SSブログ
高校生会議2-24 ブログトップ

神沢祐樹-151 [高校生会議2-24]

「神沢社長、今日は有難う御座います、自分達も親と同様、LENTOのファンですので宜しくお願いします。」
「こちらこそ、ところで、今日のメンバーは互いに自己紹介とかされたのですか?」
「はい、昨日顔合わせを、柿川市民ばかりですので以前からの知り合いや学校が同じとか、親が同じ会社で働いてる事を始めて知って驚いたという人達もいます。」
「でしょうね、自分も何人か…。
初めましては…、そちらは杉山さん姉妹かな、よろしくお願いします。」
「は、はい、よろしくお願いします。」
「あっ、室田さんですね…。」

「神沢社長が、初対面を含めて全員を把握されているとは思っていませんでした。」
「どうして、私達が杉山の娘だと分ったのですか?」
「はは、お父さんに似てるし三姉妹での参加は君達だけですよ。」
「あっ、そうか、でも…、父に似てるって微妙ですよね…。」
「杉山部長の冷静な判断力は受け継いでいるのですか…、まあ、自分達は禿げてる訳じゃないと言いたいのでしょうが、そうだ、絵美、杉山部長がかつらでイメチェンしたら面白いと思わないか?」
「祐樹さま、杉山部長は今のままでも、とても素敵ですよ。」
「いえ、絵美お嬢さま、普段の父は…。」

「ですが、とても大きな仕事をこなして来られた方だと聞いてます、家庭ではのんびりして頂きたいですね。」
「皆さんのお父さんやお母さんは、仕事で実績を上げてこられた方、その上で我が社の立ち上げに参加して下さり結果を、自分は我が社の社員を誇りに思っていますよ、たとえ娘から冷たくされていてもね。」
「私は父に感謝してます、祐樹社長とお話しできるチャンスを作ってくれたのですから。」
「あっ、沙織ったらずるいわ、自分だけ良い子になって。」
「そうよ、沙織姉ちゃんが一番ハゲ親父って言ってるのに。」
「はは、杉山部長の気苦労が分かった気がします…。」

「あの…、私は…、実子ではないのですが…どうして分かったのですか。」
「う~ん、気にされていたのですか、でもみんなの前でも話せるのですね。
実は室田さんから自慢の娘だと言って麗子さんの写真を見せて頂いた事が有ったのです。
自分の意見をはっきり話せる娘で、我が子に出来てからとても楽しい毎日を過ごして来たと教えて下さいました。」
「そ、そうなのですか…、両親には小さい頃から随分迷惑を掛けたと思っていましたが…。」
「それもまた人生なんだそうです。
自分達は恵まれた環境で育って来ましたので知らない事も多く、室田さんからは色々教えて頂いてるのですよ。」
「わ、私も…、とても恵まれた環境で育てられて来たのだと、改めて思っています…。
あの…、私、岩崎学園大学柿川校に絶対合格しますから、その…、入学後は学生社員として使って頂けないでしょうか。
利益を上げる事が困難と言われている福祉系の部署で自分を試したいのです。」
「大学合格を条件にされる必要は有りませんが、考えさせて頂きます。」
「自分は大学生で、やはり学生社員になりたいと思っています、見通しは如何ですか?」
「そうですね…、岩崎高校生会議の一員として、我が社で大学生社員を雇う流れを企画、提案して下されば早まると思います、室田さんは受験に力を入れたいでしょうから、鎌田さんが室田さんの希望を叶えるという流れは悪く無いですね。」
「あっ、はい。」
「あれっ、祐樹社長は、鎌田が昨夜、室田さんがタイプだって話してたの聞いていたのですか?」
「ば、ばかっ、それをここで言うなよ!」
「はは、聞いてなくても何となく分かりますよ。」
nice!(6)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

神沢祐樹-152 [高校生会議2-24]

