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大銀河帝国-07 [シトワイヤン-32]

陸路を選んだのは姫さまの祝福をより多くの人に感じて貰う為、今回の旅行は通過する国を大銀河帝国の側に引き込む狙いも有る。
姫さまの存在を恐れているイスラム指導者は少なからずいて、どこからミサイルが飛んで来てもおかしくはないのだが、大銀河帝国を積極的に支持している国々のことを考えると、それは自殺行為に等しいと彼らは理解している様だ。
まあ、こちらの目論見通り、国境を越えてからも巡礼者の出迎えを受けている。
姫さまが、その影響力を及ぼす範囲は広いので実数は把握出来ないが、宿泊地に選んだ町や村での歓迎ぶりは国内外に広く伝えられ、何よりも日本人だと言う事で好感を持たれているという。
それには日本が十字軍に関わっていなかったという歴史的な事実が影響していると話す人もいて、改めて国民感情の難しさを考えさせられた。
この国四日目の宿泊地に到着し。

「姫さま、ここまで時間を掛けた甲斐が有りまして、この国に中東三か所目の社を建設する話が進み、場所の選定に入りました。」
「中東の拠点が一つ増えるのですね、宗教指導者の不機嫌そうな顔が思い浮かびます。」
「大銀河帝国に歩み寄ることにより政治的経済的な安定を優先する方向に傾きました。
この国も国民が一致団結というのには程遠い状況ですが、巡礼者達は姫さまの祝福を感じて国の改革に取り組む方向に。
隣国からの情報も刺激になっていた様で、古い因習からの脱却、それを成功させないと隣国との国力差が広がり過ぎるとの危機感を感じていたそうです。」
「あの王子さまは、派手な投資しつつ、しっかり稼いでいますからね。
そして、イスラムの戒律を緩める方向性は国民の支持を得ています。
それだけに、新たな対立を生み出しかねないのですが…、その兆候は有りませんか?」
「今回の訪問が、その出鼻を挫く形になったみたいです。
世界中の注目を集めている今の状況下で、姫さまや大銀河帝国に対する批判を展開したくても、その根拠は用意出来ないでしょう。
姫さまの祝福を感じた人達の間にはイスラムの戒律に対する疑問が膨らんでいますが、中東各国の権力者達は、姫さまに対して忠誠を誓う者達を抑え込もうなんて事をしようものなら暴動になり兼ねず動けないのです。
巡礼者の人数はそれだけの規模になっていますので。」
「今回の目的地で対立してる人達の反応はどうですか?」
「今の所、姫さまにお見せした彼らの自己主張から進展は有りません。」
「調停案に対する返答も無いのですね。」
「はい、彼等にもプライドが有って引っ込みがつかないのだろうと王子は話していました。」
「そっか、小娘の提案は飲めないと…。」
「ここで、姫さまから怒りの鉄槌とかはないのですか?」
「えっ、そもそも怒っていませんし…、呆れてはいますが…、鉄槌を下すより彼の地に舞姫フレンズを増やせば何とかなると思いません?」
「どうなのでしょう、彼らの価値観が今一つ理解出来ていなくて。」
「対立の構図は単純では無いのですが、皆さんが大銀河帝国の価値観を理解して下さればシンプルに解決すると思います。
この国も隣の王国を見習って宗教改革が進みそうだと、特別警護隊の方が話しておられました。
そのまま様々な対立構造が緩んで行けば、いずれ国を離れた難民たちも元の国に落ち着けるとも。」
「そうですね、時間が掛かっても何とかしたいです。
ヨーロッパに余力を作らないと、アフリカの問題にまで踏み込めないと思うのです。」
「まずは明日からですね。」
「はい、明日は国境近くまで移動、その地に内戦の当事者達を集めたいのですが、まだはっきりしていなくて、国連関係ではない、大銀河帝国舞姫さま特別警護隊の存在を彼らがどう捉えてるのかも分かりません。」
「焦る必要はないです、じっくり取り組みましょう。」
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大銀河帝国-06 [シトワイヤン-32]

