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近衛予備隊-71 [高校生バトル-50]

 今は色々なことが並行して進み充実した日々を過ごしている。
 自分が隣村の村長になり近衛隊に入隊する話は、あっと言う間に村中へ広まり、それが村の合併や衛生環境向上に向けた上水道整備の話をし易くした。
 俺は予備隊のメンバーに運転して貰い村中を計画的に回っているが、予備隊隊長の儀礼用、一番良い服を着ていることで、村人たちとの身なりの差は歴然、大人達もへりくだって来る。
 また、新しく出来た幹線道路から離れていなければスマホが使えるので、敢えて目立つようにスティーブのアシスタントへ報告を入れているのだが、これは村造り総指揮官スティーブの発案、自分達の持たないアイテムを使い英語で報告する姿を印象付けることで格の違いを見せ付けるのだそうだ。
 その効果は分からないが住民投票に向けての準備は順調に進み、来週から住民登録が始まる。

 その合間を縫って予備隊へ新規入隊の募集を始める準備を始めた。
 今回は十二歳以上で試験を行う。
 学校と予備隊で役割を分担する為だ。
 ただ、入隊条件を明示するので試験結果によって合否が左右されるのは僅かになると思う。
 学習に対して真面目に取り組む気の無い者は、その時点で入隊条件をクリア出来ないので試験を受けない者も多いと思うからだ。
 予備隊の隊長は副隊長の一人に引き継ぐ。
 彼は俺との力の差を気にしていたが俺が指揮官の立場になることで安心した様だ。
 能力的には問題ない。

 店へは毎日顔を出し、フロアーを二十分ほど見て回り、気が付いたことに対して指示を出し、フロアマネージャーに報告しているが、マネージャーはそれが慣れから来る気の緩みを防いでいると評価してくれている。
 近衛隊に入隊したら着なくなるからと着る事の多くなった儀礼用の隊服は、着て歩くだけで効果が有るのだ。

 宮殿へも毎日足を運び、スティーブに一日の報告をし相談をするのが日課に、またプリンセスに呼ばれることも有る。
 その理由は様々で、会わせたい来客が来た時、相談したいことが有る時だけでなく、ただ食事を共にしたいと言う時も。
 メアリーの目には、俺達とのそんな時がプリンセスにとって一番くつろげてる時間に見えるそうだ。

 宮殿へ行った時は必ずルーシーの様子を見に寄る。
 手術は問題なく終わったがリハビリは大変そう、それでも村の合併に向けてなど気に掛けていてくれる。

 こんな日々を過ごしている内に、村長への就任式が近づいて来た。
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近衛予備隊-72 [高校生バトル-50]

「いよいよ明日はジョンの村長就任式ね。」
「ああ、一か月なんてあっと言う間だったな、シャルロットは近衛隊に入隊出来そうか?」
「まだ学ぶべきことが多そうで時間は掛かりそうだわ。
 エミリーはルーシーと私の学習内容を他の予備隊幹部達と変え、村に関することが多いのだけど、地方自治の考え方とか外国では当たり前らしいことが、この辺りでは全く行われてないから想像するのが難しかったりしてね。」
「それは俺も感じてるよ、俺達が見て来たお祭りの儀式を司る村長と近衛隊の人達がイメージしている村長は全く違うんだ。
 村が合併してもお祭り関係は今の村長に任せ、その後継者も村長に決めて貰う話はあちこちでしてるけどね。」
「ふふ、ジョンにはそんなの似合わないし、そう言った役目を残しておいてあげれば合併に躊躇する人が減るでしょう。」
「村長就任式の後で今後の展望を話すのだけど、その事も含めるつもりなんだ、合併に向けての村民投票で賛成に票を投じやすい様にね。」
「就任演説の原稿は出来てるの?」
「ああ、読んで問題が無いか確認してくれるか?」
「ええ。」

