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バトル-101 [高校生バトル-11]

「新党立ち上げに向けての大まかな話はこんな所だな、我々の考えを出し過ぎてはスタッフからの提案を拾いにくくなるだろ、春子。」
「そうね、具体的なスケジュールはスタッフと相談し、宣伝動画撮影の依頼は個別にして行きます。
 何か気付いた事が有れば、担当スタッフに連絡して下さい。
 最後に現時点で気になる事が有ればどうぞ。」
「春子さん、バトルとしての展開はどうします?
 直ぐにバトル開始とはなりませんが準備は始めて行きたいと思うのです。」
「麻衣さんの出産と重なりますが大丈夫ですか?」
「安心して産休に入りたいのですよ、新党関連でバトルを始めれば、高校生バトルの宣伝にもなると思います、特に高校生バトルと口にしなくても。」
「そうだな、春子がまとめてくれた案は、高校生中心のスタートを前提としていたが、その前提が変わっても、基本的な所を変える必要は無いと思う。」
「議員や首長を仲間内から誕生させるバトルは、元々被選挙権のない年代を対象として重視してなかったものね。
 高校生や大学生を対象とするバトルは、政治について学んだ成果を競い合ったり、実際の社会問題に触れてみて考えたことを発表して貰ったりかな、盛り上がりにくいかもだけど、それなりにアピールして進めて行くべきだね。
『人任せで良いのか、自分達の未来。』とか、キャッチコピーも考えようよ。」
「ああ、若い世代に対する政治教育と言うのも新党の目的だからな。
 三郎は学校でも動くのか?」
「うん、高校の生徒会には政治的な中立を強調しながら話を持ち掛け、担当の先生とも高校に於ける政治教育の有り方について話し合ってるんだ。」
「今の生徒会役員って三郎のファンばかりじゃなかったかしら、真子?」
「ふふ、先生方もですよ、他地区の高校生とバトルが始まっても簡単には負けませんし、エリート進学校の生徒とも意見交換して行きたいですね。」
「それは進めて行くべきだな、一流大学に進学し官僚になる人も居るだろうし、各界のリーダーになって行く人も少なく無い。
 違う価値観を持つ人と出会い、交流出来れば互いにプラスになると思うよ。」
「具体的には新党の高校生部会みたいな組織を立ち上げた方が良いのかな?」
「ああ、高校生のバトルは党員に限定しないが、党員は地域支部と高校生部会に所属みたいな形が分かり易いかも、高校生部会の立ち上げは三郎達で考えてくれるか?」
「うん、立ち上げはね、部会長みたいな役職は他地区から選出されるのが理想だけど、高校生党員が集まるまでは主導的立場を意識するよ。」
「他の部会は党員の考えに沿ってだけど…、三郎がここの地域支部、高校生部会、教育部会に所属と言うのも有りよね、まともに社会問題と向き合って行くのなら自然と部会の数は多くなる、市政研究会ではひとまず関心が集まってる問題を中心にしてるけど、それでも組織を分かり易くするのに苦労してるのよ。」
「研究課題が多くなるのは当然のことだな、国政を意識したら憲法とか、やっかいなテーマとも向き合ってく必要が有るだろ。
 このメンバーでなら意見の擦り合わせも比較的容易だが、党員の規模を拡大させて行くと妥協点を如何に見出して行くのか…、今の野党みたいに離合集散を繰り返す政党にはしたくないよな。」
「まさしく政治の難しさね、天皇制に関する事でも、私達の世代が全く気にしないレベルのことで意見が対立しててさ、正直、男系に拘るとかって心の狭さだと思うのよね。」
「だよな、でも、国政政党を目指すとなると…、新党が立ち上がったら党員の考えを聞いてみたいものだ、新党は古い政治体質を変えようと立ち上げるのだから、俺達の考えに近い人が多く成るとは思うのだけど。」
「次郎、党員アンケートを随時行える体制は早めに完成させる。
 麻衣さん、バトルの方もルールの案は出来てるのだから心配いらないよ、な、三郎。」
「はい、政治に関する高校生バトルは高校生主導で進めて行けそうです、随時報告して行きますのでアドバイス、お願いします。」
「そうね、三郎さんにお任せするわ。」
「麻衣姉さまと友香姉さまは生まれて来る子の為にものんびりしてて下さい、と、三郎兄さまは考えているのです、この歳で叔母になるのだと、ふと気付いてしまった私もですよ。」
「ふふ、雅ちゃん有難うね。」
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バトル-102 [高校生バトル-11]

「冷蔵庫にプリンが有るわよ。」
「うん、お母さん有難う。」

「春子、発起人になる条件が随分厳しめになってたけど、反響はどうなの?」
「市内の人には事前に情報を流していたから予定通り二十名ほどの人が応じてくれたわ。
 全国に向けての趣旨説明はこれから更に詳しいのを、いち早く発起人になってくれた人達と収録しYouTubeに上げて行く予定だけど、市外の人は発起人としてではなくボランティアスタッフ党員を募集し始めてから参加して貰えれば良いと考えていてさ。」
「発起人は充分な人数が集まったと考えているのね。」
「うん、いきなり人数が増えても対応が大変でしょ、一応、市政研究会の人が手伝ってくれる話しにはなってるけど、極力新しく仲間になってくれる人たちで回して行きたいと思うの。」
