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近衛予備隊-181 [高校生バトル-61]

「選挙ってそこまで信頼出来ないものなのですか?」
「ルーシーはイケメンが立候補したらその人に投票するでしょ?」
「はい。」
「その人の主義主張は?」
「それを聞いても良く分からないかも。」
「有権者全員が、立候補者の主義主張を良く理解して投票するのなら、代表者に相応しい人が当選するのだろうけど、有権者全員にそれだけの能力が有るとは思えないの、経済政策や外交問題に疎く、ルックスで判断するルーシーみたいな人が少なからずいてね。」
「う~ん…、ジョンみたいにルックスが良くて能力の高い人ばかりが立候補する訳ではないのですか…、まだ選挙を経験して無くて良く分からないです。」
「選挙は色々難しくて、国会議員を地域の代表者と考えるか、国全体の利益を考える人と捉えるかの判断によって地域間の人口格差による一票の重さの意味が違って来るし、一つのエリアから一名だけ当選する形とエリアを広げ複数当選する形とでは、政党にとって当選のし易さが大きく変わったりとね。」
「選挙によって民意が政治に反映されると学んだ気がしますが。」
「そうね、選挙時に民衆が感じていたことは反映されるでしょう。」
「それが正しいとは限らないと言うことですか?」
「正しくなくても、その結果に投票した人も責任を感じれば民主主義と言えるのかな。
 王政でも民衆の意見を聞くことは出来るのだけど、民主主義では無いのよね。」
「民主主義は良いことだと学びましたが。」
「より深く国民のことを考えた王政と、大した知識の無い人達が立候補者の言葉やルックスに左右されて投票する民主主義の政治、詩織は新たな王家による新しい王政をイメージしているのだよ。
 王政にも民主主義に元ずく政治にも、それぞれ長所短所が有るからね。」
「私達が考えてる王政でも、代替わりが上手く行かなくて、国民を第一に考えられなくなったら絶対王政と何ら変わらなくなってしまうでしょう、もっとも選挙によって選ばれたリーダーが独裁的な政権を築き上げることに成功したら似た様なことなのだけどね。」
「我が国では独裁的な大統領によって大きな改革が成し遂げられましたが、それが良い状態で続かなかったら、ただの独裁者になりかねません、結局はリーダーの資質と言うことなのですね。」
「ええ、トップリーダーを取り巻く人々も含めて、そうね、大統領や国王が暴走出来ないシステムを考えてみたいけど…。」
「そのシステムを必要とする国では難しいだろうな…。」
「歴史がそれを証明していますものね。」
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近衛予備隊-182 [高校生バトル-61]

「えっと、選挙で選ばれた訳では無い人が政治を行う、新しい王政のメリットにはどんなことが有るのですか?」
「そうね、日本と比較するなら大臣になりたいだけの人でなく、大臣に成って欲しい人を大臣に出来ると言うことかな。
 日本の内閣では全くの素人が大臣になることが有ってね、ただのお飾りでほとんど必要のない人が。」
「どうしてなのです?」
「実務を官僚がきっちりやっていれば大臣は誰でも良い、長年国会議員をやってる人から順番に割り当てるみたいな感覚なの。」
「それで問題にならないのですか?」
「たまに総理大臣の足を引っ張ってはいるけど、政党内の事情が有るのでしょう。
 それに対して私達がイメージしてる新しい王政では、専門家を積極的に大臣に起用することが可能なの、義兄弟姉妹の一員として相応しい人物なら王家に入って貰うことも有りね。」
「王家に人数制限はないのですか?」
「国政に関われるだけの能力を持っていれば制限する必要はないでしょ。
 逆に日本では、専門知識を持っている人が国政には関わりにくくてね、頭の良い人にとって国政選挙なんて面倒なだけ、国が専門家の意見を聞くべく会議を開いても、そこに呼ばれるのは学会内で上手く立ち回って来た人で本当に能力が高いのかと言うと怪しいし、意見を出すだけで何の権限もないのだから。」
「我々の村を王国にして、優秀な人が政治に参加してくれるでしょうか?」
「そこはジョンの大人を丸め込む手腕に掛かっているのよ、近衛達の力である程度の環境は整えられても、組織の核に魅力的な人が居るのと居ないのとでは大違いでね。」
「その辺りはプリンセス詩織のお力で。」
「それでは駄目なの、所詮私は異国の人間ですからね、国の改革には遠江王国の王家が協力するけど。」
「異国の人だなんて誰も気にしませんよ、お年寄りの中には植民地時代が一番良かったと言う人がいるぐらいですからね。
 頼れる指導者なら国籍何て関係ないと思います。」
「う~ん…、あっさり植民地となったのは、その国民性が有ったからなのかしら?」
「昔のことは分かりませんが、圧倒的な力の差を見せ付けられのでしょう。
 今は女神さまのお力によって生活が良くなったと村人達は理解しています。」
「詩織、長い物には巻かれろ的な感覚でも、その分ストレスが少ないのでは?」
「そうね、ストレスを感じさせる日本的な努力の強要はしたくないとは思っていたけど。」
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近衛予備隊-183 [高校生バトル-61]

