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バトル-281 [高校生バトル-29]

「三郎、今回の旅行は成功だったわね。」
「うん、詩織達が頑張ってくれたしそのバックアップメンバーも、途中日本との通信がおぼつかないエリアが有ったけど離れていても共に作業出来たのは大きかったな。
 春子姉さんのバックアップには詩織も感謝してたよ。」
「詩織はすっかり頼もしくなったわ。
 チーム詩織のメンバーと話す機会が有ったのだけどね、詩織ならこう考えるだろうって考えてる内に、詩織のことを益々尊敬する様になり、自分も詩織みたいな人になりたいとの思いが強くなったとか。
 バーチャル人格の中心人物が尊敬に値する人物だからこそ、多人数で構成される仮想人格が無理なく形成されつつ有るのだと思うのよ。」
「詩織は東京から越して来て直ぐにここの子達と馴染んでいたし、そのまま自然とリーダーになったからな。
 反抗期を自身で理解しコントロールを試みたと話してたぐらいだから対人スキルが高いとは感じていたのだけど、更にレベルアップしてるよ。」
「佐伯常務は詩織の話になるとデレデレで何時もの論理的思考回路が破綻するのよね、良い子過ぎる所が心配なのだそうだけど、友達と話してる時は普通の中学三年生だわ。」
「そのバーチャルなキャラクターは上手く作れそうなの?」
「直ぐに可愛い原案が幾つか出て来て見せて貰ったのだけど、私達が良いと思ってもメインターゲットのエリアに住む人達がどう受け止めるかは分からないのよね。」
「その辺りはあまり考え過ぎないで良いと思うんだ、日本や他のエリアで盛り上がってくれれば、むしろその方が観光客誘致に繋がるでしょ。」
「そうね、原案はエリアを限定せずに多くの人に見て貰いその感想を分析しましょうか。」
「うん、リアル詩織は感情表現をあまりしないだろ、その辺りをバーチャル詩織が受け持つことで詩織の存在をよりアピール出来る様になればと思っているのだけど、リアル詩織は高貴な感じ、バーチャル詩織は少しだけお転婆な感じと言うのはどうかな?」
「そうね、その辺りのキャラ付けまではまだ進んでないから、これから相談して行くことになるわね。
 バーチャル詩織にはミュージカルにも登場して貰いたいでしょ。」
「バーチャルなアニメーション的キャラクターとリアルが上手く嚙み合えば、より楽しい作品に仕上げられるそうだね。」
「一度試してみて深く考えるのはそれからかな、キャラクターの試作完成までには時間が掛かるみたいだから、焦らずじっくりと取り組みたいわ。
 それであの子達の新会社はどうなって行くの?」
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バトル-282 [高校生バトル-29]

「新会社は王女の意向で名称を『SHIORI』に、今までうちが行って来た業務を少しずつ移行し社員のトレーニングを行いながら会社としての収益を高めて行くことを想定してる。
 我が社がバックアップするだけでなく、遠江大学や詩織のことが大好きな人達が支えてくれるから、若者に安定した雇用の場を創設し発展させて行くと言う目標に向かって安心して進んで行けると思うよ。」
「それなら中高生に大人達の嫌な面を見せることにはならないのね。」
「それはどうかな、温室育ちにしてしまうのは良くないだろ、時には失敗しても良いと思うんだ。
 うちの会社が市営企業を目指して挫折した様にね、そのことをマイナスにしない様、社員が頑張ってくれて今が有るだろ。
 彼女達自身、成長過程に於けるトレーニングの一環では有っても、守られ過ぎるべきでは無いと考えていてね。」
「社会的な責任も考えてるとか?」
「勿論さ、無責任な子じゃないからね、まあ、何か有ったら全力でフォローするので思い切った会社を経営をして欲しいと話しては有るけど、チーム詩織メンバーも含め自分達の力で会社を軌道に乗せて行きたいと、社会の一員として自分達の力を発揮して行きたいと彼女達が思うのはこれまでの流れを考えたら自然なことだと思うよ。」
