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二学期-251 [花鈴-26]

「お父さんは、世の中の人々がラブアビス国のことをどう捉えると思う?」
「まあ、過疎地再生の取り組みだと理解してくれるのではないかな。
 その中身が良ければ応援してくれるだろうし、そうで無ければ頭から消えて行く、そんな感じだ。」
「そうよね…。」
「YouTubeチャンネルではどうアピールして行くつもりなんだ?」
「新たなチャンネルを作り、バーチャル国家を真面目に構築して行く過程をドラマ風に出来たら面白いのだけど、登場するのは役者では無いから難しそうなの。
 大長老は演劇の基礎、なんて本を読み始めてるのだけど。」
「田中社長は本気なのだな。」
「社長と言う役割は普段から人に伝えると言う作業が重要なのでしょ、部下に指示を伝えたり取引先との交渉とか、大きな声では言えないと話しつつ普段の仕事にも生かされると話しておられたわ。」
「そうだな、社長の仕事を卒なくこなすには時として演技力が試される…。」
「相手を説得する時とかに?」
「有能な経営者は詐欺師になれるぐらいの力量が必要なんだよ。」
「詐欺師か…、口八丁で勝負なのね。」
「ああ、説得力の有る話しが出来ないと詐欺なんて無理だろ。
 だが、それは商売の基礎でも有るんだ。
 新たに取引しようと言う相手の情報を調べた所で完全とは言えない。
 だから新たな取引のスタートを成功させられるかどうかなんてことは、詐欺を成功させられるぐらいの話術に掛かっているんだ。」
「詐欺って…、お父さんは騙されたこと有るの?」
「騙され掛けた事は有る、もっともらしい儲け話を持ち掛けて来た人物がいてね。」
「へ~、でも騙されなかったのね?」
「不自然な言い回しが気になって、保留し調査したんだ。
 その時の相手は急がないと他と契約するとか話し始めたから、一気に信用出来なくなった。」
「詐欺を考えてる人は時間を掛けるとバレるかもと焦るのかな?」
「だと思う、これからは花鈴も狙われるから気をつけるんだぞ。」
「うん。」
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二学期-252 [花鈴-26]

 バーチャル国家ラブアビスのスタートは十二月、通販などを本格的に始めるのは年が明けてからじっくりと、そんなスケジュールが出来上がり、開国までの設定を紹介する動画と新国家樹立を宣言する建国祭の動画撮影が始まった。
 バーチャルだからこそ出来るファンタジーとリアルを融合させた形を目指し…。

「それにしても建国祭で着る私の衣装って無駄が多過ぎると思わない?」
「心配しなくて大丈夫、建国祭の後は姫の部屋セットのカーテンになるのよ。」
「うっ、カーテンを着るのか…。」
「いやいや、花鈴姫の偉大さを象徴する衣装がカーテンとして再利用されるだけだから、破いたりしないでね。」
「あの特大サイズは着たら動けないの、破くことも出来ないわ。
 ねえ絵梨、あれは誰が考えたの?」
「誰がと言うか、安い布で豪華に見せるにはと、皆で考えた結果なのよ。
 ドローンでないと全部を撮影し切れないドレスでギネス入りを狙ってるのだけど、姫の部屋もそれっぽくしたかったから無駄は無いの。」
「建国祭と言っても映像だけだから…。」
「だから、インパクトの有ることをしないと注目されないでしょ。
 あの馬鹿げたサイズのドレスならテレビ番組で取り上げられると思わない?」
「そっか、取り上げて貰えたら安い物、取り上げられなかったら…。」
「そうならない様に動いてる人がいるから大丈夫、テレビ局としてもネタが欲しいのよ。」
「そのまま継続的にテレビで紹介され続けられる形に出来ると良いのだけど…。」
「あっ、そうよね、それをスタッフの目標に加える様に話しておくわね。」
「絵梨的には主役の座が私で良いの?」
「勿論よ、あんなめんどくさいドレスなんて着たくないわ。」
「でしょうね…。」
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二学期-253 [花鈴-26]