「でも、市内は兎も角市外の新しい仲間はどんな人なのか分からないでしょ。」
「そこなのよね、私達の主張に賛同し力強く党の拡大を考えてくれる人だとは思うのだけど、混乱が生じてもおかしく無いのよね。」
「混乱が起これば、そこで参加者の人物像が見えて来るでしょ、混乱を気にし過ぎないのも大切なこと、人間的に問題の有る人は早めに見つけ出し、その人が要職に就かない様にするのが理想かな、でも人の見極めって難しいのよね。」
「うん、党の要職に就いて貰う人には、議員候補と同等の試験や審査を考えてはいるのだけど。」
「雅ちゃんみたいに、猫を被ってるのかどうか分かりにくい人もいるからね。」
「お母さん、雅が猫被りと言うのはテレ隠しだと思うけど…、どう、夜中に泣き出すとかは?」
「大声を上げたりする回数は随分減ったけど、先週は余程嫌な夢を見たのか、三郎から離れられなくなってね、三郎は高校を休んだのよ。」
「学校への連絡は何て?」
「妹の具合が悪いので休みますと自分で電話してたわ、保護者としての自覚がしっかり出来てると言うか、母親としては少し嫉妬してるのよ。」
「うん、三郎の存在が雅を変えたと言うか、三郎がいなかったら…、私達では心の拠り所にはなれなかったと思うな。
 カウンセリングの話はどう?」
「もう少し様子を見てからにしょうかと、正直言ってカウンセリングの先生より三郎に任せて置いた方が安心な気がしてるのよ、普段は何の問題もないでしょ。」
「う~ん、ボランティアスタッフになってくれる人の中にも心に闇を抱えてる人が居る可能性を考えておくべきなのかな。
 最近の雅は表情も豊かになって安心してたけど、トラウマを抱えて…、真子はその話し知ってるの?」
「ええ、自分で話してたわ、結局、真子ちゃんがお母さん役になってるみたいね。」
「じゃあ、お母さんは雅のお婆ちゃんなのか。」
「ちょっと、よしてよ、もうすぐ孫が生まれるとは言え…、春子は体調に問題無いの?」
「うん、私は、まだ先だから…。
 ねえ、お母さん、生まれた時は無垢なのに人は成長して穢れてしまう生き物なのよね。」
「そうね、でも、春子は全然穢れて無いと思うわよ…、もしかして浮気をしてたとか?」
「まさか!
 そんな面倒な事を考えてる時間は無かったわ。」
「三郎のことが大好きだってこと、大輔さんは知ってるの?」
「勿論よ、子どもの頃からずっと一緒だったのだから。
 それよりこれから党所属の議員になって貰う人に対して浮気は絶対駄目と言う事になってるけど、お父さんとお母さんは大丈夫なの、過去に過ちとか無かった?」
「市長が、職場から寄り道しないで真っ直ぐ家へ帰って来るのは結婚してからずっとなのよ、付き合いの悪さで出世が遅れるかもと思ってたら、社内で浮気関係のトラブルが続いてね、長の付く役職に就くようになってからは部下の方を家へ招いてたでしょ、そんな事が有ってか仕事ぶりを社長さんが認めて下さったからか昇進は逆に早かったの。
 まあ、高校生で付き合い始めてからずっと、彼がその気になったら浮気相手には事欠かなかったと思うわ、でも、浮気なんて面倒なことに余計なエネルギーを使いたくないと話してくれてね。」
「なんだ、私と同じなのか。
 でもさ、浮気って色々有るのだろうけど、より強いオスがより多く自分の子を残そうとする本能的な部分も有ると思わない?」
「かもね、ただ、それを野放しにしてしまうと社会的に問題が有るでしょ。
 だから多くの国では浮気を悪い事とし、一夫多妻を認める国が少ないのだと思うわ。」
「皇位継承が問題になってるけど、昔なら側室とかがいて今みたいにならない様に出来たでしょ、時代が変わって公然と側室を持つことが出来なくなったのだから、もっと早くから対応の議論を深めておくべきだったと思わない?」
「そうね、でも政治家や官僚は制度を変えることに消極的だから…、ミスしたく無いと言う気持ちは分からないでもないけど、高学歴の人達でも意外と頭の悪さを露呈させる事が有るのよね。」
「ミスして野党に追及されると言うことでしょ。
 野党は野党で政権のイメージダウンしか考えて無い間に、自分達のイメージが悪くなってるって気付いてないみたいなのよね。」
「ホントに情けない人達だわ、春子、直ぐには無理でも絶対国政政党にしようね。」
「うん。」
「私も市会議員を目指すつもりで動くから。」
「分かった、お母さんを発起人の一人として紹介して行くけど、出馬予定を伏せて特に詳しく動画で紹介して行くね、現状を考えたらすでに当確だけど。」
「そんなレベルなの?」
「そんなレベルなの!」
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バトル-103 [高校生バトル-11]

「春子姉さん、一からボランティア中心の組織を作るのって問題無く出来そうなの?」
「そうね、各部署のリーダーを決める所から始めると言うのは思ってたより難しいみたい、一応、発起人の人達に仮のリーダーとなって貰い、組織作りの作業を進めながら皆さんの能力を見極め、分担を決めて行く予定だけど、あくまでもボランティアだから時間が掛かりそうなの、人数が増えて行くと調整が難しくなって行くけど、人数が増えないと話にならないでしょ。」
「多岐に渡るテーマに取り組んで行く必要が有るものね。
 でもさ、高校生部会のスタートは自分達の学習がメインになるのだから、全体の中では楽だと思うんだ、僕が発起人の一人として高校生部会の暫定的リーダーとなり、部会長選出を担当するから高校生ボランティアスタッフは募集を開始しても良いと思うんだ。」
