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近衛予備隊-191 [高校生バトル-62]

「詩織、公営ギャンブルの運営代行みたいな形と聞いてたけど、詩織のやりたい放題なの?」
「そうね、大統領との話し合いの結果…。
 ねえ、雅は、あの国と日本の発展、その違いは何処に有ると思う?」
「歴史的な背景?」
「ええ、日本は江戸時代から豪商が現れ力を付け、それが財閥に発展したでしょ。
 第二次世界大戦で敗戦国となった日本だけど、戦後は経済活動で成功し経済大国となった。
 その過程で財閥解体が行われたものの、大規模な企業グループの存在は大きかったと思うの。
 それに比べ、かの国では財閥が存在しなかっただけでなく、今でも大企業は見当たらない、国の規模が小さいことも有るけどね。
 治安が良ければ他国の資本が投資に動いたかも知れないけど、マフィアに武器や麻薬を横流しする程度なのよ。」
「だから詩織は動き易かったの?」
「うん、大統領がどれだけ頑張ろうが経済を発展させるだけの下地が無くてはね。
 うちの資金力だけで経済改革を推し進めることが出来るのだから、あの程度の国を作り直せるだけの力を持った企業は世界中に幾つも有るでしょうね、企業にとってメリットが少ないからどこもやろうとはしないけど。」
「でも、詩織は違った。」
「社会的弱者を簡単に守れるし、成功すれば他国のお手本にもなる。
 大統領を味方に付けさえすれば法の問題を簡単にクリア出来る、お手軽な国だから時間が掛からないのよ。」
「詩織がオリジナルのプリペイドカードを最大限に活用して国民を支配しようとしてるなんてこと、ジョンは理解してるの?」
「何となく分かって来た所です。
 でも、プリンセス詩織の支配下に置かれるのなら問題ないです、お年寄りの中には植民地だった頃が一番良かったと言う人が居る様な状態でしたので。」
「独裁者の多くは困った人達だったけど、詩織はどうかしら?」
「それは私では無くジョン、独裁者にはジョンになって貰って私はそれを見守るの。
 どんな政治を繰り広げて行くのか、民主主義国を名乗る多くの国々と違った道を歩んだ場合どうなるのか、雅も興味が有るでしょ。」
「う~ん、ジョン、勿論ジョンの目標は世界征服よね。」
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近衛予備隊-192 [高校生バトル-62]

「世界征服はさすがに…、自分が嫌われ者になってしまいそうです。
 でもプリンセス詩織の人気が高いエリアなら、政治的には無理でも経済的な影響力を強めることは可能で、幾つかの弱小国からはプリンセスに守って欲しいみたいな話が来ているのですよ。」
「詩織、そうなの?」
「ええ、実験的に考えてるのは、それぞれを独立国としたまま経済的に会社の傘下に入れようかと、一つの小国は、そのまま株式会社に出来そうでね。
 生まれた瞬間から我が社の社員として守られるって面白いでしょ。」
「生まれた瞬間から働かされるのね。」
「働くと言っても、赤ちゃんは国の住人として観光客向けの演出担当でエキストラみたいなものよ。平和な国に生まれた子どもとしてね。」
「その国では国民全員を社員にするつもりなの?」
「希望者のみだけど、全員が社員の道を選びたくなるぐらいには福利厚生を充実させたいわ。」
「それだけの収益は見込めるの?」
「ばらばらで働いてた人達をまとめ、組織化すれば効率良く経済改革を進められると思う、企業による計画経済の完成形を目指してね。
 選挙で選ばれた代表ではなく、会社が認め昇進した人が会社の重役として国を動かすリーダーになるの。」
「どんな国なるかは経営者次第になりそうね、教育は?」
「その国の文化を尊重しつつ、それぞれの希望や適性を考えながらだけど、子どもの頃からお手伝いを通して仕事を学んで行けたら良いわね。
 生まれた時から、正式に自分の配属先が決まるまで、時間を掛けて社員教育が出来るのよ。
 観光を伸ばしたいから歌や踊りにも時間を掛けたいけど。」
「小さい国を動かすのは、大きな会社を経営するようなものか…、確かに試してみたいわね。
 具体的にはどう?」
「今は近衛が交代で訪問し色々検討中だけど、問題は私を女王とするか女神とするかぐらいとかで、近い内に正式発表出来そうよ。」
「女神が統治する国になるかもってこと?」
「みたいね。」
「そっちの方が面白そうだわ、世界中で神が国を統治してる国なんてないでしょ。」
「そうね、日本の天皇は現人神だったけど。」
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近衛予備隊-193 [高校生バトル-62]