「鎌田さんが本気なら、私もお手伝いしますよ。
祐樹社長、学生ですから利益は少な目で許して頂けますか。」
「ええ、トータルで赤字にならなければ問題無いです、でも柳井先輩はそんなレベルでは考えて無いですよね。」
「まだ考え始めて間が無いのです、今日こんな話が出る事は想定していませんでしたので大きな事は言えません。」
「柳井は、高校生就業体験スタッフとして貢献しつつとか考えてるのか?」
「ふふ、それだけでは無いわよ、そうね、高井くんも祐樹社長の為に働かない?」
「もちろん協力する…、でも、この話題は中学生抜きの場でした方が良くないのかな。」
「高井さん、それは僕達に内緒で話を進めたいと言う事ですか?」
「いや、話が難しくなりそうだからさ。」
「自分だって憧れの祐樹社長や絵美お嬢さまの活動に興味が有ります、中学生でもお役に立ちたいですよ、祐樹社長、僕らを仲間外れになんてひどいですよね。」
「ああ、そうだな、高井先輩、江崎くんは中学生でも成績優秀なのですよ。」
「あっ、もしかして、ここにいるメンバーは結構ハイレベルとか?」
「ええ、担当スタッフが悩みながら選別したそうで、希望してもこの場に呼べなかった人には別の機会を用意して貰っています。」
「え~、それじゃあ杉山姉妹も選ばれた人なのですか?」
「まあ、失礼ね、私は岩崎学園大学のスーパー特別推薦に合格してるのよ。
妹達だって可愛いだけじゃないのですからね。」
「ご、御免なさい…。」
「ねえ、江崎くんの目から見てこのメンバーがチームを組むとしたらリーダーは誰が良いと思う?」
「まだ出会ったばかりなので自分の判断が間違っているかも知れませんが、顔合わせの場でも柳井さんは冷静に全員を見て下さってた気がします。」
「高校三年生で、ここには大学生もいるのだけど、それでも?」
「はい、微妙な力関係を感じています。」
「江崎くんの推薦ですが、柳井先輩、お手伝いでは無くメインという事でお願い出来ませんか、当初の予算は百万、足りなくなったら相談という事で学生スタッフ組織を構築して頂きたいのですが。」
「ふふ、祐樹社長のお願いでは断れません、予算の百万から少し沖縄旅行に使っても良いですか、前借という事で。」
「ええ、問題無いですよ。」
「そ、それはさすがにまずく無いですか?」
「鎌田さん、柳井先輩はそれ以上の貢献をして下さいます、だめだったら、江崎くんの人を見る目が残念だったという事ですね。
良く遊び、良く働く、柳井先輩は杉山さんと同様に、進学が決まってますから大丈夫ですよ。」
「では、この企画に興味の有る人は後で集まってね、沖縄は冗談だけど合宿を企画するから、私達が親に負けないという所を見せてあげましょう。
合宿に参加出来なくても大丈夫だし、中学生も歓迎よ。
合宿の費用ぐらいはすぐに稼げるから心配しなくて大丈夫だからね。」
「確かに、柳井さんはリーダータイプだな…。」
「では、鎌田さんには柳井先輩のパシリをお願いします。」
「え~、自分は大学二年生、この場で一番年上なのですが。」
「柳井先輩から色々学ばないと室田さんに認めて貰えないですよ、年齢と能力は関係ないのです。
自分は、ここにいるメンバーの中で、今後一番活躍するのが江崎くんだとしても全く驚きません、すでに良い提案を幾つか、お母さん経由で貰っていますので。
室田さんが江崎君に惹かれたとしても不思議はないですよ。」
「…。」
「そうね、可愛い江崎くんにパシリなんてさせられないし、うん、十代の三歳差は大きく感じるけど、大人になるとそうでもないそうよ、江崎くん仲良くしてね。」
「柳井さん、よろしくお願いします。」
「…。」
「おいおい鎌田、へこむなよ俺も手伝うからさ、柳井さん、車が必要な時とかは俺に声を掛けて下さい、自分はパシリで全然構わないです、鎌田よりは役に立てますよ。」
「有難う御座います、天野さん、よろしくお願いします、祐樹社長、この件は後ほど整理して報告させて頂きます。
で、そろそろ次の話題に進みたいのですが如何ですか?」
「はい、お願いします、ただ、ここからはいつも通り祐樹くんと呼んでくれませんか。」
nice!(5)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

神沢祐樹-153 [高校生会議2-24]