「うん、ボランティアスタッフの募集と組織作りは当初の考えより遅れそうだけど、高校生部会は確かに単純な組織としてスタート出来るわね、大学生部会は市政研究会から担当責任者を出す方向で話が進んでるから、高校生部会と大学生部会は一般より前倒しの形でスタッフ募集や党員募集を始めても良いわ、三郎が動いてくれるのならその方向で指示を出すけど、それで良い?」
「うん、こっちは問題ないよ、すでに募集開始を待ってる人が二十人ぐらいいるからね。」
「やる気の程は?」
「授業後に自主的な学習会を始めたよ、学校側の許可も取った、校内であからさまな政治活動や勧誘活動をしないと言う条件付きだけど、興味の有る人はYouTubeを見てくれるからね。」
「もう始まってるって事なのね、じゃあ直ぐに手配して…、他校から参加してくれる人を受け入れて行く体制はどう?」
「それもみんなで考えてるよ、スマホかパソコンが有れば簡単でしょ。
 YouTube用の動画も自分達で撮影しようって話し合ってるんだ。」
「そっか、そっちは学生社員の担当を付けるわね。」
「学生社員って会社の?」
「学生職員と呼んだ方が良いのかな、会社の学生社員から党の職員に転職もしくは兼務、ボランティアでは無く主に事務的な仕事をして貰う人を確保して有るのよ。」
「予算的には大丈夫?」
「すでに注目されてるから、YouTube、新しいチャンネルの視聴回数が伸びてるでしょ、高校生が政治とどう関わって行くのかなんて海外の人でも関心を持って貰えると思わない?」
「分かった、英語版はしっかりした台本が必要になるけど、英語の先生を巻き込むのは簡単だから、直ぐにでも取り掛かるよ、生きた英語学習にも繋がるからね。」
「で、どれぐらいの人を巻き込んで行くつもりなの?」
「難しい事は出来ないけど手伝える事が有ったら手伝いたいと言う人は少なからずいてね、市内でイベントを開くのなら高校生ボランティアを集めるのは難しく無いと思うよ。」
「そっか、予定より時間が掛かりそうだけど、時間が掛かると勢いを失う恐れも有るでしょ、その辺りを高校生部会で考えてくれないかしら。」
「夏休みにイベント開催では遅いかな?」
「全然遅く無いわよ、企画によっては大学生にサポートして貰うのも有り、大人達に刺激を与えて党の組織固め、その原動力になってくれない。」
「分かった、じゃあ高校生ボランティアスタッフ党員の募集を始めると告知して進めてね。
 宣伝動画の内容は高校のみんなにも考えて貰うよ。」
「うん、お願い、でも公立高校だから先生とも相談して問題が起こらない様に気を付けてよ。」
「そうだね、集まる場所も学校以外にした方が良いのかな。」
「新居への引っ越しが進んだら、この家を使うのも有りね、お父さんには私から話しておくわ。」
「パソコンは使える状態のままにしておいてくれるの?」
「回線は大丈夫よ、引っ越し後のこの家は元々そんな使い方をイメージしてたから、でもパソコンは三郎のお小遣いで買ってね。」
「分かった、真子と相談して…、パソコンを党に寄付するのと、パソコン購入費用を党に寄付するのと、どちらが良いのかな?」
「あっ、そうね…、新党に関するお金の流れは全部公開して行くと言う方針だから、購入費用を寄付の方が良さそうな気がするけど…、物による寄付も公開して行かないと駄目なのよね、う~ん、この場合は税理士の先生に相談すれば良いのか弁護士の先生か…、法的な問題も有るけどイメージ的にどうなのかも判断したいわね。」
「姉さん、YouTubeで宣伝するからと言ってメーカーに寄付して貰うって手も有るよね。」
「パソコンの販売元が乗ってくれるかどうかは微妙だわ、でも営業担当に動いて貰う、企業との結びつきも考えて行く必要が有るでしょ。」
「政治団体と企業との結びつきってどうなのかな?」
「法律に注意する必要は有るけど、企業を構成してる人達も有権者でしょ。
 うまく行って面白くならないかな。」
「面白く?」
「各種団体もだけど、企業と既存の政党との関係が気になるのよね、私達の新党が大きくなると思って貰えたら…、そして新党が実際に政治に対して影響力を与えられる政党になれたら、利害が絡むドロドロしたことも起こりそうでしょ。」
「はは、確かに面白そうだ。」
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バトル-104 [高校生バトル-11]

「春子、無所属の国会議員から問い合わせが有ったと聞いたがどんな感じなんだ?」
「それがね…、うちの試験や審査を受けて所属になろうと言って来た人なのだけど、野党の離合集散の過程で無所属になった人でね、会ってみたら凄く偉そうに話すの。
 まあ、発起人会リーダーと言っても私みたいな小娘の対応で不快だったのかもね。」
「なんだ、うちの対象外だったのか、春子が新党立ち上げのリーダーだと言う事はマスコミが面白がって報道してるから知らない筈ないだろ。」
「だから自分の自由に出来るとでも思ったんじゃない。」
「成程、それでどう対応するんだ?」
「私としては、試験と審査を受けて貰った結果、不合格だったと発表したいのだけど…、ただ、うちにとっては貴重な国会議員になるかも知れないでしょ。」
「そうかな、こちらが拒否したら次は落選だろ、そんな人。」
