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神沢祐樹-61 [高校生会議2-15]

「神沢社長、子会社になると私ども社員に何か変更は有るのですか?」
「岡崎さん、基本的には今まで通りですよ、ただ、柿川で立ち上げる事務所の支援をお願いしたり、自分達がそちらの活動に協力したりという事は有ります。
岡崎さんには転勤をお願いする事になってしまいましたが…。」
「いえ、私は少し環境を変えたかったですし、絵美お嬢さまの担当でも有りましたので。
なんとかテレビ局の担当者とも連絡が取れ、明後日のイベントにも同行させて頂きますが…、えっと、今後のスケジュールは絵美お嬢さまと社長は基本的に同じなのですね。」
「はは、まあ同じになる事は多いですが、遥香システムでスケジュール管理をしています。
岡崎さんも活用して下さいね。」
「はい、でも難しくないのですか?」
「基本は簡単なのです、お好きな男性のタイプを教えて頂ければ、それに合わせてレクチャー要員を選んで貰いますよ。」
「おっ、お願いします。」
「理想が高いと、ご期待には沿えませんが。」
「いえいえ、もう、そんな贅沢を言える立場では有りませんので。」
「はは、もしよろしかったら、岩崎の婚活プログラムに参加出来る様にさせて頂きます。
新会社は主に白川家からの資金でスタートしますが、岩崎高校生会議が全面的にバックアップして下さっていまして、社員は岩崎関係からのダブルワークが中心となります。
遥香コーポレーションとも協力関係を築けそうですので、福利厚生面も気兼ねなく岩崎関連を使えのる様にしますからね。」
「それは少し憧れます、小さい会社ですので。」
「出会いのチャンスが少なかったのですか?」
「ええ、まあ、あまり気にしていなかったという事も有りますが。
でも、社長聞いて下さいよ、絵美お嬢さまったら、電話すると最近は社長のお話しばかりなのですよ。
もう羨ましくて、三月までは、男には全く興味なさそうでしたのに。」
「はは、では岡崎さんは、柿川で素敵な彼氏を見つけて下さいね、応援しますから。」
「はい…。」
「趣味は無いのですか?」
「あまり人様にお話出来る様なのは有りません。」
「でしたら、まずは堂々と人に話せる趣味を見つけて下さい。
趣味が有れば、それを通して出会いの機会も増えますよ。」
「はい。」
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神沢祐樹-62 [高校生会議2-15]

「柿川では様々な趣味の会が盛んなのですよ、残業のない会社が多いですからね。
柿川の事務所は趣味を極めた方々に所属して頂く事に成ります。
まずは、柿川の文化を更に活性化する事が目的ですからセミプロからのスタートが調度良いのです。」
「それで収益面は大丈夫なのですか?」
「はい、柿川バンドフェスティバル、アカペラコンテストなどの他、柿川ガールズコレクションといった企画も提案しています。
一つのバンド、一人のモデルだけでは集客力が弱いですが、それぞれ他分野のゲストを迎える形で開催し相乗効果を目指します。
基本、オフィス白川所属、柿川フレンズのメンバー中心に進めますが、遥香コーポレーション関連のモデルが協力してくれる事になると思います。」
「あっ、名称は決定ですか?」
「皆さんの意見を伺ってからになりますが、変に凝った名称にするより良いかと思っています。」
「絵美お嬢さまも所属が変わるのですね、でもオフィス神沢でなくてよろしいのですか?」
「まあ、大株主の顔を立てると言う事ですよ。」
「そうですか、資本金一億ですものね。」
「資本金はもっと増えます、子会社の株式はすべて、追加で発行する新会社の株式と交換という形になりますし、それ以外でも柿川を活性化する為なら金を出す、という方は少なく有りません。」
「それも、神沢社長だからですよね。」
「はは、過大評価されている様です、実務は社員がしっかりやってくれますので大丈夫ですが。」
「私も頑張ります…、ただ少し心配なのは、絵美お嬢さまが社長の彼女として、うまく柿川市民に受け入れて貰えるかです。」
「高校ではミニコンサートを通して名が知れ渡り、まあ噂話も良い感じで広げて貰っています。
児童合唱団の子ども達も自然に馴染んでくれましたから、何とかなると思いますよ。」
「でも、調べさせて頂いたら、社長は柿川のアイドルじゃないですか、しかも作られたアイドルではなく、コーラス等を通して自然にファンが増えたという本物のアイドルですよね。
アイドルの恋愛は色々と…。」
「ローカルな話題という意味で、社員達はプラスに捉えているみたいですよ。
まずは柿川だけで盛り上がる、それが周辺に広がれば嬉しい訳で、その為には噂話も多少コントロール出来ないかと考えています。
高校で上手く行ってるのは、情報源が友達で自分達に好意的だからです。
悪意ある噂が広がらない様に気を付けながら、嘘のない情報…、もっとも人から人へと伝わる内に変化する可能性は否定出来ませんが、それでも好意的という部分は伝わるみたいなのです。」
「う~ん、何となく分かります。」
「情報化社会と言っても、口コミは馬鹿に出来ないのですよ。」
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神沢祐樹-63 [高校生会議2-15]

