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夏休み-01 [高校生会議-05]

夏休みはイベント以外にも色々変化の有る毎日を過ごした。
例えば…。

「遥香さま、折角高校生会議主催の学習会に来て頂いて…、お陰で参加者が増えたのですが、ここまでの様子では、遥香さまに心を奪われ学習効率が上がりそうに有りません。」
「ふふ、でしたね、中学生の頃は普通に先生役が務まりましたのに。」
「ご自身の学習は如何ですか?」
「高校の課題は済んでいます、今は大学の経済学関連を中心に学習していますが、マクロ経済学関連でお勧めの本とか有りませんか?」
「えっ…、私の専門外ですので…。」
「そうでしたか、経済学部卒業でも専門は分かれるのですね、その辺りの感覚は大学生を経験しないと分らないものですか…。」
「私が経済学部卒だとご存知だったのですか?」
「嫌ですわ、遠藤さんはサポートスタッフとして情報公開されてるじゃないですか、趣味は読書、愛犬の名前はコークとか。」
「でも、遥香さまとお話しさせて頂くのは今日が初めてで…。」
「それでも、仲間ですからね。
う~ん、プリンセス遥香の展開で愛犬との暮らしをテーマにする時は協力をお願いしてもよろしいかしら。」
「勿論です…、もし公開してないスキルとかもお話しさせて頂ければ、協力させて頂けるチャンスが増えるのでしょうか?」
「そうですね…、この後、遠藤さんは予定の時間までは私と行動を共にして下さるのですよね。」
「はい。」
「では皆さんの学習終了予定時刻まで、エントリーシートの作成を手伝って頂けますか。」
「えっ、どういったものですか?」
「遥香コーポレーションは急速な拡大を考えています、今は核を固めている段階ですが、秋から人材確保に向けて実験的展開も考えています。
まずは王国内の人に向けて働き方の提案をし、エントリーを受け付けて行くことにします。
そのエントリーシートを王国風に作成してみようと思います。」
「王国風ですか。」
「ええ、一般的な就職希望データに加え、国王への忠誠心、名乗りたい役職名、目指したい役職とか、遠藤さんはゲームもされるから、その辺りからヒントを頂けませんか、バーチャルとリアルの融合に向けて。」
「姫さまを取り巻く王国の世界観という話は聞きましたが、会社運営の真面目な部分にまで反映させて行くとは考えていませんでした。」
「真面目に遊ぶ事で会社の魅力を高めたいと考えています。
まずは…。」

遠藤さんの話は参考になった。
ゲームだけでなくコスプレの事も。
既存の作品で展開して行くには著作権上の問題も有るが、オリジナル漫画という案も出ている。
お遊びの世界を広げて売り上げに繋げることが出来そうな気がしている。
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夏休み-02 [高校生会議-05]