「うん、スタッフはそう分析してる、でも…、国会議員と言う肩書は貴重よ。」
「現職国会議員の参加を断った新しい政治団体と言う話題をマスコミに提供出来るだけで充分じゃないか、なんなら高校生部会立ち上げリーダーとの対談をセッティングし新党の宣伝に一役立って貰ってから、さようならと言うのも面白いと思うな。」
「さよならを前提にとは、お主も悪よのう…。
 でも、それが一番有意義なロンリー国会議員の利用方法かもね、私達の政治改革に対する想いを国民に伝えて行くには。」
「ああ、ここで妥協しない姿勢を示すことは、うちの支持者を増やす原動力になって行くと思うんだ。
 目先の国会議員一人に妥協する以上の成果に繋げて行こうよ。」
「分かったわ、私との対談は録画して有るから、時間が有ったら見てね。」
「ああ、それで今後のスケジュールはどうなった?」
「まず、高校生部会のボランティアスタッフの募集を、こう言った仕事をして欲しいと具体的に提示して直ぐに始めるの。
 でね、今の一般向けスタッフ募集要項案では仕事内容など、曖昧な部分が多いと三郎から指摘されてさ、そこを修正すれば組織構築も楽になるだろうと、発起人会は急いで修正作業を進めてるのよ。」
「言われてみればそうかもな、こう言う作業をする人を募集とすれば応募もし易くなるだろう。」
「ええ、発起人会の混乱はそれで解決しそうよ。
 高校生部会の方はシンプルだから先に動き、形作って行く事で方向性を示せるかもと、三郎がね。」
「成程。」
「高校生部会の応募状況や組織作りを見て、大学生部会も募集を始めて行き、一般からのスタッフ党員募集に繋げて行く、そんな流れになりそうなの。」
「三郎が先陣を切るとなると、マスコミも注目するだろうな。」
「悔しいのはギャラを発生させにくいことでね。」
「そこまで欲張らなくても良いだろ、YouTubeの視聴回数が伸びるだろうし、党のグッズ販売も考えてるのだから、良い宣伝になるさ。」
「でもさ、今、ギャラの設定をしたら一番高く出来るのが三郎なのよ、ギャラの額でマスコミの思惑も読めるでしょ。」
「マスコミとの関係か…、味方に出来れば心強いのだから、取り敢えず目先のギャラは諦めようや。」
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バトル-105 [高校生バトル-11]

「三郎、高校生部会はボランティア党員の募集を始めてみてどうだ?」
「滑り出しは順調だよ、お父さん、登録してくれた人達は直ぐにスタッフとしての仕事を始めてくれてるからね。」
「簡単な作業なのか?」
「うん、新規登録者に対して登録有難うってメッセージを送って貰ってる、自動メッセージも考えたけど、それでは味気ないでしょ。
 その時に公開プロフィールのチェックもして貰って問題が有れば報告、複数のスタッフで確認してから修正依頼、実際、出会い系と勘違いしてる人がいてね。」
「スタッフとして不適格とか?」
「その辺りは直ぐに判断しないで様子を見るけど、システム上、要注意人物扱いになったことは本人に分かるからね。
 今まで三人いたけど、きちんと謝って来た二人は扱いを解除されたよ、真面目な人と仲良くなれたらと思ったそうで、表現に問題が有ったと反省し真面目に取り組みたいと話してくれたそうだ。」
「その辺りの判断は誰が?」
「担当チームを組んでいてね、今は僕の同級生が仮のリーダーになってる。」
「仮と言う事は…、正式なリーダーはどうやって決めるのだ?」
「そこはチームに任せて有るけど、市外からも積極的にチームに入って貰い、うちの初期メンバーは仮のリーダーを残して全員抜けて行くことを前提にしてるからね、でないとうちの高校ばかりが目立ってしまうでしょ、そんな事も全て全登録者に告知して担当を考えて貰ってるんだ。」
「そうか、大人達も参考に出来そうだな。」
「うん、この先は政治に関する学習や討論が中心になってくからね、大人達にとっても学習は大切なのでしょ?」
「ああ、発起人になってくれた人もそう話してた、ただ、高校生部会同様力まずにシンプルに考えてくれれば話は早いのだろうけど、そうも行かなかったみたいでな。
 目に見える成果を上げて新党に弾みをつけたいと皆さん考えておられるからね。」
「それは高校生も考えてるよ、お父さんの選挙運動時に沢山の動画でアピールしたでしょ、同じことを高校生部会でやって行こうって、他校の人達も賛成してくれてテーマ別に台本造りのチームが出来つつ有ってね、そのチームが高校生部会の組織を形作って行く事に繋がると考えてるんだ。」
「テーマ別にアピール動画を制作するには学習する必要が有ると言うことかな?」
「うん、他校からの登録者も直ぐに理解してくれてね、みんな僕達の主張に賛同してくれた人ばかりだから話は早いよ。」
「大人達もそうで有って欲しいが、大人は色々なしがらみが有るからな…。」
「はは、部会対抗バトルになったら高校生部会が勝てそうだね。」
「高校生部会の動きは何時頃公表するんだ?」
「明日収録して早ければ明後日にも、気にしてくれてる人が多いから早めにと考えてね、ただ遠方の人にリモートで参加して貰うのは初めての事だから準備に手間取るかも。」
「スムーズに行き過ぎない方が良いかもだぞ、色々手間取ったり共に苦労して仲間の絆が強くなっていくのだからな。」
「知ってる、お母さんとは高校の生徒会で共に苦労して絆を深めたのでしょ。」
