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夏休み-06 [高校生会議-05]

昼食会の後は遥香コーポレーションの支社となるオフィスへ向かう。

「遥香さま、お疲れでは有りませんか?」
「大丈夫です、佐藤さん、私を下した後は洋子をお願いします、私よりずっと緊張して疲れているでしょうから。」
「遥香さま、私は大丈夫です。」
「いいのよ、ここからは社員との挨拶と、システム関連の説明がメイン、洋子は少し休んで晩餐会に備えておいて欲しいの。」
「分かりました、昼食会で状況が変わりましたから、一度前野さんと連絡を取っておきます。」
「佐藤さん、こんな状態だからよろしくね。」
「はい、あの~自分も親衛隊の一員だと思っています、人前では佐藤と呼び捨てにして頂けると気持ちが良いのですが。」
「分かりました、あっ、これから行くのは岩崎王国関連企業のオフィスビルですね、もしかして次も大歓迎に対応しなくてはいけないのかしら。」
「申し訳ありません、遥香さまの到着予定時刻は、すでに広まっているかと、警護は固めてありますが車から少し歩いて頂けますか。」
「ゆっくり歩けば良いのですね、洋子そこまでは付き合ってね。」
「はい、勿論です。」

歓迎の人を整理する為、車からビルまでは五百メートル程歩く。
その間は人が左右に並んで通路を作っていた。
手にはうちわ…、私を歓迎する為のアイテムを用意してくれた様だ。
頑張って笑顔を振りまき進む。
洋子と佐藤さんは後ろからついて来る、ビルにたどり着くと先回りした田中さんが出迎えてオフィスまで案内してくれた。
オフィスでは社員の紹介の後、作業システムの説明、使う事の意味、改良の余地があれば提案して欲しいといった話をした後、実際にアクセスして貰った。

「田中さん、準備がしっかり出来ていた様で順調に入力が進んでいますね。」
「はい、こうして見ていると現時点での完成形という事が分かります。」
「後は兎に角、運用して改良して行く、遥香コーポレーションで一定の成果を上げる事が出来たら、王国内企業の標準にしたいと考えています。」
「前野さんは遥香システムを高評価してみえました、私も導入前の説明を受けてその通りに動くのならすごいシステムだと感じましたよ。」
「えっ? 遥香システム?」
前野さんはそう呼んでみえましたが、遥香さまがデザインなさったシステム、プログラミングこそシステムエンジニアが作業してますが、遥香さまがいなかったら出来なかったシステムですよね。」
「そうですが…、何にでも遥香を付けてしまって良いのかしら。」
「良いと思います、一つ一つが遥香さまの伝説として語り継がれて行くことでしょう。
昼食会で出た複合型店舗建設予定地確保の話は、私どもも聞かされていなかった事で驚きましたが、そこからの指示の速さにはもっと驚かされました、ダイナミックでしたね。」
「今はミスしてもまだ影響は少なくて済みます、ミスを恐れて動きを鈍らせたく無いと考えています。
遥香コーポレーションが大きくなった時、少しの判断ミスが大きな損失に繋がる可能性を考えると今の内にミスを経験しておくべきなのかとも、もっとも周りを優秀な人材で固めていますから簡単にはミス出来そうに有りませんが。」
「岩崎社長がべた褒めして見えた、トップリーダーとしての器の大きさ、今更ながら感じさせて頂いております。
社員達も遥香さまに良い所を見せようと何時も以上に頑張って作業を進めています。」
「ふふ、適当な所で休憩を入れてお茶にした方が良さそうですね。」

ここのメンバーとは直接顔を合わせるという機会は少ない、作業に問題はなさそうだったので、しばらくお茶を飲みながら談笑する時間を設けた。
岩崎社長が集めた人達だけあって皆、知的レベルの高さを感じさせてくれる。
これならペースを上げても問題無さそうだ。
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