企画会議にゆったりと時間が取れるのも夏休みなればこそ。
会議は無駄も多いが、主要スタッフとの会合は楽しかった。

「イベントの時にうちへの転籍をお願いさせて頂いた方から、漫画の形で私達の活動を紹介するという提案が有りました、私なりに練ってみた資料は如何でしたか?」
「面白いです、遥香コーポレーションを舞台に恋愛系のシリアスなストーリー、城ではコメディータッチで姫の日常、全く違う二本の漫画が同じ登場人物で展開されるというのは読者の興味を引き易いと思います。」
「バーチャルな漫画の世界にリアルな商品をリンクして行くのも、ストーリーと漫画家次第では有りますが効果的ですね。」
「自分達がモデルとなるのは少し照れくさいですが、ストーリーはあくまで架空ですよね。」
「ええ、でも、前野さんと白井さんをモデルにした人物が、すれ違いながらも、惹かれ合い結ばれるというストーリーになったら、その通りにしても構いませんよ。」
「遥香さま、それでは空想に合わせて現実を…、かえって意識してしまって…。」
「白井さん、赤くなっても多分無駄です、前野さんの彼女には勝てないと思います。」
「え~、そんな~、前野さん、彼女いたのですか~。」
「なんて姫と従者のやりとりを、城でのコメディーとして表現する訳ですね。
それなら漫画のプロを探す前に、高校生会議関連でチームを組んで仕上げて貰うのはどうでしょう、レベルが想定に届かなかったら、それをサンプルにしてプロを探すという形も有です。」
「良いですね、北山さんお願い出来ますか?」
「はい、趣旨を説明すれば、すぐに動いてくれそうな人が何人かいます。」
「それなら二本に拘らず良い作品サンプルが出来たら検討させて頂くということでお願いします。
遠藤さんからは、漫画、アニメ、ゲーム、グッズと総合的に展開していく手法を教えて頂きました。
私達は、まず漫画とファッションで始めますが将来的には発展させる事も考えたいですね。」
「親衛隊の話も進めていますから、グッズは早い段階で取り掛かれると思います。
親衛隊の隊長を洋子ちゃんにして、似合う制服を用意したら人気が出るでしょう。
遥香さまが転籍要請された人の中にグッズ担当をお願いしたい人がいます、多分今頃は転籍に向けて必死になってるでしょう確定したら話を持ち掛けてもよろしいですか?」
「はい、グッズも当たれば大きな利益に繋がります、期待したいですね。」
「あっ、漫画での名前はどうしますか? 遥香さま以外は芸名だったり別名だったりが良いとは思うのですが、漢字かカタカナかでも雰囲気が変わります、遥香コーポレーションと城では…。」
「そこも含めて高校生会議に任せてみましょう、私の姫としてのキャラも含めてです。
この件に関しては北山さんに一任します、ところで親衛隊などの組織編制は具体的に進んでいますか。」
「はい、親衛隊に関しては私の方で、今週中には担当責任スタッフを固める事が出来ると思います。
概要としましては、仕事として責任を持って遥香さまをお守りして貰うチームと、お遊びレベルのチーム、二編成にさせて頂きました。
衣装に関しましては仕事としてガードしてくれる連中も王国の発展に寄与したいからと自費での購入を希望しています、グッズを売り出せばガードで得た給料もグッズに消えそうです。
親衛隊全員、遥香さまファンクラブの会員と考えて頂いて構いません、と言うより、遥香さまファンクラブの会員を親衛隊と呼ぶことでほぼ確定しています。
運営も高校生会議のサポートスタッフが上位の階級と引き換えにボランティアで引き受けると話してくれました。
運営スタッフが固まれば、親衛隊も本格スタートとなります。」
「分かりました、ボランティアは有難いですが、今後は経理面などでトラブルが発生しない様、監督者は必要ですね…、本格始動までに人選を、前野さんお願い出来ますか。」
「はい、承知しました。
親衛隊以外の家臣については、社員が中心となりますので、問題は役職名ぐらいです。
北山さん経由で高校生会議メンバーに検討をお願いするという事で如何でしょうか。」
「そうですね、北山さんどうですか?」
「はい皆さん喜んで考えてくれると思います。
ところで遥香さま、ファミレスリニューアルオープンに向けての取り組みは当初の予測以上に順調に進んでいますので、現在、今後リニューアルさせる事が出来そうな店をリストアップしています。
一部の店はすでに、姫さま専属の部隊が調査に入っておりますが、残る夏休みを活かして、高校生達に調査をして貰おうかと思いますが如何でしょう。」
「進めて下さい、研修にもなる訳ですから就職希望の三年生を優先して…、余力があったら対象エリアも広げて下さい。
複合型店舗の展開も念頭に置いて、特に王国関係者の多いエリアは優先的にお願いします。
プリンセス遥香に対して期待する声は多数届いています、質の維持が最優先ですが強気に行きます。
現状の人員で無理なく出来る事ならば積極的に進めて下さい。」
「しかし…、遥香さま、現状は兎も角、今後の人材確保には問題が有りますが…。」
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夏休み-03 [高校生会議-05]