「はは、選挙運動の為とは言え少し個人情報を出し過ぎたかな…。」
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バトル-106 [高校生バトル-11]

「三郎、高校生部会の進捗を紹介する動画は発起人会に大きな影響を与えたみたいよ。」
「どんな感じで?」
「少し考え過ぎていたと反省する声が増えてね、高校生部会同様、スタートはシンプルが良いのかもって。」
「春子姉さん達もシンプルな立ち上げを考えていたのだよね。」
「そうだけど、私達の考えを出し過ぎない様にとも考えてたから、私達が引っ張るより高校生部会がリードする形になって良かったと思うわ。
 そのまま高校生バトルの宣伝になってるって、麻衣姉さんも喜んでたのよ、ほとんどのスタッフが高校生バトルの利用者でしょ、利用者は真面目で前向きと言うイメージが定着するかもって。」
「そうなると良いね、姉さん達、予定日が近付いてるけどどう?」
「特に問題は無いみたい、でも、初めてだと難産の確率が高いと聞いてて心配なのよね。」
「学校では叔父さんになる心境を聞かれてさ、二人の予定日が近い事も知れ渡ってるから、その十月十日前に何が有ったとか、女子達は興味津々なんだ。」
「どうなの、どさくさに紛れて三郎の子を産みたいとか言われてない?」
「うん、なんか妄想してそうな子がいてね、認知してくれなくても良いとか…。」
「彼氏が出来無さそうな子なの?」
「そうでもない普通の子だよ。」
「三郎は罪な男よね。」
「そう言われても…、真子がいるし…。」
「少子化対策として一夫多妻を認めるってどう?」
「どうと言われても…、男女逆だと少子化対策にはならないのか…、でも既婚率は上がるのかな…。」
「雅の気持ちを考えた事は有るの?」
「そ、それを言う?
 真子と話し合ってはいるけど結論は出ないよ。
 いきなり好きな男の子が出来て紹介してくれるかも知れないだろ。」
「その確率が低い事は分かっているのでしょ。」
「今はね…、妹としてとてつもなく愛おしい存在なんだ。
 雅は口にしてる程、結婚とかを意識してる訳では無いと思う…、まだね、でも真子は雅の将来を気にしてて…。」
「私が雅ぐらいの時には大輔さんとの結婚を意識してたわよ、告白して貰う前から。」
「大輔さんは姉さんしか考えられなかったと、僕だって真子だけで、雅と結婚だなんて考えた事は無いよ、でも大切な妹が今以上に傷つくのは耐えられないと真子には話してる。」
「真子は何て?」
「社会的に認められて無い形の三人になるのは構わないけど、それで僕の社会的活動が制約されるのは心苦しいとか…、真子は雅の事を大切に考えてて、答えの出せない状況に涙を浮かべてた。」
「雅は愛人とか妾とか冗談ぽく口にするけど、今なら、この状況に対して世の中の人がどう思うか聞いても良いんじゃない?」
「う~ん、雅と真子がそれで落ち着けるのなら良いのだけど。」
「同性婚とかが話題にもなってるでしょ、私が三郎の子を孕むのはとてつもなく問題だけど、真子と雅なら…、勿論雅が大人になってからの話しよ。」
「う~ん、新党の発起人だから絶対ダメと言う考え方と、新党の発起人だからタブーとされてる事に対して問題提起と言う考え方が有るのかな、でも、出自で悩む子の話も聞くよね。」
「三郎が堂々と婚外子の存在を公表し、子ども達を区別しない家庭を築ければ良いんじゃない?」
「ねえ、姉さんは他人事だと思って楽しんでない?」
「近親相姦による弊害が有る訳でなし、当事者が納得しての事なら法律なんてどうでも良いのよ。」
「う~ん、新党が誤解されないかな。」
「そうかしら、少子化を意識しての問題提起、新党に対する注目度が上がるのなら有りでしょ。」
「注目度は高校生部会で普通に上げて行くから心配しないでよ、姉さん。」
「まだ結論を急ぐ時では無いけど…、三郎は雅のお父さんでも有るのでしょ?」
「今はそんな感じかな、雅がトラウマを抱えて無かったら失恋も人生経験だと話せるのだけど。」
「ふふ、人生経験だなんて、ナマ言っちゃって。」
「雅の方が有る意味人生経験が豊富なんだよな…。」
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バトル-107 [高校生バトル-11]

「真子、高校生部会は凄く順調に組織構築が進んでる様に感じられるのだけど、間近で見ててどう?」
「わが校のアイドルが先頭に立っていますからね。
 揉め事も無く新党を紹介する動画の撮影が進んでますよ。
 我が校ばかりを目立たせたくないと言う三郎の考えを受けて各地でも、家の近い人が集まって録画したのを送ってくれ、それを編集してYouTubeに上げると皆がSNSを利用して宣伝してくれると言う体制が整いつつ有ります。
 新しい仲間も今の政治に疑問を抱いてた人達、有権者になった時に一票入れたくなる人を私達の党から立候補させたいって声も出てますよ。」
「そんな声は大人達にどんどんぶつけて欲しいわね。
 市政の後押しは余裕で出来そうな雰囲気だけど、他の市町村や国政に関してはまだイメージしにくくてさ。」
「新党に参加したいという国会議員の方はどうでした?」
「残念ながらハズレだったの、我らが新党所属議員として推すべき人では無いとの結論に達したわ。
 もっともらしい事を口にはするけど、人としての魅力を全く感じられなくて。」