「気になっていたのですが、日本の王…、天皇と王さまは良好な関係に有るのですか?」
「いや、全く関わっていないんだ、私は日本国にとって地方公共団体の一首長に過ぎないからね。
 天皇が特定の市と特別な関係になるのはまずいことなのだよ。
 海外から王家の人や政治家が公式に訪問して来る時は日本の外務省と連絡を取り合ってはいるが、それだけかな。」
「遠江王国の人達にとっては王様が二人存在している訳ですが、それに対しては?」
「特に問題は起きて無い、元々日本は神道の神社と仏教の寺が共存して来たんだ、神道の代表が天皇で、こちらは仏教の代わりに社会学的観点から国造りをしているチームの代表って感じではないかな。」
「そんな感じでしたか、しかし皇室はとても長く続いているのですよね。」
「確かに長いが、政治の実権を長期間握り続けて来たのではなく、今の政府に当たる部分を…、えっと軍人が長い間行っていた、だから続け易かったのかも知れないよ。」
「将軍ですね、ある意味立憲君主制だったと言えるのでしょうか?」
「かもな、将軍家は征夷大将軍と言う役職を天皇中心の朝廷から任ぜられて政治を行う、簡単に打ち滅ぼせそうな朝廷でもそこに権威付けを求めたみたいだね。」
「その辺りも日本の特殊性ですか?」
「だと思う、ガラパゴスの生き物が他から隔離された状態で独特な生態系を創り出したのと同じく、島国の日本は独自の文化を発展させて来たと言えるかな。」
「我が国にはそんな文化を発展させられるだけの人があまりいなかったみたいです。」
「それでも、人々は子孫を残して来たしこれからも、人口が減って行く日本とは違い若い国だと考えたら良い、これからジョン達が先頭に立って国を作って行く、他の国と変に比べる必要は無いが他国の失敗や成功を参考にしながらね。
 村を王国にするのは詩織が先頭に立って進めて行くが、国をどうするかはジョン達が中心になって考えるんだ。」
「う~ん、村長で満足していたのですが…。」
「そうだったの?
 私達が考えていた村長業務を遥かに超えた活動をしているから、物足りないのかと思っていたわ。」
「それは、店のフロアマネージャー達が…。」
「詩織、国を乗っ取って国王になったとしても、村長業務と然程変わらないのでしょ?」
「ええ、村の組織よりかなり大きくなるけど、要所要所を任せられる人は見つけられると思うわ。」
「あっ、トップの役割は規模が大きくなっても同じなのですか…。」
「勿論よ、一人の人間に出来ることには限界が有る、その限界を超える為の組織なのだからね。」
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近衛予備隊-184 [高校生バトル-61]