「祐兄はお仕事の話なのかな?」
「真面目そうな顔をしてるからってそうとは限らないぞ。」
「一兄は気にならないの?」
「俺達が気にする事じゃないよ、な、絵美さん。」
「はい、会社の話は順調に進んでいますので。
それより、一樹さまと長谷先輩がお付き合いされてるとは思いませんでした。」
「一兄達は中一からだよね。」
「もう何年も…、あの…、今まで、別れ話とかはなかったのですか?」
「ふふ、絵美さんは祐樹くんと付き合い始めたばかりで不安なのね。
私達の場合は小学生から知ってるし、一樹も祐樹くんと同様優しくてね、私の気持ちを察してくれるの、だから私もって感じかな。」
「う~ん、祐樹さまはとても心の大きな方で…。」
「でもね、祐兄は絵美さんの事になると…、ねっ、一兄。」
「ああ、大勢の女性ファンがいるから、女の子との付き合いは軽くこなすと思っていたが、あれだけ戸惑ってる祐樹は初めてかも知れない。
女の子に騒がれるのには慣れてても、祐樹にとって一人の女の子と付き合うのは初めてなんだよ。
絵美さんもそういう目で見てやってな。」
「そうなのですか、私は祐樹さまに頼ってばかりで…。」
「頼って良いし甘えて良いのよ、でも、祐樹くんの気持ちとかも考えてあげてね。」
「はい、ただ…、私は一人っ子で女子校…、少しハンデが有る様に感じていましす…、上手に祐樹さまと寄り添って行けるのか…。」
「ねえ、一兄、私達が姉妹になる確率はどう?」
「そうだな、絵美さんが祐樹を大切に想ってくれるなら低くないだろう。」
「ふふ、絵美さん、優香ちゃん中心に世界が回っても良いかしら?」
「え~、私、そんなに我儘じゃないよ~。」
「いえ、優香さんが可愛らしくて素敵な女の子だからです、でも私は姉と言うより、教えられたり助けられる事の方が多くて…。」
「それで良いんだよ、互いに助け合う姉妹で、義理の三姉妹になれるかどうかはまだ分からないけど…、親父がね、うちは親戚の仲が良くて嬉しいと良く話すんだ、財産の事で揉めたりとかするのはつまらないとね。
何にしても、三人が仲良くしていてくれれば、祐樹も喜ぶと思う、もちろん俺もだ。」
「絵美さん、私の事は姉だと思って相談してね。」
「長谷先輩…、お願いします、祐樹さまと仲良くさせて頂いて、お兄さまとお姉さまと可愛い妹が、もう一人っ子じゃないのですね、後は優香さんに彼氏が出来れば弟も出来るのですか。」
「そこが問題なのよね…、兄達の様に頼れる人となると、うんと年上の人を選んでたりして。」
「はは、一番下の義弟が最年長ってパターンか…。」
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神沢祐樹-64 [高校生会議2-15]

「絵美さんはこれから忙しくなりそうね。」
「はい、イベントや撮影が入ります。」
「心配は無い?」
「テレビ番組の撮影がどうなるのか少し…。」
「どんな感じなの?」
「まだお話を頂いたばかりですので具体的には決まっていません。
ただ、祐樹さまは私達の高校生生活をリアルにお伝えする中で、部活改革や学校改革について紹介させて頂けたらと考えておられます。
そこに、娯楽性を高める為、皆さんの恋愛事情を織り交ぜたりとか。
普通に部活をしている所を適当に撮影して貰うのなら、特別に時間を取られる事も無い、後は素敵なナレーターにお任せすれば良いのだそうです。」
「ふふ、祐兄らしい効率重視、その為に妹をこき使おうという魂胆なのね。
でも変に作られたドラマより良いかも。」
「そういう事なら岩崎高校生会議第十七支部が全面的にバックアップとなるだろうな。」
「学校側も全面協力でしょうね、先生方の中にも祐樹くんや絵美さんのファンは少なく無いですから、一応、立場上秘密らしいけど。」
「はは、何人か心当たりは有るぞ。」
「でも、番組制作の方々がどう考えるのかが問題よね。」
「担当の方は祐樹さまを、まずは県レベルのアイドルにと話されていました。
歌はアイドルソングでなくても、伝説を紹介して行けば話題になるそうです。」
「祐樹くんが児童合唱団の頃の映像は、柿川以外の人にも見て貰いたいわね。」
「お小さい頃の祐樹さまですか、先輩、その映像は私も見られませんか?」
「DVDなら有るけど。」
「お願いします。」
「うちに有るからあげるよ、親父が貸し出し用にと多めに買ったんだ。」
「お貸しした人が購入というパターンが多かったのよね、あのDVDは何本売れたのかしら。」
「制作した市民コーラスにとっては予定外の収入となって運営が楽になったそうよ。
別に祐樹くんのDVDという訳ではなかったのだけど、買った人のお目当てはね。」
「DVDやCDは何本も出されているのですか?」
「アマチュアだから多くはないし、変声期を過ぎてからは合唱団の一員として参加という形であまり目立って無かったの、絵美さん、これからはどうなの?」
「テレビ局の判断で子どもの日のイベントがDVDになるかも知れませんが、他はまだ何も。
祐樹さまはテナーとして未熟だとおっしゃられていまして。」
「高い所を目指しているのでしょうね。
歌の下手な人でも、アイドル名乗って歌ってるのが現状なのにな…。
絵美さんはどうなの?」
「私には広く売れる様な歌は無理です。」
「でも、祐兄と曲を作ったのでしょ?」
「あれはお遊びですから、イベントで子ども達に喜んで頂けると良いのですが…。」
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神沢祐樹-65 [高校生会議2-15]