「そうね、中高生で有っても学習能力の有る子達だから無理ではないのかな、会社運営に関する学習はどうなの?」
「昨日この話を知った県外の商業高校から協力させて欲しいとの申し出があったそうだよ、詩織達は多くの人を巻き込んで行きたいと考えてるから、それを受け入れて経理とかを担当して貰えたらと話してた。」
「高校生の実習にするのね、多国籍の人が関係する事業で英語主体の運営になって行くのでしょ、その辺りは大丈夫なのかしら?」
「調べてみたら商業高校の中でもかなりハイレベルな高校で、大丈夫だと思う。
 何より就職後を想定した取り組みもしっかり行っている高校でね。」
「そっか、商業高校のことは今まであまり考えて来なかったけど、大学入試を目的とした学校とは違うのね。」
「進学する生徒も少なからずいるみたいだけど、高校で学んだことが大学を卒業しての就職後にも活かされるではないかな。」
「少し後押しすれば、大学生の参加も増えそうだけどどうする?」
「給料を払うことにならない研究や学習の一環としてなら歓迎じゃないかな。
 給料は貧困層出身の子達に手厚く支払って行きたいでしょ。
 日本でこの事業に関係して行く人達は、国際的な企業運営を体験することで自身のスキルアップを図るとか考えて貰いたいかな。」
「そうね、大学生でも英語を使う仕事に憧れてる人が少なからずいるのだから、一つの経験としてボランティアでの参加を勧めてみようか、詩織とも相談してみるね。」
「うん、流石に大学生に指示を出して行くのは詩織にとって負担だろうから、その辺りの配慮は考えて上げてよ。」
「ええ、チーム詩織を見守る形で観察してるグループにも協力して貰い組織をきっちり構築、教育活動しながら利益の出せる会社として成功させたいものね。」
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バトル-283 [高校生バトル-29]

「三郎、新会社設立に向けての話は進んでいるのか?」
「うん、もっと時間が掛かると思ってたのだけど、新たに参加してくれた大学生や高校生から皆が納得出来る案が出されて組織の構築が進んでるよ、父さんの力を借りなくてもね。」
「それは少し残念だな、で、どんな組織になって行くのだ?」
「日本のメンバーと王女が集めたメンバーは新会社を通して経験しながら学ぶことに重点を置くことになり給料は考えない、実際に体を動かして働いて貰う時はバイト代を支払うことも考えたのだけど、アルバイト禁止の高校も有るでしょ、だから原則ボランティアとするのだけど、経済的に恵まれていない子は日本でも正社員として雇うことを想定してる、現時点での対象者はいなのだけどね。」
「メインは海外でも国内の貧困層にも目を向けて行くのだな。」
「それが自然な流れでしょ。
 組織的にはチーム詩織が社長業務を担当、その為に商業高校の生徒や大学生からもチーム詩織に専門知識担当として参加して貰うことになってね。
 その人達は対外的なバーチャル詩織としての活動はせずにバーチャル詩織の知識を司る脳みそとして、経理チームなどの作業をチーム詩織メンバーが理解する手助けをしてくれる。
 バックに学校の先生がいるから安心しでしょ。」
「商業高校としては生徒の実力を高められると言うメリットが有るのかな。」
「うん、大学生と共に経理チームや総務チーム、状況によって立ち上がるかも知れない販売チームにも参加して貰うからね、営利目的のリアルな会社での経験は将来就職した時にきっと役立つと思うんだ。」
「今はそれらのチームに人員を割り振っている段階なのか?」
「割り振りながら我々の方針を学んで貰っている最中、我が社のデータはオープンにしてるから…、協力を申し出てくれた商業高校はこのデータを学習に利用してくれてたとか、先生方も企業の有り方について考えさせられているそうでね。」
「だろうな、営利企業で有りながら社会福祉に取り組み、起業時には市営企業をイメージしてたなんて会社、他には無いからな。」
「そして、この組織は英語をメイン言語とする。」
「英語メインは中学生とってきつくないのか?」