「あっ、御免なさい、変に堅苦しくしてたわね。
では、仕切り直しという事なんだけど、昨日のミーテングでは天才というワードが出てたの、祐樹くんはどう思う?」
「兄貴ですか…、柳井先輩は兄と同級生でしたね。」
「彼は…、あっ、神沢一樹を知らない人もいるかな。
祐樹くんの兄上は高校三年生だけど、数学の分野ではすでに一目置かれている存在なの。
大学に籍を置いていても全くおかしくないのだけど、彼女さんとの時間を大切にしたいから高校生をやってるって感じかな。」
「そう話す柳井も天才だと思うよ、学習に時間を掛けて無いのにトップレベルだろ。」
「へ~、柳井さんはそうなんだ、私は学習に時間を掛けて今の成績を維持してるレベル、羨ましいとしか言えないわ。」
「いやいや、杉山さんは、スーパー特別推薦に合格だから充分すごいと思うよ。
努力出来る才能が抜きん出てるのなら、ある意味天才じゃないかな。」
「天才と言っても色々な分野が有るし、どのレベルからを天才と呼ぶのかは難しいですね。
う~ん、祐樹くんと柳井さんは、学習に時間を掛けていない事とリーダー的資質という面で共通してるのかな…。」
「だ、だめ、私と祐樹くんを同列に置かないで!
祐樹くんの持つ絶対的な魅力は…、はは、さすがにここで語り始めたら顰蹙を買ってしまうわね…。」
「自分的には柳井さんに語って頂きたいのですが、ちょっと世間をざわつかせている、才女としての絵美お嬢さまの一面を…、皆さんも知りたいのではないでしょうか。」
「はは、そう来たか。」
「絵美お嬢さまの情報は祐樹くん程多くないものね。」
「そうだな、本人が話しにくそうにしてるから、自分から改めて紹介するよ。
まずさっきの話で言えば天才タイプ、高校の学習内容は中学で一通り済ませている事も有って学年トップレベルの成績を取るのに苦労はしていないんだ。
でも、一番天才だと思うのは作曲の才能だね、子どもの為の歌って簡単そうに思うだろうけど俺には作れない、豊かな感性と確かな理論に基づく作業には一緒に取り組んでいて感動を覚えたよ。
そして…、この中に第ニ十三支部でのディベートをご覧になられた方はいますか?」
「はい、見ていましたが少し幼稚さを感じました、絵美お嬢さまの指摘は核心をついていたと思います。」
「江崎くんの言う通りだわ、第十七支部ではあんなレベルのディベートはしないから安心してね。」
「という事は、岩崎高校生会議でも支部間の格差が有るのですね。」
「仕方ないのです、柿川は岩崎の大きな拠点ですので、遥香システムが普及して行けば格差は少しずつ是正されて行くと思います。」
「自分は、絵美お嬢さまの発言内容から、能力の高いお二人が互いに影響し合いながら更なる高みを目指しているのではと感じましたが如何ですか?」
「それは有ります、絵美と付き合って行く事は自分にとって覚悟のいる事でした、でも二人で話し合って行く過程で…、まあ波長が合うというか…。
ここに集まったメンバーは学力上位者ばかりです、仲間として良い影響を与え合えると考えているのですがどうでしょう?」
「あっ、この会にはそういう意味合いが有ったのですね、確かに面白い集団になりそうです。」
「ヒントをくれたのは江崎くんなのですよ。」
「へ~、そうなんだ、私に言い寄って来る男はエッチな事しか考えて無いし、私が魅力的に感じる人達には、すでに彼女がいてね、江崎くんは彼女いるの?」
「い、いえ…。」
「おいおい、柳井、相手は中学生なんだから少しは気を遣えよ、他に人がいるんだし。」
「あっ、はは、ちょっと楽しくなって舞い上がってしまったかしら、ねえ、高井くん、面白いチームが出来ると思わない?」
「それは否定しないが…、暴走するなよ。」
nice!(5)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

神沢祐樹-154 [高校生会議2-24]