「姫、それで、ラブアビス国の方向性は固まって来たの?」
「まあね、設定はここの隣に存在する国だけどネットでしか訪れることの出来ない国。
 通販サイトとして田舎の魅力を伝えて行くのが一つの取り組み。
 もう一つはギフテッドの人達や隠れた研究者に日の目を当て手助けの必要な人に手を貸す取り組み。
 まずは人々に興味を持って貰う必要が有るのだけど、建国祭の動画撮影以降どう配信して行くかはラブアビス国に参加する大学生達が検討してくれることになってる。
 我が社はその運営を。
 ギフテッド関連は直接的な利益に繋がらないかもだけど、宣伝効果は有ると考えてるの。
 通販サイトで扱う商品は地元の物が中心になるけど、ラブアビス国で販売することに違和感の無い商品なら何でも有りかな。」
「そう言えばフェアトレードの話が出てたわね。」
「ええ、商品をここまで運んで来る必要は無いから名古屋の倉庫に委託する形になる。
 ボランティア的な意味合いも有るから、お父さんの会社と交渉中なの、赤字にする気は無いから。」
「難しいと話してた人がいたけど成功しそうなの?」
「トータルで赤字にならなければ良いのよ。
 企業は利益を追求する存在なのだけど、利益ばかりを追求し過ぎた結果が日本の少子化なのよ。
 ラブアビス国の姫としては、そんな日本を鼻で笑いたいわね。」
「えっと…、非正規労働者を増やしたとか?」
「ええ、最低賃金の全国平均がようやく千円を超えるのかな。
 適度なインフレの為には労働者の賃金アップが必要なのにそれをして来なかった。
 私利私欲しか考えない人達がこの国を残念な国にして来たの。
 それをこの地から変えて行きたいのよね。」
「姫は時々大きな話をするのだけど…。
 変えられるものなの?」
「それは分からないわ。
 でも、変えて行こうと思う人が動かなかったら絶対変わらないでしょ。」
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二学期-254 [花鈴-26]

「で、花鈴姫はどう動くのかな?」
「兎に角頑張って稼ぐのだけど、株主として株主配当は要らないと話して有るの。
 社長には、その分を社員の給料や労働環境の向上に充てれば良いとね。
 株主は私とお父さんだけだから。」
「えっと、普通の会社は利益を上げて株主に配当を支払うのだっけ?」
「そんな感じ、赤字でも配当を出す企業が有るのだけど、そこには色々事情が有るみたい。」
「株主配当が無いと言うことは株主とって何の利益もないのよね?」
「それでも私は会長としての報酬を頂いてるし、お父さんも取締役だから問題無いの。
 額は多く無いけど、それぞれの働きに見合った報酬でね。
 我が社の為に少ししか働いてないお父さんの報酬は我が社で一番安いのよ。
 大した仕事をしていない取締役が高額報酬を受け取ってる企業も有るのだけど。」
「小さな会社からの報酬なんていらないぐらいに社長としての報酬を得てるからでしょ。
 姫も、扶養されてて働く必要は無く。」
「会社を軌道に乗せられたら、中学生になるタイミングでお父さんの扶養家族では無くなる予定なの。
 そうなったら、もう就職を意識しての進学なんて考えなくて良くなるのよ。」
「中学生にして立派な社会人ってこと?」
「そんな感じだけど、越えなければならないハードルは多々有るのよ。
 まずは会社の売り上げを伸ばす必要が有るでしょ。」
「新しいYouTubeチャンネルは大丈夫よね、既に姫のファンが大勢いるのだから。」
「でもスタッフが多くなりそうで、会社の取り分は控えめになりそうなの。
 チャンネル登録者がうんと増えれば良いのだけど。」
「そっか、大学生にも報酬が必要だものね。
 まあ、姉妹チャンネルとしてお母さんも協力するって話してたから大丈夫だと思う。
 チャンネルの定番として姫の歌声を披露する企画を楽しみにしてると話してたわよ。
 姫がドロシーに扮して歌う、Somewhere over the rainbowの撮影はどうだったの?」
「撮影に付き合ってくれたLilyは褒めてくれたけど、ジュディ ガーランドの歌声を知ってる人は残念な気持ちになるかも…。」