 英語版は何人かの近衛隊メンバーに見て貰っていたが、母国語版は誰にも見て貰えて無かったので、シャルロットの視点は大切だと思った。
 実際、彼女は…。

「英語版は良いと思うけど母国語版は少し難しくないかしら、村の大人達にはもう少し簡単に話さないと伝わらないかもよ。」
「う~ん、確かに言われてみるとそうかもな、英語版とは聞く人のレベルが違うと考えるべきだった。
 簡略化を試みるから手伝ってくれるか?」
「勿論。」

 明日は似た様な話を言語を変えて二度することになっている。
 母国語は村民を中心としたこの国の人に向けて、英語では世界に向けてと言われているが、まだピンと来ていない。
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近衛予備隊-73 [高校生バトル-50]

 俺の村長就任式に多くのカメラが入ったのは勿論プリンセス詩織が目当てだ。
 餌を与えても無いのに野鳥が挨拶に来ると言う奇跡の映像は世界中に広まっていて、その神々しさ故に多くのファンを生み出した。
 フロアマネージャーが、何故かこのエリアだけで高い人気なのだと話していたプリンセス、でもそのエリアの枠は消えつつ有るようで、プリンセス詩織の登場するYouTube動画の再生回数は半端なく伸びている。

「ジョン、入村に制限が掛かっている筈なのに凄い人出ね。」
「今日は俺達の村の村人の為に制限を少し緩めてるそうだよ、村の合併に向けての話もするとアナウンスしてあるからな。」
「何か本番前でも、あまり緊張して無いのね。」
「今日の主役はプリンセスだろ、この村にいらしてから混乱を避ける為、宮殿内や人払いした所で撮影した映像公開ばかりで人前で話をされるのは今回が初めてだからな。」
「それぐらいに思っていた方が肩の力が抜けて良いのね、でも、ジョンをアピールする為の式典なのだから。」
「そこはきっちりやらないとな。
 近衛隊の隊員になって直ぐに村長だからと小隊長クラス、村長の公邸も用意して貰えると言う特別待遇に応えなければね。」
「ねえ、私とルーシーは公邸で働きながら学んで行くことになってるけど、ホントは仕事場に特別親しい人がいるのは良くないのでしょ。」
「馴れ合いになっては行けないからな、ただ、俺に色目を使って来る女性が多そうだからそれを牽制する狙いが有るそうだよ。」
「そう言う事だったのか、私達は慣れ合わない様に気を付けなければならないわね。」
「あっ、ルーシー、調子はどうだい?」
「まあまあかな、まだ上手に歩けないけど村人達に車椅子で無い所を見せて、ジョンの村長就任に花を添えたくて頑張ったのよ。」
「二人が近くに居てくれると心強いから頼むな。
 二人とも予備隊とも近衛隊とも違うその隊服が似合っていて、俺より二人にみんなの目が行くかもね。」
「ジョンの近衛隊村長仕様の隊服姿も凛々しくて、またファンが増えてしまいそうだわ。」
「あなた達、褒め合ってるのは良いけど、そろそろ時間よ。」
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近衛予備隊-74 [高校生バトル-50]

 式典は近衛隊に導かれたプリンセス詩織と俺達の入場に始まり、近衛隊によるパフォーマンスの後、プリンセスからの挨拶と村と村長に関する話へと続いた。
 その流れで俺は紹介され、村長に任命される証書をプリンセスから受け取る。
 俺は感謝の言葉と決意表明をした後、村の展望について語らせて貰い、近衛隊がパフォーマンスで式典を締めて式典は終了。
 その後、休憩を挟んで記者会見。