「でも、柳井さん、このメンバーでチームを組むとなると、ここにいない天才や秀才に恨まれないかな?」
「それは有るわね、う~ん、岩崎高校生会議では持っている能力に関係なくチャンスを得られる反面、それが足枷になってるとも感じてた、一分で済む話を十分掛けて説明したりとかさ。」
「それは有るね、でも色々な枠組みが有って良いのだから、俺達はチームLENTOとしてスピード感有る取り組みを目指す、その為にはメンバーを増やして行くにしても選ばせて頂いて構わないだろう。」
「はは、天野さん、LENTOの意味と矛盾しますよ。」
「AllegroかVivaceぐらいかしら、チームLENTOだとLENTOのスタッフと被ってしまうし、祐樹くんどう?」
「そうだね、Vivaceは活発というニュアンスも有るからチームVivaceで良いと思う。」
「では、まずはここのメンバーで核を作って拡大して行きたいですね、自分は全然天才じゃないのですけど…。」
「私だって、天才タイプとは言われてるけど、実際に祐樹くんや一樹と話してると良く分からないのよ、だから自分の力を試してみたい、活かされない能力って無いに等しいでしょ。」
「だよな、俺も天才ではないが秀才としてこの場に呼んで頂けた、自分を試してみたい。」
「面白いですね、自分も参加します、でも、それに関する細かい事をここで議論するより、今日は祐樹くんがいるのだから、柳井さんが提示してくれた、天才という存在に対する分析をもう少ししてみたいのだけどどうかな?」
「片山さんは何か思う所が有るのですね。」
「うん、俺は趣味で将棋をやってるけど、棋士って天才的な人が多いんだよ。」
「分かります、岩崎の偉い人達は将棋好きな人が多くて、中学時代は良く遊んで貰ってました。」
「聞いてますよ、祐樹くんが倒しまくってたって。」
「でも、プロのレベルは違います。」
「はい、彼等は抜きん出た知的能力を持っています、ですから彼等が将棋ではなく他の分野でその力を発揮してたらどうなのだろうと思うのです。」
「そうですね…。」
「先日、中学生の棋士が、ベーシック インカムに興味があります、と話していたのには衝撃を覚えました。
彼の若さも有りますが、もし将棋という世界では無く政治とか別の分野で自身の能力を活かしたらと思ったのです。」
「でも、政治家なんて魅力的な職業ではないよね、みどりの風の人達は情けない野党の相手で大変そうだもの。」
「魅力か…、勝負の世界は厳しいのだろうけど面白いのだろうな、自分の力だけで上を目指すのだから。」
「祐樹くんは、自由競争の社会で会社を立ち上げたのだから楽しいでしょ、私はそれに乗っかって楽しみたい、チーム戦が好きなのよ。」
「棋士として稼げるのは生涯で十億ぐらいかな?」
「どうだろう、でも経済効果はかなり大きいと思う、活躍すればだけど。」
「祐樹くんを中心としたオフィス白川が目指しているのはそんな額ではないし、白川社長の跡を継ぐ頃には…、目標を岩崎レベルとして欲しいですよ。」
「はは、大きく出たね、今は岩崎の保護下にある様なものなのだけどな。」
「岩崎王国と強固な同盟関係を結ぶ強国にすれば良いのでしょ。
その為には、能力の高い人が魅力を感じないとだめだと思うけど…、棋士を目指す様なレベルの人が経済の分野に目を向ける環境が必要なのかな。」
「個人の利益中心ではなく、祐樹くんが提唱している、より高次元な社会を目指す取り組みに協力し易い環境だね。」
「うちの父は岩崎とは別資本で祐樹くんが動く事で、静かな競争を生じさせる事が出来ると話していたわ、ボランティア社員を始める時に、岩崎と同じ方向を向きながら、小さくても一歩先を行くような会社にしたいと話してた。」
「うん、禿げてる割に言ってる事はまともなのよね。」
「沙織姉ちゃんたら、半分デスってる…。」
「はは、でも私達の親という優秀な社員が築き始めた会社を、この先も発展させて行くには人材が重要だという事に間違いはない、私達がその人材になるという可能性を考えて良いと思うのだけど、どうかな。」
nice!(6)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

神沢祐樹-155 [高校生会議2-24]

「人材か…、祐樹くんや柳井さんは、がり勉系の秀才をどう見ているのですか?」
「そうですね…、何を目指しているのかによって違うと思いますが、少し目標を下げて、視野を広げて欲しいと思う事は有ります。」
「そうよね、満点を狙わない選択肢が有る事に気付いて欲しい、九十点ぐらいを狙っていると、まあ色々気付く事が有るのよ。」
「でも能力差は…、それを受け入れるべきなのだろうけど…。」
「どこで、どんな力を発揮出来るかが重要でしょ、高井くんが岩崎関係で働く事になるのか、オフィス白川で働く事になるのか分からないけど…、そうね、あなたが次のテストで時間を掛け苦労して学年順位を十番上げたとして経済効果はどう?
親に褒められて美味しい食事にありつけるか、何か買って貰えるぐらいじゃないの?
将来的な事を考えても大きな意味が有るとは思えないわ、もちろん大きく成績を下げたら残念だけど。
祐樹くんの学力だって同じ、テスト順位なんて大して意味が無いのよ。
祐樹くんの持ってる知識が私の心を揺さぶっている訳でもないわ、分かるでしょ、人としての魅力や能力、それは学校の学習で得られるものではないのよ。
仕事で必要な本当の能力は、様々な体験によって得られる事だと思わない?」
「学力に拘らずって事か…。」
「そうですよね、自分は高校生会議の研修プログラムで、就業体験を経験していますが、一番必要なのは学校で学習して来た事では無いと感じました、もちろん基礎知識は大切ですけどね。」
「片山さんの話す基礎知識のレベルが分かりませんが…。」
「まあ、岩崎学園大学に合格出来れば大丈夫じゃないですか?」
「あっ、自分は一瞬下を見てしまいました…、片山さんはエリート意識とか考えられた事有りますか?」
「我々が祐樹くんの下でハイレベルな活動をさせて貰えたとしても、それは効率を考えて作られたチームな訳で、そうですね、自分達が特別だと思ってしまったら、祐樹くんの目指すところからずれてしまいますね。」
「御免なさい、僕は片山さんや天野さん達の事を良く分からずに柳井さんがリーダーに相応しいと話してしまいました。」
「はは、江崎くんは間違ってないよ、自分の立ち位置は柳井さんのサブぐらいが調度良いんだ、天野くんもそう思ってるんじゃないかな。
君の考えに賛成だったから黙ってたんだよ、すでに彼女は俺達の心を掴み始めているだろ、それに気付けた事に自信を持って良いよ。
まあ、君もサブから経験を積んでくれな。」
「は、はい。」
「学力イコール能力ではないけど、我々の活動に自信を持って取り組むために、テストで結果を出しておきたいという人には協力させて貰うよ、学習方法を見直すだけで、そうだね柳井さんが話していた様に九十点ぐらいを目指したら、楽になると思う。」
「私も、努力型の秀才からレベルアップ出来るのでしょうか?」
「その努力出来る能力をどこで活かすか考えてみようよ。」
「はい、お願いします。」
nice!(6)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

