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バトル-111 [高校生バトル-12]

「春子姉さん、チーム牧村の発足は新党結党大会の目玉になりそうだね。」
「そうね、実質的にはチームで動いていたとしても、はっきりチームで議員の仕事をしますと表明することは議員としての責任と言う問題も有り、しにくかったと思うわ。
 今まで議員が個人として活動して来たことをチームで担う、牧村さん以外は市議会で発言しにくいとは言え、体調に不安の有る議員は他にもいるでしょうから、成功したら広がるかも。
 お父さんに触発されて市議会議員を目指す人と市政研究会メンバーでチームを結成、活動費は牧村さんが負担してくれる事になり…、議員報酬に見合った活動が出来て無いと心苦しく思っているのは牧村さんだけではないと思うわ。」
「結党大会では、チームお父さんの発表もするのでしょ、正式名称は大会までに決まるのかな?」
「そっちはあくまでも市の職員によって構成されるものだから、チーム牧村とは根本的に違うと分かり易くする必要が有って、お堅い正式名称と親しみ易い愛称を検討して貰ってるわ。
 三郎も、市のチームで有って新党のチームでは無いと言うことに気を付けてね、秘書室の職員も含め全員が新党の党員だとしても。」
「そっか、その辺りの線引きには気を配る必要が…、チームの皆さんは大丈夫かな?」
「研修の初めに全員で確認したと聞いてるわ、秘書室長は何事にも抜かりの無い人だとお父さんが話してたから問題無いでしょ。
 それより、結党大会ではもっと全国に向けてアピール出来るテーマが欲しいのよね。」
「そうは言っても本格的に動き始めるのはこれからだろ、新党の所属議員や首長として紹介出来るのは十五人だったよね。」
「十七人に増えたわ、後、まともな衆議院議員が一人、与党からの鞍替えを考えて下さっているの。」
「へ~、前回の人みたいなことにならないと良いけど。」
「新党を国政政党にしたいと話して下さる方で、今のままでは老いた国に成り兼ねないと、与党に所属と言うメリットを捨てても、高校生部会を始めとした若い力と共に行動したいと話して下さってね。
 今まで彼を支援して来た人達も新党の党員になって下さるとか、与党支持者を動かすのだから、それだけ説得力の有る人なのよ。」
「党首候補?」
「そうね、彼の後援会の人とも話したのだけど、彼の理想は私達と近いと感じさせてくれたわ。
 前の人みたいに独断でなく、支持者とも話し合った上での判断、その分こちらへの意思表示が遅れたのだけど、信用度は全然違うでしょ。」
「そう言う意味でもまともな人なんだね、これで僕等の私的な政治団体と言うイメージを変えられそうかな。」
「どうかな、認められるのなら私達の義兄弟姉妹に加わりたいとも話して下さって、それだけ…、ふふ、三郎を長兄とする私達に魅力を感じてるそうよ、奥さんは私達の動画をほとんど見てるそうでね、今は東京在住だけど、ここからなら新幹線を利用すれば国会議事堂まで通えなくも無い、地方の再生を考えてるのだから地方に拠点を構えるべきだとも考えておられてね。」
「選挙区の問題とかは無いの?」
「そうね、気になる所だわ、次回の選挙が何時になるのかは分からないけど…、でも、それまでに注目度を最大限に持って行く事は、今の高校生部会なら出来るでしょ。」
「何をすれば良いのかは分かってるよ、まずは党の所属になってくれる議員を紹介する動画をアップしまくる作戦を練ってるからね。
 高校生部会の党員が少ないエリアについては一般の党員に協力を呼び掛けるつもりなんだ。
 その議員さんの情報は何時頃公表されるの?」
「与党を離党する前に党の人達と話し合っておきたいとのことで、それが済んだら離党し新党に合流という発表がなされる予定、そのタイミングで私達に会いに来て下さる事になってるのよ。」
「それまで、どこの誰なのかは秘密なんだね。」
「ええ、だから三郎にも教えて上げられないの。」
「うん、楽しみにしてるよ。
 姉さんの話し方だと随分信頼出来そうな人だからな。」
「まあね、初めて話した国会議員がひど過ぎたという事も有るけど…、雅にも会って貰い、雅がどう感じたか聞いてみたいのだけど。」
「雅の…、人を見る直感力だね、名前が分かったら、まずはその人の情報を確認してみるよ、妹達と。」
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バトル-112 [高校生バトル-12]

「ねえ、雅とは最近落ち着いて話す時間がとれてないのだけど、どう?」
「うん、叔母になってから、真愛ちゃんと光くんの世話に夢中だよ。
 友香姉さん麻衣姉さんと母さん雅の四人で子育てチームを組んでね、もうすぐスタートさせる保育所の所長さんに指導して貰い、真子や詩織と一緒におしめの替え方も覚えたのだけど、次郎兄さんより雅の方が手際が良いと褒めて貰えて嬉しかったとか、姉さん達は率先してやってくれるから助かってるって話してた。
 雅自身は、春子姉さんの子が生まれる頃には母乳を上げる以外、全部出来る様になるんだと張り切ってるいてね。」
「精神状態は悪く無いのね。」
「うん、随分良くなってる、叔母として小さな甥と姪の世話を手伝うことで自信をつけ始めたと姉さん達は感じてるそうだよ。」