「そんな人でも国会議員になれてしまうのですね。」
「選挙の時には党に所属していて、今よりは謙虚だったのかも知れないでしょ。」
「立場が人を育てると聞いた事が有りますが…、逆も有るのでしょうか。」
「そうね、私との対談映像をYouTubeに上げたら次回の落選は確実だと言う意見が多くて…。
 ご本人の了解を得られたら、議員審査の結果と共に公開するのだけど。」
「そんな対談だったのなら、公開して欲しくないと言って来ますよね。」
「その辺りが…、野党の人達って何故自分達の支持率が低いのか分かってなさそうでしょ。
 彼も私に対して偉そうな態度を取ってたのだけど、彼なりに自信を持って公開出来る対談だと考えてる節が有ってね。」
「春子さんとの対談風景を見てませんので何とも言えませんが…、もしかして…。」
「そう、ただのおバカさんなのよ、国会議員になり裸の王様になったみたいなね。」
「う~ん…、高校生部会がその人に対して批判的な言動を取らない様に気を付けないと駄目なレベルでしょうか?」
「誹謗中傷をして党の品位を疑われるのは嫌でしょ、間接的な批判を展開し、やんわりと退場に追い込める方法を検討した方が面白いと思わない?」
「直接的な誹謗中傷なら頭の悪い人でも出来るけど、ってことですね。
 その議員さんに関する発表が有る前に、高校生部会で意思統一出来る様に提案しておきます。」
「意見交換の場で対立は起きてないの?」
「まだそこまで議論が進でませんので、でも、三郎を始め初動スタッフ全員が後からの登録者を尊重する姿勢を強く示していることも有ってか雰囲気は悪くないです。
 私達のことはYouTubeを通して知ってる人ばかりですからね。」
「今までの活動が活きていると言うことかしら?」
「はい、私達にとっては始めましての人でも、私達のこと、特に三郎のことには詳しい人が多いですから。」
「その彼女で有る、真子に対する風当たりが強かったりはしてないの?」
「全然大丈夫ですよ、私の同級生でも、恋愛ドラマの主人公が身近にいる様なもので自分は脇役だと話してくれます。
 あなたが主役のドラマも考えなさいって言ってるのだけど、今は脇役として三郎に対する淡い恋心を青春の想い出としたいのだとか。」
「雅もそんな感じになってくれたら良いのにね。」
「まだ精神的に不安定な時が有りますから…。」
「真子には隠さないのかな?」
「ええ、毎日抱きしめているからか。」
「そっか、私はなかなかハグして上げられないし。」
「春子さんの立場は雅も理解してますからね、彼女なりに色々考えているのですよ。
 でも、嫌な事を簡単に忘れられるぐらい頭が悪かったら、もっと楽なのかも知れません。」
「そうね…、楽しい思い出を沢山作って上げるしかないのかしら。」
「はい、詩織も雅の嫌な思い出は楽しい事で上書きしたいと話してくれます。」
「詩織と一緒の時は問題無いの?」
「そうですね、以前は楽しそうに話してても少し表情が硬くなってる事が有りましたが、最近はそうでもなくなって来てます。」
「しっかり見てくれてるのね、真子にはすっかり負担を掛けてしまってごめんね。」
「いえ、私達の妹のことですし、正妻の座を奪う気は無いからと…、生意気な子です。
 でも、素敵だと言われる女性になりたいと話してくれて、どう成長して行くのか楽しみなのですよ。」
「ふふ、すっかりお母さん目線なのね。」
「お姉さん目線です!」
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バトル-108 [高校生バトル-11]

「三郎、高校生部会の評判が良いからと、大学生部会は広報活動を高校生に任せ、このまま市政研究会の活動を検証したり、国政に対する研究を進めて行く方向になりつつ有るのだけど、どう?」
「そうだね…、大学生部会の動きは一般党員にも広げて行くのでしょ。
 そう言ったことも高校生部会で伝えて行く、うん、当面の役割分担としては悪く無いと思う。」
「大学生の間でも、スタッフになってくれた高校生のレベルが高いと評判なのよ。」
「それは…、高校生バトルで上位に食い込んでいる人達が真っ先に手を挙げてくれたことで自然と。
 生徒会の役員も結構いて真面目な人ばかり、進学校の人も少なく無いから、大学受験との兼ね合いが心配だと発信したのだけど、どちらにも真面目に取り組むことで気分転換が出来る、と言う返事が返って来てさ、それに賛同する人も多く、高校生バトルではライバルとして戦い、高校生部会では仲間として協力し合うって最高に楽しいかもって声も。」
「うわ~、青春してるな~、その辺りもYouTubeで伝えてよ、素敵な子達が集まってくれたのね。」
「うん、うちの連中にはそれ程でも無い人がそれなりにいるのだけど、影響されてるみたい。」
「互いに刺激し合ってるとか?」
「注目を集めてる人達の高校生バトル参戦情報も流れてるからね。」
「三郎だけでなく?」
「ああ、数学バトルトップクラスの人が、ダサカッコ良いとか言われて人気が出て来てるよ。」
「それって…、褒めてるのよね…。」
「お洒落ではないのだけど人として魅力が有るそうで、大輔さんだって姉さんが気を付けてないとダサい恰好をしそうなんだろ。」
「無頓着なのよね~、私以外の女性に好かれる必要は無いと考えていて…、それは悪く無いのだけど私のセンスまで疑われる格好は止めて欲しいの、でも…、私にも責任が有るのよ…。」