神沢祐樹-156 [高校生会議2-24]

「祐樹くんは片山さんのことを以前からご存知だったのですか?」
「お会いするのは始めてですが、プロフィールはね。」
「もしかして事前に柳井さんをリーダーにとか考えてたのですか?」
「まあ、幾つか有る選択肢の一つとしてはね、決めたのは江崎くんの推薦と会場の雰囲気からですよ。」
「凡人の自分には良く分からないのですが…。」
「はは、学力とは違う能力です、江崎くんから観察力を学んで下さい。」
「ふふ、先ほどは皆さん、江崎さんに同意という表情をされていましたものね。」
「絵美お嬢さまは、今日の場をどう見ておられるのですか?」
「優秀な方の集まりと聞いていましたので楽しみにしていました。
祐樹さまとは、何時か皆さんと共に歩めたらと話しておりましたが、こんなにも早く形が出来始めてとても嬉しいです。」
「あっ、そうでしたか、えっと…、何時頃を想定しておられたのですか?」
「一番早いチャンスは今日ですが、上級生の方々が動いて下さらなかったら、江崎さんの高校入学を待ってとかです。」
「そこまで江崎くんに期待を寄せられて…。」
「ええ、彼の発案を元に進め始めているプロジェクトも有るのですよ。」
「でも、僕が提案したのはそんなに大きな事では有りません。」
「きっかけを作る、それは簡単ではないのです、閃きの部分は貴重、そして、その意味に気付ける人も多くないのかも知れません、でも、完成したイメージが示された時、そこに向かって事業展開を進めて行ける人は我が社に大勢います。
皆さんのお話しを聞いていて、閃き、きっかけを作る人は天才、その状況にも依りますが、その価値に気付ける人も天才だと思いました、祐樹さまはどちらの意味でも天才だと思います。
でも、天才の閃きを形にして行く人も必要なのです。
会社は祐樹さまだけでは成り立ちません、皆さんがそれぞれの力を私どもに貸して下されば、もっと素敵な会社になると考えております、よろしくお願いします。」
「そうですね、私も参加させて下さい。」
「私も、だってイケメンのお兄さんが多いもの。」
「そういう基準でこのメンバーを選んだ訳では無いですよね?」
「はは、外見だけで語りたくは無いが、理由は有ると思うよ。」
「濱田さん、どんな理由です?」
「遺伝的な事だよ、能力の高い人は能力の高い人と結ばれるチャンスが高くなる、そこに外見的要素が含まれてもおかしくないだろ。
ある意味、俺達の先祖が競争社会を勝ち抜いて来た結果だと思うよ、もちろん、人を外見だけで判断しない人は少なからずいるけどね。」
「なるほど、祐樹くんのお父さんもお母さんも素敵だわ…、祐樹くんと絵美お嬢さまから生まれて来る子は…、頭の良い美形になる確率が高いという事ですね。」
「私と祐樹くんとの間に生まれる子だって、それなりの子になると思うのだけどな~。」
「はは、妄想するのは構わないが祐樹くんを困らせないでくれよ。」
nice!(5)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

神沢祐樹-157 [高校生会議2-24]

