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バトル-171 [高校生バトル-18]

「お兄さま、自動車会社の社長さんとは如何でした?」
「凄く前向きな話が沢山出来たよ、社長は事前に独立国のことも調べて下さっていてね。
 こちらが事前に提示しておいたプラン以上のビジョンを用意しておられたんだ。
 詩織が心配してた様な怖い人ではなく、気さくに話して頂けたよ。」
「へ~、お堅い感じではなかったのですね。」
「ああ、僕の提案を真正面から受け止め、それに対して既に部下を動かし始めてみえてね、自然豊かな未来型都市国家造りに向けて随分語り合えたんだ。」
「うわっ、何かかっこいい、未来型か…。」
「かっこいいのは言葉だけではなく、あまり活用されてない市内の土地を買い取り整備し丸ごと新しい街づくりのサンプルにしようとの提案が有ってね。」
「えっ、丸ごと?」
「独立運動で注目が集まるとこへ、更に大企業のビッグプロジェクトを立ち上げると言う考えなんだ。
 会社としては燃料電池車や電気自動車の普及、それに伴う施設の充実、車の自動運転や安全装置の実証実験の場として、既存の街を再開発しながら情報発信出来ればと考えておられ、そこが理想的な住空間となるには豊かな自然も必要だからと山も含めてね。
 一部は以前から社内で検討してたそうで、僕からの化石燃料に頼らない国造りの提案は渡りに船だったとか。」
「なんか凄い話しなのですが…。」
「話をまとめて市長とも交渉すると話しておられた。
 自動車だけでなく、色んなタイプの移動手段を街中、いや国中に作り新交通システムの見本に、導入を検討する国や自治体が実際に運用されている光景を見られる場としてね。
 事業計画は長期に渡る物になるけど、その一つ一つの事業を、うちの英語チャンネルで紹介して行けばビジネスチャンスが広がり、多額の投資をしても利益に繋げられると話しておられたよ。
 勿論観光客を呼び込むこともね。」
「街が凄く変わるのですか…。」
「ああ、でも、自然は守られる、静かに暮らしたい人向けの住宅地も必要かな。」
「それは、独立宣言しちゃうかも宣言、に合わせての発表に?」
「多分ね、実際に設計が進み工事が始まるのは先のことだけど、準備は進み始めてる。」
「資金が凄く必要になる話しですよね。」
「そこは大丈夫だろう、一度に作る訳ではないし、あそこは毎年小さな国の国家予算を上回る利益を出してる企業だからな。
 本来なら市の財政で建設するような施設でも交通システムのサンプルとして建設、私営の交通機関として充実させて行くことになる、他の企業とも手を組み最新の技術を使ってね。」
「お兄さまは独立する国家の目標として化石燃料依存率を下げるとし、その実現に向けての交渉にと面会のお願いをしたのですから大成功と言う事ですね。」
「うん、こちらから面会を申し込んだのだけど、社長も僕と話がしたかったそうだ。
 詩織、先方としては、ここで展開して行けばPR効果が最大限に期待出来ると言う事も忘れないでくれよ、そう思って貰えたのには詩織の力も有ったのだからな。」
「英語チャンネルに上げたドラマ風CMはCMなのに視聴回数がうんと伸びてるものね。
 普通のドラマだけど車の宣伝、主役がスマートに車に搭載されてる機能を使いこなす姿が恰好よく演出されていて、でも、あれで自動車が売れたりしたのかな?」
「売れてるみたいだよ、英語圏の販売店から第二弾を制作して欲しいと言う声が寄せられてるそうで、次回作の話もお願いされたんだ。」
「ふふ、また儲かってしまうのね。」
「人件費はこの先増える一方だから稼がないとな。」
「お兄さまの会社は国営企業になるのですか?」
「そうなるね、日本からの独立を含め色々ややこしい問題が有るのだけど、最悪の場合でも国名を冠した社名にし、社会福祉の分野で日本の二歩先を行く象徴にしたいと考えてる。」
「教育も日本の一歩先に進めるのでしたね。」
「ああ、僕らの国では様々な分野で実証実験を行って行くことになる。
 その為には詩織の力も必要だからな。」
「任せといて、ねえ、この話ってチーム妹のみんなに話して良いの?」
「そうだな…、まだ正式に決まった話ではないが…、噂が広がって市民がどんな反応を示すかには興味が有ると言うことでどうだ?」
「了解、正式に決定された事ではないと強調した上で、家族の反応とかをみんなから聞けば良いのね。」
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バトル-172 [高校生バトル-18]