「はは、大輔さんから聞いたよ、高校で女子からモテモテだったら嫌だって春子姉さんが言ったのだろ?」
「彼って性格が良いでしょ、実際告られてもいたのよ、さすがに中学生になったばかりの私では女の魅力で勝負出来ないと思ってね…。」
「はは、中学一年生の頃はそんな事考えてたんだ、それでも子どもが生まれたら大輔さんの服にまで気を回してられなくなるんじゃないの?」
「どうかしら、子どもが出来てどう変わって行くのかは、まだ分からないのよ。」
「高校生部会では姉さん達の赤ちゃんを新党のシンボルにしたいと言う声が出てるのだけどね、赤ちゃんに組織固めを手伝って貰うと言うか。」
「どんな感じで?」
「新しい命、この子の為に私達はどんな未来を描くのか、と言うのをテーマにしてさ。」
「そっか、無事に生まれてくれたら考えても良いわね、姉さん達にも話しておくわ。」
「僕らが先に大人になるのだから責任が有ると考え、新党が変えて行かないと今の社会問題は解決されないでしょ。」
「そうなのよね、解決しようと大人が真剣に考えたら…、大学生部会には変えられると考えてる人が多いのだけど。」
「それなら、大学生は高校生部会からの取材に応えてくれるのかな?」
「勿論よ、高校生と大学生の繋がりも少しずつ深めて行くべきでしょ。
 新党立ち上げを高校生目線で紹介してくれていることで、本当に新しい政治団体なのだと分かって貰い易くなっている、そこを強化して欲しいわ。」
「じゃあ、大学生側の窓口は?」
「直ぐに連絡を取って高校生部会の担当者と繋ぐわよ。」
「担当リーダーは北海道在住の安田さん、因みにサブは福岡在住の森田くんでね、決まったばかりだから彼らにとって初仕事になるのかな。」
「遠くの人ともコミュニケーションは取れてるんだ。」
「うん、お年寄りでもテレビ電話を気軽に使う時代だからね。
 二人とも自分の将来を見据えた上で大人との交渉を経験したいと名乗りを上げてくれてさ。」
「そう言うのって会議で決めてるの?」
「意見交換の掲示板をベースにしつつね、無駄な時間を発生させない工夫をし、時にはネット会議と言う感じ、それらの記録は編集して公開も考えてるんだ、これから高校生部会の役員選挙が始まるからね。」
「投票の参考になればと言うことなのね、選挙はどんな形になるの?」
「今回は人数を制約する必要が無いと考え、立候補者に対する信任投票、各地方支部を想定したら、役員が百人いても足りないでしょ。
 部会長は役員で話し合い、必要が有れば役員の投票で決定すると言う方針なんだ。」
「問題無く決まりそうなの?」
「そこは少し微妙でさ、僕を部会長にしたいと言う声が多いのだけど、そうじゃない方が絶対に良いでしょ。」
「そうね、すでに同族企業ならぬ同族政治団体と言う批判も有る…、でも、そんな批判をする人達は三郎が部会長にならなくても、裏で操ってるとか勝手に書くんじゃない?」
「はは、安田さんも同じ様な事を話してたよ。」
「ふむ、社会の事が見えてそうね、その安田さんは。」
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バトル-109 [高校生バトル-11]

「当初の考えより随分時間は掛かったが、何とか新党結党大会に漕ぎつけられそうだな。」
「次郎兄さん、急いては事を仕損じるとも言うでしょ、時間が掛かった分、色々な事が見えて良かったと思うのよ、新党の紹介や党員募集を高校生部会が主導してくれて若さを強調出来たし、同じ日に生まれた真愛ちゃんと光くんは生まれながらにして党に貢献してしてくれてるでしょ。」
「ああ、我が息子が生後二週間でデビューとは思ってなかったけどな。
 まあ、高校生部会が党員を分けて募集したのに習ったお蔭で、大学生部会も一般党員も各党員の立場が明確になったのは良かったと思うよ。」
「そうね、党の幹部候補、ボランティアスタッフでも日常的に動く人とイベントの時だけと言うサブ的な人、党の方針に賛同して応援してくれる一般党員と分けられて、一先ず一般党員となった人でも、選挙になったら動いてくれる、その選挙が問題だけど、高校生たちは今後の各種選挙日程を調べているのよね。」
「ああ、当初、発起人からは高校生部会を後回しにする意見も出てたけど、高校生に対する認識を改めてくれただろう。」
「高校生バトル運営スタッフの立場で発信して来たことに賛同してくれての参加者が多くて、一般の高校生党員でも、大学進学後はスタッフとして手伝いたいと言う声が結構来てるのよ、大学進学後の目標をきちんと考えてね。
 志を同じくする人が集まると、組織構築も然程難しく無い事が分かって良かったわ。」
「でも、これから派閥が出来るだろうし、参加者は地域によって偏りが有る。
 何と言っても、まだ正式には所属市長が一人だけの政治団体だから、これからだぞ。」
「うん、それでも、市町村議会の議員や首長から党所属の打診が少しずつ来てる、例の国会議員をお断りしたことが好意的に受け止められてるみたいでね。」
「ハードルの高さを意識されるかもと思っていたのだがな。」
「私と彼との対談映像を見た常識人は、誰でも受け入れる様な党には興味が無いと話してくれたわ。
 選挙の為なら根本的に信条の違う政党とも組むような野党とは一線を画した政党として成長させたいともね。
 高校生部会が発起人会と連絡を取りながら、党の方針をまとめてアナウンスしてくれてるでしょ、その印象がとても良いとも聞いたわ。」