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二学期-255 [花鈴-26]

「Judy Garlandに勝つつもりだったの?」
「いえいえ、そんな大それたことは…。
 でも、本家を越えられるぐらいでないと視聴回数は伸びないでしょ。」
「はは、そこでお母さんの出番になるのよ。
 宣伝することがお母さんの仕事だからね。
 宣伝しなかったら、新しいチャンネルの登録者数は伸びないし、もちろん視聴回数も。
 でも、最初の宣伝を成功させ勢いを付けさせることに成功したら、後は内容次第で自然と伸びて行く。
 お母さんは、姫が歌うSomewhere over the rainbowなら中高年の心にぶっささると話してたわよ。
 今はわざと下手に歌っといて、だんだん上手くなるなんて手法を使えば、孫の成長を喜ぶ感覚でファンをさらに拡大出来るなんて、お母さんらしい話をしてたわ。」
「わざとで無くても歌はまだまだなのよ。」
「プロと比較したらでしょ、でも孫路線は考えるべきだと思う。
 源じいったら、子どもは国の宝だと何時も話してるじゃない。
 そんなお年寄りを喜ばせるには花鈴姫が成長して行く姿を見せて行くことが一番なの。
 大学生連中の描いてる戦略は、花鈴姫の歌声で中高年層の心を鷲掴みにする、だったかな?」
「そんなこと言ってたなぁ~、聞き流していたけど。」
「お母さんは詐欺の話からお年寄りの金銭事情なんてことを口にしてね。」
「どう言うこと?」
「ほとんど利子が付かない貯蓄でお金を眠らせてるお年寄りが沢山いると…、私は興味が無いから真面目に聞いて無かったけど。」
「詐欺紛いのことを企んでいるとか?」
「いえいえお年寄り達が気持ち良く姫の為にお金を使って満足する、そんなシステムを作れたら嬉しいでしょ?」
「う~ん、詐欺にならなければ良いけど…。」
「推しのアイドルにお金を沢山使う若者が居る、それと同じこと。
 お母さんは姫を看板にしギフテッドの可能性を広げる財団を、孫正義育英財団とは違った角度から展開出来たら面白いかもって、姫のお父さんに話せるだけの企画を作り上げると話してたのよ。」
「財団って言われてもイメージが湧かないな~。」
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二学期-256 [花鈴-26]

「お母さんが考えてるのは財団と言うより寄付型のクラウドファンディングで、多くの人に関わって貰うことを目標にしてるの。
 寄付型だから、姫から名誉有る称号を得られるぐらいのメリットしかないのだけどね。
 ギフテッドの子達に対する支援を目指して、自分が応援したいと思う個別の案件に対する寄付と全体的な寄付を募って行く。
 そうしないと地味な分野への支援が弱くなるでしょ。」
「うん、テレビに出て目立ってる子ばかりに寄付が偏りかねないかな。」
「優秀な研究者が金銭面で苦労する日本の制度に愛想をつかして海外の研究機関を目指す人も少なくないの、そんな優秀な人達を私達で支援出来たら、私達の活動を理解し協力してくれるかもで、姫のお父さんにとってもメリットが有るとお母さんは考えてるのよ。」
「ラブアビス国の一員として支援しその力を発揮して貰えたら、個別にクラウドファンディングを実行するより効率的だものね。」
「ギフテッドの子を持つ親の中には、それで得られた資金を利用してここへの移住を考える人が出てもおかしくない、私達にとっても色々なメリットが有るのよ。」
「クラウドファンディングで寄付してくれた人達は、若い人達の成長を楽しめるってことかな?」
「そんなとこ、花鈴姫の成長を含めてね。
 姫がどんな大人になって行くかに興味の有る人は少なく無いのよ。」
「それは絵梨もでしょ?」
「私もYouTubeチャンネルで知られてはいるけど、姫とは全然比べ物にならないレベルだわ。
 小さな会社とは言え大社長の娘が小学生で会長を務めていて、大学生を顎で使っているのだから。」
「ちょっと待った~!
 顎で使ってるなんて人聞きが悪いでしょ。」
「いやいや、花鈴姫と大学生達との関係性が面白いとのコメントが有ったりするのよ。
 花鈴姫の指示で働いてみたいとかもね。」
「そんなコメントが…。
 なら働いて貰おうか。」
「何処の誰だか分からない人に?」
「最初の指示は、自分の力で私達の活動を後押しをする企画を立案すること。
 報酬は相談の上でってとこね。」
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二学期-257 [花鈴-26]