「一郎兄さん、宅配請負会社のシステムは難しそう?」
「宅配便を扱ってる会社の各システムとスムーズにやり取り出来なくてはならないだろ、一社ずつと交渉してだから先方次第で時間は掛かる、でも、大手のシステムは安心感が有るから何とかなると思うよ、それより各社との交渉の方は進んでいるのか?」
「大手の一社は元々宅配を請負中心に展開しているから話が早いみたい、このエリアは四社が請け負ってるそうだからそことも交渉だけど、市内の宅配を一括管理する核になって欲しいと言えば嫌とは言えないでしょ。」
「だろうな、大いなる無駄を省く取り組み、実現すれば各地に広がるかも知れない。
 それだけにシステム構築で失敗は許されないのだけどな。」
「成功させないとね、宅配事業を展開している各社がそれぞれ配達しているのを、市内全域一括して請け負うだけで、燃料費や人件費が抑えられる。
 受け取る側も楽になる様に宅配ボックスのレンタルやリースを検討し、再配達になりにくいシステムも、温暖化対策の一環として是非とも。」
「統合によって車一台の配達エリアを狭く出来ることは大きいからな、場所によっては都会の一部同様、車を使わないリヤカーなどでの配達の方が効率的になると思うよ。」
「人力に頼った?」
「自動車を使った所で車を止めた後は人力だからな。
 都心部や人口密集地では自動車に掛かる経費と作業効率を考えたらリヤカーや台車で配達した方が良いみたいだよ。」
「そっか、ここでは市の中心部でも荷物がまとまらないと効率が悪くて導入出来そうにないね。」
「なあ、宅配請負会社の設立に合わせて各宅配業者の集荷代行、店舗や企業向けの納品代行と言うのはどうだ?」
「えっと…、集荷代行はシステム的に可能ならと思うけど…、納品代行って?」
「例えば百貨店へ納品する場合、納品業者にとっては手間が掛かる場合が有り、百貨店側としても多くの納品を捌くのは手間が掛かる、そこで納品代行業者が存在するんだ。
 納品に宅配便などを使ってる所も有るが、今まで個別の会社がそれぞれに納品して来た所をうちで請け負えば、受け取る側の作業効率を上げられると思ってね。」
「複雑にはならないの?」
「確かに複雑になりシステムを構築して行くのに時間は掛かるが、納品の効率を上げられれば需要は有る、物流のサポート企業として宅配請負会社を発展させた形をイメージしてるんだ。
 多くの納品業者や運送業者を相手にして来た大型店などにとって、そこを整理することが出来たら効率が大幅に改善される筈でね。
 伝票の書式一つにしても企業によってまちまち、大型店の指定に従ってる様な会社は取引先ごとに異なる処理をしていたり、そこまで業者に強く出られない規模の店では複数の納入業者から様々なフォーマットで送られて来る伝票の処理に手間が掛かったりしてる。
 その手間をこちらで一括管理するシステムを構築出来たらと考えていてね。」
「そう言う感じなのか、自分でも調べてみるよ。
 上手く進められたら、物流革命と言えるレベルになって行くのかな。」
「ああ、各種企業を多数巻き込んでの実証実験から始めることになるが、我々の国と日本との違いを見せ付ける材料になる、こう言った内容なら協力してくれる企業は有るだろ。」
「はは、心当たりは有るよ。」
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バトル-173 [高校生バトル-18]

「三郎、独立宣言しちゃうかも宣言は高校生部会から発表される方向なのね。」
「うん、春子姉さん、まだ市や党から正式発表する訳には行かないでしょ。
 とりあえず高校生部会から概要を発表し議論を始めて行くと言う形が一番無難、スタートはガキの戯言ぐらいに思って貰った方が良いと思ってさ。」
「そうね、日本との行き来が自由な特殊な国、日本の一部で有りながら日本の法律に縛られ過ぎないとは位置付けてみたものの今後の展開がどうなるのかは全く未知だものね。
 政府を動かすにはまず私達の党が衆議院議員選挙に大きく勝利しないと難しそうで…、国だけでなく県との絡みも有るでしょ。」
「でも周辺市町村は自然豊かな未来型都市国家構想が進み始めたら色々プラスになる、県にとってのメリットは有るでしょ。
 世界的に注目させる予定の都市国家を県内に誕生させたら、その経済効果は大きいと思うけどな。」
「そうね、貧困層を少なくとも中の下と思える所までは引き上げて行くし、建設関係の仕事が増えるのだから、このエリアの景気は良くなる、それは周辺自治体にも波及して行く筈よね。