「大変だとは思うよ、でもアルトバル支社の少年社員達が短期間で英会話力を向上させたことは皆が知ってる、どれだけ学校で学習しても、使わない使えない英語では意味が無いとチーム詩織メンバーたちも理解してるよ。
 そもそもリアル詩織の代わりに海外の人達とのやり取りをすると言う前提で集まった子達だからね。」
「そうだったな、それでも起業までは意識してなかったのではないか?」
「チーム詩織内でも会社の活動に関わって行くかどうかは本人次第なんだ、リアル詩織なら自分の良く分からないことに対して軽はずみな発言をしないと理解してる子達だから、自分の役割を考えて行動してくれると思うよ。」
「バーチャル詩織の一部として、自分の受け持ちが有ると言うことか…。」
「そこの感覚に問題がないから、詩織の分身として一つの人格が成立しているのさ。
 分身のキャラクターが完成したら更に面白くなるだろうな。」
「声の問題が有ると聞いていたが、どうなった?」
「詩織と似た感じの声では有るけど、少しアニメっぽい声の子が三人、バーチャル詩織はリアル詩織とは違う人格の方が面白いとなってね、声の担当も楽しい話、真面目な話と言う状況によって分担して行くことになったよ。
 今後は会社組織などに関する学習動画もYouTubeにアップして行くから作成本数が増えて行くけど、詩織は勿論、声を担当する子達の負担にならない様にもして行かないと駄目でしょ。」
「ああ、あくまでも学校の課外活動的な位置づけでないとないとな。
 国内組織の構築に現時点で問題は無さそうだが、王女さまのグループやアルトバルを含めた組織はどうなんだ?」
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バトル-284 [高校生バトル-29]

「会社運営の事務的な作業は日本のメンバーである程度進めるにしても、現場での労働はうちのアルトバル支社から転籍する子達が中心になるから、その為の調整を進めてる最中だよ。」
「アルトバル支社としてはどうなんだ?」
「元々、職業教育を意識して子ども達を雇用して来たからね。
 青少年向けの職業教育と作業実習を新会社に移管し組織を変えはするけど、実質的な部分は当面今まで通り、支社から分離して行く部署が新会社の実働部隊と言えば良いのかな。」
「そこにチーム詩織や王女さまのチームが参加して新会社を形成して行くと考えれば良いのか?」
「そんな感じだね、日本メンバーの中には新規事業を考え始めている子もいるから、どうなって行くのかは楽しみだけど。」
「すでに案が出てるとか?」
「うん、募金活動をするより自分達で稼いだ資金を社会福祉にと考えてくれてね。」
「健全だな、募金活動をしてる団体の中には怪しげなのも有るからな。」
「そうなの?」
「ああ、別に違法行為をしていなくても、募金で集められた金の多くが団体の理事や職員の給料に充てられてると言う事例を聞いたことが有る。
 団体の維持も活動の一部なのだから問題は無いのだとか。」
「寄付した人達の思いとは違う使われ方をしてるのか…、寄付で成り立ってる国際機関には不透明さを感じさせられるけど。」
「理想と現実のギャップは大きいだろうな、その点、詩織達は自分達で稼いだ金を使い安定した雇用の拡大に取り組み地域社会に貢献しようとしてるのだろ、あのエリアだけでなく世界中に広げて行って欲しいと思うよ。」
「だよね、うちの会社も拡大を視野に入れてはいるけど、対外的なインパクトは中高生が大学生などの協力を得て展開と言う形の方が遥かに強いでしょ、今の社会に限界を感じてる人達が参加し易い形にして行きたいね。」
「大人の参加も考えているのか?」
「シンボルはチーム詩織と言う年齢の無い人格、子どもの為の活動をメインにしているからと言って子どもだけでと考えなくても良いでしょ、詩織達は僕等義兄弟姉妹の考えに同調してくれる人なら問題ないと考えているよ。
 まあ、組織が大きくなれば色々問題も出て来るだろうけど、才能ある若者が活躍出来る会社だと社会的に認識される所まで成長させることが出来たら面白くなるよね。」
「その辺りのカギを握るのがバーチャルな方の詩織なのかな?」
