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梶田梨乃-01 [F組三国志-04]

「梶田さん、おはよう。」
「おはようございます、秋山さん。
 今日は、ご迷惑をおかけします。」
「はは、ご迷惑だなんて気にしないで、勉強会を生かしてくれたら嬉しいわ。
 さ、省吾んちまで案内するね。」

 色々迷ったけど勉強会に来てしまった。
 テストに向けてみんな頑張ってる。
 私もそれなりにはやってるけど。
 やっぱ、みんなほどには頑張れてない気がする。
 大学へは行けそうにないから…。
 父さんの会社は…。
 それでも、私には学費のことは心配しないでって、父さんも母さんも言ってくれる。
 そうは言われても弟たちがいるし…。
 あっ、ここなんだ、省吾さんの家。

「さあ、どうぞ。」
「はい、おじゃまします。
「そこのスリッパ使ってね。」
「ふふ、秋山さんの家みたい。」
「へへ、さあ、こっちよ。」
「あっ、梶田さんおはよう。」
「おはようございます。」

 省吾さんだ、あらっ?
 隣の人は誰かしら、クラスのみんなは?

「矢野さん、梶田さんだよ。」
「おはようございます、矢野です。」
「は、はい、おはようございます。
 えっと、クラスのみんなは?」
「近くの生涯学習センターよ。
 梶田さん、大学生の調査って話しをしたでしょ。」
「はい。」
「梶田さんには、先にそっち、矢野さんたちへの協力をお願いしたくてね。」
「あっ、はい。」
「あっ、そんなに硬くならないで、僕らの調査は高校生の意識調査って感じで、普段の学習とかに関して思ってることとかを簡単に聞かせて貰えたらって程度だから。」
「はい。」
「で、省吾と美咲さんに聞かれたくなかったら席をはずして貰うことになってるけど、どう?」
「えっと、出来れば一緒にいて貰いたいです。」
「了解、でも二人は横で他ごとしてるからね。」
「はい。」
「まずはちょっとした確認から…。」

 大学生の調査か…、ちょっと緊張する。

「…、ということは…、自分では、学習に対して真剣には取り組めてない、と思っているのだね。」
「はい、クラスのみんな、すごく頑張っていて、私なんか…。」
「真剣に取り組めてない…、えっと、何か理由とか有りますか?」
「それは…。」

 それは、ここで話すようなことじゃない…、矢野さんの調査とは関係ないだろうし…。
 私の問題は、どうにもならないことだから…。
 ここまでは、何となく聞かれるままに答えたけど…。

「梶田さん、話しにくいことだったら私たち席をはずそうか?」
「矢野さんは、こう見えても結構頼れる人だからね。」
「おい、省吾、こう見えてもはないだろ。」
「…、でも学習に直接関係することでもなくて…。」
「はは、学習に関係ないことを、むしろ教えて欲しいかな。」
「えっと…。」

 今まで人には話してこなかった。
 でも…。

「父の会社が…、あの…、思わしくなくて…。」
「あっ、そうだったの…。」
「だから、進学は無理かなって…。」
「う~ん…、そうなのか…。
 そうすると…、とりあえず今の話しはここまで、後でもう一度、他の仲間を交えて話しをしたいけどいいかな?」
「は、はい。」

 何か急に終わった。
 でも、意味深…。
 続きがあるのかな…。

「梶田さん、美咲とやってて、俺は矢野さん達と話しがあるから。
 美咲、頼むな。」
「うん。」

 省吾さん達は出て行ってしまった。
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A Night in Tunisia [近畿大学附属高等学校吹奏楽部]



「今回はA Night in Tunisia、邦題はチュニジアの夜。」
「ふふ、昨日YouTubeで探して聴いた中に有ったわ。
それを、たまたま聴いてた父はプロの楽団だと思ったそうよ、高校生レベルじゃないって。」
「はは、普通そう思うよ。
 私は、A Night in Tunisiaを聴きながら他校の吹奏楽部とどこが違うのだろうと素人なりに考えてみた。」
「結論は出たの?」
「演奏の上手な高校は幾つか有るが、JAZZテイストの曲をノリ良く演奏し切れる部は少ないし、ソロがね、ただ上手いだけでなく、曲に馴染んでいてまとまっていると思うんだ。
 部のサイトに『小谷康夫先生の指揮のもと、近高soundに磨きをかけております!』と有るが、その近高soundは確立されたものになっている。
 小谷康夫先生始め指導されている方々の力なのだろうな。」
「そっか、中学や高校の部活は指導者の力量がはっきり表れるものね。」
「ああ、良い指導者がいて実績が出て来ると力の有る生徒が入学して来て、レベルを維持出来るという側面も有るのだろう。
指導者が変わると、演奏がガラッと変わってしまうという話を聞いた事も有る。
大した指導力が無いのに精神論ばかりの指導者がブラック部活を生み出していそうだ。」
「小谷先生は演奏中にソリストのマイクを気にされる姿が印象的だし、楽しい演奏を考えておられるのが分かるわ。
指導の中でも重視されておられるのではないかしら。」
「うん、楽しい演奏、演奏者も聴き手も楽しめる演奏って簡単ではないと思う。
演奏者の独りよがりな演奏だと、聴き手が楽しめなかったりするからな。」