「批判めいた事をキャンキャン吠るだけの政治家とは違うからな、今の国会議員より有能な高校生が居てもおかしく無いと思うね。」
「高校生達も政治家とその能力、職業としての政治家などのテーマを考え始めるそうよ、誰が将来立候補すると言うより、政治家としての資質についてなどの討論風景を公開し、広く意見を求めて行くのだとか。」
「大人達がのんびりしてたら怒られそうだな、大学生もだが被選挙権が無いのが残念だよ。」
「それに関して、三郎が面白いことを考えてたわよ。」
「どんな?」
「立候補するのはチームリーダーで、実質的にはチームとしての政治家を目指すの、個人では無くね。
 今でも秘書が居てバックアップは有るのだろうけど、もっとチームを表に出す形。」
「国会議員ならともかく、地方議員だと人件費の問題が有りそうだな。」
「確かにそうだけど、これから新党所属の議員として立候補して貰う時には、バックアップしてくれる党員チームの存在を前面に出して良いと思うのよ、正式な立候補者にだって得意不得意は有る訳でしょ、苦手な部分をフォローしてくれる存在がいれば、有権者も安心出来ると思わない?」
「そうだな…、まずは親父のスタッフ達にチーム名を付けて前面に出してみるか?」
「その反響を見て今後について判断と言うことね、お父さんとも相談してみるわ。」
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バトル-110 [高校生バトル-11]

「…、と言うことなんだけど、お父さん、どう?」
「なるほど、選挙の時でもチームとして動いたら強いだろうな、勿論チームリーダーとしての資質は問われるだろうが、普通は政治家個人の名前しか表に出ないとこを…、春子、発言に対して責任を負うのは個人でも、実際に仕事をしてるのはチーム、悪くないと思うよ。
 私の場合、市長の考えとして話してることでも市政研究会の意見が入っているからな。
 チームの存在を強調することで個人的な考えではないのだと理解して貰い易くなるだろう。
 う~ん…、そうだな…、春子は市会議員の牧村さんと話したこと有るか?」
「えっと…、体のあちこちが悪いにも係らず選挙を無投票にしない為にと立候補してくれた人でしょ、挨拶程度しかしたことないけど。」
「彼とは、後継者問題の相談をしててね、新党の規約に対して健康面で問題が有るから彼を新党の所属議員には出来ないと考えていたが、チーム牧村としてならどうだろう?」
「そうね、メンバーは市議会での議決に対して直接関われないけど…、チームのメンバーに心当たりは有るの?」
「ああ、次回の市議会議員選挙に向けて三人の自営業者が名乗りを上げてくれただろ、彼らにチーム牧村として動いて貰い、選挙に備えて知名度を上げて行くというのは悪い形では無いと思うんだ。」
「そうね、秘書から政治家と言うパターンも有るし、市政研究会の市会議員候補擁立チームにも参加して貰って…、チーム牧村とチームお父さんの二つを検討して貰えば良いのかな。」
「なんだ、その、チームお父さんって?」
「仮の名だけど印象に残る名前にしたいの、お父さんを長兄とする義兄弟姉妹ともして行きたいのだけど…、ねえ、市政研究会の市長直属スタッフを、市の学生職員という立場にする案は通りそうなの?」
「ああ、非常勤で秘書室所属になるが、災害時には一般の市職員と同等の仕事をお願いしたり、人手の必要な時には学生バイトのリーダーになって貰うと言った条件付きでの公募になる、十名程度の予算は何とかなりそうだよ。
 実質的には新党の大学生党員が対象になると、反対意見も出たが、今まで彼らが無給で動いて来た実績は大きいし、学生職員のバックにボランティアで動いている多くの市政研究会メンバーが存在してる事を考えたら、とてつもなく効果的な税金の使い方だと理解して貰えてね。」
「仕事に見合った給料になるのかしら。」
「妥当な額になりそうだよ、学生の意見も聞いてるからね、希望が有れば大学卒業後、市の正規職員として採用する道筋も検討しているんだ。
 そんな事とは別に、市政研究会から市の行ってる全ての業務を手分けして見て行きたいと言う話が来てな、今まで市役所の業務を表面的にしか見て無かったが、トコトン調べ研究し問題点を精査して行きたいとね。」
「受けるの?」
「勿論さ、市政改革に向けマスコミ関係を交えた形でね、時間は掛かるが聖域なしで市政の細部まで見直して行くことは市政だけでなく組織運営の参考にもなるだろ。」
「いよいよ、私達らしさが前面に出始めるのね、動画での記録を残す体制も強化が必要かな。」
「やはりYouTubeか?」
「ええ、膨大な量になるだろうから、一本当たりの視聴回数が伸びなくても赤字にはならないと思うの、調査した現状と改善後のビフォーアフターを良い感じで伝えられたら稼げるかも。」
「それは、どこの収益になって行くんだ?」
「市か党か…、例の公園整備費用に充てて、公園名を市政改革記念公園にするってどうかしら?」
「取らぬ狸の、になっては面白く無いが。」
「大丈夫よ、私達にはノウハウの蓄積が有るからね、う~ん、お父さんの名を冠した公園名の方が良いかしら?」
「勿論却下だ、そう言う政治家を否定したくて市長になったのだからな。」
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