「プリンセス詩織、随分お若い村長ですが店と公園を中心とした、この新しい村のシンボル的存在なのでしょうか?」
「そう言った事も担って貰いますが、彼が自身の言葉で語ってくれた通りこの村の更なる発展と拡大に向けて、彼が能力的に適任者だと思いお願いしました。
 彼は貧困層の生活改善と言ったこの村の目標をしっかり理解しており、目標に向け、自分で考え判断出来る人物です。」
「村長、村長はプリンセスの意向に沿った村の運営が出来るとお考えですか?」
「はい、勿論自分一人の力では叶わぬことですが、近衛隊や近衛予備隊第三部隊、また会社の社員達も手伝ってくれます。
 村の拡大に関してはすでに話を進めていまして、隣村とは合併もしくは合併状態にし、住人の生活水準を向上して行きたいと考えています。
 この国の中で最も貧しい状態に有る隣村ですが、プリンセス詩織による援助の下、インフラ整備と職業教育の充実で改善出来るでしょう。
 すでに環境改善はプリンセスにお願いして上水道の整備計画が進み始めています。
 それによって今までしばしば起こって来た病気の流行が抑えられると思います。」
「村長はその為にどの様なことを?」
「村民に対しての説明が自分の主な役割です、後は近衛隊の担当スタッフと相談し計画変更の調整と言ったことを始めています。」
「村の開発計画を変更するのですか?」
「プリンセス詩織が来て下さる前の段階でも当初計画で考えられていた以上の収益を上げていましたが、プリンセスが次の滞在地へ移動された後も人々が来たくなる魅力的な村にする為の予算を確保して頂きました。
 当初計画ではこの村内に建設予定でした寮を隣村に建て、その用地だった所は新たな娯楽施設の建設用地になります。
 また将来的に現在寮として使われている建物は、ホテルに改築する計画も上がっています。
 その為の寮も隣村に建設、必然的に隣村エリアのインフラ整備が進むことになります。」

 俺に対する質問は暫く続き、中には俺の村長としての力量が問われるものも幾つか有ったが無難に乗り越えた。
 その後はプリンセスに対する野鳥関連の質問が中心となった。
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近衛予備隊-75 [高校生バトル-50]

 記者会見が終わり、お茶を飲み掛けた所へ、マスコミ対応担当のスタッフから連絡が入り、個別取材を希望するマスコミ関係者が何人か来ているとの事。
 これはプリンセスに言われて想定していたこと、自分では行かずシャルロットとルーシーに任せる。
 彼女達が俺のスケジュール管理担当だからだ。
 彼女達が対応している間に俺はネットのSNSなどを確認、一番知りたい村人達の反応を知ることは出来ないが、プリンセス詩織に対する賛辞に交じって俺に対する意見もそれなりに有り、概ね高評価を得られた事が分かる、プリンセスから証書を手渡された時の近さに嫉妬した人からの暴言も見受けられたが、それも想定内だ。

「ジョン、テレビ局三社と新聞雑誌関係が五社、ジョンに対する取材依頼をして来たのでそれぞれの希望を聞き調整すると答えておいたわ。
 テレビ局の一社が大きく扱いたいと言って来たのだけど嘘ではなさそうだから優先したいかな。」
「ルーシーも同意見?」
「ええ、この辺りも放送エリアになってる大きいとこだから上手く利用したわね。」
「若い女の子相手で見下されたりはしなかったか?」
「そうね、優先したい所は肩書が随分上の人だったのだけど丁寧に話してくれた、逆に肩書的に低い人の中には完全に見下した態度で取材してやるのだから言う通りにしろみたいな感じで話して来てね。」
「成程、それぞれについて調べておく必要が有りそうだな。」
「一応、その場でそれぞれの会社に関するサイトを教えて貰ったのだけど、雑誌関係の二社は無いそうで、まずはどんな雑誌なのか送ってくれる様に頼んだら目が泳いでて怪しかった。
 送って来なかったらパスして良いと思う。」
「分かった、一応調べられたら調べておきたいが外国と比べ情報量が少ないからな。」
「日程調整は上手く行きそうか?」
「テレビ局は現場担当者と調整、新聞社や雑誌社は態度の良かった所から日程を調整をして宮殿で応じると言うことでどうかしら?」
「ああ、それで問題ないよ、暫くは宮殿が俺達の拠点になるからな。」
「何を聞きたいかは事前にメールで送って貰う様に伝えておいたから、それを待ってから準備すれば良いと思う。
 勿論、突然の質問にも答えられるから問題ないと思うけど。」
「基本、正直に答えるだけだものな。」
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近衛予備隊-76 [高校生バトル-50]