「家族が近くに住み子育てを協力し合う、そんなライフスタイルは思ってた以上に良いと麻衣さんから聞いてたけど、新党結党大会を終えたら私もチームの一員…、おしめの替え方は雅に教えて貰う事になるのかしら。」
「うん、僕も雅に教えて貰う事になってるよ、夏休みになったらね。
 『雅ちゃんの子育て奮闘記』は真愛ちゃん達が誕生してからの映像編集が進んでて、何時でもチャンネル開設出来るけど、タイミングは新党結党大会の少し前でどうかな?」
「ふふ、雅が主役のチャンネルになるのね、良い絵は撮れてるの?」
「雅のとびっきりの笑顔が沢山、真愛ちゃんと光くんの動きが何故かシンクロしてるシーンとかもね。
 真愛ちゃん達は二人とも市長に似てると言われてて、お父さんの顔が緩みっぱなしになってるのとか、雅が双子のお母さんみたくなってるシーンも有るんだ。
 演技無しの動画だけど上手く編集して貰えて、雅をメインにしたのは正解だと思う。
 これからお母さんになる人にとっても参考になる内容だから、それなりの閲覧数は期待出来そうだよ。」
「それも、雅の自信に繋がっているのかな?」
「うん、子育てを手伝いたいとは雅が言い始めたことだからね。
 雅は今、人として本当に大切なことを沢山学んでいて、雅ちゃんの子育て奮闘記は雅と真愛ちゃん光くん、三人の成長記録にもなりそうだよ。」
「そっか、真愛ちゃんと光くんは新党のシンボルにもなっているのだから、新党結党大会でも近況報告をして、新たなチャンネルの宣伝もしちゃおうか?」
「良いけど、僕等の私的な政治団体と言うイメージは早めに払拭して行きたいのだけどね。」
「批判されてるの?」
「それは無いけどさ…。」
「仲の良い、私達、義兄弟姉妹と言う存在は、党の象徴だと話してくれる人もいるのよ。
 良く分からない思想信条に基づくものでも宗教団体が立ち上げたものでもない、そんな前例の無い政治団体でも多くの賛同を得られているでしょ。
 だから、その違いをもっと強調して良いと思うの、子育ての大変さを忘れてしまった様なお年寄りの政治家とは一線を画して行きたいわ。」
「うん、その考えは高校生からも出てる。」
「高校生部会が引っ張ってくれてる意味はとても大きくてね、明日の日本を支える若者たちの為にも新党の力で日本を変えて行こうと言う機運が高まってるのよ。
 だから、党名の案を募集するコピーが、日本を今以上に愛せる国に、世界に対して誇れる国に、それを目指す党に相応しい党名を募集しますとなったの。」
「うん、でも、党名って難しいよね、自由とか民主、社会なんて言葉は入れたくないし、憲法を意識させるのもどうかと思う。」
「そうね、でも、どんな党名になったとしても、肝心なのは中身でしょ、子ども達を大切にする、そんな党にしないとね。」
「僕らとしての手始めは保育所の開設、保育所でスタートし認定こども園を目指すとして…、予算規模は良く分からないけど、雅ちゃんの子育て奮闘記の稼ぎで何とかしたいな。」
「三郎は企画とか考えてるの?」
「うん、中高生に赤ちゃんと触れ合って貰うとかね、無責任な妊娠についても考えて貰うべきだろ。」
「そう言った形でテーマを選んで行けば長続き出来そうね、三郎達の三角関係も一般受けしそうなテーマだから、どう?」
「そんなに楽しいテーマじゃないよ。」
「楽しいわよ、雅が三郎ラブなのはみんなが知ってて興味深々、テレビドラマになりそうな話が現実に進行してるのだからね。」
「やっぱ姉さんは面白がってる…。」
「良いじゃない、新しい雅のチャンネルで稼ぎ、私達の集落に認定こども園を設立させてよ、集落の人口が増えて行くのを見越して用地は広めに確保済だからね。
 ねえ、三郎は理事長か園長、どっちが良い?」
「えっ、何故に僕…?
 そして、二択なの?」
「私達にとって人が興味を持ちそうな話題は多ければ多いほど良いのよ。」
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バトル-113 [高校生バトル-12]

「春子、結党大会に向けての準備に問題は無さそうか?」
「そうね、トラブルの報告は受けて無いけど、問題が起きたら御免なさいと言う方針だから、大丈夫でしょう。
 始めから完璧を求め過ぎるのはマイナスにしかならないと言うお父さんの言葉は、スタッフ全員で共有出来てる、発起人会代表として謝罪会見のイメージトレーニングはちゃんとしてるのよ。」
「はは、そのトレーニングが無駄になる事を祈るよ。
 兄貴からは、党幹部の党員投票と党名投票に向け、投票システムでアンケートを実施して来た結果、問題無さそうだと聞いているが、その候補者たちの準備はどうなんだ?」
「幹部候補達は明日集まるのだけど、今まで連絡を取り合って調整は進んでいてね、初代党首は衆議院議員の伊藤博隆さんでほぼ確定よ。」
「投票は?」
「信任投票になると思う、そこまでの流れは明日の会議中に説明する映像を撮影して、結党大会までに公開予定だけど、伊藤議員が与党を離党しての参加はマスコミでも大きく取り上げられてるでしょ。
 彼に続く人が複数いると言う話はマスコミの作り話しでは無く、彼の考えに賛同する議員が実際にいると言う情報が流れ、彼は一目置かれる存在になってるのよ。」
「あれには驚いたよな、お一人で来られると思ってたら、ご家族のみならず与党議員六人とその家族も一緒でさ、まだ後援会の人達と話し合ってる最中とは言え、そこから伊藤さんを含めた五人が新党に加わってくれれば一気に国政政党だぞ。」