町に滞在中、巡礼者を標的に自爆テロを計画していた者が、姫さまの祝福を感じて投降してきた。
舞姫さま特別警護隊を緊張させたが、それは以前にも有った事、姫さまの力を改めて確認出来、安心させもした。
警護隊にとって悩ましいのは姫さまがしばしば宙に浮いてしまわれること。
狙撃されたらと思うと、何も出来ない自分の無力さを感じるのだが、宙を舞う姿が美し過ぎて、見とれてしまうそうだ。

「姫さま、今回は宙に浮かれる事が今までより多いのですが、何か理由が有るのですか?」
「宗教に関係している人達は過去の亡霊に縛られていると思いませんか、民族間の対立もですが。」
「そうですね。」
「そんな人達に向けて、宇宙人みたいな私の存在をインパクト有る形で示す一番の方法だと思うのです。」
「警護隊からは無防備過ぎて心配する声が、一応、姫さまの足が地を離れると姫さまを視認出来る範囲の警戒度を高めてはいるそうですが、せめて高さは控えめにして頂きたいとか。」
「そうね、気を付けるわ、でも多くの人にハヤブサと共に空を舞う姿を見て頂きたくも有るのです。」
「あのハヤブサは姫さまのことを覚えていたのですか?」
「それはあの子に失礼です、飼い主が嫉妬するぐらいに仲良しなのですから。」
「そうでしたか、確かに随行のカメラマンが撮影した姫さまの腕にとまるハヤブサの写真は誇らしげに見えました。
明日からはリムジンバスでの移動になりますが、マスコミ関係者はハヤブサを旅のシンボルにしたいと話していまして、彼と絡むシーンを色々撮影したいそうです。」
「移動中は変化が少ないですものね、バスの車内や停車時などにカメラマンにサービス出来る様、考えておきます。
後、警護隊の人達とのシーンもお願いしたいですね、非番の方々と。
多国籍をアピールしたいですし、下手でも私がアラビア語を使えば、中東を重視しているとアピールすることにもなると思います。」
「彼らも喜ぶでしょう、警護隊に選ばれただけでも名誉だと考えている連中です。
今の所、最新の監視機器は正常に働いているそうで、明日からのルートに問題は無いとの報告を受けています。
本当に緊張感が高まるのは先の事ですので、明日はリムジンバスに乗り込む隊員達と交流して下さい。
リムジンバス内でしたら何を話されても構いません、撮影はしますが外部へは編集したものしか出しませんので。」
「そんなややこしい話はしませんよ。」
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大銀河帝国-05 [シトワイヤン-32]

姫さまが治安の悪い地域へ足を踏み入れる。
万が一の事が有ったら大変だが、舞姫さまの力がそのエリア一体へ及べば、出口の見えない紛争に何らかの良い変化が生じるかも知れない。
賛否様々な意見が出たが、姫さまの意向でも有り、議論はその方法論になった。
結果、姫さまはターゲットにするエリアの隣国に王子の仕切る王国から入り、内戦中の国との国境を目指す事に。
王子が中心となり、隣国及び内戦中の指導者達と交渉を進めつつ姫さまを迎え入れる準備を整えて行った。
のんびりしていると酷暑の季節になってしまうと作業は急がれ、隣国がほぼ了解という段階で、姫さまともう一度王国へ飛んだ。