「そろそろ時間ですね。」
「今日は皆さんとお話し出来て楽しかったです。」
「チームVivaceが本格スタートなら、自分の就職先を自分で確保して拡大して行く事も出来そうで、最高に面白いです、社長なんてめんどくさそうなのは祐樹くんにお任せしてね。」
「天野さんはそういう感覚なのですか、まあ、自分がこの場に居られるのはお袋のお陰、感謝ですよね。」
「高井さんはマザコンじゃないよね?」
「そうじゃない! 杉山の二番目、もう少し親に感謝しろよ!」
「あっ、怒られた。」
「沙織姉ちゃん、喜ぶ所じゃないと思う…。」
「御免なさい、沙織は少し口が悪くて、思った事をすぐ口にしてしまう…、まあ、男の人に怒られる事は余り無いので新鮮だったみたいですが。
これから、色々学ばせて頂きたいと思っています、皆さんよろしくお願いします。」
「おっ、姉がフォローしてまとめたぞ。」
「妹は中学生ながら冷静だな。」
「な、何よ! 上から目線で。」
「思ってた以上に良さそうね、祐樹くん柳井さん、杉山三姉妹をユニットとして柿川フレンズから緩く売り出すってどうかしら、優香ちゃんが頑張ってるけど、あまり負担を掛けられないでしょ。」
「なるほど、三姉妹のユニットって結構いるのですか?」
「聞いた事無いですが昨夜可能性を考えていたのですよ、大人しい人ばかりではインパクトが弱いと思いませんか?
彼女達は仲が良いのか悪いのか良く分からないところが面白くて、で、普通に可愛いじゃないですか。
アイドルグループだと、少なくとも仲良しのふりをしなくてはいけない、でも姉妹なら、喧嘩してても微笑ましいですよ。」
「なるほど、沢井さんのお話し、杉山さん達は如何です?」
「私は考えてもみなかった事なので…。」
「優香ちゃんは、かっこいいです同い年だけど憧れです。」
「沙織さんは?」
「祐樹くんのお役に立ちたいとは思います、ただ、姉は進学が決まっていますが私達は…、妹はともかく私はプライドが…、祐樹くんと同じ柿川校に進学したいです。」
「うん、その妨げにならない程度なら良いのかな?」
「は、はい…。」
「しおらしくなったな。」
「うん、沙織さん達は表情が豊かなんだよ、祐樹くん、三人とも祐樹くんと活動したいって昨日話してたんだ、レギュラー番組とかでも機会を作って上げられないかな。」
「そうですね、学校は違いますが何とか出来るでしょう、理沙ちゃん、優香とのからみはどう?」
「お友達になれたら嬉しいです。」
「沢井さん、この三人に罵倒される男って如何です?」
「あら、柳井さん、気が合いますね、罵倒されたそうな野郎に心当たりは有りますのよ。」
「さすがお姉さまです、その辺りの茶番だけでも私達の活動資金はひねり出せそうですね。」
「もちろんよ、ひと稼ぎしてオフィス白川の勢いを更に上げるのでしょ。」
「ええ、柿川フレンズには若手が不足していると感じていたのです、香織さん良いでしょ?」
「えっと…、父と相談しないと…。」
「具体的な話は夜の女子会でね。」
「沢井、俺達は入れてくれないのか?」
「だめよ、目つきがいやらしいもの。」
「そんな~、杉山三姉妹の可能性を語り合った仲じゃないですか~。」
nice!(6)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

神沢祐樹-158 [高校生会議2-24]