「与党に所属していても、若手だと大した事が出来ないと話してみえたわね、無能な議員や不祥事を起こす議員と同格で、国会での採決では党議拘束に従うだけの存在だとか、かと言って既存の野党に鞍替えするなんて全く考えられなかったと話して下さったわ。」
「でも、我々にとっての国政政党はもう少し先の目標だっただろ。」
「国民は妥協で無く心から支持出来る新しい政党の登場を待ち望んでいた、そこに私達の新党が名乗りを上げてくれたと言うことだったでしょ。
 予定通り新党が私達の手を離れて行く道筋が見え、発起人はきちんと役目を果たせたと思うの、閉塞感を感じさせていた日本の政治が変わる切っ掛けを作り出してね。
 結果が出るのは先の事だけど、それを作れただけでも良かったと思うわ。
 次郎兄さんが高校生バトルをサポートする会社を立ち上げ色々主張して来た成果でも有るのだから、胸を張って良いでしょ、私達の主張に賛同してくれる国会議員が動いたと言う事だけでも。」
「ああ、そうだな…、市政研究会の連中はどう受け止めてる?」
「随分前から国政にも目を向けてたからね、伊藤議員の動きに歓喜の声を上げ国政研究会の立ち上げを模索してるわよ。」
「新しい党は若い研究者がカギを握ってるとも言えるからな、学士院とか日本学術会議では若者の意見は繁栄されない、とは言え我々には与党までの厳しい道のりが待っていそうだ。」
「そうでもなくてね、伊藤議員は連立を考えてみえるのよ、次の選挙で議員を増やす事に成功出来たら、政権交代には遠く及ばなくても大臣の一人ぐらいはうちの党からと言うのも有りとね。
 そこで実績を示しながら、選挙の度に議席を増やして行く、革命的に変えて行くのでは無く、あくまでも改革、現与党とも良好な関係を保ちつつ、いずれは逆転と言う戦略、悪く無いでしょ。」
「もしかして、その関係で離党までに時間を掛けてたとか?」
「ええ、同じ派閥で党に不満を抱いてる若手の説得に時間を掛けていただけでなくね。」
「そう言う事を出来るのが本当の政治家と言うことなのかな?」
「でしょうね、自分達の考えを通して行くには色々策略を巡らす必要が有ると改めて教えられた気がするの。」
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バトル-114 [高校生バトル-12]

「結党大会には三郎お兄さまがもっと注目を集める形で登場すると思ってたのだけどな。」
「いや、会場が遠いだろ、高校生部会の部会長も決まったことだし、無駄に交通費や宿泊費を使うより録画で参加させて貰えばスタッフが余計な気を使う必要もないからね。」
「私は、ここが会場になると思っていました、どうして遠くの市になったのですか?」
「詩織、全国組織だから、ここばかりが目立つのは良く無いと始めから考えていてね。
 そしたら、あそこの地域政党がまるごと新党に参加と言う話になって、すでに市長や議員、市民が大勢党員になってくれたんだよ。
 その勢いを、そのまま結党大会へと、お願いすることになったのさ。
 確かに、ここからは遠いけど交通の便が良くて、全国からの代表者が集まるには良い所なんだ。」
「ここだって交通の便は良いのだけどな。」
「はは、結党大会に出てもそれほど楽しくなかったと思うぞ、ほら、今だって国会議員の紹介と挨拶でさ。」
「そうかな、私は後で全部見直すつもりだけど、中学生部会の話も出始めてるでしょ。」
「頼もしいな、雅はどう?」
「私も、伊藤さん達のご挨拶はもう一度見るわよ、この前お話させて頂いて凄く良い人だって思ったもの、お父さまと同じ人種よね、娘さん息子さんとも知り合えたし。」
「お兄さま、伊藤さんが私達の集落に越して来ることが決まって、二人は私と同じ中学に通う事になるのですよ。
 あれから、ずっと連絡を取り合っていてね、中学生部会の話しだけでなく私達の義兄弟姉妹の話も、二人ともYouTubeを見てくれてて、お兄さまに憧れてると話してたわ。」
「そうなんだ、転校に対して抵抗を感じてるとかは言って無かった?」
「新幹線を使えば東京まで日帰り出来るから気にしてないって、でも、自分が東京へ行くより友達に来て貰う事を考えているそうで、東京に人が集中し過ぎてるのは問題だと考えているのだとか。」
「さすが国会議員の子どもと言うことか。」
「反抗期だけど、お父さまのことは尊敬してるって、今回党を変わる決断を下した事で尚更、今の与党には少なからず問題が有ると考えてたそうでね。」
「中一と中二だっけ?」
「うん、中二の兄と中一の妹だけど仲は良さそうよ、新党にも二人で真面目に向き合ってると感じたわ。」
「随分頼もしい兄妹だな、雅は仲良くなれそうか?」
「ええ、優しい人の周りには優しい人が集まる、悪い人の周りには悪い人が集まるの、類は友を呼ぶって実感してるよ。
 私も優しい人の仲間入りをして…、お兄さま達には随分迷惑を掛けてしまったけど、もうそんなに迷惑を掛けることはないと思ってる。」
「迷惑だなんて…、たまには甘えてくれないと駄目だぞ。」
「もう、三郎は直ぐそうやって雅を甘やかすから…。」
「そうですよ、雅だって何時までも子どもでは無いのですからね。」
「う~ん、伊藤さんとこの息子さんは僕の味方になってくれるのだろうか。」
「どうかしらね、詩織とは頻繁にやり取りしてるみたいだけど、雄介さん、詩織が居るから転校に対して前向きなのかもよ。」
「へ~、詩織も可愛いから気持ちは分かる、雄介って言うんだ。」