「ジョン、マスコミ関係も大切だけどYouTubeはどうなっているのかな?」
「焦っちゃだめだよ、式典の模様を編集してくれてる最中だろうから。
 動画がアップされた後は村や店のサイトだけでなく、株式会社SHIORIのサイトを始めとして沢山のリンクを貼って貰うことになってる、プリンセス詩織の姿も見られるのだからそれなりの視聴数は稼げると思うから今は待とう。」
「YouTubeは遠江王家にとってとても大きな資金源だそうだけど、私達にとってもそうなるのかしら?」
「そこは俺達に掛かっているのだよな、更新されるのを心待ちにされる様な内容のものを出し続けることが大切だから。」
「プリンセスに頼りっぱなしではダメなのよね。」
「まあ、村の紹介や店の紹介、公園の案内、近衛隊にも出演して貰っての宮殿紹介動画も用意して有り動画のストックは多いから暫くは問題無いが、より多くの人に見て貰える様に工夫して行かないと。
 理想は会社に頼ってばかりではなく、YouTubeからの収益とグッズの売り上げで村のインフラ整備を進めることだからな。」
「それには在り来たりなネタばかりではなく個性的なネタを入れると言うことで、私の手術からのリハビリを通して、この辺りの医療を考えて貰う為の映像は撮って貰っているのだけどどうなのかしら?」
「まあ色んな動画を上げてみるのも一つの手だろう、俺達に馴染の無かった健康保険制度とかも取り上げて良いし、近衛隊メンバーが俺達の村を見て驚いた話とかを入れても良いのかもな。」
「あなた達が楽しくおしゃべりする姿だけでも良いのよ。」
「メアリー、そんな程度で良いのですか?」
「若くて魅力的な男女が制服姿で語るだけでも新鮮だと思うの、色々なテーマでね。
 村に関係することだけでなく一つのテーマについてまとめる、それだけであなた達の優秀さが伝わるでしょう、後は式典の裏話とかも興味を持たれると思うわよ。」
「そっか、舞台裏の事には興味が有るものね、やはり失敗談とかも交えてでしょ?」
「ええ、プリンセスに初めて会った時のこととかも、でもあの演出は内緒にしてね。」
「はい、そう考えるとネタには当分困りそうにないです。
 村長として一通りの業務を担当者に振り分けたら時間が出来ますので、撮影して編集して貰い公開、反響を見ながら反省すべきところ反省して修正して行けば魅力的なYouTubeチャンネルに出来ますよね?」
「伸び悩んだとしてもスタッフの人件費を上回る収益は出せると予測してるからじっくりと取り組んで欲しいわ。」
「はい、頑張ります。」
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近衛予備隊-77 [高校生バトル-50]

 村長就任式の翌日は午前中から宮殿へ。

「スティーブ、昨夜アップされたYouTubeの視聴数は凄い勢いで伸びてますね。」
「まあ予定通りだ、プリンセス詩織に若き美形村長、脇を美少女二人が固めているだけでなく、近衛隊の主力パフォーマーが主演してるからな。
 世界中の人が見てるのだからチャンネル登録者数は少ないぐらい、まあ、村のチャンネルと言うことで今後の固い内容を予測してる人が登録を控えたとは思うが心配いらない、これから映像をアップする度に増えて行くよ、それと共に村の予算が増えて行くだろう。」
「はい、YouTubeの担当者は上水道の敷設費用ぐらいは軽く稼げるだろうと話していました。」
「式典を見た村人達の反応はどうだった?」
「バスで一緒になった予備隊メンバーの部落では、合併したらと言う話でかなり盛り上がったそうで、我々の構想は進め易くなったと思います。
 上水道の敷設費用をYouTubeの収益で賄うことが出来れば障害は何も無いと思います。」
「お祭りの件はどう?」
「今の村長がこれからも仕切ると予備隊メンバーが説明してくれていますので、納得して貰らえると思います。」
「それなら少しずつでも文明国の村に近付けて行かないとな。」
「その辺りが自分ではイメージ出来ないのです、地方自治ですか?」
「そうだな、この辺りは私が思う村としての基本、税収や国からの補助金が皆無だから、かなりイレギュラーな方法を使わないと改革は難しいが、貧困地区に於ける改革のモデルケースになればとは考えてる。
 とは言え、我々が介入出来る貧困地区は僅かだから…、介入する所は何とか犯罪を増加させずに拡大して行きたいのだがな。」
「合併した後も更なる拡大を視野に入れてないとダメなのですよね。」
「ああ、でもここは比較的広げ易いんだ。
 地形の関係でこの村の周辺に人の住む村は一つだけだけだから、まずは隣村に注力すれば良い、ところが他の拠点は何処も複数の村と接していて、調整が上手く行かない所も有るんだ、村の利害関係が有ってね。
 ここは地理的条件が良いだけでなく優秀なリーダーがいるから話の進行が早い、プリンセスも気分が良いそうだよ。」
「それは光栄です。」
 