「あっ。」
「どうかしたの?」
「こんな記事を見つけたよ。」
進路のミカタより
【第8回Symphonic Jazz & Pops Contest 総合グランプリ】近畿大学附属高等学校
https://mikata.shingaku.mynavi.jp/article/55586/
「ふふ、いい加減に話してた事はあながち間違ってなかったみたいね。」
「ああ、少しほっとした、海外遠征の計画も有るみたいだが、この情勢だと残念ながら難しいのかもな…。」
「第8回の演奏は聴けないのかしら?」
「先回の演奏は四月に公開されてるからもう直ぐかも。」

近畿大学附属高等学校吹奏楽部【公式】
https://twitter.com/kindai_hs_wind
https://www.instagram.com/kindai_hs_wind/
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黒いオルフェ [近畿大学附属高等学校吹奏楽部]



「近畿大学付属高等学校吹奏楽部シリーズ四回目は黒いオルフェ、カーニバルの朝。」
「ここまで、初めて聴く曲ばかりなのだけど。」
「だろうな、初回のSeptemberはEarth, Wind & Fireというグループが1978年に発表した曲だからね。
二回目は吹奏楽の曲で世間的にはマイナー。
三回目の宝島はT-SQUAREが改名する前に出した曲で、吹奏楽に編曲されたのは1987年頃みたい。
黒いオルフェはもっと古くて1959年なのだが、高校生がこういった曲に取り組んでくれるのは嬉しいよ。」
「過去の名曲?」
「ああ、それに新たな息吹を吹き込んでくれて全然古くないだろ。
シューマンとかだとクラシックの名曲として触れる機会が有るが、この微妙に古い時代の名曲を若い世代にも知って欲しいと思うんだ。」
「そうね、この演奏はフルートのソロが印象的、クラリネットも素敵だけど。」
「だよな、近畿大学付属高等学校吹奏楽部はソリストのレベルが高すぎ、それで少しソリスト問題を考えてみたくなってね。」
「何か問題でも?」
「今の学校教育だと、皆仲良く、でソロを避ける傾向にある様な気がしてさ。」
「う~ん、微妙ね、そこまででは無いと思うけど、小学校の先生だと一人が長くソロを受け持つなら、何人かで分担とか考えるかも。」
「高校の吹奏楽部でも個人のソロとせず、パートソロの形にする部が有ってね、下手では無くても…、ハイレベルな個人のソロとは全く違う。
近畿大学付属高等学校吹奏楽部のソリストと同等の技量を持つ人がいたとしても、それを発揮出来ないどころか、チャンスが無いのだから、よりレベルの高い演奏に挑戦する事すらしないかも、と思うんだ。
だが、このバンドではソリストになれるチャンスが有る。
先輩の演奏が素敵だから、自分も、となり、その想いが技術を向上させる。」
「そっか、横並びを尊重していては高みを目指せないのかな…。」
「まあ、価値観の相違が存在する訳で一概にどうこう言えないのだが。
 近畿大学付属高等学校吹奏楽部がパートソロを採用する時は、たまたま個人ソロに相応しい人が居なかった時の様な気がしている。
しかし、これだけの吹奏楽部だとソロを決めるのは大変だと思わないか。」
「う~ん、そこにドラマが有りそう。
大舞台で演奏する機会は多くないでしょうし、部としては最高の演奏にしたいから、シビアな人選になるでしょうね。
 誰もが抜群に上手いと認め、憧れる存在がいれば簡単に決まるかもだけど、上手な人が何人もいそうで…。」
「音だけ聴いてたら高校生とは思えないハイレベルなソリスト、卒業で入れ替わってもやっぱり上手い人がいる事が信じられないね。」
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宝島 [近畿大学附属高等学校吹奏楽部]