「はは、お兄さま程では無いけど感じの良い人だよ、雄介さんよりも、留美さんは三郎兄さまのポスターを部屋に貼ってるそうだから、お兄さまの味方になってくれるんじゃない?」
「あっ、そう言った話し、春子姉さんには内緒にしといてよ、また面白がりそうだから。」
「雅、どうする?」
「そうね、私は何時でもお兄さまの味方よ。」
「そう言ってしがみつくか…。」
「ちょっと、どさくさに紛れて私の三郎を右と左から二人でシェアしないでよ。」
「真子姉にはお兄さまの背中が有るわよ。」
「あのね…。」
「ちょっとお前達くっつき過ぎだぞ、そろそろ出番だから、モニターに注目!」
「は~い。」
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バトル-115 [高校生バトル-12]

「うわっ~、お兄さま真子姉さま、春子姉さまといつの間に収録したの。」
「真子姉、お兄さま、とても素敵ですよ、二人のデュエットに春子さんのピアノって久しぶりですよね、初めて聴く曲だけど…。」
「あっ。」
「真愛ちゃんと光くんとの映像か…、何時の間に撮ったのか知らなかったわ。」
「私達も編集され完成したのを見るのは初めてなのよ、あなた達二人が偽双子の面倒をみてる映像を使うとは聞いてたけど良い絵になってるわね。」
「うん、こんな映像を見せたら詩織と雅のファンが一気に増えそうだな。」
「これって、雅ちゃんの子育て奮闘記の宣伝なの?」
「ああ、曲は愛をテーマにしてるだろ、子育て奮闘記のテーマ曲として使って行く予定なんだ。」
「あっ、真愛ちゃんと光くんのまるで双子ショット~。」
「従姉弟なのに一卵性双生児かと思われてるのよね、男の子と女の子なのになんか不思議…。
 ちっちゃくて可愛くて、雅、ずっと大切に育てて上げてね。」
「うん、真子姉さま、私達の子として育んで行くのでしょ。
 母親一人が子育てを背負い込むのではなく、家族みんなで協力し合って育てる、そして子どもは社会全体の子として守られる、守って貰えてとても幸せになれた私は、守る立場にもして貰えて最高の気分なの、真愛ちゃんと光くんは私の宝物、春子姉さまの子も、真子姉さまの子も私、大切にするよ。」
「ふふ、春子さんの子は兎も角、私の子はまだ影も形も無いのですけどね。」
「お兄さま、子の誕生を待ち望むのは人の生き物としての本能ですよね、それなのに少子化が進んでしまったのは…、お父さんは政治にも問題が有ったと話してましたが。」
「有ったと思うよ、世界を見渡すと人口が増え続けるのも問題だけどね、バランスをどうとって行くのかは難しいけど、僕達が考えて行かなくてはならない事なんだ。」
「高校生部会の部会長もバランスについて話してたよね、さっきはお兄さまより目立ってて不満だったけど、お兄さま達の素敵な歌が披露されたから許せるかな。」
「あの部会長さんも、お兄さまのファンなのですよね~。」
「それは知らないが、職業としての政治家を意識してる才女で有る事は間違いない、春子姉さんも頼もしいと話してたよ。」
「田中部会長は要注意人物なの、三郎がどの大学を目指してるのか探りを入れてるみたいなのよ。」
「ふふ、真子姉はそんなこと気にしてないのでしょ、ホントは。
 雅もそんな話には付き合う必要は無いのよ、真子姉はお兄さまに愛されてると主張したいだけなのだからね。」
「うん、知ってる~。」
「もう~、二人とも生意気なんだから、次は、春子さんの出番だからモニターに注目。」
「春子姉さまは、発起人会代表として大変そうだったな。」
「そうね、大学に通いながらで…。」
「でも、多くの事はスタッフ任せ、直接人と会うのは最低限に抑えてたんだ、詩織も自分がリーダーになった時の参考にして欲しいかな。」
「うん、リーダーの条件についてはお父さんからも聞かされてる、我らが義兄弟姉妹はリーダーの集団なのだからってね。」
「私は…、リーダーって考えた事無かった…。」
「雅は、自分の知らない内にスタッフを引っ張っているんだ、今のままで全然問題ないよ。」
「ふふ、お兄さまはやっぱり雅に甘いけど、お兄さまの言う通りだわ、雅は子育てを頑張って。」
「うん、でも、詩織、リーダーのことも教えてね。」
「そうね、リーダーと言っても色々なタイプの人がいるの、春子姉さまは私が目標としてる人…、あっ、発起人代表としての話が始まったよ。」
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バトル-116 [高校生バトル-12]

「こうして発起人代表として新党結党大会の場に立たせて頂けてるのは、皆さんのお蔭で私にとってとても誇らしいこととなりました。
 父の市長当選後、まずは市政改革を進めるには仲間がもっと必要だという話しから始まった新党構想ですが、多くの方々の賛同を得て拡大、七名の国会議員に参加頂けるまでになり国政政党としてスタート、こんな結党大会になるとは全く想定していませんでした。
 私は、党幹部役員の信任投票結果を確認させて頂き、発起人会代表としての任を終えるのですが、皆さんには感謝の気持ちしか有りません。
 日本の政治を地方だけでなく、国政の場に於いても改革して行く、そのスタートに立ち会わせて下さった皆さん、本当に有難うございます。
 勿論、今日はスタートで有り、これから多くの困難が待ち構えていることは承知しております。
