね、俺と次郎は春子が生まれた時、絶対大切にしようって幼いながらに約束したのだけど、三郎が生まれた時には春子と三人で優しい子に育てようって、子どもながらにね。」
「三郎くんの面倒は一郎兄さん達がしてたのですよね、お母さまが本当に楽だったと話してみえました、うちの姉はガサツなので考えられないことです。」
「まあ、人それぞれだからな…、人それぞれと言えば、ねえ、高校にはヤンキーが居たりするの?」
「そうですね、校則違反をする人はいますが…、一郎兄さん達が生徒会で変えたそのままだと聞いてます、それ以前は今ほど平和では無かったのですよね。」
「ああ、春子が入学するまでに何とかして置きたくて頑張ったからな。
 生徒会による学校改革が話題になり偏差値が上がったとは聞いているが、後輩達はそれを維持してくれてるみたいだね。」
「ええ、高校生バトルのことも有って兄さん達の功績はみんなが知ってますよ。」
「三郎に学校のヤンキーをまとめて貰おうかとも思ったのだが。」
「三郎くんはYouTubeで有名だったのがテレビCMに出始めて、先輩方からもよく声を掛けられています、内容にもよりますが、三郎くんのお願いなら校則違反してる様な先輩方でも聞いてくれますよ。」
「そっか、この前の食事会では、義兄弟姉妹の話から好ましからざる組織の話が出てたでしょ。
 そんな組織でもトップが変われば何とかなるのではと考えていたんだ。」
「うちの高校ではヤンキーとか暴走族の話はあまり聞かないです…。」
「生徒会からの誘いは無いのかな?」
「会社の会長職をしていて忙しい事は皆さんご承知の事です、一郎兄さんの頃と違い平和ですから、三郎くんに頼らなくても大丈夫でしょう。
 今年の入試、志願者数が増えたのは三郎くん効果、その結果生徒の質が上がってると先生が教えてくれまして、さりげなく高校に貢献しているのです。」
「そうか、俺達の学校改革は結構苦労したのに、三郎は入学の意思表示をしただけで…。」
「ふふ、貢献度は一郎兄さん達の方がうんと上ですよ。」
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