「だね、今までには無かったスタイルの集団、詩織の指示で動くのでは無く、バーチャル詩織を構成する一人一人が詩織ならこう考えこう行動するだろうと思考し試行して行く、その過程で自分の考えを見つめ直し時にはチーム詩織に対して問いかける。
 核が詩織で無かったら成立しない集合体だけど、それぞれが自分の意思をしっかり持って参加することを詩織は求めているからね。」
「詩織も雅も本当に真っすぐ成長してくれたな、やはり三郎や真子、春子が近くにいたからだろうが。」
「僕等だけじゃない、義兄弟姉妹の結束有ってのことだと思うよ。
 雅は旅行中、自分のことを現地の人達に話してくれたんだ、自分が義兄弟姉妹の一員になれてどんなに嬉しかったとか、血の繋がりは無くても私達とあなた方とが心で繋がれたら素敵だともね。」
「そうか…、私達は世界一幸せな家族かもな、雅達を養子として迎える時には大きな苦労を考えてたのだが…。」
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バトル-285 [高校生バトル-29]

「詩織、チーム詩織の人数が増えたが問題は起きて無いのか?」
「高校生や大学生が増えたことで戸惑う声も聞かれましたが、基本的には今まで通りの作業を続けて行けば良いのだと理解して貰えてるみたいです。
 新たな頭脳は過去ログをチェックしながら、自分達の役割を考えてくれていまして、新会社の概要をYouTubeチャンネルで紹介して行く作業も進め始めてくれています。
 内容が固くなりますので多くの視聴数は期待出来ませんが、その作業を進めることにも意義が有るのだとかで。」
「確かにそうだ、対外的なPRを試みることで活動を見直すことにもなるものな。
 だが年齢差によるやりにくさは感じて無いのか?」
「皆さん、バーチャル人格を最大限に活かすことを考えて下さり、私を尊重して下さっています。
 集団と個人の関係が従来の組織とは大きく違いますが、そのことはマイナスよりプラスに働いてると感じています。
 判断基準を明確に示していますので、総務チームや経理チームとのやり取りも、一つの人格としてのチーム詩織が機能しています。」
「それだけ素直な人達が集まってくれたと言うことなのかな?」
「単に素直と言うよりは各々が考えて下さった結果、皆が同じ方向を向いていると。
 チーム詩織メンバーを増やす時には、状況に応じて人の入れ替えをせざる得ないと考えていたのですが、新たなメンバーは受け身だけの人では無く、バーチャル詩織を強化してくれる人ばかり、卒業などの環境変化が起きるまで、その必要はなさそうです。
 面接時には雅の直感も参考にしたのですが、改めて雅が人を見る目の鋭さを感じさせられました。」
「なるほどな、雅が詩織と初めて会った後に詩織のことをべた褒めしてたのを思い出すよ。
 新たな脳みそ達もリアル詩織に対して憧れの念を抱いているのかもな。」
「それは…、どうでしょう…。」
「チーム詩織に問題がないのなら、会社としての正式な発足日はどうする?」
「そうですね、すでに新会社としての業務を始めながら会社としての組織を固めつつ有るのですが、対外的に新会社設立を宣言するのは、アルトバルでの展開、農業公園プロジェクトの他に日本での展開をアピール出来るタイミングをと考えています。
 ある程度、先々の展開を示せる状態になっていないと、子どものお遊びと思われかねませんので。」
「そうか、タイミングを図り一気に事業を進めようってことだな。
 日本での展開、案は固まって来たのか?」
「はい、地方の活性化を一つの目標に掲げ、個別ではPRしにくい地方商店の商品をまとめ、通販の手助けをして行くサイトを立ち上げます。
 それぞれの商品に関して、地元の中高生が調査しアピールする形、商店との交渉を始めたばかりですが、すでに三つの商店が前向きに考えて下さっています。
 その辺りの交渉が成立すれば、他の商店へも直ぐに広がりそうです。」
「サイト構築は一郎兄さんと交渉した?」
「はい、サイトの構築や運営も高校生や大学生の学習、実習となる様に、そして、その経緯や経過もPR活動の一環として映像作品として残して行きます。」