 それでも…、私事では有りますが、最近、偶然にも同じ日に生まれました姪の名は真愛、真実の愛でこの国が満たされます様にと、甥の名は光、この国が光り輝く様にと名付けられました。
 そんな甥と姪だけでなく、全ての子ども達が幸せでいられる国を目指して困難を乗り越えて行く、そんな政党になると期待しています。
 勿論、多くの方々に参加して頂く政党ですので、全員の考えが完全に一致する事は無いでしょう。
 それでも、派閥が出来ても構いませんので、分裂したり合流したりしてる野党の様にはならず、大きな組織として国に対して影響力の有る政党を目指して欲しいと考えています。
 伊藤衆議院議員からの与党との連立も視野に入れたいと言うお話しに対しては異論も有ると存じておりますが、若い我々の新党と古い党が入れ替わって行く、その第一歩と考えて頂きたいのです。
 今までの政権では若い人が活躍しにくく、長年議員を続けて来たと言う理由だけで、大した能力の無い人が大臣になったりもして来ました。
 私達が我らが党首として信任をお願いしています伊藤議員は優秀な方ですが、現与党に所属したままでは軽んじられ要職に就くまで何年も掛かるでしょう、その間無能な大臣が不用意な発言を批判されると言うことが度々起きたとしてもです。
 私達は革命を起こそうと思っている訳では有りません、改革、改革政党として地方も国政も立て直して行く、その為には、まず連立の形ででも与党を目指すのが一番の近道なのです。
 その上で仲間の国会議員が増え第一党となれば、改革を更に加速させられます。
 今の与党が感じさせてくれている問題点を排除して行く改革政党として、連立構想にご理解を頂きたいのです。
 勿論、連立に向けての話し合いはこれからですし簡単な話しでは有りませんが、今の政権が野党やマスコミが騒いでいる程ひど過ぎる政権で無い事は支持率にも表れています。
 かと言って積極的に支持出来るかと言うと疑問符が沢山付いてしまうと言うことで、私達の新党が盛り上がっている訳ですが。
 そんな与党サイドから連立の話が出て来るような政党、改革政党に私達の新党は成れると思うのです。
 そして幾度かの国政選挙を経た後、国政のど真ん中にいるのは私達の新党で有ると確信しています。
 私は発起人会代表の役目を終えた後、母親になる予定です、今後は母親と言う立場で新党に関わり続けさせて頂こうと考えています。
 この新党構想に賛同して下さった方々と共に、日本をもっと愛せる国に、世界に向けて誇れる日本にして行く事が出来たら幸いです。
 私達の新党を改革政党として歴史に名を刻み込めるように、皆さんと共に歩める事を願って、発起人会の役目を終えたいと思います。
 皆さん本当に有難う御座いました、これからもよろしくお願いします。」
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バトル-117 [高校生バトル-12]

「春子姉さまは感無量と言う感じでしたね。」
「詩織、姉さんは、少しおかしな人の相手をする事も有ったんだ、新党の若さを強調すべく大学生ながら発起人会代表を引き受けたのだけど大変だったと思うよ。」
「三郎、やはり連立構想に関しては反発が強かったのね。」
「皆さんの気持ちは分かる、現与党に反発して新党の党員になった人も少なく無いだろうからな。
 でも、春子姉さんが語った、現与党と立場を入れ替えて行くと言う目標を考えたら一番良い形だと気付いて貰えるだろう。」
「うちのお父さんも、新しい政党が活躍して行くのに良い形だと話してました。
 選挙協力の話が出たら、新党からの候補には国会議員適正試験、適正審査の結果を表に出して貰い、現与党の無能な二世議員を排除して行けば良いのだとか。」
「うん、それも簡単な話しではないけど、新党からの候補者は全員、市長選と同じ手法で選挙戦を戦って貰うからな。
 党所属の議員となった後でも、パワハラとかする様な人だと分かったら厳しく除名処分や議員辞職を求めて行く。
 新党が人数を意識し過ぎることなく、質で勝負していれば絶対第一党になれると、伊藤さんは力強く話して下さってただろ。」
「簡単では無く、時間が掛かるのですね…。」
「それは仕方ない、参議院議員の任期は六年、衆議院と違って解散も無いからな。」
「でもそれだけに準備はし易いのよね、三郎、新党から立候補して貰う人の募集も始めるのでしょ?」
「ああ、大会の最後に国政研究会の立ち上げ準備会から発表が有る筈だよ。」
「なんか研究会が増えて良く分からないな。」
「雅は焦らず、少しづつ学ん行けば良いのよ。」
「だけど、私達義兄弟姉妹が中心になって立ち上がった新党の事は知っておきたいし…、私も役に立ちたいわ」
「雅は、雅ちゃんの子育て奮闘記を頑張ってよ、その利益で集落に出来る保育所を充実させ、認定こども園にして行くのだからさ。
 そうね、雅が園長を目指すって、どう?」
「園長か…、資格とかどうなのかな?」
「明日にでも一緒に調べてみようか?」
「はい、お兄さま。」
「雅、そう言った事を通して皆さんにも色々考えて貰うのよ。
 保母さんや幼稚園の先生を目指す人は多いけど、認定こども園の園長を目指す人はそこまで多く無いでしょ、雅が学習する姿を見せるだけでも人に良い影響を与える、普通の子どもが園長を目指すとは思わないでしょ。」
「私は、真愛ちゃん達のお世話を手伝わさせて貰いながら、将来、こんな事をお仕事にするのも有りなのかなと思ってたの、園長なんて考えてなかったけど。」