「その件に関しまして、コアスタッフの増員はすでにお知らせした通り進行中です。
関連会社も含めた、一般スタッフに関しては昨日長老会議に働き方の提案をさせて頂き、実験的な取り組みへの協力を取り付けました。
具体的には、新スタッフが加わってからになりますが、一つはダブルワークです。
皆さんには当てはまらないと思いますが、毎日同じ仕事でモチベーションを下げている人も居る様です。
そこで日々の生活にリズムをつけるべく二つの会社で働くという提案をさせて頂きました。
王国のような体制がなければ不可能な制度かもしれません。
実験的に希望者を募って週の二日と三日、もしくは午前と午後で違う仕事をして頂くことによって、惰性で働く事を減らせないかと考えています。
もう一つの実験的取り組みは内職の見直しです。
プリンセス遥香ブランドの衣服は大量生産ではなく丁寧な作業を求めます。
今までの内職と言えば、単価の低い作業というイメージが強かった様です。
ですが完成した商品を正当な価格で販売する事が出来、業者が不当に搾取しなければ、内職という選択肢も働き方の一つとして見直されて良いと考えています。
乳児を預けて働きに出ざるを得ない人もいると聞いていますが、それは子どもにとって自然な事とは思えません。
システムの検討は必要ですが在宅ワークの拡充によるメリットは色々有ると考えています。
勿論実験的ではない通常の雇用も促進していきます.
雇用を増やす為にはそれなりの売り上げが必要。
遥香コーポレーション創立のタイミングで、全国民に対して王国拡大に向けての協力を要請しますが、それをマスコミにも流し、王国外の方にも協力をお願いさせて頂きます。
マスコミ関連は王国本部がお母さまの指示で動き始めています、今後取材が増えると思いますので、適切な対応をお願いします。」
「マスコミに対して、情報はどこまで公開してよろしいのでしょうか?」
「隠さないとまずい事はさほどないと思いますが、誤解される様な情報の出し方はNGですので気を付けて下さい。
私が有名デザイナーと会ったとしても、その方に仕事をお願いするとは限りません。
各店舗が秘匿しておきたい内容は皆さんも教えられていないと思いますが、気にはして下さい。
勿論、個人情報の公開に制限が有る事は皆さんご存知の通りです。」
「岩崎高校生会議の話は如何でしょう。」
「積極的にアピールして下さい、高校生会議自体も少しづつ王国外へ門戸を開いて行きます。
プリンセス遥香の展開自体、高校生会議ともリンクさせて行く事ですし、高校生会議の可能性を高めて行くのも我々の役目と考えて下さい。」
「マスコミの注目を集めるとなると、衣装面は現在進めている物でよろしいでしょうか?」
「問題有りません、むしろ、ここからどう変わって行くかというスタートと考えて下さい。
まず『ワンランク上の私』を提案させて頂く訳ですが、その質を上げつつ、更にワンランク上の提案を考えています。
近い将来、最高級ブランドを展開すべく王国本部も動き始めています。」
「私なんかは押しつぶされそうな話ですが…。」
「白井さんには高校生でも手が届く範囲でのワンランク上を展開して行って欲しいのです。
購買層のレベルに合わせた、そうですね…、プリンセス遥香ジュニアとか…、シニア、プレミアム、プリンセス遥香を冠して色々な展開が可能だと思いませんか。
それぞれ違ったデザイナーで…、それぞれが違う層をターゲットにしても成立すると思います。」
「面白いですね、我々の場合、購入者との距離が近いですから、その声を聞く事で質は自ずと上がって行きます。
まず王国の国民は優先的に手にして下さるでしょうが、それに甘える事無く良い商品を提供出来れば売り上げの不安は有りません。」
「ですが製造から販売までのシステムを確立させる必要が有ります、無理なく規模を拡大していくのは簡単な事では有りませんが、王国を拡大させれば労働条件の良い職場を増やす事になります。
勿論、皆さんも無理する事無く作業を進めて下さい。
そろそろ食事の時間ですので会議は終了します、後は作業共有システムで情報共有をして行きましょう。
今日お話しした事もアップして行きますが、システムは不具合も改善されてきましたので本格運用を目指して本部側の作業チームにも加わって頂きます。
マスコミ関連、最高級ブランド関連の担当者は本部サイドで組んでいるチームに作業を担当して貰います。
近い内に彼等もシステムでの作業を始めます、離れていても遥香コーポレーションの仲間。
私は、明日から岐阜と長野、仕事半分遊び半分の旅行で彼等と直接会って来ますが、皆さんは作業共有システム上かテレビ電話ぐらいでの交流になると思います、よろしくお願いします。」
「ご旅行中の遥香さまとの連絡はどうなりますか?」
「通常通り作業共有システムは毎日見ます、緊急で私の判断が必要になる可能性は低いと思いますが、もしもの時は優子さんと洋子が同行しますので二人の携帯に、繋がらなかったら本部へ連絡して下さい。
ところで、お土産の希望は何か有りますか?」
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夏休み-04 [高校生会議-05]

九月の新会社創立に向けての忙しい時期なので、旅行は社員を同行させない方向で進めた。
サポートスタッフとも相談し、同行者は高校生会議のメンバーを中心に組んで貰ったが現地のスタッフも動いてくれるので心配はない。
向かう先は、岩崎学園大学の本部があり高校生の活動も盛んなエリア、高校生同士交流して貰えたら良いと思っている。
そして当日、特急列車の旅は快適だ…。

「遥香さま、夏服だとお姫様感が出しにくいかと思ってましたが、スタッフは清楚なお嬢様風にまとめてきましたね、さすがプロのお仕事です。」
「優子さんも落ち着いて座っていればお嬢様に見えますよ。」
「何か落ち着かないのです、普段動き易さしか考えてない服装なので、こういう服を着せられる度にふわふわした感じです…、その点、洋子は落ち着いてるのよね。」
「私はどの様な衣装を着ようが、遥香さまをお守りしお世話させて頂く事しか考えておりません。」
「洋子には負けたなぁ~、親衛隊隊長の座は密かに狙ってたのに、今日同行してる親衛隊は洋子を見る目も態度も違うもんな。」
「親衛隊も組織としての形を模索しています、裏は結構大変なのですが副長がまとめてくれています。」

そんな他愛のない話や真面目な話をしてる間に目的地に到着。
改札を出た所で大歓迎を受ける事になった…、今後慣れなければいけない事なのだろうが、歓声の大きさには驚いた。
優子さんや洋子が落ち着いてるという事は事前に連絡を取り合ってたということだろう、ここは任せておこう。

「本日は、遥香さまのお出迎え有難う御座います。」
洋子は短期間で変わった、何時も自信なさげで背が高いだけの地味な女の子が、今は美しいオーラを発して堂々と人々の注目を集めている。
ちなみに学校の成績も上がったそうだ。