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近衛予備隊-78 [高校生バトル-50]

 俺がスティーブと話し、打ち合わせをしている間、シャルロットは村長秘書としての具体的な学習、ルーシーはリハビリをしていたが、それぞれが一区切りをつけて始めた三人揃っての学習時間にはプリンセスも同席して下さった。

「民主主義、三権分立と言ったことは理解出来た?」
「そうですね、言葉の上では何とか理解と言う感じですが、この国のことを調べていると違い過ぎまして…。」
「独裁色が強いものね、私は大統領に気に入って頂けたから、その事がかなりプラスに働いて楽では有るのだけど、世界的には独裁政治を忌み嫌う風潮が強いのよ。」
「民主主義の学習でも、果たして村人達により良い代表者を選べるだけの資質が有るのか疑問に思いました。」
「確かにそうね、それはここの村人に限ったことではないわ、日本でもね…、ジョンの容姿を持ち少し言葉巧みに話せるが能力の低い人と、ジョンの頭脳を持つが外見はいまいちでと言う人が選挙に立候補したら、ジョンの容姿を持つ人が当選すると思うわ。
 その他、色々な要素が入り混じり、理想の様に語られている民主主義が様々な問題を抱えているのは事実だと思う。」
「それでも民主主義なのですか?」
「う~ん、それも少し微妙なのは独裁者として有名なヒトラーでも合法的にナチ党を拡大して行った、民主国家でも独裁者が誕生する可能性は否定出来ないし、今も選挙で選ばれ独裁的政治を行ってる人が居るのも事実なの。」
「日本の様な進んだ国では起こりにくい事ですよね?」
「そう信じたいけど、日本にもおかしな政党が有ってね、立法府で有る国会議員がだらだらと政府を追及してる内容だけど、それが本当に問題だったら司法に委ねるべきことだったりするのよ。
 本来予算や法律について話し合う場で、それとは無関係な質問も良く出て来るしね。」
「資質の問題ですか?」
「慣例なのかもね。」
「難しいです。」
「そうね、それでも政治や国のことを学び考え続けて欲しい、すぐに結論を出す必要はないわよ。
 ただ今の所この国の大統領は私達にとって都合の良い存在だから、来週いらした時は気持ちよく帰って頂ける様に協力してね。」
「分かりました。」
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近衛予備隊-79 [高校生バトル-50]

 そこから今日のメインテーマ、地方自治の話へ。
 他国の地方自治体がどんな活動をしてるのかは今までも学んで来たのだが、この村は基本的に企業が運営している村でかなり特殊。
 この村をどうして行くかは大きな課題だ。
 何と言っても町で貧困生活していた人達が移住して来て形成された新しい村、そこに俺達の貧困状態に有る村を合併させるのだから、人の対立が起きかねない。
 村の経済基盤をどうして行くかと言う問題も有る。