「あ~、今頃、沢井さん達は女子会してるのだろうな…。」
「おいおい、そこに絵美お嬢さまが参加される事になったお陰で、俺達は祐樹くんと話す機会が出来たんだぞ、お前は江崎くんと席を代われ。」
「あ、ああ…。」
「昼間の話し合いの後、祐樹くん達が撮影に出られてから、俺達は話し合いを進めました。
内容は柳井女史がまとめていますので後日、ただ、一つ祐樹くんに聞いておきたい事が有りまして。」
「はい、何でしょう?」
「ハンディをお持ちの方にお仕事を、と言う取り組みですが、やはり利益を出すのは難しいと思うのです、その辺りの見通しは立っているのですか?」
「そうですね、確かに簡単な事では有りません、働きたいと思ってみえる方全員を対象と考えていますが、労働について良く分かって無い方もおられます。
今のところは比較的能力の高い方中心に作業をお願いしていますし、ボランティアの協力も有りますので問題は有りません。
この部門は色々な制約が有りますので、他の部門の様に拡大出来るとは考えていません。
他での利益を回して伸ばす事は可能ですが、それでは会社全体の伸び率を上げる事が出来なくなります。
今は初期投資分を計算から外した上で赤字にしない、との目標がクリア出来そうですので、しばらくはこのレベルで進めて行きます。
並行して、岩崎高校生会議社会福祉部門の協力の元、皆さん一人一人のハンディと向き合いながら、将来設計を考えて頂いています、公的な支援も有りますので可能性を見つけて頂けると思っています。
この展開に対する我が社の負担は少ないですから安心して下さい。
後、ハンディをお持ちでも能力の高い方には我が社の社員になって頂く方向で話を進めています、まだ、少しずつ体制を固めて行こうとしている段階なのですよ。」
「スタートして間が無いですものね、事業は商品に付加価値が有るから成り立っていると聞きましたが、その付加価値は今後も維持出来るのですか?」
「ええ、今の所はLENTO関連のグッズだけで充分なのですが、協力を申し出て下さっているアーティストが何人かいらっしゃいます、生産能力が上がっても大丈夫ですよ。」
「そうすると、生産性と収益のバランスが取れれば拡大して行けるという事ですね。」
「ええ、きちんと人件費を確保して赤字にさえならなければ、会社自体の拡大は他の部門が頑張ってくれますので。」
「会社の利益を無視して事業展開が出来る…、ハンディの程度が軽い人ばかりなら全く問題無いですね、でもそれは祐樹くんの目指している所ではない…。」
「祐樹くん、自分は焦らなければ充分拡大して行けると思っています、ここへ来る前に、福祉関連部門の状況を一通り確認させて頂きましたので。
感じたのは、ハンディをお持ちの方が金銭的に困っているから働くと言うよりは、生き甲斐や社会参加を求めているという事です、病院暮らしでも絵は描ける、その絵を商品に利用する取り組みと同様、趣味を後押しする様な展開は、まだまだ考える余地が有ると思うのです。」
「ええ、ただ、拡大のスピードを上げられないのは一人一人の状況に合わせないと行けないからなのです、多くの協力者がいますが、一人の方に多くの時間が掛かります、個別に色々配慮が必要ですので。」
「やはり社会福祉系に精通している仲間が必要ですね…。」
「まずは、協力して下さってる方のお話しを聴かせて頂くと言うのはどうですか?
遥香システムを通して事前に学んで頂いてからなら、お願いしても失礼にはならないと思います。」
「確かに…、チームVivaceを意味のある活動にして行くにはそこから始めないと行けませんね。」
「では、チームVivace担当社員が決まりましたら相談して下さい。」
「えっ、チームVivace担当社員が出来るのですか?」
「当たり前です、組織として動いているのですから、ただ希望する若手社員が多いので、どうやって決めるのか揉めてるのですよ。」
「チームVivaceの話は今日出たばかりですよね。」
「はは、歌はLENTOでも動きはPrestissimoなのですよ。」
nice!(5)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

神沢祐樹-159 [高校生会議2-24]

「絵美、女子会はどうだった?」
「とても楽しかったです、沢井さんと柳井さんはすっかり意気投合と言う感じでしたし、片山さんや天野さんの評価は女子の間でも高かったですよ。」
「事前にリーダー候補と考えてた人達だもんな。」
「はい、すぐれたバランス感覚をお持ちの方々です、ただ…。」
「どうした?」
「祐樹さまのお子をという話でも盛り上がってしまいまして。」
「女子会ってそういうものなのか…。」
「適当に結婚して、子どもが出来たら離婚という例が幾つも有るそうで、ならば始めから祐樹さまのお子を産みシングルで育てるのも有りだと沢井さんが話されまして、そこから色々と…。」
「はは、素敵な方々だからその内、良い結婚相手を見つけて下さると信じよう…。
それで、杉山姉妹は?」」
「姉妹のトークを台本に沿って五分ぐらい、レギュラー番組のコーナーとして、というのを提案させて頂きました。
没になるかも知れないとは伝えて有ります。
LENTOはともかく、他の柿川フレンズは十代にはまだ大きくアピール出来そうに無いです、彼女達に柿川フレンズのイベントを手伝って頂けたら大きな力になると思います。」
「そうだな、ねえ、杉山姉妹だけでなく、他の人達もチームVivaceとして表に出て頂くのはどうだろう、柿川フレンズがもっと盛り上がらないかな。」
「それは、柳井さんや沢井さんも考えておられました、効率良く稼ぐ方法としてですが。
チームVivaceのストーリーを作って…、気合いを入れてアイドル活動をする気は無いそうですが、柿川フレンズの層を厚くしていこうと。」
「それなら…、お昼のワイドショーや情報番組のコメンテーターはどうかな、質が低いと教えられてこの前確認しただろ、あのポジションにチームVivaceのメンバーを送り込むって面白くないか?」
「そうですね、チームVivaceが知的集団だと世間に認識して頂けたら充分需要が、いえ、狭い視野で話されていたコメンテーターとは入れ替えて頂くべきですよね、知名度の無さがハンディですが柳井さんに提案してみます、その反応を見てテレビ局サイドと話を進める様指示させて頂きます。」
「うん、同じ話をだらだらではなく、そこから片山さん達が話題を広げて行けば、主婦層にも受けそうじゃないか、すぐにファンが増える、チームとして調整すれば個人の負担は抑える事が出来るね。」
「調整して祐樹さまも…、私達もチームVivaceの一員という事で良いですよね?」
「そうだね、現場に応じて肩書を変えて行くのも有りかな。」
「でも、LENTOの二人は何時も一緒ですよ。」
「はは、もちろんさ。」
nice!(5)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