 遠江王国王家の皆さんは村を名前だけの王国にする気はない様だ。
 例え大統領との兼ね合いで名前だけの王国となったとしても、マーケット展開から様々な分野に手を広げることで財閥となり、そのトップが国王並みの力を持つことを想定している。
 遠江王国が日本を乗っ取ることは不可能だが、村から発展させた王国が我が国を平和的に掌握し乗っ取ることは難しくないと考えているそうで、そこから国家間の経済格差を無くして行きたいとも。
 勿論短期間で実現出来ることでは無いが、行動しなければ永遠に変わらないことだ。

「ジョンは王様になるの?」
「まだ何とも言えないが心の準備はしておいた方が良さそうだな。」
「なら、私は側室になるわね。」
「ルーシー、無理して子を残す必要のない王政だぞ。」
「でも…。」
「王家の血に拘ったことで不幸も起きてる。
 日本の皇室は良く分からないことになってるそうだが。」
「男系に拘ってるのに側室を置かなかったから、皇位を継承出来る人が僅かになってしまったのでしょ。
 ジョンの子は国王にならなくても、遺伝的に優秀な子が生まれる可能性が高い、だから多いに越したことは無いと思うのよ。」
「それより子どもと言えば教育の重要性を改めて感じたな。」
「あっ、逃げた…。」
「遺伝的に高い資質を持って生まれても、育て方を間違えたら資質が高いだけにかえって危険な存在になりかねないだろ。
 俺だって近衛予備隊に入隊していなかったら、町へ出稼ぎに行った流れからマフィアの下っ端となって反社会的なことをしていたかも知れない。」
「ジョン、私は今回の旅行を通して、子どもの為により良い環境を作ることがとても大切なことだと感じたわ。」
「ああ、シャルロットの言う通りだよ、キャンプ場で出会った香菜はとても良い環境で暮らして来たから素敵に育ったのだと感じた、周りの大人達も素敵な人なのだろう。」
「我が国ではそこがね。
 法に反することでも気にしない人が多かったから治安が悪くなっていったのだと思うし。
 今は力で抑え込まれていても、大人の心は簡単には変わらないから心配だわ。」
「だね、犯罪とは無縁、犯罪を犯さなくても普通に生きて行ける環境、子どもにとってより良い環境を整えることが俺達の役目なのかもな。」
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近衛予備隊-185 [高校生バトル-61]

「まずは底辺の子ども達を何とかしたいわね。」
「お腹を空かせた子どもには簡単なお手伝いと引き換えに美味しい食事、と言う事業をマーケット中心に展開してみてはどうかしら?」
「お手伝いの内容が少しずつでもスキルアップに繋がるもので有れば…、勿論虐待レベルの労働はNGで、子ども達がお手伝いを喜んで出来る環境にすることが必要だが悪くないと思う。
 継続的に支援出来る体制を作れると良いのだが。」
「そうね、どれぐらいの人数が支援を必要としていて、その為にどれだけの費用が必要なのか調査だけど、まずは小規模で実験的にスタートさせてみるべきかもね。
 それを通して大人達の反応を確認出来るでしょ、大して関心を示さず会社の指示に従って動くだけなのか、少しは社会的弱者のことを考えた行動をとってくれるのかを見ておかないと。」
「遠江王国は社会的弱者を救済する事業がそのスタートだったと聞いたけど、我が国の国民にもその辺りの感覚を伝えて行かないとな。
 マーケット展開によって職を得た人達が、例え会社の指示によるもので有ったしても、社会的弱者のことを考えてくれれば良いのだが、生活に困らなくなっても心が貧しいままでは…。」
「マーケット関連で職を得られた人は、まだ失業者全体の一部に過ぎないのよね。
 本当の意味で子ども達を取り巻く環境を改善して行くにはハードルが高くて多過ぎるわ。」
「それでもやれることをやって行かないと進まないでしょ。
 失業問題を解決して行く為にも輸出を伸ばして行きたいよね…。」
「プリンセス詩織はまずは内需だと話してたけど。」
「ああ、うちの国民は給料を溜めずに直ぐ使い、お金に寝る暇を与えないのが強みだそうだ、確かに会社からプリペイドカードへ入金した給料は、マーケットで使われて直ぐ戻って来る、うちの会社関連以外で全くお金を使わなくても済むように店舗展開したのが功を奏しているそうでね。
 その分初期投資が多くなっているが、直ぐに回収出来てると聞いたよ。」
「それで王家の皆さんは強気なのかしら?」
「ああ、他の国では出来ないレベルの独占状態を作り出せそうだからな。」
「独占か…、日本に色々な店が有ることには驚いたけど。」
「そこに競争が有ったから成長して来たのだが、競争の無いうちのマーケットでも経営者がしっかりしていれば成長出来るそうだよ。
 社会主義国の計画経済は学習した?」
「えっと、国や国営企業が管理し、自由な競争の無い状態で経済活動が行われ、貧富の差のない国になる筈だったかしら。」
「その管理に問題が有って破綻した国が有ったのだけど、今の我が国なら、我が社による計画経済を推し進めることが可能だそうでね。」
「会社が国全体をってこと?」
「ああ、国の経済を掌握出来ると考えているそうだ。」
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近衛予備隊-186 [高校生バトル-61]