「亜紀、文科系の部活の中でも、吹奏楽や合唱で結果を出してる部はハードだろ、ブラック部活なんて言葉もある。」
「みたいね、上を目指すとシビアにならざるを得ないだろうし。」



「でもさ、こんな演奏をしている人達は部活が大好きで楽しんでいると思わないか。」
「そうね、ただそんなに単純ではないでしょ、挫折する人だっていそうだし。」
「かもな、高校吹奏楽部の宿命で、一年毎にメンバーが入れ替わって行く、その環境下でハイレベルな演奏を維持して行くのは簡単な事ではないだろう。
音楽の場合は努力だけでは補えない感性的な要素も有るからな。
ただ、この吹奏楽部はブラックではないと思う。」
「根拠は?」
「このバンドがマーチングに取り組んでいるのかどうか知らないが、少なくともYouTubeで検索しても、そう言ったものは出て来なかった、マーチングバンドは大変だよ。」
「楽器演奏だけではないのよね、演奏を合わせるだけでも大変なのに更にでしょ。
吹奏楽コンクールとマーチンコンテストの両方にまともに取り組もうと思ったらブラック部活にならざるを得ないのかもね。」
「近畿大学付属高等学校吹奏楽部の場合、ジャズ系のコンテストと吹奏楽コンクールを目指しているが、それぐらいで調度良いと思う。」
「それでも目標を高く置くとどうしてもハードにならざるを得ないでしょ、でも、それをハードだと思わない人達が結果を出すのかしら。」
「だね、天才的な才能を持っていなかったら努力しかない。
運動部ならトレーニング方法を改善して短時間で効率良く成果を出してる部活も有るが…。」
「時間の使い方?
吹奏楽部とかだとどうなのかしら?」
「この吹奏楽部の練習状況は分からないが、個人練習、パート練習、全体練習のバランスが取れていそうな気がする。
長時間だらだらとやっても集中力が続かないから、一日の練習時間がめちゃ長いという事はなさそうな…。
まあ、憶測に過ぎない、夜遅くまで頑張ってたら御免なさい。」
「夜遅くまで頑張っていたら、それは…。」
「結局個人次第なのかな。
運動部だって、その競技が好きでたまらなかったら、少しぐらいハードでも苦にならないだろう。
逆に、やめたいのにやめられない人にとっては、そんなにハードでなくても苦行になってしまう。」
「やめれば良いのに。」
「そうは行かない事情を持ってる人もいるだろ、自分の能力に限界を感じても…。」
「う~ん、ブラックと言われる部活ってどうなのかしら?」
「ブラック部活でも、その活動によって何が得られ何を失うのか、価値観は人それぞれだから答えは無いのかも知れない。
ただ大切なのは、取り組んでいる競技にしろ音楽にしろ、それを嫌いにならない環境だと思う。」
「嫌いになったら本末転倒ってことよね。」
「ただ困った事に、幼い頃嫌々やってたピアノのお稽古が大きくなって役に立つ事が有ったりしそうじゃないか?」
「う~ん、有りそう、音楽に対する想いは年齢によって変わるものね。」
「何事でも、理想は本人が望んで取り組む事なのだけど…。」
「結局、人それぞれと言う事でしょ、何が正解かではなく、自身の経験を正解に出来るかどうか。」
「だな、高校の部活と一口に言っても様々…、一概にどうこう言える事ではないし、その結論を出す必要はないかも。」
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吹奏楽 [近畿大学附属高等学校吹奏楽部]



おっ、部員が入場して来た…。
席の配置はYouTubeで見た、シンフォニックジャズ&ポップスコンテスト全国大会の時とは随分違うな。

あれっ、吹奏楽の演奏前って、こんな感じなのか?
まだ舞台上には全然揃ってないが。

しかし、なかなかの人数だよな。
これだけの人数での演奏って練習が大変だと思う。
まあ、レベルが違うから、このバンドに憧れて入部する人が少なくないのだろう。

全員が舞台に揃ったのかな?
う~ん、始まる前のこの雰囲気は期待感を盛り上げてくれる。

はは、何か不思議な感じ、すでに盛り上がりつつ有る様な…。

あっ…。





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September [近畿大学附属高等学校吹奏楽部]