「今回は国境近くの町という事で設備が整っていないと聞いていましたが、なかなか立派な屋敷ですね、上空から見た所では荒れた感じの土地が広がっていましたが。」
「姫さま、急遽整備したそうです、この居住エリアの整備と共に、巡礼者の為に仮設トイレや仮設店舗も建てられまして。
ここは舞姫さま特別警護隊の本部としても機能します。」
「警護隊は、あえて多国籍なのですよね。」
「ええ、当初、王子は自国の軍だけで充分、指揮系統を考えたら無駄も無く安全だと主張したのですが、今後、地球防衛軍として災害時、多国籍で展開する事を念頭に妥協して下さいました、コミュニケーションの方法を色々試す事になると思います。」
「非常時に意思疎通が出来ないと大きな問題になりますね、時間を作って警護隊の方ともお話したいです。」
「分かりました、その様に手配しておきます。」
「ここから先は陸路ですね。」
「はい、すでに先行部隊が整備し警備上の問題がないか確認しています、国境から先も隣国との交渉がまとまりましたので、向こうの軍隊と共に準備を進めているそうです。」
「どんな車で行くのですか?」
「防弾対策の施されたリムジンバスになります、軍隊の車両が前後を固め上空からヘリが交代で監視します。
マスコミ関係の車両も含めるとちょっとしたパレードになります。
国境を越えてからの宿泊施設として、内外装を女王さまに相応しい仕様にしたトレーラーハウスが用意されていまして、それも車列に加わります。
状況に応じて、リムジンバスかトレーラーハウスを先行させ、そこまではヘリで移動という事も検討されています。
米軍がこの辺りの監視を強化していますが、今の所、特に目立った動きはないそうです。」
「やはり緊張感が違いますか?」
「はい、目指している国との国境付近では最近死者が出ています。
自分は、姫さまをお守りすることしか考えていません。」
「そういった事をマスコミは世界へ発信してくれているのでしょうか?」
「勿論です、世界中にいる大銀河帝国の臣民達は、姫さまの無事を祈っています。
また、争っている連中が妥協点を見い出せたら、どんな支援が最も有効なのか、国を越えての話し合いも行われています。」
「何とか結果を出したいですね。」
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大銀河帝国-04 [シトワイヤン-32]

大銀河帝国に関わる人達は多国籍で有る為、様々なルールが定められている。
例えば、自分が所属する国の利益を優先することなく、弱小国に目を向けること。
帝国を利用しての経済活動は奨励するが、得られた利益は極力社会に還元する形で投資すること。
各国の食糧自給率に配慮することなど。
これらは、帝国の法として正式に定められた訳ではないが、仮の法として姫さまの承認を得たもの。
法的拘束力は皆無の努力目標と言えなくも無いのだが、国家間の交渉でも相手国の事情に配慮する事が増えているのはこういったルールが浸透し始めているからに他ならない。
舞姫さま登場以前の世界では、ひたすら自国の利益をぶつけ合いながら妥協点を模索して来たのだから大きな変化。
因みに正式な帝国の法は、新しい形態である帝国組織がもう少し固まってから整備をして行く、今は大銀河帝国に相応しい法体系を研究している段階だ。

「帝国の建国宣言以降、帝国を認め新たな国際的な枠組みを模索している国々は活気づいてるみたいですね。」
「舞姫さまと共に歩む道を実り有るものにして行こうと、各国のリーダーだけでなく国民達が考えているのだから、今までとは違った価値観が定着しつつ有るみたいだね。
お金の使い方を変えたら、尊敬される様になり企業の収益が向上しているという話を耳にしたよ。
ただな…、智里は我々と距離を置いてる国をどう思う?」
「独裁者にとっては自分以上で有る、万里の存在は疎ましいでしょうね。
スパイを送り込むと、国を見限って亡命してしまうのだから、彼らに出来る事は無視を決め込むぐらい、でも、国民に全てを隠しておくことは不可能でしょう。
今は過激な手段を選ばない事を祈りつつ静観するしかないですね。」
「ねえ、お姉ちゃん、こちらから動くことを考えても良いと思うのだけど。」
「万里、こちらからって、何をするの?」
「内戦を頑張ってる国に、私が遊びに行くとか。」
「そ、それは…、私だけでなく、世界中の人達を心配させることになるでしょ。」
「多くの人にとって、よその国の内戦とか、知らない国同士の紛争なんてどうでも良い事、でも地球市民としてはどうなのかな。」
「そりゃあ、万里がそんな所へ足を運んだら、世界中が注目するでしょうね。」
「難民達には祖国を再生する力になって貰う、難民の発生源を減らし再開発することで、多くの難民を受け入れて来た国の負担を減らして行きたいと思うの、その切っ掛けとしてね。
まずは隣国から国境付近を視察する形でどうかしら。
中東を重視という意思表示が、まだ充分とは思えないの。」
「姫さまに危険の無い様…、当然、そこの人々は姫さまの祝福を感じるだろうから…、ただ、遠距離からのミサイル攻撃には無力です。」
「和馬さん、それは怖いですが、私が飾り物の女王では私に忠誠を誓って下さってる方々に申し訳ないです。
世界平和に向けて攻める姿勢も必要ではないでしょうか。」
「でも、万里に何かあったら…、そうね…、現状、万里を銀河の果てに飛ばす様な国が、その先地上に残るとは思えないかな…、大銀河帝国の力を示す意味でも、まずは万里の意向を各国に伝えてみてから検討しましょうか。」
「う~ん、姫さまの力を信じてはいますが…。」
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大銀河帝国-03 [シトワイヤン-32]