「王国と計画経済って結びつくものなの?」
「社会主義と言ったイデオロギーが前面に出ないから破綻しにくいと思う。
 マーケットの展開をテンポ良く進められれば、この先、国の経済を自由に動かせるだけの力をプリンセス詩織が持つことは可能なんだ、比較的小さい国で競争相手がいないからね。
 我が国の経済活動には色々問題が有ったから、成功すればかなりマシな国になると思うよ。
 大統領もそれが解っているから、会社の活動を後押ししているのだろう。」
「でも、適度な競争は必要なのでしょ。」
「その競争相手を国内に作らず他国の企業と競う形にと、輸出を考えているのさ。
 まずは内需の拡大だけど、それだけでは伸びに限界が有るからな。
 輸出を頑張らないと給料は上がらないのだよ、社会主義国ではないからね。」
「難しそうだけど…。」
「今まで我が国は経済的に弱過ぎた、治安の悪い小国に投資しようと思う企業家なんている訳ないからな、でも、だからこそ改善し伸ばして行く余地は大いに有ると思うんだ。」
「シャルロット、プリンセスは難しいなんて考えて無いわよ、村では思い切った初期投資が直ぐに実を結んで大きな売り上げに繋がったでしょ。」
「資金力が有り、金儲けの才も持ち合わせていたのはマフィアのボスぐらいだったからな。」
「不正行為を働いて蓄財してた人達は資産を充分活かせなかったものね。
 でも、計画経済ってどうやって導入して行くの?」
「破綻する様な計画経済をそのまま真似する必要は無いから、自由経済を基本に計画的に進めているのさ。
 マーケットの売値は会社の判断で決められているだろ、生活必需品は利益率を抑えた安価な物を必ず棚に置き、贅沢品は取り敢えず利益率を高めに設定、売れ行きが悪過ぎたら値下げ、売れ行きが良いからと言って値上げしたのでは反発されかねないからな。
 その売れ行きを見ながら生産量や輸入量を調整、新規商品以外は安定した販売価格になりつつ有り計画が立て易くなって来ているよ。」
「それほど、価格の変動は無かったと思うのだけど。」
「担当者の読みが当たることが多かったのさ。
 出店のペースが速く全体の売り上げが右肩上がりで伸びてることも関係しているのかな。
 日本で同じことをしても、競合他社との価格差が売り上げに影響するから、贅沢品でも利益率を抑えざるを得ないそうだよ。」
「私達の国でも、マーケットと似た様な物を売る店は有るのだけど。」
「生活必需品は大量に仕入れることが出来るから安く仕入れることが出来る、贅沢品はうちでしか扱ってない商品ばかりだぞ。」
「そうか、競争にならないのね。」
「遠くからでも買いに来る人がいるそうだから、もっと店を増やして上げたいけど、既存の店にとっては迷惑な話よね。」
「これからはそんな店もうちのマーケットに組み込んで行く、フランチャイズについては学習した?」
「あっ、そうか、マーケットの展開と結び付けては考えられて無かったわ。」
「そんな店でも支払いは同じプリペイドカードになって行くんだ。」
「偽札を作ってもそれを使える所がどんどん減って行くのね。」
「それだけでなく、プリペイドカードやクレジットカードについてはその手数料も含めて会社の利益になると言うメリットが有る、すでにうちの関係先は給料をカードへの入金にし現金支給をやめ始めているだろ、いずれプリペイドカードの使えない店は、それだけで客を減らすことになるから嫌でもうちの傘下に入って来るだろう。」
「でも、そんな手数料を取られる商売に対して、反発する人が出て来そうだわ。」
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近衛予備隊-187 [高校生バトル-61]