「遠路お越しいただき有難う御座います、本日ご案内させて頂きます佐藤と申します、まずはお車までどうぞ。」
佐藤さんは洋子よりも高身長のイケメン、ここでも人選は間違ってない様だ。
車までは両側を高校生が守り、道を作ってくれる。
それが必要なだけの人が集まっている訳だ。
同行して来た親衛隊もそれを手伝う。
ゆったりとした高級車の後ろの席に私と洋子がエスコートされ乗り込み、助手席に佐藤さんが座ると、車はゆっくりと走り始めた。
車内では、佐藤さんと洋子が予定の確認を、旅行中親衛隊隊長は秘書の役割をしてくれる訳だ。
昼食を取るホテルに到着するとまたしても大歓迎、情報を流し歓迎の場所を駅とホテルで分散させたそうだ。
確かに、一か所に集中させたら面倒な事になったのかもしれない。
姫をアピールする必要は有るがトラブルは避けないと…。
駅とは違う高校生達が人の整理をしてくれた事には色々な思惑が有るという事だ。
部屋に通され一休みした後、着替えて歓迎の昼食会へ。
歓迎会の参加者は今後関連して行くであろう企業のトップが中心、ただし人数は控え目にして貰った。
この辺りの仕切りは、三人目の社長補佐をお願いする田中さん。
彼と直接会うのは初めてだが、岩崎社長に紹介され今まで連絡を取り合って来たからか、違和感なく部下として振る舞ってくれる。
一方、同行して来た人達はこの時間、ここの高校生達との交流を深めている筈、良い成果を上げてくれればと思うが、私の役割は…。
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夏休み-05 [高校生会議-05]

予測通りと言うか、昼食会では私と洋子が容姿を褒められまくった。
その後は、私から遥香コーポレーションの展開の説明をさせて頂き協力をお願いした。

「姫さまからの協力要請を断ったりしたら、この地で暮らして行けません、王国の拡大は我々の使命でもあります、そこに遥香さまのお力をお貸し願えるのであれば、こんな喜ばしい事は御座いません。」
「プリンセス遥香の複合型店舗建設予定地候補も絞り込みが進んでいます。
当地は高校生会議の活動も盛んですし岩崎学園大学の学生もいます、彼等に実習の場を提供出来ます、観光客も多いですから確実に利益を上げる事が出来ると考えています。」
「分かりました、田中と相談して、そのまま進めて下さい。
田中、担当者は置けますか。」
「はい、しばらくは私の方で調整させて頂きますが、すぐ人選に入らさせて頂きます。」
「ではその様にお願いします。
複合型店舗はプリンセス遥香のこの地に於ける拠点ともなります、候補地の場所はどの辺りになりますか?
洋子、ノートパソコンで地図を。」
「はい、この画面でよろしいでしょうか。」
「ええ…。」
「えっと…、一番条件が良いと思われる場所は、この辺りになります、住民も観光客も程よく通る場所です。」
「王国関連の店が競合する事は有りませんか?」
「う~ん。」
「どなたか情報をお持ちではないですか?」
「その辺りでしたら、例え王国関連の店が有っても、客層が大きく被るという事はないと思います。
むしろ相乗効果が期待出来、周辺の店にも喜んで貰えるでしょう。」
「佐藤さん有難う御座います、洋子、すぐ作業システムへの情報入力と担当に連絡をお願い。
後、親衛隊メンバーに現地調査を依頼して下さい、出来ればこの地の高校生と共に。」
「分かりました。」
「王国の拠点にプリンセス遥香の拠点を置く事の意味は大きいです。
出来れば早く建設に取り掛かりたいですが、後で後悔する様な建造物にはしたく有りません…。
佐藤さん、この地の岩崎高校生会議でプリンセス遥香関連のチームを立ち上げる事は可能ですか?」
「はい、すでに動き始めていますが、複合型店舗建設に向けてのチームを組む事に反対する者はいないと思います。
ここは大学生のサポートスタッフも多いですから期待して下さい。」
「資金面はうちにも協力させて下さい。」
「私の所も、ヒット商品が出て余裕が有りますので。」
「お願いします、田中、至急前野に連絡して下さい、別件で増資の話を進めています、まとめた方が効率が良いですから。」
「承知いたしました、失礼させて頂きます。」
「慌ただしくして申し訳ありません、まだ社内組織を固めている最中ですが、一気に規模を拡大する事で人の目を引き付けようとも考えておりまして。
ご覧の通り若輩者です、皆さんの指導ご鞭撻よろしくお願いします。」
「いえ、姫さまは高みから我らに指示を出して頂ければ…、姫さまからのご指示であれば全力を持って事に当たらせて頂きます…、我らが姫に栄光あれと申しましょうか…。
初めて姫さまの事を聞かされた時は、単純なお遊びと思っていました、ですが遥香さまは間違いなく岩崎王国の姫さまだと気付かされました、私は遥香さまに忠誠を誓います。」
「有難う御座います、私も姫としての使命を国民に恥じる事無き様務めさせて頂きます。」

第三者の目から見たらかなり奇妙で微妙な状況ではないだろうか。
それでも誰からも異論はなく、むしろ賛同され忠誠を誓われてしまった。
私のお姫様ごっこは当分終わりそうにない…。
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夏休み-06 [高校生会議-05]