「詩織、近い将来村として税金を徴収することを考えるべきでしょうか?」
「状況にもよるけど私としてはその必要性は低いと考えてるの、もう直ぐ比較的安価な商品を取り揃えた店をここへの道路沿いにオープンさせるでしょ。
 そうなったら、村人多くは町まで買い物に出かける必要がなくなり、私達の店を利用する率が上がる、そこでの利益を一部税金代わりに村で使えば良いのよ、店は状況に応じて町にもオープンさせたいわね。」
「会社の影響力を広げることを想定してですか?」
「ええ、黒字経営にはしたいけどメインは近隣住民の生活向上、店が出来れば雇用が発生するし今まで手に入らなかった物を買えることになればそれも生活の向上に繋がる、欲しい物が増えれば労働意欲も高まるでしょ。」
「ここの店の商品は高額過ぎて諦めてしまう人が多いですものね。」
「いずれは、ここで普通に買い物出来ると言う目標を持って貰いたいとは思っているのよ。
 ただ経済活動が活発になると犯罪の増加が予想される、大統領には犯罪の少ないエリアのモデルとして行きたいと話して有るのだけど簡単では無いでしょう。」
「村としても犯罪を抑止する施策を考えるべきですね。」
「でも、独自の自警団的な組織は国から見たら好ましくないでしょ、だから正規の警察に動いて貰いたの。」
「自分は、この村へ来る様になって初めて警官を見ました。」
「それだけ犯罪が少ないってことなの?」
「どうでしょう、悪いことをした人が皆から痛めつけられているのを見たことは有りますが。」
「成程、それが村の掟なのね、でも法によって裁かれる法治国家で有るのが理想なのは学んだでしょ。」
「はい、まともな国ではその様な…、えっと、私刑は行われてないのですね。」
「ええ、きちんと調べてから法に則って裁判を受け有罪なら刑罰を受けるのが大原則なの、もしかしたら冤罪かも知れないでしょ。」
「そう言うことですか…。」
「その為にはまず警察組織がしっかりしてないとダメなのだけどね。」
「噂に聞く警察は不正が横行しているようですが。」
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近衛予備隊-80 [高校生バトル-50]

 警官の不正は大人達からしばしば聞かされていた。
 要は町へ行ったら誰も信じるなと言う教えだったのかも知れないが、ネットが使える様になって調べてみると警官による犯罪の話がそれなりに出て来たので全くの作り話ではなさそうだ。

「そうね、犯罪者の一味となって逮捕された事例も有ると報告に有ったわ。
 ジョンはどうして警官が不正に走るのだと思う?」
「給料が安いと聞いています。」
「それだけかしら?」
「教育が行き届いていないとか、警察官としての教育が充分では無く給料が安いから普通に犯罪者になってしまうのではないでしょうか。」
「そうね、ルーシーの言う通りかも。」
「それなら、この村に警察官の訓練教育施設を作ってはどうです、そんな施設が有ったら治安が悪くなりくいと思います。」
「シャルロット、良い案だわ、それなら日本式の警察システムを導入とか話して受け入れて貰えるかも。」
「給料面は副業を進めてみては如何でしょう、町の店でも制服姿の警察官が働いていたら防犯効果が期待出来ませんか?」
「う~ん、日本では無理な話だけど、この国なら有りかもね、ジョン、検討してみましょ。」

 それからは二つの案に関して問題点と可能性を皆で考えた。

「施設建設の費用を国が出すでしょうか?」
「費用面は難しいでしょうね、でも、こちらで建てて貸すと言う形にすれば何とかなるかも、それより、訓練教育施設が大赤字になる可能性は否定出来ないのよね。」
「施設を利用した副収入は考えられないですか?」
「何か案は有る?」
「そうですね…。」
「YouTubeはダメ元で外せないとして、訓練見学を今度始める周辺地観光ツアーに組み込んでグッズ販売とかどうかしら。」
「そうね、見られていると訓練に身が入るでしょう。」
「それより警察組織を改革したら資金に余裕が出来る気がします。」
「ええ、上層部にも不正を働いてる人が居そうな雰囲気だものね。」
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