 う~ん、それでもお父さんには県知事になって欲しいかな。」
「えっ、お父さんは独立国の王様になると皆が思ってるみたいだけど。」
「もしそうなったとしても、市長と兼任でなく県知事と兼任でも良い訳でしょ。」
「県の事はあまり考えてなかったけど、その方が事を進め易くなるのかな。
 そのまま、県ごと独立と言う話になったら大変だけど、特に財政面では。」
「でも、人の幸福度を上げて行くと考えたら、この市から広げて行かないとダメでしょ。
 私達はその起爆剤になるのだから。」
「県内には過疎地も有るよね、人口だって市と県では比べ物にならない、僕等が作る都市国家を標準にして行く県政なんて気が遠くなりそうだよ。」
「何十年掛かってどれだけ進められるか分からない事業でも、始めなければ一歩も進まないのよ。
 私達がその成果を生きてる内に見届けられなくてもね、今の社会を見ていたら私達にしか大きく進められないことが沢山有ると思わない?」
「そうだね、福祉改革、教育改革、物流改革…。」
「まずは県内に衛星都市国家を作りたいかな。」
「衛星都市か、心当たりの市町村は有るの?」
「我が党、党員の多さが目立ってる市が有るでしょ。」
「う~ん、そうなって来ると、県内に拘る必要はないよね。」
「ふふ、三郎ならそう考えてくれると思っていたわ。
 そう言った構想も高校生部会から発信してくれると党全体が活気づくと思わない?」
「そっか、高校生部会では地域支部中心に動いて来たけど、他にも独立運動に参加したい人は少なからずいそう、独立宣言しちゃうかも宣言をする日までにその辺りの調整も進めておく必要は有るね。」
「ええ、しちゃうかも宣言は焦る必要ないのだから。」
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バトル-174 [高校生バトル-18]

「お兄さま、独立宣言しちゃうかも宣言に盛り込まれる内容が随分固まって来ましたね。」
「ああ、景子の感想は?」
「面白いですが未来型都市国家造りの話に、自動車会社のビッグプロジェクトの話は盛り込まれていないのですね。」
「うん、敢えてワンテンポ遅らせて発表しようとなってね、独立宣言しちゃうかも宣言をして、まず一度考えて貰う、否定的な意見は多く出るだろうけど、そこにビッグプロジェクトの発表でもう一度考えて貰おうと言う感じかな。
 どちらもまずは概要案の説明に始まり、その後は定期的に進行状況を公開して行く。
 その方が、一度に全部出すより皆さんの興味を持続させ易いだろ。」
「ネタが多いから毎週発表ですか?」
「そうなるかな、その合間にテレビでも取り上げられるだろうけど。
 独立宣言しちゃうかも宣言は来月一日にと言う話で進んでるが、景子はそれで良いか?」
「と言う事はもう直ぐ録画ですね、衣装の準備も心の準備も出来てはいますよ。
 市の高校生部会、チーム妹の代表として恥ずかしく無い様に、でも独立宣言では無く高校生部会からの、しちゃうかも宣言として少し軽めにでしたね。」
「うん、軽い気持ちでジョークの一つぐらい入れてくれな。」
「お兄さまハードルを上げないで下さいよお~、英語バージョンにはアメリカンジョークを入れるのですか?」
「台本を完成させる時、先生に相談してみてよ、でも、アメリカンジョークって英語を使ってる他の国でも通用するのかな?」
「ですよね、寒い子だと思われるのは嫌です。」
「だな、早めに仮の録画をして英語圏の協力者に見て貰おう。」
「そこから情報が漏れても良いのですか?」
「大丈夫さ、噂が先行したからと言って問題はないだろ。
 実際に独立宣言する所まで辿り着けるのか、どんな形での建国になるのか、それを世界中の人に楽しんで頂くのはこの先長くなることだからさ。」
「やはり簡単ではないのですね、反対する人も多いのでしょうか?」
「と思うよ、日本国の特区的な位置づけからのスタートが無難だと考えているが、それは所謂特別扱いだろ、他の市町村が良い顔をするとは思えないし、市内の人でも変化を好まない人がいるだろうからな。」
「日本国に頼らず自力で福祉を充実させようと言う取り組みがメインですから、独立は兎も角、市営企業化ぐらいは賛成して欲しいですよね。」
「まあ、それを狙ってるのだけどな、独立が思うように進まなかったとしても、そこだけは勝ち取り法的に動き易くして貰うつもりなんだ。
 独立に比べたらとても小さいこととで、日本国としても妥協し易いだろ。
 独立問題を提起することで、市が経営する企業ぐらい大したことないと思わせるのさ。」