昼食会の後は遥香コーポレーションの支社となるオフィスへ向かう。

「遥香さま、お疲れでは有りませんか?」
「大丈夫です、佐藤さん、私を下した後は洋子をお願いします、私よりずっと緊張して疲れているでしょうから。」
「遥香さま、私は大丈夫です。」
「いいのよ、ここからは社員との挨拶と、システム関連の説明がメイン、洋子は少し休んで晩餐会に備えておいて欲しいの。」
「分かりました、昼食会で状況が変わりましたから、一度前野さんと連絡を取っておきます。」
「佐藤さん、こんな状態だからよろしくね。」
「はい、あの~自分も親衛隊の一員だと思っています、人前では佐藤と呼び捨てにして頂けると気持ちが良いのですが。」
「分かりました、あっ、これから行くのは岩崎王国関連企業のオフィスビルですね、もしかして次も大歓迎に対応しなくてはいけないのかしら。」
「申し訳ありません、遥香さまの到着予定時刻は、すでに広まっているかと、警護は固めてありますが車から少し歩いて頂けますか。」
「ゆっくり歩けば良いのですね、洋子そこまでは付き合ってね。」
「はい、勿論です。」

歓迎の人を整理する為、車からビルまでは五百メートル程歩く。
その間は人が左右に並んで通路を作っていた。
手にはうちわ…、私を歓迎する為のアイテムを用意してくれた様だ。
頑張って笑顔を振りまき進む。
洋子と佐藤さんは後ろからついて来る、ビルにたどり着くと先回りした田中さんが出迎えてオフィスまで案内してくれた。
オフィスでは社員の紹介の後、作業システムの説明、使う事の意味、改良の余地があれば提案して欲しいといった話をした後、実際にアクセスして貰った。

「田中さん、準備がしっかり出来ていた様で順調に入力が進んでいますね。」
「はい、こうして見ていると現時点での完成形という事が分かります。」
「後は兎に角、運用して改良して行く、遥香コーポレーションで一定の成果を上げる事が出来たら、王国内企業の標準にしたいと考えています。」
「前野さんは遥香システムを高評価してみえました、私も導入前の説明を受けてその通りに動くのならすごいシステムだと感じましたよ。」
「えっ? 遥香システム?」
前野さんはそう呼んでみえましたが、遥香さまがデザインなさったシステム、プログラミングこそシステムエンジニアが作業してますが、遥香さまがいなかったら出来なかったシステムですよね。」
「そうですが…、何にでも遥香を付けてしまって良いのかしら。」
「良いと思います、一つ一つが遥香さまの伝説として語り継がれて行くことでしょう。
昼食会で出た複合型店舗建設予定地確保の話は、私どもも聞かされていなかった事で驚きましたが、そこからの指示の速さにはもっと驚かされました、ダイナミックでしたね。」
「今はミスしてもまだ影響は少なくて済みます、ミスを恐れて動きを鈍らせたく無いと考えています。
遥香コーポレーションが大きくなった時、少しの判断ミスが大きな損失に繋がる可能性を考えると今の内にミスを経験しておくべきなのかとも、もっとも周りを優秀な人材で固めていますから簡単にはミス出来そうに有りませんが。」
「岩崎社長がべた褒めして見えた、トップリーダーとしての器の大きさ、今更ながら感じさせて頂いております。
社員達も遥香さまに良い所を見せようと何時も以上に頑張って作業を進めています。」
「ふふ、適当な所で休憩を入れてお茶にした方が良さそうですね。」

ここのメンバーとは直接顔を合わせるという機会は少ない、作業に問題はなさそうだったので、しばらくお茶を飲みながら談笑する時間を設けた。
岩崎社長が集めた人達だけあって皆、知的レベルの高さを感じさせてくれる。
これならペースを上げても問題無さそうだ。
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夏休み-07 [高校生会議-05]

晩餐会は昼食会とは全く違った顔ぶれだ。
人数を抑えて貰った事により話が弾む。
仕事の話でも盛り上がったが、洋子が親衛隊隊長としての男装で現れてくれた事により親衛隊の話で盛り上がる。