「なあ亜紀、近畿大学って知ってる?」
「そりゃあ知ってるわよ、志願者数日本一の大学だもの。」
「やはり近大マグロの功績なのかな?」
「どうかしら、でも、イメージは悪くないし受験し易い環境を他大学より早く考えてたみたいよ。
で、近大がどうかしたの?」
「YouTubeでたまたま近畿大学付属高等学校吹奏楽部の演奏を見つけてさ。」
「えっ、大学の話ではないの?」
「ああ。」



「うわ~、うちのブラバンとは雲泥の差だわ。」
「はは、同じ楽器でも演奏する人によって大きく違うだろ。」
「そうね。」
「この、近畿大学付属高等学校吹奏楽部は、シンフォニックジャズ&ポップスコンテスト全国大会で、2016年大会から三年連続で総合グランプリを受賞、2019年の大会は特別招待演奏として参加、2020年大会でも総合グランプリ受賞という成績を残していてね。
ちなみに、紹介させて貰った演奏は、2019年の特別招待演奏からSeptember。
参考までに、学校のサイトは…
https://www.jsh.kindai.ac.jp/hs/school-life/club/brassband/
吹奏楽のコンクールやコンテストは色々有るが、ジャズのビッグバンドとしては間違いなく高校日本一だと思うのだよ。」
「なるほど、カッコいい演奏だものね。」
「亜紀、この手のバンドは人数が多ければ多いほど大変だと思わないか?」
「そうね、ここまで合わせるのは簡単では無いでしょう。」
「更にソリストが上手くて、音だけ聴いてると高校生の演奏だという事を忘れてしまう。
この人数でこれだけの演奏を聴かせてくれる日本一の高校生バンドに祝福あれだな。」
「プロにも負けてないってこと?」
「そんな比較は無意味さ、良いと感じた演奏はプロアマ関係なく良いのだよ。
ソリストの演奏を聴いていて、初めてSonny Rollinsを聴いた頃を思い出して久しぶりに聴いてみたが自分的にはどちらも好きなんだ。」
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林徹-05 [F組三国志-03]

 今日は勉強会、テスト前の仕上げだ。
 え~と、生涯学習センターって…。
 あっ、あの建物みたいだ。
 施設を借りるのに大学生の人たちが動いてくれたとか哲平が言ってたけど、調査が交換条件、どんな調査なんだろ。
 え~っと自転車置き場は…。
 みんな来てるかな?
 う~ん…、あっ、哲平だ。
 一緒にいるのは大学生?

「おう、哲平。」
「おはよ、徹、調子はどうだい?」
「まあ一通りはやれたけど、全体のレベルが高そうだから。」
「だな、あっ、そうそう、こちら今回俺たちをサポートしてくれてる、早川さん。」
「よろしくね。」
「何か、調査とか…。」
「今日はテスト前だから簡単なアンケート、テスト後の打ち上げの時にまた協力をお願いしたいのだけど。」
「はい。」
「徹、部屋は二階だからな、もう六人ぐらい始めてるよ。」
「おお、みんなやる気だね。」
「えっと、徹は一班だから十一時半から休憩な。
 時間になったら省吾の家へ移動して食事と大学生さんの調査に協力、午後は状況に応じて省吾の家かここで学習となるからね。」
「了解、じゃあ二階だね。」
「ああ。」

 えっと…。
 ああ、ここだ。
 もう、みんな黙々とやってる。
 さ、俺もやるか…。

「じゃあ、時間だから一班の人は食事に行くよ。」

 えっ、もうそんな時間?
 ほんとだ、もう二時間以上たってる。
 集中してると時間が経つの早いな。

「一班のみんなは俺と一緒に省吾んちまで行くからついてきてな。」
「なあ、哲平、食事の用意までしてもらって良いのかな?」
「確かに、でも省吾はテストをイベントにしようと話してた。」
「イベントか。」
「日常とは違うイベントってことでさ、クラスのみんなが楽しめるかどうかは分からないけど、俺は面白いと思った。」
「そっか。」
「大学生まで巻き込んでのイベントだからね。」
「う~ん、俺はよく分かってないけど。」
「はは、打ち上げってイベントも用意してるから詳しくはその時にな。」
「とりあえずはテストに集中しろってことか?」
「そんなとこだ。」

 テストに向けての色々な企画…、たしかにイベントだな。
 あっ、ここなのか、省吾の家って。
 センターから近いんだ。
 うっ、カレーの良い匂い、うまそ~。
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林徹-04 [F組三国志-03]