「そう言う作戦ですか…。」
「作戦は色々考えてるけどね、独立にしても。」
「どんなです?」
「海外の人に盛り上がって貰う、他国での独立運動とは全く異なる形で独立を目指す取り組みをアピールしてね。
 それに成功し観光客が増えれば政府としても無視出来なくなるだろ。」
「それも、YouTubeチャンネルで稼ぎながらと言うことですか。」
「勿論さ。」
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バトル-175 [高校生バトル-18]

「三郎、独立宣言しちゃうかも宣言は成功だな。」
「うん、絶対無理と言う人と可能性を考える人の間で議論が白熱してるものね、次郎兄さんはYouTubeのコメントを見たの?」
「ああ、見てるだけでも面白い、絶対無理と言う人達の法的根拠に対して法改正は可能だと言う意見が出て、様々な場面を想定した論争が繰り広げられているし、経済面のことでも。
 ここでビッグプロジェクトが発表されたら、また盛り上がりそうだな、そっちの発表日は決まったのか?」
「十五日との打診が有って了承しておいた、その頃には議論が落ち着くと考えてね。」
「はは、その発表でもう一度議論が過熱すること間違いなしだな。」
「だろうね、高校生の戯言では無く大会社の社長から発表されるビッグプロジェクト、絶対無理と言ってる人達が揺らぐと思うよ。」
「影響力が大きからな、実証実験都市として大学関係にも働き掛けているが、そっちも発表を受けて活気づくだろう。」
「大学関係の受け止めはどうなの?」
「予算の問題が有って積極的には動けないものの、研究材料としては面白いと考えられているみたいだ。
 日本国内に独立した都市国家を誕生させることは可能かどうか、どんな問題が有ってどんな解決策が有るか、今までほとんど研究されて来なかったテーマだけど、道州制導入の議論や地方の活性化と言う問題と関連付けてね。」
「僕らの国立大学設立に向けては?」
「卒業する為の大学、就職する為の大学では無いと言うことに対して戸惑いを覚えた連中も、その趣旨を理解し始めたみたいだ。
 まあ、自動車会社の研究所がその一部となったら、日本国内での位置づけは面白くなるだろうけどな。」
「新しい研究施設は実証実験の拠点として真っ先に用地を確保、一早く建設に取り掛かるそうだけど、研究員になるには随分ハードルが高い、元々大学工学部のエリートを集めて来た研究所で大学の一部になった所で実質的には何も変わらない、でも僕らの大学には箔が付く、社長はそう考えておられたのだけど。」
「それが、独立運動にプラスだと考えられたのだろう。
 その研究所以外はほとんど学生によって運営、研究したいと言う意思が有れば誰もが学生になれるが入学式も卒業式もない。
 教育機関では無く研究機関としての大学、研究者の情報交換が主目的と言う大学に賛同して下さったと言うことは、大学の有り方を見直すべきだと思っておられたのかもな。」
「社長には、もう一度じっくりお話させて頂きたいと伝えて貰ったら、今度はこちらに来て下さる話になり、我々義兄弟姉妹と席を持つことになってさ、その時までに次郎兄さんも話題の整理を手伝ってくれないかな。」
「それを事前に伝えておくのか?」
「うん、社長からも僕らと話したい事が送られて来る話になっていてね。」
「大企業のトップか、確かに聞いてみたいことは山ほど出て来そうだな。」
「社長も僕らに聞いてみたいことが山ほど有るのだとか。」
「う~ん、それを良い切っ掛けにして関係を強化出来たらとは思うが下心が見え見えになるのはまずいよな。
 焦らずに…、しかし大企業のトップと…、やっぱ三郎は大物だよ、話がはずんだのだろ?」
「兄さんが考え過ぎなんだよ、向こうの秘書室に僕らの担当がいるから、次郎兄さんも直接相談出来る様にお願いしておこうか?」
「そうだな…、秘書室の担当者なら質問攻めにしても…、外堀から埋めて行くって有りだよな?」
「何を聞くつもりなの?」
「まずは食べ物やお酒の好みとかから、知っておけば喜んで頂けるおもてなしが出来るだろ。
 その辺りの所は俺が担当するよ。」
「分かった、直ぐ連絡しておくね。」
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バトル-176 [高校生バトル-18]

「三郎、さすがにビッグプロジェクトの発表は、独立宣言しちゃうかも宣言とは比べ物にならないレベルで反響を呼んでるみたいね。」