「株式会社だから女神が大株主になるのね。」
「株主を増やして初期投資をしっかりしたいのだけど、雅もどう?」
「そうね、配当は期待出来るの?」
「少額だけど安定した配当を目指す、それと株主優待として爵位の授与ってどう?」
「爵位?」
「名誉だけだから費用が掛からない割に、憧れるお金持ちがいそうじゃない?」
「多少は偉くなった気分に成れるのかしら?」
「もちろんよ、費用は自分持ちだけど。」
「随分微妙なサービスなのね。」
「お金持ちにお金の使い道を作ってあげるのよ。
 独自の社交界を作って晩餐会を開いたりもしたいわ。」
「貴族ごっこか…。」
「単なる遊びだけでなく、希望者には議員になって頂くの。
 会社で議会の代わりになるのが株主総会でしょ、小さな国民議会との二院制にして国の改革を検討して貰う、国が栄えれば配当を増やせるからね。」
「勿論、筆頭株主で有る女神さまには逆らえないのよね、上場は?」
「しないと言うより出来ないわ、将来的には分からないけど。」
「会社としてのコンセプトはどんな感じに?」
「南海の楽園、インフラがしっかり整備されている自然豊かな国、小さな国だけど国民は心豊かに暮らしているみたいな。」
「自然豊かな国はインフラ整備が遅れていたりするものね、住民の殆どが社員なら安心感は有るか…。」
「雅が株主になるとしたら、どんな称号が良い?」
「爵位って男性社会のイメージが有るのよね。」
「新しいのを作っても良いのだけど。」
「伝統の無い爵位に人は憧れるものかしら?」
「伝統は作って行くものでしょ、そこに付加価値が生まれるかどうかは株主次第になる、そこの可能性を考える人が集まってくれるかどうかは神のみぞ知るってとこね。」
「詩織は女神だから知ってるんだ。」
「ふふ、どうかしら。」
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近衛予備隊-194 [高校生バトル-62]

 話題になっている小国もかつては植民地だ。
 大きな戦争を経て宗主国の価値観が変わったのか、植民地の多くは独立し民主主義国となったが、我が国の歴史を考えると微妙、充分な教育が行き届かなかった国で宗主国が植民地支配をやめてどうなったのか、考えてしまう。
 俺達は民主主義について学んでは来たが、その本質を理解していない人が多数を占める国に於いて、それが理想的な考え方だとは思えないのだ。
 自分の場合は、民主主義の問題点と向き合う人達から多くを学んだ結果だから、どこかに誤解が有るのかも知れない、でも、彼らは物事を多方面から考えることを教えてくれ、俺達の視野を広げてくれた。