「みんな~、テストに向けてがんばってる~?」
「おう!」
「テストまで後一週間、テスト範囲で理解出来てないところは残ってないわよね?
 残ってる人は早めに解決して、暗記と練習問題に取り組むのよ。
 後、予想問題の中から省吾が選んだ指定問題、そのままは出ないかもしれないけど、かなりの確率で役に立つってことだからね。
 省吾からの予想問題も用意したから、その中の指定問題だけでも、全員こなしておいてくれると嬉しいかな。
 それでも練習問題の足りない人には、私たちで幾つか用意したから相談してね。」

 うわっ、秋山さんめっちゃはりきってる。
 はは、絶対F組の圧勝を狙ってるな。
 でも、いつもクラスのためにって感じで色々やってくれてて、ずいぶん自分の時間を使ってるのじゃないか。
 う~ん、こりゃ、委員長のためにも、手を抜けないぞ。
 あれっ、委員長、俺に用か…。

「ねえ、林くん。」
「あ、はい、秋山さん。」
「いつも有難うね、チームの面倒みてくれて。」
「いや~、それは…。」
「チームメンバー以外でも梶田さん、お願いしてるし。」
「あっ、それは気にしないでよ、彼女、チームには入れないって言ってるけど学習には真面目に取り組んでいるから。
 ちょっと暗い表情をするけど…。
 チームに入ったってレベルを下げるような人じゃないし、みんなだって少しぐらいのことは気にしないと思うのだけどな。」
「うん、なら安心かしら、それで…、しばらくチーム正信の一員みたく扱ってあげて欲しいのだけど、どう?」
「問題ないと思う、正信はもう了解してるのでしょ、あいつは自称フェミニストだから断る訳が無い、俺も気を配るようにするよ。」
「お願いね、じゃあよろしく。」
「おう。」

 梶田さんか…、どうしてチームに入らないんだろう?
 いじめられてるとは思えないし。
 何か事情があるってことか?
 そう言えば、チームに入ってない森は哲平のチームで、三浦はチーム麻里子でって感じになってるよな。
 まあ、秋山さんにしてみれば、F組の仲間ってことなのだろう。
 仲間のために、色々気を配って、動いてくれてるよな。

 仲間か…。
 哲平や淳一とは入学してすぐ意気投合したけど…。
 女子も含めてクラスの仲間なんて考えてなかった。
 はは、こんなにくそ真面目に勉強するとも思ってなかったな。
 でも、悪くないぞ。
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林徹-03 [F組三国志-03]

 明日が問題予想ゲームの、予想問題提出期限。
 まあ、チーム正信として、過去問を入手できたことは大きかったな。

「林くん、英語の予想問題まとめたわよ。」
「おっ、栗原さん、有難うね。
 部活の先輩にずいぶん協力して貰えたって?」
「まあね、先輩方には結構かわいがって頂いてるから。」
「栗原さん、普通にかわいいもんな。」
「ふふ。」
「じゃあ、生物と国語は完成してるから、後は…。」
「ねえ、林くん、五年前とか六年前とかの過去問なんてどうやって手に入れたの?」
「ラッキーだったのは正信のお姉さんがここの卒業生だったってこと、それと清水さんがここの卒業生である某教育実習生と仲良くなったって事かな、数学に関しては全く教えてくれなかったそうだけど、まあ、先生が違うそうだしね。
 真面目な人は過去のテストも捨ててないんだよな~。」
「へ~、そうなんだ。」
「おかげで、生物とかは同じ先生の同じ範囲のテスト問題が四年分手に入ったからね、先生の癖がはっきり出てるよ。」
「問題になったりしないかしら?」
「教育実習生でもテスト問題には全然近づけないんだって。
 先輩や姉の力を借りることは悪いことだとは思えないし…、今回は他のクラスに圧勝するという目標があるから、奇麗事ばかりも言ってられないさ。」
「そうよね、私に色々教えて下さった先輩も、自分が一年の頃は先輩に助けられたからって話してみえたわ。」
「自分たちでも色々考えたしね。」
「ええ、問題を予想することで理解が深まったと思うし、みんなで意見を出し合えて楽しかった。」
「うん、俺もそう思う。
 もっともここからは、練習と暗記という孤独な作業が待ってるけど。」
「でも、勉強会があるじゃない、林くんはどうするの?」
「もちろん参加するよ、土曜が学校で日曜がお師匠さまのとこ。」
「学校はともかく、お師匠さまのお宅に伺うのは、なんか楽しみよね。」
「ああ、大学生の人の調査に協力ってのが条件って言われたけど、それもなんか楽しみだったりしてな。」