日本の総理に続いて、ヨーロッパや東南アジアの首脳達がスピーチ。
舞姫さまの下に集まる国同士が経済交流を活発にして行く、地球防衛軍により一国では解決出来ない問題に取り組むなど、世界の枠組みを変えて行く構想が語られたのは、国連より自由度が高いからだ、大銀河帝国の方向性に対して反対する国に気を遣う必要はない。
会場を提供した王国と今まで良好な関係を築けてなかった国も、未来志向の協力を王子達と合意したと発表した。
大銀河帝国との、これからの協力関係を自慢げに話せる首脳達の話が一通り終わってからは、単なる祝辞が続き終了。
その夜の晩餐会も和やかな雰囲気で進む。
舞姫さまの前で恥ずかしい話は出来ない、そう、誰しもが苗川で内面の恰好良い市民を目指す運動の存在を知っている。
舞姫さま関連の企業が莫大な利益を上げ、その利益を社会に大きく還元していることも。
ある首相は、国家間の格差は簡単に縮まらないにしても、貧困層を減らし国民の多くが中流意識を持てる国にして行くことは、富裕層の意識改革が進み始めている今、それほど難しい事ではないと話す。
すでに舞姫さまに忠誠を誓う者達は、バランスの取れた社会を目指して動き出しているとも。
そこからは、各国の自慢話、舞姫さまの意向に沿って我が国ではと。
姫さまの前で、楽しそうに語り合う首脳達の姿は世界中に伝えられ、その内容を誇らしげに受け止める国民が多かったそうだ。
一夜明けて。

「姫さま、開いている証券市場では、大銀河帝国に関連する企業の株価が一気に上がっています。
株式会社舞姫も上場してあればとんでもない事になったでしょうね。」
「う~ん、実態の伴わないバブル状態にならないかしら。」
「高値で株を手放した人は、その資金で何をすれば良いのか、舞姫さまに喜んで頂くには何をすれば良いのか分かっていると話していました。
大金を手にして私利私欲に走るのか、その資金をバランスの取れた社会構築に役立てるのかと言えば、圧倒的に後者が増えています。
企業家を評価する基準として、多く稼いだではなく、安定雇用の場をどれだけ多く作り上げる事に成功したかとしよう、という声も上がって来ています。」
「なら、私もその基準で評価される様に頑張ろうかな。」
「姫さまは、そこにいて下さるだけで…、姫さまは評価の対象にはなり得ません。」
「え~、経営について研究して来たし、実績も出ているのだけどな。」
「残念ながら姫さまがどれだけ多くの実績を上げられた所で、凡人と比較するのは失礼だと誰しもが思います。」
「少し残念な気もするけど…、せめてお手本になる様な形を模索して、お小遣いの使い方を考えてみようかしら。」
「お願いします、今までも姫さまの指示で運用された資金は大きく社会に貢献した上で利益を出しています。」
「小学生の頃はビジネスで成功、なんて事も考えてたのですよ。」
「姫さまは何をなされても成功すると思いますが…、今は目標とかあるのですか?」
「そうね、本間さんとは、世界のトップリーダーとしての在り方をね、何もしないでのほほんと生きて行くのも有りなのだけど。」
「あっ、本間さんは後継者に上手く引き継ぐ道筋を考えていると…、表向きは引退して…。」
「ふふ、裏で、私達のフォローを考えて下さっているのですよ。
今まで色々な方々とお話させて頂きましたが、本間塾長の素養は群を抜いていると思います。
苗川大改造の成功を市民の力だと話されますが、リーダーとしてそれを導いた塾長のお力無くしてはスタートすら出来なかったでしょう。
その彼が、市長職を後継者にお任せして、苗川の地から世界に対して影響力を発揮して下さるのです。」
「本間さんの肩書はどうされるのですか?」
「う~ん、何か怪しげなのはないかしら。」
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大銀河帝国-02 [シトワイヤン-32]