「うん、それに合せてテレビ局からのオファーも結構来てるよ、春子姉さんも出る?」
「今は三郎と妹達で出るのが一番だと思うわよ、チーム妹の子達は大人に受け入れられているでしょ。」
「メインターゲットを大人にし言葉遣いに気を付けて貰って来たからね、スポンサー関係の理由も有ったけど、喧嘩する前に仲直りの話で良いイメージが定着したみたい、髪を染めてる子がいないのも好印象だとか。」
「この前はハーフの子が出てたわね。」
「彼女だって髪を染めてる訳ではないし、ご両親がしっかりした方だからしっかり敬語を使える、英語も普通に話せる頭の良い子なんだよ。」
「ハーフと言うことで、いじめられたりしなかったのかしら?」
「小学生の頃は嫌な思いをすることも有ったみたい、でもチーム妹メンバーになってからはそう言うことが無くなったって喜んでた。
 一回の出演だけで凄く注目されてるけど、周りはやっかみより喜んで応援と言う感じになってるからね。
 ただ、ミュージカルにもと思ったのだけど歌は苦手みたいでさ。」
「それは残念だけど歌わない役でも、華の有る子だから、セリフは大丈夫なんでしょ?」
「多分ね、基礎トレーニングの必要は有るけど。」
「テレビ出演について、三郎はどう考えてるの?」
「そうだね、彼女はすぐには出さず順番が回って来たと言う感じで出て貰うかな、特別扱いしてないと言う演出で。
 一応、生放送だったら真子と景子を中心に、収録だったら人数を先方と相談して希望者がなるべく多く出られる様にしたいと思ってるんだ。」
「みんなに収録を経験させてあげたいものね。
 でも、局としてはチーム妹さくらチャンネルで人気が出てる子中心に出て欲しいのではないかしら。」
「その辺りはこれから相談して行くよ。
 まだ出演してないけど独立問題を含めかなり学習して詳しい子もいるんだ、台本を作るにしても内容をしっかり理解出来てる子に話して貰った方が安心でしょ。」
「番組によっては鋭い質問を投げかけられる可能性が有るものね、台本から外れても大丈夫そうな子はいるの?」
「今は景子と詩織ぐらい、ただ、場慣れすれば出来そうな子はいるから優先的にテレビ収録を経験して貰おうと思ってる。
 色んな調整は担当に任せて有るから、彼ら次第でも有るのだけどね。」
「雅はどうなの?」
「担当にはギャラ次第と言うことにして相手の懐事情を探る様にお願いしておいた。
 妹達の中では知名度が一番で指名が多く、全部には出させられないと言う事情もあるのだけど。」
「安売りして忙しくさせる訳には行かないものね。
 ねえ、雅が最近三郎に似て来たと言う話を聞いて、言われてみればとも思うのだけど、どうなの?」
「はは、それは髪型だよ、雅が工夫した結果でコツが有るのだとか、僕は雅から髪型を変える事を禁止されてさ、妹達の間でその髪型のコツが広まりつつ有るのだとか。」
「へー、私もそのコツを教えて貰おうかな。」
「そんな事しなくても、姉弟で似てるって言われてるだろ。」
「私だって仲間外れは嫌なのよ。」
「妹達の?」
「良いでしょ。」
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バトル-177 [高校生バトル-18]

「お兄さま、総理が我が国の独立問題に対する見解を訊ねられたニュース、見ました?」
「ああ、総理は言葉を慎重に選んでたね、まだ弱小政党ながら連立内閣の一員で有る党の高校生部会地域支部が提起、それを受ける形で大企業が動き始めたと有っては一笑に付す訳にも行かず、勿論簡単に認められる問題でもなく困ってると思う、景子が総理だとしたら迷わず判断出来る?」
「無理ですね、領土問題が全然解決してないのに…。
 妥協案として出てるのは二重行政みたいなことで、大英帝国のオーストラリアみたいな位置づけとか言っても理解して貰えるかどうか。
 かと言って我が国の社会福祉を充実させる方向性は今の日本国では難しく、法的な制約を緩和した都市国家で実証実験をして行くことに対しては反対しづらい一面も、そこへ日本国の景気に影響を与えかねないビッグプロジェクトですからね。」
「総理には可哀そうなことをしたのかな?」
「ふふ、もっと可哀そうなことをするのでしょ。」
「まあな、次の衆議院選挙では一気に政権交代を目指してる、こちらが勝利しても連立の形は維持するが、この市で取り組んでる貧困対策は日本国民にも好意的に受け止められていて有利だと思うんだ。
 明日の生放送では、そこまでの話は出ないと思うが、景子としては何か主張したいこと、有る?」
「そうですね、メインは独立問題ですが、最近導入された教育システムについて紹介したいですね。」