「林、予想問題どう?」
「おう、正信、予想問題に模範解答例、俺らで集めたり考えたりした分は、ほぼ完成だよ。」
「これでポイント稼いでおかないと、やっぱり本番は僅差になりそうだからね。」
「みんながんばってるもんな、でも俺だって高校受験の時より勉強してるくらいだぞ。」
「はは、だよな、チームの足を引っ張りたくないし、結果が悪かったらクラスで仲間はずれの気分になりそうだ。」
「そうよね、胸を張ってF組のチーム正信メンバーって言える結果を出したいわ。」
「お~、栗原さん、頼もしい~。」

 ほんとにF組だとモチベーションが上がる。
 中学の時なんて、真面目にやってるとじゃましてくる奴とかいたもんな。
 全然授業を聞いてない奴、授業の妨害する奴、公立中学だと仕方なかったのかもしれないけど…。
 中三で九九も怪しいような奴と同じ授業受けてるなんて嫌だった。
 おかげで授業時間の無駄が多かったからな。
 うん、やっぱりこの高校に入れて良かったと思う。
 F組だから、余計そう思えるのかもしれないけど。
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林徹-02 [F組三国志-03]

 さ~、ノ~コンだ。
 投票用紙は記名式なんだな。
 まずは投票者、林徹っと。
 えっと、各教科上位三名を選べば良いんだな…。

「徹のノートはどこ?」
「あっ、淳一、俺は出してないよ。」
「はは、確かに、あの暗号ノートじゃ人に見せても意味ないもんな。」
「うっ…、じゃあ、淳一、お前のはどこなんだ?」
「教科ごとで出席番号順に左からだから…。」
「お、あったけど、表紙の名前、でかすぎだぞ。」
「まあ、黒川淳一に清き一票をってとこだ。」
「おいおい、選挙じゃないだろ。」
「う~ん、各教科二十冊ちょいってとこか…。」
「見てみるか…。」
「ああ。」

 やっぱ、出してる人たちのはみんな綺麗だな。
 ふ~ん、色をふんだんに使ってる人もいれば、ほとんど使ってない人も…。
 色数が少ない分ポイントが強調されるってことか、でも色分けもそれなりに見やすいかな。
 現代社会、あっ、このノートわかり易い、そうかこの前微妙だったとこ、こういうことだったんだ。
 なるほど…。

「おい、徹、ずいぶん熱心だな。」
「ああ、俺、現社クリアできたぞ。
 ちょっと理解しきれてなかった所、このノートで解決さ、後は暗記だけだな。」
「えっ、俺にも見せろよ…。
 へ~、なるほど…、確かに分かりやすいな…。
 おっ、このノート、省吾&美咲になってる、ご丁寧にハートで囲ってさ。」
「ほんとだ、あの二人の合作か。」
「まいったね。」
「英語も合作みたいだぞ…。」
「どれどれ…。」
「あ~、これって下手な参考書より使えそうじゃないか?」
「確かに、自分の為って言うよりチームメンバーに教える時にさ。」
「ああ、その通りだ…、これコピーとかさせて貰えないのかな。」
「どうなんだろう…。」
「あっ、哲平。」
「おう、ノ~コンの審査中か?」
「まあな、それより、このノートってさコピーとかさせてもらえないのかな?」
「メンバーに教える時、すごく使い易そうだからさ。」
「はは、あいつらが嫌って言う分けないだろ。
 とりあえず師匠たちのノートは全部、各チームに二部ずつコピーしておいたから、後はチームで上手に使ってくれって感じだ。
 後、他のノートでもみんなの役に立ちそうなのは持ち主と交渉するから、早めに言ってくれな。」
「これって、他のクラスの奴らには…。」
「今回はF組以外には流さないで欲しいって、省吾が言ってた。
 まあ二学期以降に関しては、また違った展開が有るかもしれない。」
「そうか、まだまだ色々企んでいそうだな、我らが師匠は。」
「俺もお師匠さまって呼ぼうかな、星屋みたいに。」
「はは、淳一も、門下生ってことか。」
「でも門下生になると、清水のことを、ちさとお嬢さまって呼ばなきゃなんないぞ。」
「はは、俺は構わないが、徹は嫌なのか?」
「う~ん、そうでもないか。」
「じゃあ、門下生の中で誰がちさとお嬢さまに気に入って頂けるかって勝負をするか?」
「そんな哲平有利な勝負、受けられねえ。」
「ははは。」

 清水ちさとか…、元気があってかわいくはあるな。
 おっと、待て、今はテストに向けて集中だ。
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