「だろうな、でも、保母さんを目指すのと園長を目指すのとではどちらが大変なのかは分かるだろ、園長にならなかったとしても一つの目標にしてみるのは悪くないと思うんだ。
 でも、将来の事はこれから考えて行けば良いのだから、焦って決める必要は全く無いのだからね。」
「うん。」
「雅、英語チャンネルのミュージカルに私達二人がデビューする話も進んでるのだから忘れないでね、そっちで人気者になるのも目標の一つよ。」
「ふふ、そうだった、楽しいことが多くて…、前に詩織が楽しい思い出を沢山作って嫌な事を忘れようって話してくれたでしょ、真愛ちゃん達のことを考えたり、ミュージカルのことを考えたりしてるからか、ホントにね…。」
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バトル-118 [高校生バトル-12]

「春子、結党大会お疲れ様、大変だったな。
 意見が分かれていた連立構想は、何とか党員達に受け入れて貰えそうだと聞いたが。」
「うん、著名人の方が何人かフォローして下さり…、でも実際問題、与党側に連立を拒否されたら、無意味な議論なのだけどね。」
「与党としては絶対数を確保したいだろうから、いずれ第一党と言うこちらの思惑が分かっていても受けざるを得ないだろうし、拒否したら拒否したで票がこちらに流れる可能性を否定出来ないだろ。
 まあ、その前に弱小野党だと舐められるかも知れないが、問題は弱小新党の議席がどれだけ伸びるかだな、議員適正試験と審査を経て、紹介映像を流しまくれば当選の確率は高くなると思うが、党としてハードルを上げてる分、候補者を見つけにくいのが難点だぞ。」
「ええ、でも、党としてプッシュして行くから現時点で知名度の低い人でも擁立し易くなると言う利点が有るでしょ、野党が力の有る対立候補を出せなくて、何となく与党議員が当選してしまってる選挙区をターゲットにしたら連立を組みづらくなると言う問題が有るのだけど、伊藤さんは強気で行きましょうと話して見えたわ。」
「何か考えが有るとか?」
「与野党含め力が有るのにそれを発揮出来ない若手はまだいるとか、二世議員でも全員が無能と言う訳ではないそうでね。」
「だろうな、そんな人達を引き抜いて行くのか?」
「こちらから動かなくても、うちの所属議員が何をしてるのかYouTubeを通して公開して行けば、寝返りたくなりそうな人はまだまだ何人もいるそうよ。
 打診が有った事は公表、その結果も公表して行くから、いい加減な気持ちでは寝返る決断の出来ない状況だけど、我が党の議員が積極的に情報公開を進めて行った場合、当然信頼度に差が付く訳でしょ。」
「すでに御一方お断りさせて頂いてるしな。
 二世とかで担がれ、大した覚悟も無く議員になってる人からは恨まれそうだろ。」
「伊藤党首は恨まれる役目は自身が引き受けると笑ってらしたわ。
 それより、連立構想の話しが一つ目の試練だったけど、それを乗り越えられそうなのは、感覚的に反発してた人達が論理的な説明を聞いて考えを変えて下さってるからで、与党にならないと国政を動かせないことの理解が進んだからみたいなの、似た様な事はこれからも起きそうよね。」
「だろうな、まあ、大会での春子の話が評価されてて、市役所では春子の話で盛り上がってるぞ。
 将来は市長にとか国会議員にと言う話も。
 一仕事終えてみてどうだ?」
「そうね、発起人代表として苦労も有ったけど、所詮、後はよろしくお願いしますで役割を終えることが出来るお気楽な役職だったのよ。
 私と比べたら、国会議員の皆さんは後援会の存在も有り、ホントに真剣で大変そうだったわ。
 離党した党からの風当たりを考えたら、安易に連立なんて話しは出来ないでしょ。
 それでも、与党組織や内閣を若返らせる為にと…、彼らが離党した事の重みは党員全員に分かって貰いたいと思うの。」
「その気持ちが発起人代表の挨拶に込められていたのだな。
 春子、良い経験をさせて貰えたね。」
「うん、お父さん、大学に通ってるだけでは出来ない貴重な経験をさせて頂けたわ。
 産休に入ったら、市政研究会や国政研究会の動きを見ながら今後の立ち位置、私自身の立ち位置を考えてみようと考えてるの。」
「ああ、大学は適当で良いし主婦業は雅ちゃんが手伝ってくれるのだから、じっくり考えれば良い。」
「ふふ、お母さんに聞いたわよ、みんなで育児をしてるから一郎兄さんを生んだ時より、うんと楽だって、雅は母乳を上げられなくてマジで残念そうな顔をしてるそうね。」
「はは、あの子はお母さんになろうとしてるんだよ、色々な思いが有るのだろうが今は一番の選択だと思う。」
「そうね、雅ちゃんの子育て奮闘記はまだ少ししか見て無いけど、雅の幸せそうな表情が自然で…、落ち着いたら、出産までに雅から育児のコツを教えて貰うとするわ。」
「そうだな、麻衣さんがね、赤ちゃん関係を二人分まとめてこなせるし、洗濯を三家族分まとめたら効率が良く、雅ちゃんと母さん、時には真子ちゃんや詩織ちゃんも手伝ってくれるから、育児について聞いてたより全然楽だって、次郎も手伝おうとするのだが、雅ちゃんが先にしてしまうそうだよ。」
「うんうん、一人で双子を育てた人は偽の双子映像を見て、自分の時は凄く大変だったと話してくれたわ、育児ノイローゼになりそうだったとかで。
 私達が選んだシステムは正解よね。」