「うん頼むよ、新システム、中学での反響はどう?」
「まだ、先生方が対応しきれていない部分が有りますが、チーム妹メンバーはみんな喜んでいます。
 先生監視の元、自分の力に合わせた自習時間が増えましたから。
 これまでも、眠くなるだけの話を聞かされる授業よりチーム妹での学習会の方が自主的な取り組みで絶対身につくとみんなが言ってたぐらいです。
 そもそも理解力の全然違う生徒を一つの教室で一緒に教えるなんて無理が有りますよね。
 新システムはそのシステムの有用性を理解出来てる生徒にとって、今までの無駄を省く最高のシステムですよ。」
「はは、一郎兄さんが聞いたら泣いて喜びそうだな。」
「同じ事が日本国では難しいのですよね?」
「ああ、予算の問題が有るし教育委員会に古い考えの人がいたり、でも番組で景子がアピールしてくれたら動く自治体や私立学校が現れるかも知れない。
 そしてうちのシステムを採用してくれたら、また儲かってしまう訳だ。」
「お金の使い道はまだまだ有るのですよね?」
「ああ、兄さん達は更なる土地の確保を考えているんだ。」
「すでに結構な面積を手に入れてると聞きましたが。」
「まあね、ビッグプロジェクトに合わせての買収もかなり進んでるから、仲間内でと考えたらかなりの面積になる、市内で土地を手放したがってた人の土地は残ってない筈だよ。」
「プロジェクトの発表が有って地価が上がる話を聞きました。」
「ここにビジネスチャンスを感じた人は多いだろうからね。
 今後市内に関してはそんな人達に頑張って貰い、うちは市の周辺で安い物件を確保しておこうと考えていてね。」
「えっと…、経済圏の拡大に向けての第一歩と言うことですか?」
「うん、狭い意味でのね、今は地理的に近いかどうかだけでは無くなりつつ有るが、独立運動を続けプロジェクトが進行して行けば当然このエリアの人口は増えて行くだろ、その時に備えてね。」
「これからは安く売る人がいなくなって行くのでは有りません?」
「多分そうだけど、うちは今までもおまけ付きで買わせて貰って来たからね。」
「おまけ?」
「土地を手放して一時的な収入が有っても、それは使ってしまったら終わりだろ、だから上乗せする形で会社の株をね。」
「でも、市営を目指してるのだから。」
「そっちじゃない方の会社だよ、上場はしてないけど優良企業、お小遣い程度の配当は有るし売りたくなったらこちらで買い取ると言う約束なんだ。」
「う~ん、株って良く分からないのですけど。」
「まあ、資産としての価値が有り、土地より扱い易いってとこかな。
 会社が倒産したら無くなってしまうと言うリスクは有るが、優良企業の株なら持ってて安心、僕らが収入の多くを次への投資や寄付に使えてるのも、それなりの株式を持ってるからなんだ。
 景子も将来に対する備えを考えてみてよ。」
「お金のことはお母さん任せだったけど相談してみます。」
「昔は銀行の定期預金の金利が良くて預けておくのも手だったのだけど、今はタンスにしまって置くのと大差ないからね。」
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バトル-178 [高校生バトル-18]

「三郎、生放送ではかなり突っ込まれていたが上手く返せたな。」
「突っ込まれはしたけど相手は理解が浅くて、何故僕らが独立と言うワードを使って展開してるのか分かってなかったでしょ、次郎兄さんならもっとギャフンと言わせてたんじゃない?」
「だから俺ではダメだと思ったよ、俺が話したら敵を増やしかねない、あのやり取りで三郎のファンはまた増えたみたいだぞ。
 やんわりと論理的に笑顔で、相手の大学教授が小者に見えたが傷つけ過ぎないように配慮してたのは誰の目にも明らかだったからな。」
「番組の担当からは毎週出て欲しいと言われたけど、兄さんはどう思う?」
「良いと思う、毎回違った妹を連れて行けばチーム妹さくらチャンネルや輝きチャンネルの宣伝にもなるし、勿論、独立運動を中心とした展開を紹介して行けるだろ。
 ギャラが安かったら断れば良いけどな。」
「そうだね、妹達が頑張ってくれてるから全員に服をプレゼント、その予算を確保しようかな。」
「全員にか、何人になったんだ?」
「二千人を超したみたい、まだ直接会えてない子も少なからずいるのだけど。」
「みんな真面目なのか?」
「基本的にはね、景子達、幹部スタッフが決めた条件をクリアした子達だからね。」
「どうなんだ、トラブルで抜ける子とかは?」