「確かに充分理解して貰えないと反発されるかも知れないが、それを進めているのはプリンセス詩織だぞ、しかも、手数料に見合ったサービスをして行くからな。」
「サービス?」
「色々胡麻化そうと思ってる連中にとっては迷惑な話しかも知れないが、経理を我が社がコンピューター管理、現金を数える手間が無くなるだけでなく、何がどれだけ売れたかなどのデータが一目瞭然になり仕入れが楽になる、定番商品に関しては自動発注も可能になるんだ。」
「そっか、私達にとっては店での研修を通して当たり前になってることでも…、確かに町の店で働いた経験の有る人はカードシステムの表側だけでなく裏側の便利さにも驚いていたものね。」
「初期の設備投資費用も手数料に含む形なので、システム導入時に多額の支出を必要としない、その辺りのメリットを理解出来る人なら喜んでうちの傘下に入るだろう。」
「でも、今までの教育システムに問題が有ったから、目新しいことを理解出来ない人も少なからずいるのよね、誤解からマーケットの展開が遅れる可能性を危惧している近衛の人がいたわ。」
「その辺りも含めて、PR活動が必要だろう。
 すでにマーケットが自身にとって生活の一部になりつつ有り利便性を味わってる人でも、富が俺達の会社に集中すると思ってる人もいるそうだからな。」
「得られた富はプリンセスによって国民の為に使われて来たし、これからもなのにね。
 一つのマーケットで売り上げが伸びたら、その利益はマーケット周辺のインフラ整備に充てられると公表してるし、実際に車のタイヤが道路のぬかるみに嵌って苦労することが減ったと喜ばれているのだけど。」
「マーケットの事業展開が遅れてる地域は、そう言ったことの理解が進んでいないのだろう、実際に体験したことが無いと納得出来ないのは仕方ないが、店舗展開が遅れて損をするのは自分達だと分かって欲しいものだな。
 店舗の売り上げが伸びれば、自分達の生活環境が良くなると認識され始めた店舗では、従業員の意識が高くなっているだけでなく、客も店の売り上げが伸びることを望んでいるそうで、自身は大した買い物が出来なくても知り合いに店を勧めてくれてるそうだよ。」
「そんな店舗のことが広く知られる様になれば、マーケットの店舗展開は一気に加速出来るのかしら?」
「急ぎ過ぎると間違いが起き易くなるから気を付ける必要は有るが、目立つレベルで展開出来れば周辺諸国への出店も早められるだろうな。」
「マーケットも輸出するってことなの?」
「ああ、その国の為にもなるからね。」
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近衛予備隊-188 [高校生バトル-61]