「そうだな…、うちみたいに出来ない人に対するケアも市として考えて行くべきなのかな?」
「勿論よ、お母さんが一人で頑張ってるのですからね、お父さんですら協力的でない事も多いそうよ。」
「私は春子のおしめも替えてたし、色々やったぞ、うん、元気に泣いてた赤ん坊が随分大きくなったものだ。」
「ちょっと~、恥ずかしくなる話し、しないでよ。」
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バトル-119 [高校生バトル-12]

「次郎兄さん、動画撮影と編集のコツをレクチャーして欲しいとの声が党本部に寄せられてるそうだね。」
「ああ、動画での広報活動は党の戦略として重要な位置づけだからな。
 実際に各支部で取り組んでみたら思ってたより難しいと感じたとか、三郎達のレベルに達するのは簡単ではないだろ。
 今は全支部で制作されたものを党のチャンネルに集約して公開する形でも有るから、こちらでチームを組んでレクチャーして行く体制作りが始まった所だよ。」
「それでさ、ふと、思ったのだけど、ネット上に各支部の集合体、日本の縮図みたいなサイトが出来つつ有るでしょ。
 そこを拡大して党の活動に関係なく各地の宣伝動画もアップして貰ってはどうかと思うんだ。
 個人が個別に立ち上げても注目されにくいけど、巨大なチャンネルになって行けば相乗効果が期待出来る、各支部がそれぞれの特色を出して地域の宣伝をしてくれたら面白いのが出て来そう。
 一つの支部が月一のアップでも全体としてはかなりのペースでアップして行く事になり、閲覧し易いように整理したホームページを構築し広告を付ければ、YouTubeからの収益だけでなく、そちらからの広告収入も期待出来る、始めの内は動画制作のトレーニングを兼ねるレベルで始めて貰っても良いと思うんだ。」
「なるほど…、そのまま大きな収入源になるまで育てて行けたら党の財政も潤うな。
 地元の店や商品の宣伝をして行くことで地方の活性化に繋げる糸口にも出来そうだ。
 問題が有るとすれば…、収益の配分になるのかな、まあ、検討して貰う様に連絡しておくよ。」
「うん、高校生部会へも提案しておくね、各地の動画制作チームでバトルになったら面白いでしょ、動画の出来栄えや視聴回数を競い合ってさ。」
「勿論、収益でもな。」
「ねえ、党員が納める党費の話はどうなる?」
「今の所ボランティアで動いてくれてる人が多いから寄付だけで何とかなってるだろ、金銭的な理由で党員になる事を避けられるより、党費負担なしで党員になって貰い、余裕の有る人に寄付して貰うと言う方向になってるよ、党員が増え寄付も集まってるからね。
 党費負担が無いと党員で有ることが軽くなってしまうと言う声も有るが、高校生や大学生でも気軽に党員登録して欲しいだろ。」
「そうだね、その分、うちの高校生部会は社会貢献を考えてるよ。」
「公園管理の話は進んでいるのか?」
「うん、市の高校生部会が主催、大学生部会が共催の形で、公園の草刈り作業と親睦を深めるバーベキュー、市政や国政についての学習や討論の時間などを上手く組み合わせ負担の少ない形でね。
 タイミング的に夏休みスタートになるから、熱中症に気を付けて作業時間は短めに、市立体育館のシャワーを使える様にして貰ったり、冷房の効いた施設を借りる話しが進んでるよ。」
「そっちの予算面はどうなんだ?」
「草刈り作業の指導や道具の手配は市の負担で、バーベキューの肉とかは高校生部会が動画制作に貢献した分の利益から、野菜は市民菜園利用者や畑を持ってる党員から、現物の寄付になりそうだよ。
 一度やってみて、肉が足りないと感じたらその分は自分達で出し合うことになってる。
 まあ、肉代を稼ぐ為に動画制作を頑張ると言う話も出てるけどね。」
「一年を通しての企画と考えているのだろ?」
「うん、長く続く様にレクリエーション企画もしっかり用意して充実したものにしたいと、出会いを求めての参加も有りだと考えてるんだ。
 違う高校大学に通う人、就職した人達も含めて色々な人に参加して貰う、夏休み以降は天気の良い土日に毎週開催を目標にね。」
「ボランティアと言うイメージを弱く出来ればということだな。
 しかし、草刈り作業は大変だぞ。」
「夏場は特にね、でも家の手伝いで草刈り機を使った事の有る人は、長時間で無ければそんなに苦になるものでは無いと話しててね、みんなに体験して欲しいと話してたよ。
 それでさ、自分達で公園を綺麗にしたら自分達の公園と言う意識が高まり、それが市の一員であるとの市民意識にも繋がると思うんだ。
 秋になったら小学校の高学年にも、あちこちの児童公園清掃を手伝って貰う企画を考えて、公園で遊ぶ子が増えたらともね。」
「強制ではなく自主的に手伝って貰うのは難しくないか?」
「掃除の後は高校生や大学生と一緒にその公園で遊ぶ、小学生にとって魅力的なイベントに出来たらと考えていてね、掃除は短時間で良いと思うんだ。」
「そこには雅も?」
「それは、まだ考えて無いよ、雅が自分で決める事だからね。」
「うん、確かにそうだな…、掃除に参加してくれた子にはお菓子ぐらい上げられる様に予算を考えようか?」
「その辺りはお金の掛からない方法を考えたくてね、市民菜園を高校生部会で借りてジャガイモを栽培し、そのジャガイモでポテトチップスを作ってみるとか案は出てるんだ。
 集団での作業、体験型イベントを通して社会性を養うと言う理由も有ってさ。