「はは、抜かりはなさそうだね。」
「そこに、私達が考えた新商品をこっそり紛れ込ませようと、狙っていまして。」
「最近、雅がお菓子造りに励んでいるのはその一環なのか?」
「どうですかね、本人が食べたいだけかも知れませんよ。」
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バトル-286 [高校生バトル-29]

「詩織、アルトバル支社から農業公園プロジェクトに派遣された連中は問題なくやってる?」
「問題は起きてます、元々貧困層出身者がエリート層と共に働くと言うプロジェクト、価値観が大きく違いますので。」
「それで大丈夫なのか?」
「チーム詩織が私達の理念を明示しながら新会社が一つに成れる様にと、双方の気持ちを聞き溝を埋める作業を試みています。
 ただ、英語力の差も有り簡単な作業では有りません、更に今後雇い入れて行く人達と私達との接点を作っていくのは更に難しいと言う問題も有ります。」
「そこを乗り越えられないと事業の成功は難しそうだな。」
「最悪の場合は現地の日本人スタッフから指示を出して貰うことになりますが、その手は最後まで温存し極力自分達で解決して行きたいと考えています、まだ時間的な余裕は有ると思いますので。」
「農業公園の工事はまだ始められる段階ではないものな。
 今は研修が中心なのだろ
 公園の設計には手を付けているのか?」
「はい、設計面まで任せられる様な体制を向こうで作り上げることは難しそうですので、遠江大学にも籍を置く国立大学農学部関係者らがチームを組み、現地の声を聞きながら進めています。」
「そのチームも新会社の一員に?」
「ええ、そのチームからチーム詩織の頭脳となって下さる方もおられまして、チーム詩織と言う人格は農業にも詳しくなりつつあります。」
「本来なら個人の名前で活動したい所をバーチャル詩織として動くと言うことなのかな?」
「どうでしょう、大学で研究してると言っても個人の名前で広くアピール出来るとは思えません。
 バーチャル詩織の一員として実績を上げ、次へのステップを考えて頂けたら良いのではないでしょうか。」
「確かにそうかもな、でも、その人の収入面は大丈夫なのか?」
「そこは遠江大学サイドにお任せです、私達の活動は全てが研究対象と言っても過言では無く様々な実験的取り組みを進めらて行きますので。」
「うちの会社でフォローする必要はないのかな?」
「はい、日本国内の展開に関しては大丈夫です、その分現地への投資に回して頂けたらと。」
「何処に重点投資をしていくのかは微妙でさ、国王陛下は当初予想していた以上の投資を考えておられてね。」
「みたいですね、国の将来、エリアの安定を考えたら少しばかりの出費はやむを得ないと聞いています。」
「その少しばかりが少しではないから、我々としても投資を考え直すことにして、検討中なんだ。
 詩織達の会社が、あのエリアだけに拘らず世界と向き合って行くのなら、そのフォローをして行きたいと言う社員もいてね。」
「それは…、確かにYouTubeへの書き込みでは我が国へもと言う声を少なからず目にしていますが…。」
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バトル-287 [高校生バトル-29]

「今後海外で展開エリアを広げて行くことは全然考えてなかったのか?」
「いえ検討課題にも上がっているのですが、とても難しいことですので。
 ただ、事業展開を進めて行くには充分な準備期間が必要です、今は無理ですが、未定のままでも準備を始め、良い事業案が出て来たら検討するのも良いのではないかと思っています。
 私達の事業が低所得者層から仕事を奪うことになっては本末転倒になってしまいますし、色々条件を考えるとそれをクリア出来る事業はかなり限定されてしまうのですが。」
「そうだな、農業公園構想は、公園として収益を上げ、作物の出荷を行っていくが、それ以上に研究や教育の要素を意識し、既存の農家もそこで学び自身の農業を変え収穫量アップに繋げてくれたら、食品輸入比率を下げるだけでなく地産地消が進むと考えているが、それは国王陛下の英断有ってのことだからな。」