 俺達の旅行が、その終わりに近づいた頃、国からカジノに関する法が成立したとの連絡が入った。

「ジョン、これで総合娯楽施設を予定通りオープンさせられる目途が立ったわね。」
「思ってたよりあっさり通りましたね、詩織は少し悲観的だったと記憶していますが。」
「そうね、我が社の為に作られる法律なのだから、反対されなかったら、それはそれで問題だと思ってたのよ。」
「独占に対して反発する様な人がいないと、国の勢いが落ちて行きかねないのでしたね。」
「ええ、その心配は変わってないのだけど、マーケットの利益で店舗周辺のインフラ整備を進めていることが好意的に受け止められ、カジノからの利益を同様に使って行くと言うことが理解されただけでなく、ギャンブルによる困窮者を生み出しにくいシステムが理解されてのことだから、反感を覚えた人でも反対しにくかったみたいなの。」
「個人対個人での賭け事は争いの元にもなりますが、しっかり管理された娯楽ですからね。
 うちが運営を担当する公営ギャンブルとしてのカジノは、利益の半分を国庫に納め軍や警察の予算に、残りは我が社を通してインフラ整備に、そしてカジノの展開は雇用の拡大を押し進め、更に犯罪と繋がらない様、様々な工夫を凝らしたシステムですから、反対する理由を見つけられなかったのかも知れませんよ。」
「ねえ、ジョンは日本のパチンコ店を見て来たのでしょ、どうだった?」
「説明を受けた後、あっという間にお金が消えて行く所を見せられて、本格的に試してみる気には成らなかったです。
 説明してくれた人も時間を掛け研究しないと勝てないと話していました。
 ただ、大きな利益は出にくい代わりに大損もしないと言う台での遊びは面白かったですよ。」
「そっか、ギャンブル性の高さは店の利益に直結するとは聞いていたけど、気楽に遊べるものも必要なのかな。
 どう、パチンコを村の施設で実験的に導入し、マーケットの近くに併設して行く各地のカジノ施設でも展開して行くのは。」
「あっ、日本では法律との関係で独特の換金システムに成っていまして、一旦景品と交換し、その景品を売ると言う形なのです。
 物と交換なら、予備隊ぐらいの子どもが遊んでも良いのでは有りませんか。
 ゲームセンターでは景品を取るゲームが人気で、お金目当てばかりでは無いのです。」
「成程、私はパチンコだけでなくゲームセンターにも行ったことないのよ、帰る前に経験しておこうかしら。
 ギャンブルに関しては今回の事業に関連して色々教えて貰ったのだけど、やってるのは株取引と言う合法ギャンブルだけなの。」
「随分稼がれているとスタッフから聞きましたが。」
「それなりに時間を掛けて研究して来たからね。」
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近衛予備隊-189 [高校生バトル-61]

「研究ですか、総合娯楽施設のカジノでも研究した人が勝つのでしょうか?」
「少なくとも勝率は上がるでしょうね、但し研究すれば勝ち易くなるゲームばかりでなく、運だけが頼りのものとか色々用意すると聞いてるわ、そこに商品目当てのゲームを加えても良いわね。」
「カードでコインを買って貰い精算時にはプリペイドカードへ入金と言うシステムより手間が掛かるとは思いますが。」
「商品として購入する気にはならなくても、ゲームで勝った賞品としてなら嬉しいかも知れないでしょ、不良在庫を賞品の中に紛れ込ませておいて処理に成功出来るのなら、少しぐらいの手間は苦にならないと思わない?」
「成程、そう言うメリットが有りましたか。
 カジノで勝った人はそのまま店へ行って儲けた分を使うかもと思っていましたが、それでは不良在庫の処分は出来ないです。」
「問題はカジノで遊ぶ時の制約を設けたことで売り上げが伸び悩む可能性、一獲千金を狙えるクジも用意するけど、楽しめる演出を色々用意しないとカジノで遊んで貰えないかも。」
「全財産をカジノで無くすことの無い様に設けた制約は必要なことですが、手間だと感じたり、もっと賭けて負けた分を取り返したかったと思う人が出て来るでしょうね。
 カジノで負けても楽しめる様に各種の娯楽を用意するとは聞いていますが、仲間内でやってる博打より面白いと思える要素が必要だと思います。」
「そうね、カジノで稼ぐことが出来れば増税しなくてもインフラ整備を進められるから何としても成功させたいから。
 村に完成する施設は規模も大きいし、海外からの客も想定しての娯楽施設、カジノだけでは無いから大丈夫だと思うの、でも各地に建てて行くのはそこまでの規模には出来ないでしょ、日本のパチンコ店はのめり込み過ぎる人が増えない様に法律で規制してるそうだけど、長く続いている娯楽だからどうかと思ったのよ。」
「我々のシステムでは、登録制の個人カードに月毎の制限が掛かるのですからパチンコ店の様な規制は必要ないですよね、でも…、ゲームセンターの方が色々有って人気が出そうです。
 日本のゲームセンターではコインを増やしてもパチンコ店と違ってお金として返って来ませんが、それでも賑わっていました。
 ただ遊ぶだけのゲームセンターと、ギャンブルとしてのゲームセンターを試してみたいです。」
「そっか、本場のカジノをお手本にと聞いてたから、差別化を図る意味でもパチンコをと考えてたのだけど…、やはり私もゲームセンターに行ってみるべきね。」
「はい、詩織、ゲームで勝負しましょう。」
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近衛予備隊-190 [高校生バトル-61]