 民主主義と対極をなすのは絶対王政か。
 かつての王様はその力量によって家来を増やし国を形成したのだと思う。
 それは子に引き継がれ、その政治が成功すれば豊かな国となり、戦争が起こらなければ国は更に栄えたのだろう、戦争によって国力を増した国が有ったかも知れないが。
 ただ国王を中心にまとまらないと、他国によって国の安定が損なわれ兼ねなかったとは推察出来る。
 勿論、世襲で国王となった者の力量によっては残念な国に成り兼ねないのだが、民主主義的な約束事に従って国のリーダーになった者が残念な人だったと言う例も有り、どんなシステムでもそれを運用する人の技量によって良くも悪くもなるのだと思う。
 プリンセスが考えているのは、国にとってより有益で有る指導者が最大限にその力を発揮出来る環境としての王政、その国王は世襲ではなく、一番分かり易い例としては大企業の社長だ。
 大企業の中にはその抱える社員数が小国の人口より多く、経済規模が小国の国家予算を遥かに超えるところも有る。
 国家の定義に当てはまらないだけで、その影響力が我が国以上の大企業は幾つも存在する。
 そして国に匹敵する力を持つ大企業のリーダーで有るところの社長、基本、平社員に社長を選ぶ権限は無い。
 民主主義を声高に叫んでいる人でさえ、自身の生活に直結するかも知れない社長の選定に対しては何の権利も持っていないのだ。
 それでも多くの大企業は大した問題もなく活動を続けているのだから、国の幹部が選んだ国王による王政でも問題はないと思う。
 どの様な手続きを経てリーダーになったとしても、国民に慕われる人物が国民の為になる政治を行うので有ればだが。」
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近衛予備隊-195 [高校生バトル-62]

 国へ帰る飛行機の中…。

「ジョン、旅行はどうだった?」
「とても良い刺激になりました。
 日本や遠江王国の映像は見ていましたが、実際その場に立ってみないと分からないものですね。」
「しっかり稼げたのかしら?」
「はい、写真集の売れ行きが好調ですし、村のホテルは日本からの予約がぐっと増えたそうで、マスコミの力を改めて感じています。
 ギャラを貰い宣伝させて貰え、美味しい仕事ばかりでした。」
「テレビ局としては、今後の活躍も期待出来るイケメンですからね。
 村に取材チームを常駐させる話がテレビ局から来てるのでしょ。」
「ええ、遠江王国に続く存在として注目されているそうで、村で収録し日本で放送するレギュラー番組の話も有ります、あまり前例がないのだとか。」
「どうしてそんな話になったのか理解している?」
「いえ、特に考えていませんでした。」
「ジョンがゲスト出演した番組の視聴率がどれも良かったのよ。
 ジョンの口パクと声優との絡みは芸として認められ、写真集が売れてることも有って今後も視聴率が期待出来る、ホントは日本で暮らして欲しいのだと思うけど、そうは行かないので多少のリスクを覚悟した上での苦肉の策でしょう。」
「視聴率はスポンサーに影響するのでしたね。」
「以前ほどでは無いにしてもテレビの影響力は有るのよ、ジョンの番組ならうちのグループ企業が番組スポンサーになりたがるかも。」
「どんな番組になるのでしょうか?」
「そこが問題よね、くだらない番組にならない様、グループ全体でスポンサーになり圧力を掛けようかしら。」
「そんなことが出来るのですか?」
「これから王国になる村のイメージが悪くなるぐらいなら視聴率が低くても良質な番組でないと駄目なのよ、勿論視聴率を下げる気はないけどね。」
「ですよね、でもホントに不思議な感覚と言いますか、自分が近衛予備隊に入るまで、お金になるのは自分達が手伝って収穫した作物だけ、物では無いイメージに大きな価値が有り、自分達を潤してくれるとは思ってもみませんでした。」
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近衛予備隊-196 [高校生バトル-62]