「ですね、大きなスポンサーが見つかれば話は早くなるのですが、一つ間違えると私達の理想から外れかねません。
 事業内容も難しいですよね、美味しい話を簡単に見つけられる様なら誰も苦労しないのでしょうが。」
「だよな、まあ、アルトバル支社の展開と国境をまたぐ形の農業公園が良い形で世界に知られる様になれば違う動きに繋がって行くのかも知れないが。」
「そうですよね、私達は当面、お兄さまの会社にサポートして頂きながらお役に立てる組織へと育てて行きたいです。
 お兄さまの会社では、あのエリアでの展開、進みそうですか?」
「ああ、詩織のお蔭でグッズ販売が好調だから、支所を増やせる目途は立ってる。
 他のエリアへの展開も進めて行きたいと思っていたが、詩織達に倣い、まずは研究を中心進めることにするよ。」
「私達としては多くの国々から積極的にそう言った情報の収集をして行きたいところですが、実際に実行に移して行けるのは随分先のこと、そして必然的にその中の僅かな国になってしまいますので、ガッカリさせかねなくて、そんな難しさも感じています。」
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バトル-288 [高校生バトル-29]

「なあ三郎、詩織達の新会社の状況はどうなんだ?」
「社員が多国籍なので意思疎通に苦労する面が有るようですが、現地サポートの話では経理や総務などを担当している遠江支社が間に入って頑張ってくれてるそうです。
 作業上のトラブルは人間関係も含め総務部へ報告する様に義務付けた所、英語力向上に繋がっているのだとか。」
「えっ…、あっ、他人の悪口を上手に表現する練習になってるとか?」
「まあ、最初はそんな感じなのかな、報告に対しての改善策が詩織さまから直接提示される。
 チーム詩織は人間同士のトラブルに関して双方の意見を聞くことも有ってね。
 彼らだって、チーム詩織と言うバーチャルな存在だと分かっているのだけど『SHIORI』と言う文字から、リアル詩織や少しずつ人気が出て来たバーチャルユーチューバー『SHIORI』の姿をイメージしながら助言を受け止めることに、結果、詩織達の掌の上で転がされている様なもので、そのまま意識改革に繋がっているのだとか。
 現地社員が我々の価値観を伝えるのに苦労していた子達も、積極的にチーム詩織と関わった子達に導かれ変わりつつ有るのだとか。」
「チーム詩織にとっては、かなりの労力だと思うが彼女達の負担は大丈夫なのか?」
「人間関係では同じようなトラブルが多いので、アドバイス担当は慣れるのが早かったそうだよ。
 技術的なトラブルは専門家と相談し、場合によってはうちのスタッフに動いて貰う事も有るのだけど、そう言った判断も卒なくこなしながら。
 エリートチームが実習として担当した測量も高校生大学生でチームを組み助言をしたんだ。
 それを通して測量の専門用語を英語で覚え使うと言った新鮮な経験が出来たそうでね、高校生の中には、英語の数学問題を解くことに挑戦し始めた人もいるそうだよ。」
「知的好奇心が刺激されたと言うことか。」
「たぶんね。」
「遠江支社が上手く回っているのなら安心だな。」
「でも、向こうでは今後協力的な国を中心に農場を増やして行くから油断は出来ないね、ハイティーンの子達もそれなりに雇って行くからね。」
「スタート時は特にトラブルが起きやすいからな、それで、株式会社SHIORI遠江支社は全く問題が無いのか?」
「そうだね、強いて言えば参加者がどんどん増えてることが有るかな。」
「そんなに増えたのか?」
「特に高校生がね、英語を実践的に使用する環境への憧れ、商業高校生は商業体験実習。
 積極的に後押ししてくれる高校も増え始め、これから益々面白くなって行くと思うよ。」
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バトル-289 [高校生バトル-29]

「詩織、株式会社SHIORIの活動が活発になって来てると聞いたが無理はしてないか?
