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近衛予備隊-188 [高校生バトル-61]

 俺達の旅行が、その終わりに近づいた頃、国からカジノに関する法が成立したとの連絡が入った。

「ジョン、これで総合娯楽施設を予定通りオープンさせられる目途が立ったわね。」
「思ってたよりあっさり通りましたね、詩織は少し悲観的だったと記憶していますが。」
「そうね、我が社の為に作られる法律なのだから、反対されなかったら、それはそれで問題だと思ってたのよ。」
「独占に対して反発する様な人がいないと、国の勢いが落ちて行きかねないのでしたね。」
「ええ、その心配は変わってないのだけど、マーケットの利益で店舗周辺のインフラ整備を進めていることが好意的に受け止められ、カジノからの利益を同様に使って行くと言うことが理解されただけでなく、ギャンブルによる困窮者を生み出しにくいシステムが理解されてのことだから、反感を覚えた人でも反対しにくかったみたいなの。」
「個人対個人での賭け事は争いの元にもなりますが、しっかり管理された娯楽ですからね。
 うちが運営を担当する公営ギャンブルとしてのカジノは、利益の半分を国庫に納め軍や警察の予算に、残りは我が社を通してインフラ整備に、そしてカジノの展開は雇用の拡大を押し進め、更に犯罪と繋がらない様、様々な工夫を凝らしたシステムですから、反対する理由を見つけられなかったのかも知れませんよ。」
「ねえ、ジョンは日本のパチンコ店を見て来たのでしょ、どうだった?」
「説明を受けた後、あっという間にお金が消えて行く所を見せられて、本格的に試してみる気には成らなかったです。
 説明してくれた人も時間を掛け研究しないと勝てないと話していました。
 ただ、大きな利益は出にくい代わりに大損もしないと言う台での遊びは面白かったですよ。」
「そっか、ギャンブル性の高さは店の利益に直結するとは聞いていたけど、気楽に遊べるものも必要なのかな。
 どう、パチンコを村の施設で実験的に導入し、マーケットの近くに併設して行く各地のカジノ施設でも展開して行くのは。」
「あっ、日本では法律との関係で独特の換金システムに成っていまして、一旦景品と交換し、その景品を売ると言う形なのです。
 物と交換なら、予備隊ぐらいの子どもが遊んでも良いのでは有りませんか。
 ゲームセンターでは景品を取るゲームが人気で、お金目当てばかりでは無いのです。」
「成程、私はパチンコだけでなくゲームセンターにも行ったことないのよ、帰る前に経験しておこうかしら。
 ギャンブルに関しては今回の事業に関連して色々教えて貰ったのだけど、やってるのは株取引と言う合法ギャンブルだけなの。」
「随分稼がれているとスタッフから聞きましたが。」
「それなりに時間を掛けて研究して来たからね。」
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