 今年に関しては、お爺ちゃん達が管理してくれてる集落の菜園に期待してるのだけどね。」
「自分達が食べる分にしては、やけに広い畑だと思っていたが、三郎がお願いしてたのか?」
「お爺ちゃんは仲間を集め無理の無い範囲でやってるから楽しいって言ってくれてるよ。
 慣れた人の指導で今の所失敗は少なく、集落自体が不審者もイノシシも入りにくくなってるから採れ過ぎるかもって。」
「採れ過ぎてもバーベキューで食べて貰ったり、お菓子の原料になるという事か?」
「今年はね、来年はスイカに挑戦したり果実の苗を植える事も考えてくれてるんだ。」
「その経過も映像に収めてるのか?」
「当たり前でしょ。」
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バトル-120 [高校生バトル-12]

「春子姉さん、お腹が随分目立って来たけど大丈夫?」
「ええ、何とかね、無事生まれてくれれば、後は雅が手伝ってくれると思って頑張ってるわよ。
 三郎達高校生は期末テストが終わったとこでしょ、高校生部会はどうなの?」
「市の高校生部会はうちの高校が中心となって全国の高校生を引っ張る存在になろうと盛り上がってるよ。
 党の所属になって下さった市会議員を紹介するチーム、市政を高校生の視点で紹介するチーム、総合公園の草刈りを中心に動くチーム、秋から児童公園の清掃を子どもと一緒に行うチーム、秋の市民祭を盛り上げようと企画を練ってるチームとかね。」
「多くの高校生が参加してくれてるのね。」
「うん、でも高校生全体から見たら決して多いとは言えない、まあ、スタッフが企画を発表すれば手伝ってくれる人はいると聞いてるから心配はしてないけど。
 そうそう、チーム牧村には高校生部会からも二人の参加が決まったよ、彼らを通して高校生部会は市政の問題を考えて行く事になるんだ。」
「私は牧村さんから聞いたわ、凄く嬉しそうにして見えてね、もう何時死んでも良いと言ってる割にはお元気そうだった。
 彼自身は市会議員として特別な研修を受けた訳でも無く議員を続けて来たから、色々な事を改めて考えさせられてると話してみえて、チーム牧村に多くの市民が参加してくれたら市が活気づくともね。」
「う~ん、本来、市会議員は市民の代表として市政に関わると言う立場…、でも…、代表を選挙で選んだ後は任せっきりにし過ぎてたという事なのかな。」
「そうね、一般市民は市政のことばかりを考えてはいられないのだから仕方なかったと思う。
 でも、牧村さんは、今までになかった形のチーム牧村誕生で市民の意識が変わって来てると感じておられるそうよ。」
「うん、生徒会長も、お父さんの選挙運動をきっかけに市政がどんどん身近なものに感じられる様になったと話してたよ、それまでは市民が市政を他人事と思ってたのかもってね。」
「そこがお父さんの力量なのよ、多くの人に尊敬され市長として大きな影響を及ぼしているの。
 市の職員が話してくれたのは、市役所内の雰囲気が良くなり全体の作業効率が絶対アップしてるってこと、職員のモチベーションって簡単には数値化出来ないことだけど絶対に重要だともね。」
「うん、職員に対する予算は変わらなくても、改革が進み職員の仕事に対する意欲が上がれば、市役所が担っている業務の質が良くなる、公園整備関係で会った市の職員も、やりたかった事がやれる様になったって喜んでたよ。」
「業務の中には必要性の分からない無駄な儀式が有って直ぐに止めさせたと、お父さん言ってわよ。
 何らかの理由が有って始まったのかも知れないけど必要以上の報告が義務付けられていたそうでね、いちいち報告する必要のないことまで報告が慣例的に続けられていたのだとか。
 大きな声では言えないけど、部課長連中は、こいつら頭大丈夫なのかと思うレベルで再教育を考えているそうよ。」
「そんなにひどいの?」
「役所って一般企業と違って業績を上げると言った発想が無いでしょ、だから向上心が弱く部下から提案されても面倒な事は却下、みたいな雰囲気だったみたい。
 お父さんは一般職員一人一人と話をし管理職をすっ飛ばして改革を指示してるからね。
 だから職員は大歓迎でモチベーションが上がってるのよ。」
「管理職の人達は面白くないのでは?」
「面白くなくても、お父さんから論理的に指摘されて反論出来る人はいないの、管理職に出した指示が部下に届くまで時間が掛かり過ぎていたらペナルティを科すとしたから、多分嫌われてるでしょうね。」
「その確認はどうやって?」
「始めの内はお父さんが直接、現場の人達に聞いてたのだけど、そうしてる内に各部署で誰が信頼出来そうか分かって来たのだって、今では市長からの指揮系統が正式なのとは別に出来つつ有るのよ。」
「それで揉めたりしてないのかな?」
「今の所、部課長連中は面倒なことをしなくて済むから大人しくしてるみたい、いずれ人事を考えて行く事になると揉めるかもね。」
「人事権は市長に有るの?」
「好き勝手にしては行けないけど法的には有るみたい、だから大人しくしてるのかも。
 でも裏で構築してる指揮系統をそのまま正規の組織に置き換える案も市政研究会で出てるのよ。」
「一部の人から恨みを買いそうだね。」
「それも市長の役目なのよ、能力の低い人が管理職として威張ってる様な職場では職員のモチベーションが上がる訳がないのだから。」
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