「村は村長不在でもイメージが悪くなったりしてないよね。」
「予備隊の実習生がしっかりやってくれてますので大丈夫です。」
「頻繁に報告を受けてたの?」
「はい、大人から直接報告を受けるのは最低限に抑え、実習生が大人から村長に報告すべきことを聞き、彼等がまとめたものをメールで受け取る形にしましたので、一つの案件に対し複数の子から報告が来ています。
 色々な子がいますので、伝えるべきことをより正確にと考える子だけでなく、簡潔にまとめる子、報告内容について自分で再確認した上で自分の意見を添える子も、彼らにとっても良い経験になったと思っています。」
「人によって内容が違ったりとかは?」
「そこが面白かったのですよ、工事のミスを重く受け止める子がいれば、簡単にリカバリー出来るからと軽く考える子も。
 自分も色々な報告を受けたことで違ったものが見え、改めて正解は一つではないのだと実感しました。」
「返事はきちんとしてあげたの?」
「ええ、こちらからの返信も変化を付ける様に心掛けています。
 皆で話し合う様にと指示を出したり、少々難し目の課題を出してみたり、村役場の実習生は意識の高い子が多いので難しくてもクリアしてくれました。」
「これから王国を名乗る話は?」
「早い段階で、村が遠江王国の様な形で半分独立するとしたら、どんな国にしたいか、というテーマを提示したところ、皆、色々考えてくれまして。
 王国に関する公式発表が済んだら彼らの案も近衛の皆さんに検討して貰いたいです。」
「ジョンの下で優秀なスタッフが育ちそうなのね。」
「自分の下ではなく、村には店のマネージャーを始め多くの優秀なスタッフが揃っています、詩織の力ですよ。」
「どうかしら、彼らにとって村はとても居心地が良いそうで契約延長の話は出ても、帰る話が出て来ないのだけど、日本の満員電車では朝から普通に疲れた顔の人を見ていたそうでね。」
「確かに東京で通勤時の様子を見学させて貰いましたが、電車に乗ってみようとは思えませんでした。
 遠江王国の様には出来ないのですか?」
「東京は抱えている人口が多過ぎるのよ、それに憧れている人は良いのでしょうが、仕事の都合で嫌でも満員電車に乗らなくてはならない人には、東京を離れて転職することを勧めたいのだけどね。」
「気分が悪くなるほど異様な光景でしたが…。」
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近衛予備隊-197 [高校生バトル-62]

「村の人口は増え続けていますが将来過密状態になるのでしょうか?」
「その辺りは計画的に進めて行きたいわね。
 マーケットとカジノの全国展開が上手く行けば、人口を分散させながらの発展は可能だと思うの。
 東京みたいに異常な状態にはしたくないでしょ。」
「ですね、人口が都市部に集中し地方では過疎化が進む、どこの国でもそうなのでしょうか?」
「都市の方が便利、人口密度が高ければ商売も効率的なの。
 でもバランスが悪くなり過ぎるのはどうかと思うわ、国がコントロールすべきだと思うのだけど、不便な所に住むことを強制する訳には行かないから難しいのよね。」
「マーケット関連で各地に雇用の場が出来、カジノで娯楽を提供して行けば町へ働きに出る人が減ると思います。
 商売はうちがコントロールし、売り上げの少ない店が有ったとしても、全体で必要な利益が出ていれば問題ないですよね。」
「金儲けを第一に考えるのではなく住民の利便性を考えて展開、ライバルと呼べる店が少ないから当面は余裕でしょう。」
「外国の企業が参入して来る可能性はどうです?」
「外国企業はうちと同じ条件になってね。
 企業は利益のほとんどを国から持ち出せず、再投資するか国のインフラ整備に充てるか税として納めなくてはならないだけでなく、給料にも制限を設けることで資金の流出を防ぎ、他国の食い物にされない様、法で定められたの。
 大統領はうちの会社さえ有れば良いと考え、国から資金が流出しない様に他の外国企業を排除、うちの会社次第では大きなリスクを背負うことになるのだけど、私達の目的は国の立て直しで有って金儲けではないと信じてくれたのよ。」
「自由経済のままでは資金力の有る外国企業の食い物にされかねないのでしたね。
 我が国の為に大きな投資をしてくれ、利益は再投資やインフラ整備に充ててくれる様な企業なんて普通では有り得ない、遠江王国の王家が特別過ぎるのはどうしてなのです?」
「私腹を肥やしたら、より幸福になれるのか、を考えた結果なの。
 人が暮らして行くのに必要とする金額を大きく超えて溜め込んでも仕方ないでしょ。
 でも企業活動を活発に行い、株式会社として社会的弱者を救済して来た結果、簡単には手放せない株式資産が膨れ上がり、その配当で更に投資出来る状況になったのだけどね。」
「その資金で経済状態の悪い小国を株式会社の王国として再建するのですね。
 世界中には貧困に喘いでいるエリアが幾つも有りますので、遠江王家がその気になったら王国はどんどん増やして行けそうです。」
「社会的弱者の救済が大きな目標でも有るから、王国を増やすか会社として拡大して行くか形に拘らずに改革を進めて行きたいわ、でも簡単には行きそうにない国が多くてね。
 拠点を作ることが出来た国でも、目先の利益しか考えられない人達の利害関係がややこしかったりして、拡大が進まないのよ。」
「その点、我が国の大統領はとても協力的で、法改正もしてくれたのですね。」
「ええ、少し乱暴なこともするけど、先々を冷静に考えてる人だと思う。
 既存のシステムから逸脱する様な考えでも、良いと思ったら柔軟な判断の出来る人だから、改革のスピードが速いのでしょう。」
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近衛予備隊-198 [高校生バトル-62]