 どこの誰だか分からない人に働いて貰うと言うのは、絵梨との話から出て来た思い付きだが、普通に社員を採用する時も始めは同じだ。
 だから、例え一人だけで有ったとしても私の指示で働いてみたいと考える人がいるのなら、と社長とも相談し、ラブアビス国の国民として働いてくれる人を募集することにした。
 報酬面の相談内容も公表し、我が社の方向性を広く知って貰えたらと考えている。
 一回目の募集では副業可の在宅社員、若しくは請負とし、人数は若干名とした。

「募集開始は来年だと思ってたのに早く動いたのね。」
「大々的に募集する訳では無いし、コストは大して掛からないでしょ。
 会社運営にとって不可欠な現場の人材募集ではないのだから、採用ゼロ、応募ゼロでも構わない。
 我が社の事情を考えて建設的な話を持ち掛けてくれる人が応募してくれたら採用するけど、そんな人は少ないと考えてるの。
 それでも、配達や介護の仕事では無いから話題になるかもでしょ。」
「宣伝効果を考えてのことなのね。」
「勿論よ、色々動いてるとアピールすることで我が社に興味を持って貰える、それが狙いなの。
 常に先のことを考えた会社だと思われてないとね。」
「そっか、店を立ち上げる話が進んでるだけでは…、あっ、この企画も新店舗の宣伝に繋がるのか。」
「絵梨はそれに気付けたのね、気付けない大学生もいたのだけど。
 応募が全く無かったとしても、一人も採用しなかったとしても、それでさえ話題として発信出来る、そこが重要なのよ。
 何かをしようとしてる会社と言うだけで注目度が上がるでしょ。
 今回の募集はYouTubeチャンネルだけでの発表だから、コスパが良いの。
 これで、力の有る人を採用出来たら万々歳なのだけどね。」
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二学期-258 [花鈴-26]

 ラブアビス国は、建国時にテレビ局の情報番組が取り上げてくれたことも有り、良いスタートを切れた。
 そう、ラブアビス国のYouTubeチャンネルはそのスタート時から登録者を順調に増やしているのだ。
 そしてラブアビス国で働きたいと言う人もそれなりに。
 副業の在宅勤務可と言う条件が魅力的だそうで育児休暇中の女性からの応募も。

「姫、思っていたより戦力になりそうな人からの応募が多いです。
 ここは思い切って多めに採用したいですね。」
「田中社長、予算的にはどうなのです?」
「採用したいのは副業として取り組みたいと言う人ばかりなので一人当たりの経費は安く抑えられます。
 ただ、利益を生み出すまでには新規の投資が必要ですので、長期的に考える必要が有ります。」
「それでも採用したいのですね?」
「ええ、オリジナル商品の開発に自身の趣味を活かしたいと話す人が居たりしまして。
 作品を見せて貰いましたが、そこに可能性を感じました。
 大量生産では無い味わいが有るのです。」
「うちみたいな小さな会社は大量生産とは無縁だものね。
 田中社長が採用したいと思ってる人達と、私も話してみたいのだけど、どうかしら?」
「喜んで貰えると思いますよ。
 姫の国で働きたいと思った人達ですから、今からでもネットで如何です?」
「そうね…、緊張すると思うからフォローして下さいね。」
「勿論です。」
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二学期-259 [花鈴-26]