「遥香さま、儂らのような年寄りは親衛隊を名乗れないのですかな?」
それには洋子が答えてくれた。
「まもなく開設されます、遥香さまのファンクラブに入会して頂ければ、親衛隊の一員という事になります、ですが遥香さまは、それだけでなく他の考えも持っておられます。」
と私に振ったので。
「各企業のトップの方々には貴族として一代限りの爵位をと考えておりますが、如何でしょうか。
各企業を領地に見立てて王国を支えるという立場です。
もちろん、私腹を肥やす事より領民の幸せを第一に考えて下さい。
民主主義と言っても企業には明白な階級が存在します、必要有っての事ですが、そこに王国としてのシステムを乗せて行きたいです。
少し落ち着いたら、お遊び感覚で社員のモチベーションを上げる企画も進めます、その時は協力をお願いします。」
「それは楽しみですね、貴族の服装もプリンセス遥香ブランドで?」
「服装を強制する事は有りませんが、それらしきはスーツの代わりとして着られる物と礼服の代わりとしても着られる物の検討に入っています。
社員が揃って着た時に違和感がない様と考えていますので難しくは有りますが、岩崎高校生会議のメンバーからも案や意見を貰っています。
また、プリンセス遥香ブランドで独占する事無く王国内すべての服飾関連との連携を考えています。
今までの服装とは一線を画し、新しい伝統のスタートに出来たら面白いのですが、遥香コーポレーションが正式にスタートしてからの話になります。」
「遥香さまは色々考えておられる様ですがその全容が明かされるのは、創立の日となる訳ですね。」
「いえ、幾つかは間に合わせようと考えておりませんので、ほんとにすべてをお知らせ出来るのはしばらく先の事になります、遥香コーポレーション、プリンセス遥香事業部は組織固めの段階ですので。」
「歴史上の姫は…、政略結婚の道具ぐらいの扱いでしたが、我らが姫はご立派です。
私は社長の座を後進に譲って姫さまの下で働きたいぐらいですな。」
「ふふ、軽はずみな事を話されてはいけませんよ杉浦社長、田中、あなたの部下に社長さんってどうかしら?」
「そうですね…、まずはダブルワークという事で如何でしょう、社長をしながら、うちの社員として週に何時間か働いて頂く、遥香システムも経験して頂いて…、遥香システムはうちの大きな収入源となる可能性が有ります、杉浦社長は王国外との取引も多い企業の社長ですから、社長、相談に乗って頂けますか、遥香コーポレーション、遥香システム販売部の平社員からになりますが。」
「はは、それは面白い、次期社長を育てながら…、そうだな平社員から部長ぐらいを目指してみよう。
遥香システムの噂は聞いています、まずはうちの会社でも導入したいのですが、遥香さま、如何でしょうか。」
「お願いします、まだテスト段階ですので小規模での運用試験を始めて下さい。
田中、明日にでも担当者に連絡して準備に取り掛かって下さい。」
「承知しました。」
「遥香さまも、杉浦社長も本気なのですか?」
「勿論です、優秀な部下は常に募集中です。」
「この歳になって新たな事に挑戦できる、しかもこんな美しい姫の下でだ。
だが、田中君、遥香システムの導入は公私混同にならないのか?」
「いえ、岩崎の本部から会社宛に正式な依頼をさせて頂きます、試験運用先を探していましたので。
ダブルワークに関しましても、遥香さまからの提案を本部サイドでも検討中です、色々な形をテストして可能性を考えて行きたいとの返答を得ております。」
「姫さま、うちでも遥香システムを検討させて下さい。」
「はい、いずれうちの杉浦より連絡させて頂きますが、もう少し運用試験を済ませてからお願いします。」

晩餐会終了後。
「田中さん、杉浦社長の詳しい情報は有りますか?」
「はい、まとめて送らせて頂きますが、強い味方を得たと考えて下さって構いません。
片手間でも、遥香システム販売部の部長ぐらいの事をこなして下さるかと思います、役員候補と考えて頂いて構いません。」
「それならば、もう少しお話ししたいですね。」
「今回の旅行はいささか過密なスケジュールになっております、杉浦社長には一度本社へ足を運んで頂いてはどうでしょう。
それまでに遥香コーポレーションの概要を、遥香システムを利用して説明させて頂きます。」
「分かりました、若手を引き抜かせて頂くのは少々後ろめたさが有りますが、この形のダブルワークなら可能性が広がったと思いませんか。」
「はい、良い先例となって頂きましょう、杉浦社長にライバル心を抱く社長や役員連中をうちの平社員として雇って行けば面白い事になると思います。
こんな事、遥香さまが社長でなかったら有り得ませんよ。」

王国の社長達はその地位に留まるより後進に道を譲り、次の展開を考える人も多い。
杉浦社長もその一人という事だ。
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夏休み-08 [高校生会議-05]

二日目の午前は仕事に充てた。
予定外の進展に対処しつつ、遥香システムで支社の作業進行状況を確認、アドバイスを送る。
昼食会では昨日の情報が広まっていて色々進展が有ったが、支社で処理できる範囲だ。
午後は観光、と言っても親衛隊に囲まれての移動、現地スタッフが決めたポイントで笑顔を振りまくといったことに時間を取られた。
周りには海外からの観光客も多かったが彼等の目にはどう映ったのだろうか。
それを尋ねる様な時間はもちろんなく、スケジュールをこなした。
二日目の予定を終えて…。