「大統領は村を王国とした後、我々が国を牛耳ることまでは想定していないのでしょうか?」
「どうかしらね、汚職や治安の問題は大統領の力で随分改善されたけど、経済面は彼の力では何ともならないと分かっていたみたいで、こちらの申し出を受けてくれたし、動き易いように他国では考えられない法案を成立させてくれたのだけど…。
 ねえジョン、もしジョンが大統領になったら変えたいことってある?」
「もっと教育を充実させ民度を上げたいです、今は近衛隊の皆さんに頼り切って村の改革を進めていますが、やはり自分達の国のことですから自分達で。」
「教育は今の大統領も考えてることだから、彼の考えを引き継ぐと言う感じなの?」
「ですね、武力も行使しての大胆な治安の改善は自分には出来そうになかったことですが、人に恨まれる仕事は彼がしてくれました。」
「彼は大統領の世襲なんて全く考えてないから、私達が国の実権を握ることに抵抗はないのかもね。
 ただ、改善されたとは言え、治安を悪くしていた連中が一掃された訳ではないでしょ。」
「どの国にも一定数の悪人は居ますよね、その人達を健全な労働者にすることは出来ないのでしょうか?」
「難しいところだわ、普通に働くことが嫌でそんな道を選んだ人もいそうだから。
 でも、貧困が理由だった人達を対象とするなら更生に向けてのプロセスは作れるかもね、雇用の場をしっかり確保する必要は有るけど。」
「やはり輸出を伸ばさないと駄目ですよね。」
「ええ、関係企業に協力して貰って工場は増えつつ有るけど充分とは言えない、原材料輸送や電力の問題が有って簡単には拡大出来ないのよ。」
「詩織は小規模水力発電にこだわっていますが…。」
「小規模でも初期投資はそれなりに必要なのだけど、ランニングコストを考えたらね。
 山が有って川の水量は年間通して安定してるでしょ。」
「停電の頻発してる国向けに、もっと小規模な水力発電システムを輸出するとかはどうです?」
「そうね、色々計算してみる必要はあるけど需要が有るのなら供給を考えてみるべきかも、相談してみるわ、原子力発電なんてリスクを考えたらお勧め出来ないもの。」
「それでも経済的に考えたら導入したくなるものなのですね。」
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近衛予備隊-199 [高校生バトル-62]

 我が国は戒厳令が解かれてからも、かなり減ったとは言え凶悪犯罪が起き、失業対策やエネルギーの問題など課題は山積み、機内ではプリンセス詩織と改めて国の諸問題について語り合った。