 それからパソコンのモニター越しに、所謂面接を行った方は真面目そうな方で…。

「井上さんはラブアビス国を窓口とした、通販の可能性を考えておられるのですね。」
「はい、真面目に通信販売をしている企業をラブアビス国としてバックアップ、質の低い会社を排除出来ればラブアビス国の信頼度が上がると思うのです。
 と言うのも通販では失敗することが有りますので。」
「どんな経験をされたのですか?」
「謳い文句ほどの効果が無かった除湿器とか蚊取り機は安かったものの、直ぐゴミになりました。
 そんな商品は絶対に扱わない会社を厳選して行くことでイメージを高めて行けば、需要が伸びると思うのです。
 その為には常に取引先企業の状況を把握している必要が有りますが、その一手間が信用を生み出すと考えていまして。」
「ですね、私も価格では無く質で勝負したいと考えています。
 ラブアビス国の通販で扱える商材に心当たりは有るのですか?」
「勿論です、宣伝が下手であまり知られて無くても質の良い商品は色々有りまして、それを紹介して行きたいと考えています。」
「我が社での活動は副業として考えておられるのですね。」
「出来れば御社の仕事だけにしたいのですが、それは実績を上げてからの方が気持ち的に余裕が出来ると思いまして。
 今は派遣の仕事で、何かと低く見られているのです。」
「今の仕事先は、ラブアビス国での活動にプラスになりますか?」
「はい、悪い会社では有りませんので、御社の取引先にとも考えています。
 今まで私のことを低く見ていた方々と対等の立場になれたら面白いとも。」
「仕事に自信がお有りなのですね。」
「立場は派遣でも仕事は卒なくこなしているつもりです。
 ですが、正社員のフォローをしても、結局派遣社員と言うことで何かと…。」
「もし、我が社で働いて下さることが決まりましたら、その辺りの顛末をYouTubeチャンネルで紹介させて頂くことは可能ですか?」
「はい、ラブアビス国のチャンネルで取り上げて頂けたら、知人に自慢出来ます。」
「えっ、そんな感覚なのですか?」
「こうして姫さまとお話させて頂いてる事だけでも私にとっては大きなこと、大学生同様、顎で使われる様な存在になりたいのです。」
「う~ん、何か誤解が…。」
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二学期-260 [花鈴-26]

「誤解なのですか?」
「彼らは私にこき使われてる風な状況を演出し、それを楽しんでいるのです。
 小学生に指示されて動くと言う非日常的な感覚が面白い様で。」
「思ってた通りです、今の仕事は派遣でも有り、楽しくないことが多々有ります。
 でも、姫さまの指示で働けたら働く喜びをもっと感じられると思ったのです。」
「う~ん…、無理難題を押し付けるかも知れませんよ。」
「株式会社花鈴の人達や大学生達の活動を映像で見ていたら、皆さん楽しそうで無理難題を押し付けられているとはとても思えません。
 皆さん姫さまのことが大好きなのだと伝わって来ます。
 私にとって上司にしたい人ナンバーワンは姫さまなのです。」
「指示は私からでなく社員から行くと思うのですが…。」
「それでも姫さまの会社ですから。
 まずは在宅勤務を希望しているのですが、先々はそちらへの移住も考えたいと思っているのです。」
「ご主人はどうされるのです?」
「彼は今の仕事に大きなストレスを感じているみたいなのです。
 私が株式会社花鈴の一員となりラブアビス国で働く様になれたら、少し余裕が出来ますので、我が家の将来設計を考え直せると考えての応募なのです。」
「分かりました、宜しければ旦那さんの仕事状況なども担当者に伝えて下さい。
 フォロー出来るかも知れませんので。
 まずは雇用契約について社長と相談して頂けますか。」
「はい、お願いします。」
「年明けにでも一度こちらへ遊びに来て下さいね。」
「は、はい。」
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