 ゲームセンターにはプリンセス雅も同行。

「ジョン、コインが増えると嬉しくなるのは人間の性なのかしら?」
「かも知れません、ところで詩織、インチキしてないですよね?」
「多分。」
「多分?」
「こちらにそのつもりは無くても忖度されることが有るのよ、ね、雅。」
「最初にやったクレーンゲームは絶対怪しいわ、あんなに簡単に取れて良いのって感じだったでしょ、店のスタッフがお勧めの台だと案内してくれたし。
 でも、詩織が手にしてるコインは違うの。
 ジョン、私達は直ぐ無くなったのに詩織だけが順調に増やしてるでしょ、スタッフはジョンばかりに気を取られていたにも関わらず。」
「このゲームはスタッフの力でも、詩織にだけ勝たせると言うのは難しそうですね。」
「詩織は強運の持ち主なの、株で誰が一番稼げるかって勝負を元金一千万円でやった時、詩織が超ハイリスクな銘柄で勝負に出たので、私達は絶対大損すると思ってたら、倒産する筈の会社だったのに大逆転、苦し紛れで出した商品が大ヒットしたの、私だって良く考え、苦労して二百万円ぐらい増やしたのに桁が全然違ってね、お兄さま方が詩織をトップにしたのは詩織が強運の持ち主と言う理由も有ったのよ。」
「へ~、詩織にその自覚は有るのですか?」
「そうね、昔から運が良いと言われることは何度か有ったかな。」
「だから、カジノでの事業展開を考えたの?」
「そうではなく、雅、雇用を物の生産で拡大しようと思ったら、作った物が売れる必要が有って限界が有るでしょ。
 でも、ギャンブルなら安定した需要が有り、安定した収入源になると思ったの。
 その収入を公共事業に使って行けば、そこでも安定した雇用の場を増やせる、兎に角インフラ整備の進んでいない国だから必要な施設は幾らでも有ってね。」
「ギャンブル自体に良いイメージは無いのだけど…。」
「そこはオリジナルのプリペイドカードを利用して健全な娯楽となる様にして行くの。
 本人認証を厳しくするから家族のカードでも使えないし、一か月間にギャンブルで失うことの出来る上限をコントロール、その為に本人の収入確認なども徹底するのだけど、その個人情報によって脱税などの発見にも繋げるの。
 ギャンブルにお金を沢山つぎ込みたかったら、収入を多く申告、カードにもそれなりの金額を入金して置く必要が有ってね、面白いと思わない?」
「多く申告すると税額が増えるのね。」
「ギャンブルからの収益が伸びたら減税も考えているのよ。」
「カードの残高が必要なのは?」
「その月にギャンブルで使っても良い額まで使い切ったとしても、次の給料日まで生活出来る金額を目安にしての残高でね、本人が他で無駄使いした場合までは関知しないけど。」
「クレジットカードや現金は使えないの?」
「ええ、現金なんて手間が掛かるだけでしょ、オリジナルプリペイドカードに絞った方が色々と楽だからね、入金は簡単だから問題無いと思うわ。」
「それでも、ギャンブルをするのに手間が掛かると、やる人は少なくならないかな?」
「そこが問題で、楽しめる付加価値を加え健全な娯楽に出来ないかと検討してるのよ、ゲームセンターで遊ぶ感覚でね。」
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