 飛行機を乗り継ぎ、自国の貧弱な空港に降り立つ…。

「詩織、凄い出迎えですね。」
「ええ、いつも以上だわ。
 空港周辺の活性化を目指して、大型マーケットが完成したから客寄せイベントの一環に私達の帰国を利用するとは聞いていたのだけど…。」
「海外からの観光客受け入れを考えたら、この辺りの開発を進めたいです。」
「ええ、道路や鉄道も今のままではね。
 一応ここから村まで幾つものマーケットを繋ぐ形で道路を整備して行く計画は有るのだけど時間が掛かりそうなのよ。」
「大統領の名を冠した国道として整備してはどうです?
 必要性が高いのですから、マーケットからの収益を優先的に使って工事を進めても良いと思います。」
「そうね、大統領は名を残したい人だから用地の問題は彼が解決してくれるかも。
 国道沿いに住民が必要としてる店を充実させて行けば、そこも繁盛しそうよね。」
「鉄道も新たに?」
「建設コストを考えるとバス輸送を充実させたいかな、村の開発に合わせて買収したバス会社を大きくして行きたいでしょ。」
「路線バスは全てマーケットを通る様に運行し、混雑具合を見ながら本数を増やしていますが利益はどうなのです?」
「マーケットだけでなくうちの工場にもバス停を置く様にしてるし、時差出勤にしたことで通勤の時間帯を分散させてるから効率的、工場周辺に立ち上げた飲食店もピークが分散されてるから狙い以上の売り上げを上げているのよ。
 日本の様に利益の為なら夜勤までとはしたくないけど。」
「村では観光客相手の商売が中心ですので、そう言ったことは考えていませんでした。
 でも観光客の行動パターンをこちらで調整すれば、より満足して頂けるかも知れませんね。」
「時間調整をするの?」
「ええ、観光客向けのイベントはこちらで何とでも出来ます、人気イベントに人が集中して忙し過ぎる時間帯が有ると聞いていましたが考えが足りていませんでした。」
「そっか…、皆の負担を減らしながら売り上げを伸ばして行く余地はまだまだ有りそうなのね。」
「はい、今回の旅行を通して色々学びましたので、それらを活かしながら村人達の為になる様工夫して行きたいと思います。」
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近衛予備隊-200 [高校生バトル-62]

 プリンセス詩織の帰国を祝うイベントは空港だけでは無く村でも盛大に行われたのだが、それは村を遠江王国の様な特殊な王国とする前段階の意味合いも有ったのだが…。

「ジョン、私達の婚約発表までスケジュールに組み込まれて少し変な気分だわ。」
「その頃には王家の一員となってプリンスを名乗ってる予定、シャルロットも王族になるのだからそれらしく振舞ってくれよ。」
「村長夫人を意識して所作には気をつけて来たから大丈夫だと思うけど、肩書一つでイメージが変わるのよね。
 ジョンが村長になった時は大人達の態度が変わったでしょ。」
「ああ、村長からプリンスになっても村での変化は少ないと思うが、村長を名乗ってるよりグッズの売り上げは上がると予測されている、村を王国にする狙いはそんな所だ。」
「それにしても適度に間隔を空けてずっとイベントが続くのね。」
「それは俺達が日本のテレビに出ることで上がった知名度を維持し活かす為でも有るんだ。
 日本でさえ海外旅行は普通の人が頻繁に出来ることではないから、その時にこの村を選んで貰う為には継続的な宣伝が必要、でも王国してのイベント展開をして行けば無料で宣伝して貰える、日本だけでなくプリンセス詩織の人気が高い国々でもな。」
「沢山稼いで道路と電力を中心に整備して行きたいものね、雇用の場を確保することにも繋がるし。
 大統領の名を冠した空港からの国道計画はどう?」
「大統領は乗り気だそうだよ、空港から村までの道路が整備されれば、その所要時間も短縮出来る。
 彼も海外からの観光客を増やして外貨を稼ぎたいと考えていたからな。」
「でも、まだ観光客にとっての魅力は足りないと思うのよね、日本には独自の文化が有ったでしょ。」
「そうだな、ルーシーは王国が誕生したら、王国を舞台にしたアニメを制作出来ないかとプリンセスに相談してたよ。」
「ヒット作になればその経済効果は計り知れないとは思うけど…。」
「村の森をリアルな異世界に作り替える案も出してた、大人も子どもも楽しめるものに出来たら集客を期待出来るとは思う。」
「どちらも日本のスタッフに頼らないと難しそうだけど…。
 ジョン、森の中に暮らし易い環境を作り異世界の住人と言う設定で、様々なハンディキャップを持った人達に生活して貰うと言うのはどうかしら?」
「そうだな、それは検討に値すると思うよ、社会的弱者の楽園を森の中の異世界に作って、観光客にはそれを楽しみながら考えて貰うとか…、本当は異世界では無く現実社会が楽園になるべきだが…。」
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