「一つ間違えると怪しげな宗教団体になりかねないと、バランスを重視しているんだ。
 チームメンバーに何か有ったら皆でサポート、メンバーの親がうちの社員になるケースも何件か有ってね。」
「学校の成績も判断材料なのだろ?」
「それよりも何かに前向きに取り組む姿勢を重視してるんだ、その上でバランス感覚を身に着けることを景子が強調してくれててね。
 過ぎたるは及ばざるが如しと言う言葉で行き過ぎることに注意喚起をしている。」
「中学生って下手すると極端な考えに陥ってしまったり中二病を発症することも有るからな、その辺りに気を配ってるから笑顔の絶えない子達なのか。」
「箸が転んでもおかしい年頃と言うのを実感してるよ。」
「そうか、彼女たちは泣いたりしない?」
「勿論有るさ、悔し涙だったり、でも喧嘩して泣くと言うのは少ないと思う、一人一人が真摯に人間関係を考えてるからね、自分の感情に正直な子がいても。」
「喧嘩する前に仲直りか…。」
「簡単なことではないのだけど反面教師は幾らでもいるそうでね。
 チームに入ってから変わったって言われてる子が多いみたい、勿論良い方向にね。」
「その辺りの所が彼女たちの映像に現れているのだろうな。
 変に作られたアイドルでは無く普通の中学生なのにファンが増えつつ有る、今後はアイドルっぽい活動もして行くのか?」
「やりたい子がいればアイドルっぽい歌や踊りを出しては行く、基本、さくらチャンネルはみんなの特技を発表する場だからね。
 雅は泣いてる赤ちゃんを泣き止ませると言う得意技の録画してたよ。」
「そうなんだよな、俺があやしても泣き止まないのに、雅はすぐに泣いてる理由に気付いて、あれって特技と言うより超能力じゃないのか。」
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バトル-179 [高校生バトル-18]

「お父さん、市長としての見解は概ね好意的に受け止められたみたいだね。」
「ああ、社会福祉を充実させることは三郎がテレビ番組でも強調しただろ、親子で話がぶれてないのだから批判されにくい、これで少なくとも市営企業に伴う法改正は進められるのではないかな。」
「ほんとは市の条例だけで何とかで出来たら良いのにね。」
「だな、だが条例では限界が有る。
 国としては政令指定都市に比べ遥かに人口の少ない市を特別扱いするのに躊躇するのは当たり前のことで難しいところだ。」
「それでも僕らの独立運動を通して日本国の皆さんが色々考えてくれたら…。
 その目標は達成されつつ有るよね。」
「みたいだな、今有る貧富の差をそののままにして未来を考えるのか、と言う問い掛けには良い反応が有った、自然豊かな未来型都市国家構想に対して夢を語る著名人が出て来たのも良い傾向だ。」
「うん、独立国構想は難しいけど、僕らの独立運動は少なくとも夢を描く切っ掛けになる。
 何十年掛かってもと言うかずっと続けて行きたいね。」
「その間に少しずつでも、日本国の幸福度を上げたいものだな。
 それに合わせて三郎は自身の今後をどう考えているのだ?」
「どこからの承認が無くても国を名乗って行くとして、そこで出来る限りのことをして行きたいと思う。
 国営企業(予定)を盛り立てて行きたいし、形が出来つつ有る国立大学の一員となり、独立国家の可能性を研究したいかな。
 日本国の法律上高卒と言う扱いになるけど構わないでしょ。」
「問題ないさ、三郎に学歴と言う肩書は必要ない。
 独立国ごっこの象徴として国民を引っ張ってくれればな。」
「はは、独立国ごっこか、それはもう随分盛り上がり始めているからね。
 市立中学は国立にして校名の変更を、北中学とか東中学は土地の歴史に由来した名称にしようって。
 当分の間はニックネームみたいなことになるのだけど。」
「上手く定着出来たら、それを理由に市立では有るが新しい校名を正式なものにしたって構わないと思う、北中を名乗る中学校は全国にどれだけ有るか分からない、もっと個性を出して行くべきだろ。」
「高校生部会では新国家の地図作成にも取り掛かってるからね。
 この集落は王家の里だそうで、それっぽいモニュメントを作りたいのだとか、担当者が相談に来たら乗ってあげてね。」
「王家の里か、まあ、うちの党首も住んでるし、著名なシンガーソングライターや大企業の社長が別荘を構えるのだから…、モニュメントの案は彼らにも考えて貰おうか。」
「どうせならって感じで盛り上がってしまったりして、集落立ち入り制限エリアの外に並べて観光名所にとか。」
「そうだな、独立国らしいオリジナルな名所は欲しいところだ。」