神沢祐樹-160 [高校生会議2-24]

「祐樹くん、昨日は盛り上がったのでしょ、イベント準備が無ければ私も参加出来たのだけど。」
「千恵、やはりイベントの準備は大変なのか?」
「皆さん欲張りですからね、予定通り行けば、社員旅行の費用を軽く上回る利益が出せると目論んでるでしょ、全部上手く行ったら滅茶苦茶コスパが良いわよね。」
「その分、準備が大変と言う訳か。」
「大丈夫よ、二人に負担を掛けない様にスタッフは考えているし、チームVivaceの仮メンバー達も、事前に調整していた以上にお手伝いして下さるそうよ。」
「あっ、千恵もチームVivaceの話を聞いたのだね。」
「ええ、私も仲間に入れてくれるみたい、チームVivace仮メンバー達の映像を取り敢えず撮っておこうという話にもなってもいて急遽調整中なのよ。」
「そうか、俺達もチームVivaceメンバーの一員という肩書を考えているから、演奏や他の撮影に影響がなければ入っておきたいね。」
「了解、連絡しておくわ。」
「チームVivaceによって柿川フレンズの可能性が広がると思うだろ。」
「平均年齢がかなり下がるものね、優秀な中学生から大学生がメンバー、社員の子弟中心にスタートするけど、すぐに拡大しそうよね。」
「祐樹さま、チームVivaceを知的集団と位置付けると、あまり人数が増え過ぎてはマイナスになりませんか?」
「そうだな…、チームは一つで無くても良いよな、チームVivaceは秀才の集団、学生達の核になって貰い、別のチームを立ち上げて行くのも有りだね。
俺達の活動には、誰もが色々な形で参加出来るのが理想だろ。
それぞれの特技を活かして多くの学生が参加出来る様なさ。
千恵、今夜は空けてあったよね?」
「ええ。」
「じゃあ、柳井先輩達と夕食後にでも時間取れないかな?」
「えっと、早目に連絡すれば大丈夫だと思うけど…、すでにチームVivace関係で予定を組んでるかもしれないわ。
それと明日からスケジュールが密になるから、夜遅くまでというのはだめよ。」
「分かった、一応連絡を取って貰えないか、メンバーは少な目で、とだけ伝えて。」
「良いけど、優香ちゃんはどうするの、今日の夕方合流でしょ?」
「家族とは夕食を共にするから。」
「優香ちゃん、私にはメールで兄と会えない寂しさを送って来てたのよ、でも多忙な兄を気遣っているみたい…。」
「そうか…、そのメールって俺が見てはまずいのかな。」
「問題ないと思う…、むしろ祐樹くんに送れないから私に送って来たんじゃないかな…。」
「杉山さんがね、優香の文章を褒めて下さってたんだ、でも俺とのメールは簡単だから、ちょっと気になってさ。」
「そうね、私が年上だからか、優香ちゃんのメールは何時も丁寧で…、言われてみれば…、私、だめね、優香ちゃんの素敵なメールを独り占めしてたわ、優香ちゃんの許可を得てから整理して、二人に見せたい。
子ども向けじゃないオリジナル曲を考えているのでしょ、きっと参考になると思うのよ。」
「それは…、なあ、千恵、優香は兄離れ出来そうか?」
「う~ん…、チームVivaceに中三の可愛い男の子がいるって聞いたけど、紹介して上げたらどう?」
「江崎くんか…、それはそれで心配も有るな…。」
「お兄ちゃんとして、ちゃんと妹の幸せを考えてあげてね。」
「あ、ああ…。」
「じゃあ、柳井先輩に連絡入れておくね。」
nice!(5)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー
高校生会議2-24 ブログトップ