「遥香さま仕事半分遊び半分の筈が仕事ばかりになっています、大丈夫ですか?」
「洋子、有難う、仕事が趣味にならないよう気を付けるわ。」
「でも、今日の晩餐会も成果が有りましたね。」
「ええ、田中さんのお陰ね、会う人を四回に分けてそれぞれの人選をお願いしたのだけれど、どこに誰をお呼びするか、彼の考えが伝わって来たわ。」
「えっ、その様な事は気にも留めていませんでした。」
「初日の昼食会に来て下さった方は情報を広げて下さる方、今日の晩餐会は三度の会食からの情報を整理してじっくりサポートを考えて下さる様な方が中心だったでしょ。
何も考えないで四つに分けた訳ではないのよ。」
「う~ん、それが社長の視点という事ですか…?」
「そうね、人を見極めて行かないと、洋子は親衛隊隊長の視点で見れてる?」
「まだまだですが、人を見るよう心掛けてはいます。」
「うん、その気持ちが有ればリーダーとしてのスキルが上がると思うわよ。」
「有難う御座います。」
「ペースを上げたから洋子の負担も大きくなってしまって御免ね。」
「そんな、遥香さまのお考えは分かっております、そんな事言わないで下さい。
私自身、スキルが上がったと実感していますが、それは遥香さまのお陰です、お給料もしっかり頂いて両親も喜んでいます。」
「ふふ、お互い働き過ぎに気をつけましょう。
明日は車で移動、特別な歓迎会の予定もないから少しゆっくり出来そう、でも身だしなみと振る舞いには気を付けてね。」
「はい、遥香さまに恥をかかせる訳には行きませんし、親衛隊隊長モードが癖になって来ましたから大丈夫です。」
「洋子は男装、気に入った?」
「男装と言っても、少しひらひらと付いていて女性っぽい部分も有ります、でもやはり気が引き締まります。」
「軍服っぽさを抑える工夫はして貰ったけど、モデルが良いから恰好良いと評判だものね。
ファンクラブ向けに、男性向け女性向けを売り出す予定だけど、どれぐらい売れるかしら。」
「今回、親衛隊として参加してくれた人達は高くても買いたいと話していました。
ただ、身長の低い女子は似合いそうにないと嘆いていましたので、一応、サンプル写真に女の子向けの着こなしを加える様に提案しておきました。」
「ふふ、仕事してるわね、会社でのあなたの正式な役職名は親衛隊隊長、権限的には係長クラス、権限と待遇は前野さんの判断で上がるわ。
これからはファンクラブが担当のメイン、もう分かってると思うけど自分で進めるのではなく要所要所を部下に任せてね。
ファミレス関連はスキルアップと考え、出来る範囲で、あなたの給料はファミレスサイドからでなく、こちらで負担しますから自己研修と考えて有る程度自由に動いて良いのよ。」
「自己研修なんて、始めの頃だったら戸惑うだけで何も出来なかったと思います。
でも今なら、時間が有効に使えて嬉しいです。」
「うん、洋子、大きくなったね。」
「ふふ、沢山食べて上に伸びてますよ。」
「スタイルも良いし、この先下剋上という事で、姫の座を奪い取るという筋書きはどうかしら?」
「絶対ダメです!」
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夏休み-09 [高校生会議-05]

岩崎王国、岐阜の拠点から長野の拠点までは車で移動。
私と洋子は休憩の度に人目を引き付ける様な高級車で快適に過ごさせて貰った。
この日の目的地は岩崎社長の自宅、特別な行事はなくリラックスさせて頂くことに。
到着して…。

「遥香、色々な活躍を聞かさせて貰ってるよ、疲れてないか?」
「大丈夫です、今日はのんびりさせて頂きましたから、それより、お父さまは杉浦社長の件をどう考えておられますか?」
「それが今、最大の関心事という事だな、彼からも直接連絡が入ったよ。
社長クラスから直接というのは秘書が驚くくらい珍しいことなんだ。
始めから田中と打ち合わせての事だったのか?」
「まさか、杉浦社長の事も良く知りませんでしたし、私はそこまでの策士では有りません。
田中さんにダブルワークの可能性を話しておいたぐらいです…、田中さんは狙ってたのかもしれませんが。」
「杉浦さんはすぐさま遥香システムを君の所の支社で体験したそうで興奮気味だった、いや私もシステム関連に携わって来たが、どうやって高校生があそこまでのデザインを考えられたのか教えてくれないか。」
「中学生時代に父の会社で会社のシステムとか学習させて頂いて、何となく描いていた物を、自分が企業に係わる事になった段階で提案してみたのです。
それからシステムエンジニアの方々と話し合いを進めて…、何となく高い可能性を秘めたシステムの原型が出来ました。
それでも使う側の意識が低ければ大した成果は得られません、使いこなせる人がいて初めて生きるシステム、そう考えていたら、社員の能力を計る一つのアイテムにもなりうると思えてきました。」
「杉浦さんもそう感じられたみたいだよ。
ただ、各企業の実情に合わせる必要が有る、システムエンジニアを増員しないとな。
今まで動いてくれてた連中は遥香コーポレーション、遥香システム開発部としてまとめて良いと思うがどうだ、少し打診して貰ったが皆、姫の下で働く事に異存はないそうだ。」
「有難う御座います、それなら遥香システム販売部との連携も取り易くなります。」
「遥香からは田中に指示を出してくれな、こちらはゴーサインだけで、話を進める状態に準備してあるから。」
「分かりました、このシステムで利益を上げられると他の事業展開が楽になります。」
「杉浦さんが絡めば億単位の利益、順調に行けばその桁が一つ上がると思うよ。」
「杉浦さんの様な形で、ダブルワークを引き受けて下さる方は他にもみえるでしょうか?」
「その可能性は私も考えていた、順調な会社ほどトップに余裕は有る、そして順調な内に後継者を育てて行くべきだとも思う、杉浦さんの考えは間違ってないと思うんだ。
業績の良いグループ企業のトップが我先にと姫の下へとなれば、まず遥香システムをトップが経験する事になる、岩崎王国標準のシステムとして行くにはこれ程効率の良い形は無い。
後は各自の判断任せとなるが、杉浦さん嬉しそうだったからな…、今頃は遥香コーポレーションの名刺を配ってるかもしれない、追随してくれる人は出て来ると思う、この形のダブルワークは私も推奨して行くよ。」
「私の周りは頼れる方ばかりで、皆さん私を盛り立てて行きたいと話して下さっています。
お父さま、大きな利益が見込めそうですが、さらなる投資と社会貢献、支出のバランスを考えているのですが如何でしょうか。」
「今は事業規模の拡大に専念してくれれば良い、でも消費者へのアピールも必要だから、姫のイメージアップを狙っての社会貢献チームも組んでおこう、これは本部サイドで進めるから、遥香はたまに顔を見せるぐらいで問題ない、高校生会議も動いてくれるだろう。」
「分かりました。」
「ところで…。」
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夏休み-10 [高校生会議-05]