「王さま、チーム詩織が上手く機能していますので大丈夫ですよ。」
「詩織が最終判断を任されることも有るのだろ?」
「有りますが、私の所に来るのはどちらでも大差ないと言う理由で最終決定をしずらい案件、くじで決めて良いようなレベルですので、ほぼ直感だけで判断しています。」
「そうか…、私が市長になってからそれなりの月日を経たことで、市役所の職員や市議会議員達は私の考えをより深く理解してくれるようになった、その結果、多くの案件は詩織と同じように判断で済ませることが出来る様になったと思うよ。
 勿論、慣れから来る落とし穴に落ちない様チェックを怠たっていないがね。
 難しい案件についてはチーム詩織の頭脳が充分に検討してくれてるのかな?」
「はい、少し面白いのは専門分野担当の大学生が検討した内容を一般の脳みそに公開するとたまに的を得た鋭い質問が返って来ることが有るそうで、大学生が全く素人の中高生からの質問を元に案を練り直すことが有るのです。
 そんな中高生の意見をも真摯に受け止める大学生の方々は中高生の信頼が厚いのですよ。」
「専門用語も出て来るだろうし、それが英語なのだから中高生にとっては大変ではないのか?」
「それすらも面白がれるメンバーなのです。」
「あっ、そうか、詩織がそうだから、詩織なら、と常々考えてる連中は自然に。」
「はい、多くの脳みそが集まってのバーチャル詩織なのだから、個人的に無理する必要は皆無、みんなバランス感覚と言う言葉を忘れない様に心がけてくれてます。」
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バトル-290 [高校生バトル-29]

「詩織、商業高校がボランティアで動き始めるのなら高校生バトルとしてバックアップして行こうか?」
「有難う御座います次郎兄さま、何か案をお持ちなのですか?」
「ああ、検討されてる案を見せて貰ったが、より内容を濃くし長く続けて貰う為のをね。」
「正直な所、私自身、話が進行した場合どうなって行くのか今一つ見えていませんので助かります、チーム詩織にも商業の専門家はいるのですが、商業高校の実習や部活動は専門外だそうで。」
「はは、高校生バトルチームはその道のプロ集団だからな。
 各チームはまずどんな活動で利益を得て行くかのプレゼン勝負なのだろ。」
「はい。」
「でね、案を見て一発勝負と言う印象を受けたのだけど、プレゼン勝負みたいな企画では何度でも挑戦出来る環境を用意することが大切だと思うんだ、諦めない心、粘り強さを参加者に持って貰う意味でね。
 収益を見込めそうなプレゼンが無かったら、合格ゼロでも構わない、その代わり再挑戦や新規挑戦を受け付ける。
 そんな事務的な手間や経費に関しては検討中なのかな?」
「はい、中高生が人数の力でこなしても良いのですが、事務全体を把握している人が一人必要とも考え、人を雇うことも考えています。
 その為の費用に充てると言う名目で、参加者にエントリー料を払って貰う案も出ています。」
「そうだね…、有りだけど少額が望ましいかな、但し、三回目の挑戦ぐらいから高くして行こう、同じ様な内容でのエントリーで気楽に回数を重ねられても、それは改善すべき点が全く理解出来ないまま、無駄の時間を使うことになるだろ。」
「ですね、参加チームがそれなりのアドバイスを受けられる体制をと考えていますので、それを次に活かせないと自ら証明する様なチームは…、二度目の挑戦で合格出来なかったチームには、その場で次回エントリー料を内容に応じて提示しても良いと思います、後一息なら安めに、問題外なら高額を提示しても良いですよね。」
「ああ、点数で評価されるより効果的かも知れないぞ。
 完全に不合格と言える金額を提示しつつ、全部一新し一から再挑戦する場合の金額も合わせて提示するのも良いだろう。」
「では、脳内に情報を広げ、高校生バトルサイドとの連絡担当を決めてから、お願いに上がると言う事で宜しいですか?」
「う~ん、メールで済ませても構わないが、高校生バトルメンバーと話したい人がいれば、そういう場を用意するよ。」
「はい、お願いします。」
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