大銀河帝国建国宣言の当日、セレモニーは帝国を特別な国家と認めた国々の音楽家達が神殿の舞台に立ち帝国を讃える曲を合同で演奏して始まった。
国歌や愛唱歌の候補はすでに幾つか有り、その中の一つだ。
最初のスピーチはこの国の王子。
舞姫さまに対する感謝に始まり、地球を一つにしようと言う帝国の思惑を語り、最後に、イスラムの教えによって紛争が無くならないのなら、自分はイスラムの教えを離れ、ただ舞姫さまと共に平和を希求して行くと宣言した。
一年前、舞姫さまがこの地に祝福をもたらしてから、長年続く中東各地の紛争と向き有って来た人物の言葉で重みが有る。
その王子に呼ばれる形で舞台に立った姫さまは、この場を用意してくれた王子と国民に感謝の言葉を述べた後…。

「地球上のあらゆる問題と向き合う多くの人々と共に平和な世界の確立を目指し、全ての国家と手を取り合い明日の地球を守って行く大銀河帝国、その建国をここに宣言します。」

この瞬間、神殿にいた各国の要人は歓声を上げた。
そして、この模様を中継で見ていた世界中の人達が、それぞれの流儀で祝う。
真夜中の国では花火が打ち上げられ、朝日に向かって建国を祝う歌を歌う人達がいれば、夕日を前に踊り出す人達も。
神殿に用意された巨大モニターには、そんな各国の様子が映し出されて行く。
三十分程すると、姫さまの舞が始まり、世界中の人達が注目する。
ふわり、そんな音が聞こえて来そうな感じで宙に浮き、姫さま曰く喜びの舞が舞われる。
今回、音楽はなく、手に持った鈴の音だけが神殿に響き渡る。
それがまた幻想的、舞姫さまが人を超えた存在で有ると改めて確信させられた。
舞が終わり、人々がその余韻に浸る時間を充分にとった所で、各国の要人によるスピーチが始まる。
トップは日本の総理大臣。
大銀河帝国建国に対し祝いの言葉を述べた後。

「我が国の国民の多くは、大銀河帝国の国民でも有ります、日本は舞姫さまの祝福を一番多く頂いている国でも有り、姫さまと共に歩んで行きたいと考えております。
地球防衛軍の日本師団につきましては、自衛隊からも人員を送り込み、日本のみならず世界の環境改善の為に尽力して行きたいです。
我が国は諸事情により平和を目的とした軍事活動に対して積極的に関わることが出来ませんでした。
その分、地球防衛軍の描く理想に向けて出来る限りの支援をさせて頂きます…。」

総理が自信を持って協力を約束出来るのは、姫さまが日本中に祝福を届けて下さったからに他ならない。
本当は自衛隊をそのまま地球防衛軍にしたいところなのだが、まだ国際情勢はそれを許すに至っていない。
ただ、周辺諸国の国民が大銀河帝国に多く登録してくれれば、日本の持つ戦力を削減出来ると思う。
おっと、日本の憲法では戦力を保持しないとなっていた。
日本を守る為の防衛力を戦力ではないと言う人がいて、未だに自衛隊はおかしな存在のままだが、周辺諸国と共に大銀河帝国を盛り立てて行ける状況に持ち込めるのなら、自衛隊から武器を無くしその全てを地球防衛軍日本師団に再編出来るかも知れない。
そうなれば憲法を改正することなく、言葉通りの憲法九条が成立するのだが、まだ高いハードルが残っている。
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大銀河帝国-01 [シトワイヤン-32]

舞姫さまが大銀河帝国建国宣言を行う地下大神殿は工期に余裕が有った訳ではないが、プロジェクションマッピングを最大限に活用する事で建国宣言の日に間に合わせた。
一方、建国宣言の二週間前から世界各地で祝賀イベントが始まっている。
帝国の文化省が主導し、帝国の臣民になると宣言した歌手やダンサー達が参加、その利益は帝国の社会福祉省が管理し各イベント開催地の貧困対策に充てられることになっている。
すでに、姫さまが歴訪した地域の住民を中心に多くの人が国民登録を済ませたが、彼らはこの祝賀イベントを地球の歴史始まって以来最大のお祭りイベントにすべく準備して来た。
著名なアーティスト達が集まり、舞姫さまを讃え大銀河帝国の建国を祝う歌は世界中に配信された。
各地のイベントは映像を通して共有され、舞姫さまに感謝する人の多さを世界中の人達にアピール。
まだDVDでしか舞姫さまを感じていない人達にも、大銀河帝国によって世界が変わるのだと実感出来る程にだ。
姫さまが訪問したことの有る地域が特に熱く盛り上がったのは言うまでもない。