「ところで、高校は真面目に通うのか。」
「はい、息抜きにもなりますし。」
「はは、高校が息抜きか、それでも良いが…、高等学校卒業程度認定試験に合格してくれれば、遥香の為に岩崎学園大学スーパー特別推薦のさらに上を行く推薦制度を作っても良いと考えている、引っ越さなくて良いように校舎も新設するがどうだ?」
「う~ん、私の話はさて置き、私の住む所は国民の人数の割に良い大学がないと嘆いている生徒もいます、小規模でも大学が有れば喜ばれると思います。
大学運営のシステムも遥香システムの応用で効率良く出来るでしょう、学習や研究を通して遥香システムを使いこなす形にすれば、学生が卒業後に王国関連への就職という時は研修が楽になり、王国にとってもプラスになると思います。」
「そうだな、では校舎新設の話はすぐ進める…、岩崎学園大学本校でも遥香システム導入を早急に検討させよう…。
取り敢えず、高等学校卒業程度認定試験は合格しておいてくれないか、それと岩崎学園大学本校にしばらく通ってシステムの検討を手伝って貰えないだろうか。
ホテル暮らしに抵抗が有ったら、家を用意する、身の回りの世話もさせるから心配はない。
遥香コーポレーション本社から社員を同行させたかったら、そちらの面倒も見させて貰うよ。」
「お父さまにそこまで言われてしまってはお断り出来ませんね。」
「遥香を美しさだけで特別職『姫』にしたとは思われたくない、飾り物の社長とは思わせたくないのだ。
それには実績を世間に認めさせるのが一番、それがそのままプリンセス遥香の宣伝にもなる。
高校側にも協力を要請しておく、表向きは大学への国内留学みたいな形にしても良いし、大学のシステム構築の為と公表しても問題ないだろう。
学生からは昨日、企画書が届いたから見てくれ。」
「はい…、あっ、これぐらい画面が大きいとノートパソコンでも…、持ち運びが不便かしら…。
…、この方は夏休みを利用して、遥香コーポレーションのデータを分析して下さっているのですね。
ふふ、残念ながらうちの社員を過小評価なさっている様ですが。」
「それでも、拡大に向けて学生が中心となり祭りの如く勢い付けるというのは面白いだろ。
ゴーサインを出してやれば、すぐにでも遥香コーポレーションをバックアップする組織を作り始めるだろうし、彼が動けばそれなりの成果も上がると思うよ。」
「支社での実習生扱いにした方が良いですか?」
「まだ田中にも知らせていないから、その辺りで調整が必要だ、ただ、多くの学生達を遥香コーポレーションに係わらせて置けば後々大きな力になってくれると思う、大学へ通う内に家来が増えると見越しているよ。」
「それで大学へ、コンタクトはどの様に取れば良いのですか?」
「明日にでも来させようか、夏休みで実家に帰って来てる…、はは、奴は遥香に会う事を目論んでタイミングを計っていたのだろう、今すぐ呼び寄せても構わないが準備は必要だろ?」
「ですね、田中さんと前野さんと相談します、この時間なら三者でテレビ会議が可能だと思いますので失礼してよろしいですか?」
「ああ…、出来たら、私も混ぜてくれないか。」
「はい、では…。」

田中さんも前野さんも大学生の協力は考えて無かったそうだったが、岩崎社長の話しから前向きに考えてくれた。
優秀な人材を如何に集めるかが私達の課題だからだ。
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