「全国チェーン店の外装を我が国独自の仕様に変えて貰うと言う案も出てるよ。」
「それも良い考えだな、何処へ行っても同じ看板と言うのは客に安心感を与え集客効果が有るのだろうが、面白みに欠ける。
 チェーン店に限らず、国内の全商店と店舗外装に関する協議をし、街並みをもっとお洒落な感じにして行くのはどうだ?」
「街自体を観光名所に…、沢山シャターの降りてる商店街も再生出来たらね。」
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バトル-180 [高校生バトル-18]

「ねえ、春子姉さん、独立宣言第一弾を、独立度一%と銘打って宣言しちゃうってどうかな?」
「ふふ、独立度か、そう言った宣言をして行けば私達が完全独立を目指している訳では無いと理解され易いかもね。
 まずは独立度一%で何を主張するの?」
「国名の発表と市民祭改め建国祭の開催かな。」
「国名の案は色々出てるけど、どうやって決める?」
「案を整理し、国民に投票して貰ってと言うのが一番無難かな。
 それぞれの案については、英語表記も含め国名として問題無いか調べて貰ってるんだ。」
「王政にするか共和制にするかでは、圧倒的に王政を推す声が多いけど、それも投票して貰うの?」
「王政の場合でも国王は選挙で選ばれるのだから、どちらでも似たようなもの、それなら王政の方が面白いと言う話で形だけの投票になるけど、手続きとしては必要だよね。
 まずは日本国と違う制度に向けてスタートすると言うことで、独立度一%から。」
「そうね、ただ国民に投票して貰ったものに法的な意味合いを持たせるには、住民投票に関する市の条例を修正するところから始めなくてはならないのよ。
 市民の賛成多数でスタートする独立運動と言う形が望ましいでしょ。」
「そっか…、お父さんは?」
「市長はちゃんと考えて準備してるわよ、まずは独立運動を市の活性化策として市民に認めて貰わないと、その為には多くの説明が必要になる、多くの誤解を生みかねない取り組みだからね。」
「だよな、お遊びと大真面目なことが入り混じっていて、そこが面白いのだけどお年寄りには分かって貰えないかも。」
「だからこそ公式な住民投票で色々決めて行くべきなのよ。」
「そうなると何度も投票して貰う訳には行かないから、一工夫が必要になるね。」
「ええ、お父さんには市議会議員選挙と同日投票を提案しておいたのだけど、どう?」
「選挙までにはまだ時間が有るけど、それぐらいの準備期間は必要か。
 住民投票の結果を受けて、独立度五%ぐらいの独立宣言が出来たら良いな。」
「独立宣言第一弾の話を含めて一度相談しないとね。
 私は住民投票に向けてのプロセスをまとめておくわ。」
「うん、僕は、独立宣言第一弾で市民が独立運動に賛成してくれる様に言葉を検討してみるよ。
 まずは独立国ごっこで地域の活性化を図ります、みたいな。」
「そうね、遊び感覚で広め、少しずつ真面目な内容を盛り込んで行くのがベターだと思う。
 その間に三郎の会社も落ち着くでしょ。」
「多分ね、ただ思ってたより利益が出て、社員一同ハンディを持つ人をもっと多く安心して受け入れて行ける体制をと考え、規模の拡大を目論んでいてね、落ち着くのは少し先になるかも。」
「拡大して行くとなると、追加で資金を確保する必要は?」
「大丈夫だよ、しばらくは出費ばかりだと思ってた農業公園の野菜販売が好調で赤字の幅を減らし、YouTubeチャンネルの収益でしっかり補填しきれてるからね。
 他の部門は実力の有る人が力を発揮してみんなを引っ張ってくれてるんだ。
 僕らの考えに賛同し転職して来て下さった人達には感謝しかないよ。」
「訳アリ社員達は問題を起こしたりしてないの?」
「今の所は想定内だと聞いてる、どんな人でも切り捨てることなく、幹部は作業グループに馴染めない人には別作業への移動を提案したりしていてね、その為に余分な労力が掛かっても利益を追求するだけの会社では無いのだからと。」
「今の所は理想の形に近いのかしら?」
「幹部の意識は高くて、理想的な形を検討しつつ、それを長く維持出来る方策も考えていてくれてる。
 収入よりも遣り甲斐を求めて転職して来て下さった人はホントに素敵な人達なんだ。」
「それなら三郎は独立国ごっこに力を入れていても大丈夫そうね。」
「ああ、世界中で唯一無二の国立企業にすると皆さん意気込んでおられるからな。」
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