「姫さまの祝福を感じた人達は、地球市民党の理念にも触れ市民意識が著しく向上しているとは聞いてたけど、思っていた以上みたいね。」
「愛華は犯罪発生率の報告は見てなかったのか?」
「もしかして減ってるの?」
「姫さまの訪問した国では大幅にね。
「舞姫さまが舞う映像は、刑務所や病院、学校などでも流され人々に癒しの効果を発揮している。
そのメカニズムは全く解明されてないが、その効果が顕著なので誰も否定出来ず、まだ舞姫さまのことが良く知られていない国にも浸透しつつあるそうだよ。
そして、舞姫さまに感謝の念を持つ人たちは、姫さまを中心とした大銀河帝国によって世界がより平和になって行く事を期待し喜んでいるのさ。
大銀河帝国建国祭は宣言を挟んでの一か月間、世界中で大小様々なイベントが開かれるのだけど、姫さまの祝福を感じた人達が中心となってるから、普通に起こりそうな金銭がらみのトラブルもまだ報告が入ってなくて、人類史上最大のお祭りは良いスタートを切れてると思うよ。」
「姫さまとしては如何ですか?」
「とてつもなく多くの人達が私の事を考えていて下さるからか、熱いエネルギーを感じています。」
「だからかな、万里、さっき報告が入って、万里の祝福を感じられるエリアが広がっているそうなの、この地への巡礼者も数えきれなくて、MAIHIME TOWN同様仮設トイレがフル稼働、今後の緑化事業に向けて有機肥料が沢山出来そうなんだって。」
「へー、MAIHIME TOWNでは土壌改良に使われたと聞いてたけど。」
「なあ智里、巡礼者達はイスラムの礼拝をしているのだろうか?」
「どうでしょう、スタッフに確認して貰いますが、舞姫さまに忠誠を誓い大銀河帝国の民となった人達が、万里の祝福を感じながら礼拝をするものなのでしょうか。
確かに帝国でも信仰の自由を保障していますが。」
「智里、多くの人が来て宿泊は大丈夫なのですか?」
「ふふ、清香さんと違ってワイルドな人達なのです、皆さんは初めから野営するつもりで来ていますよ。
王子さまの指示で、長時間滞在すのではなく交代でこの近辺を訪れるスケジュールが組まれています、ほとんどの人は建国宣言の場に立ち会える訳では有りませんが、祝福を感じられる機会を得られた事に感謝している人ばかりだと聞いています、昨年、祝福を感じた人達は人間的に成長しているとも。」
「姫さまの登場で、人類は精神的に進化しようとしているのでしょうか。」
「それを可能にし、最大限の結果にするのが私達の役目なのよね、我らの姫さまをお守りしつつ。」
「愛華さん、だからと言って過保護は駄目ですよ。」
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舞姫さま-10 [シトワイヤン-31]

大銀河帝国がお遊びの範囲を大きく超え始めるのに時間は掛からなかった。
正式な国家としてして認める動きが広がり始めた事と、かなりハードルを高くした地球防衛軍の正規部隊、幹部候補生に多くの優秀な人が応募した事が大きい。
バーチャル帝国から、国土を持たないがリアルな国家への移行は、今までにない国家形態という事で国連で揉めたが、水没の危機を感じている一つの島国が大銀河帝国領になると宣言してから大きく動いた。
元より国連に加盟するつもりは無かったので、大銀河帝国建国宣言を行う事に躊躇いはない。
舞姫さまの意向という事で、宣言の場所は中東の王国、その地下神殿を選んだのは、単に王子さまの顔を立てるというだけでなく、中東を重視しているという政治的メッセージでもある。
王子さまは鎮魂の舞を撮影する為に整備していた地下神殿を、建国宣言の日に向け更に充実させている。

「大銀河帝国の女王さま、その国籍は日本のままって不思議な形に納まりそうなのね。」
「各国の法律との整合性も有るし、大銀河帝国国民の国籍を全員出身国に置いたままにすることで、国境を越えた活動として強調出来るでしょ。」
「ええ、大銀河帝国領になる国の国籍を取得する条件も厳しく、帝国に憧れてる人は多いから安易に国籍を取得されてもね。
観光では訪問し易くするけど、それ以外の長期滞在は制限、まずは現在の国民が安心して暮らせる状態にするのが先決。
大銀河帝国建国宣言時に唯一の領地となるのだから、苗川の様な楽園にする為に島々の調査と生活の向上に向けて多くのスタッフが入ってるとは聞いたけど…。
ねえ、万里は、建国宣言する事にプレッシャーとか感じていないの?」
「それ程はね、だってほとんど名前だけの女王でしょ、姫さま扱いにはもう慣れたし。」
「でも、永遠の女王、たとえ舞姫さまが銀河の果てに旅立つ事が有っても、唯一の女王として変わる事は無く、帝国臣民は舞姫さまに絶対の忠誠を誓うのよ。
跡継ぎ問題を軽くするためとは言え、宗教に於ける絶対的存在と同じでしょ。」
「そうね、せめて地球にいる間は舞姫を頑張るしかないみたい。
でも、今後どうなって行くのかは神のみぞ知る、でしょ。」
「ほとんど女神さまの万里がそれを言うのか。」
「帝国と言っても、国連が果たしきれなかった役割を担うという意味合いも有るのだからね。
大銀河帝国所属を宣言する企業からの税収がどれぐらいの額になるのかも楽しみだな。」
「所属する国に納税した上で自主的に、実質寄付とはいえ帝国の国家予算を潤しそうなのよね。
舞姫フレンズの人達は、大銀河帝国への納税額が企業のステータスシンボルになるように動いて下さった、それは舞姫さまに対する感謝の献金だそうで、万里がとてつもなく多くの人の心に安息を与えた事の結果、お金だけでなく帝国を発展させる為に多くの人が動き始めている。
もう、万里を中心に世界が回っている様な状態よね。」
「それは言い過ぎ、でも世界中の人達が地球市民という視点で考え始めてくれた証なのだから嬉しいことだわ。」
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舞姫さま-09 [シトワイヤン-31]

バーチャル王国は大銀河帝国と名付けられた。
帝国という名称に関しては異論も有ったが、スケールの大きさを示すのには悪くないという事で採用された。
立憲君主制では有るが、白い物でも女王さまが黒だと言ったら黒、という内容も憲法に謳われている。
憲法第一条では『大銀河帝国は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
この目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。』と、某国の突っ込みどころ満載の憲法からパクってあるが、武器を一切持たず地球を災害などから守る地球防衛軍の存在は憲法にはっきり明記された。
正式な国土はバーチャル空間にしか存在しないので、国境は存在しない。
ただ、リアルでも舞姫さまの社、舞姫さまの森、株式会社舞姫などに関連する企業の所有地などは、大銀河帝国とそれらが所属する国家とで平和的に共有している事とした。
行政と立法は地球市民党の幹部が担うが司法に関しては、直接関係する国の司法にお任せとなる。
帝国として可能な罰則は、国民としての権利を剥奪し、帝国サイトでの自由度が著しく制限されるぐらいしか用意出来ないからだ。

「万里、バーチャルの筈なのに、国として認める動きが本格化しそうなのだけどどうするの?」
「まだ数か国でしょ、取り敢えず苗川に大使館を置くとか、でも、ある意味国家の資産が小国のそれを上回っているのだからおかしなことではないのよね。」
「国土が微妙なんだけど。」
「国は国土に由来するのね、水没しそうな島国はどうなっているのかな?」
「あそこを本当に手中に納めたら面白いわ、バチカン市国みたいな存在として、世界中の舞姫フレンズにとっての聖地に、でもリアルな国家となったら国籍とかややこしい問題が発生するのでしょうね。」
「世界を一つの国と出来たら良いのだけど、大銀河帝国に関係する土地がかなりの面積になったとはいえ、地球規模で考えたら、まだ微々たるものだからなぁ。」
「それでも、貴族として舞姫さまに忠誠を誓いながら、自分の土地を広げ帝国領にしていくという動きが有るでしょ。」
「舞姫騎士団や本間塾の塾生が増えたからね、リアル国家と問題を起こさなければ良いのだけど。
個人的に自宅を帝国領だと主張する事が流行り始めているのはどうなるのかな。」
「お遊びの範疇だから大丈夫でしょう。
バーチャル帝国のマップ上に仮想の家を建て、リアルとリンク、現実では狭くて古いワンルームマンションでもバーチャルでは豪邸に出来るのだから夢が有って良いんじゃない。
バーチャル空間にはどんどん町が増えてるでしょ、ゲームに参加してる人達は多国籍の人が住む町作りを楽しんでるみたいだし。
地球防衛軍は無給の予備役としてスタートしたけど、志願者に対する研修を始めたのは正解みたいね。
過去の大災害から、その時、組織的に動くことをテーマにネット上でシミュレートしてるでしょ、研修を通して意見交換がなされてるだけでなく、災害に対応した経験の有る軍関係者も、正式に政府の許可を得た上で参加し始めてるから、自然災害に対応する組織として充実させて行けそうね。」
「災害を未然に防ぐことも考えて行くべきよね、そろそろ地球防衛軍の正規隊員、まずは幹部候補生を募集し教育を始めても良いのかな。
ねえ、こういうのって私が指示を出すの?」
「舞姫さまの一言で、どれぐらい動くのか見てみたいわね、百人分ぐらいの予算なら私の一存で動かせるよ。」
「では、地球防衛軍の運営スタッフに連絡を、う~ん、紙に書いた…、命令書みたいのを作った方が喜んで貰えるのかな。」
「そうね、女王さまのサイン入りのをね、スキャンして姫さまからの指示、第一号として公開しましょう、地球防衛軍本格始動に向けてね。」
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舞姫さま-08 [シトワイヤン-31]

和馬さん達はバーチャル王国構想を進めている。
ただ、基本がお遊び感覚なだけに…。

「万里、本間さんは王国の首都は苗川しかないだろうと話していてね。」
「本間さんも乗り気なんだ。」
「日本から独立するみたいな、観光客が喜びそうなお遊び感覚の条例を考えているのよ。
キャッシーはそれに対抗してMAIHIME TOWNを王都にするとか、首都と王都の違いって良く分からないのだけどね。」
「ふふ、お遊びなら何でも有りなのかな。」
「中東の王子さまは、大使の交換を提案して来たし、東南アジア諸国からは舞姫さまの森として王国に土地を提供したいという話が幾つか来てるのよ、こちらに預ける事でそれなりの見返りが有ると判断した人があちこちに提案したみたいでね。」
「へ~、そう来たのか、資金面で問題が無ければ森を守りながら…、お姉ちゃんはどう思う?」
「農業で得られる収入は多くないみたいで、土地の効率的な活用を私達の財力でとか企んでいそうね。」
「効率的か…、国によっては非効率が故に多くの人に働く場が確保されてるという一面が有りそうな気はするのだけど。」
「確かに機械化を進める事で失業率が上がってはね、単純に効率だけを重視する訳にも行かないのかな。
程よく多くの人の生活を安定、向上させる仕事を生み出せれば良いのだけど。」
「逆に、機械化で生産性を高め金銭的な余力を生み出し、非生産的な仕事に従事して貰う人の給料に回すのはどう?」
「例えば?」
「軍隊はその最たるものだけど、環境整備を目的とした、本来なら行政が進める様な作業を民間の力で進めるチーム。
そうね、王国は軍隊を持たない代わりに、平時は緑化事業に携わり大規模災害発生時は救助や復興作業に携わる集団とかどう?」
「規模にもよるわね、ごく小規模ならすぐにでもスタート出来ると思うけど。
確かに世界が平和なら必要のない軍隊でも、雇用の場という一面を持ってはいるのよね。
王国と名乗るのなら、軍隊を持つつもりで…、自然災害に立ち向かう地球防衛軍でも創設してみる?」
「王国は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
日本と違って、王国ならおかしな解釈抜きで、憲法の冒頭に正々堂々と掲げることが出来るね。」
「立憲君主制か、絶対王政というのも楽しそうなんだけど。」
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