「祐樹くん、お客さんの入場が始まったが、子ども達からワクワク感が伝わって来たよ。
君達の色んな話は小学生の間でも話題になってるみたいだね。」
「はは、そうですか、それでは…、優香、客席へ行って、子ども達の様子を見て来てくれないか。」
「うん。」
「でな、優香の事を知ってる子も少なくないと思うんだ、その辺りの感触を確かめて、途中のコールアンドレスポンスに備えて欲しいのだけど。」
「分かったわ、打ち合わせ通りに進め易い様に準備して置くわ、開始前に一度報告に戻るわね。」
「ああ、頼むな。」

「祐樹さま、児童合唱団の子達は祐樹さまに教えられたという遊びで盛り上がっていました。」
「待ち時間は長いからな、どう、子ども達とは馴染めた?」
「はい、まだ戸惑う事も有りますが、彼らなりに気を遣ってくれます。」
「取材関係の人は?」
「子ども達とコミュニケーションをとってみえました、本番でカメラに緊張し過ぎない様にとの祐樹さまのご指示だそうですね。」
「まあ、緊張するなというのは無理な話だろうけどな。」
「それでも、全く話した事の無い人にカメラを向けられるのとは違うと思います。」
「気になる事は無かった?」
「ふふ、男の子のズボンが破れかけてた事くらいです、岡崎さんにお願いしておきましたから大丈夫だと思います。」
「はは、児童合唱団の制服を着てる事を忘れて暴れたのだろう。
う~ん、スポンサーを見つけて新調する事を考える時期かもな。」
「そんな心配までされているのですか?」
「女の子達がイメージの違うユニフォームを着たがっていたんだ。
うちがスポンサーになるのは、まだ早過ぎるだろ。」
「祐樹さまは子どもに甘いとスタッフの方が話してみえましたよ。」
「まあ、みんな真面目に取り組んでいるからね、普段はそれほど練習に付き合える訳では無いんだ、だから進歩してるのが分かるのさ。
あの中から次世代の仲間になってくれる子が成長してくれると思うよ。
今の所属だと色々面倒な事が有るからね。」
「先を見越して子ども達を可愛がっておられるのですか?」
「はは、それは最近後付けされた事情だよ、可愛い後輩達に児童合唱団を楽しんで欲しいのさ。
今日のイベントもね。
絵美も楽しんでくれると嬉しいのだけど。」
「ふふ、祐樹さまとご一緒なら、どんな事でも楽しいですよ。」
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神沢祐樹-66 [高校生会議2-15]

「祐樹くんかっこ良いよなぁ~。」
「ホントよね、どうしてテレビに出ないんだろう。」
「何言ってるの、これからデビューなのよ、テレビカメラが何台か来てるでしょ。」
「でもさ、小学生の時のDVD、薫のお姉ちゃんが見せてくれたじゃない、もっと早くても良かったんじゃないの。」
「めっちゃ可愛かったよね、同じ六年生でもうちのクラスの男子はね~。」
「そのまんまイケメン高校生だもんな、あんな人がクラスにいたら、そのままドラマの世界なのかなぁ~。」
「あっ、噂の彼女が登場よ。」
「柿川は美人が多いって話だけど…、モデルをやってるお嬢様なんでしょ。」
「社長令嬢なんだって、でもそれぐらいじゃないと、祐樹くんと釣り合わないよね。」
「歌が始まるよ…。」

「すてきだった…。」
「あ~、児童合唱団の子達、楽しそうだったな~、入るかどうか迷ったのよ、私。」
「ミュージカルの世界が目の前で…、祐樹くんと、えっと絵美さんと合唱団が…、これが本物なのね…。」
「お二人が残って…。」

「…、はは楽しい、初めての曲なのに歌い易かったね…。」
「お~、お二人で作詞作曲だったのですか~、ラブラブじゃん。」
「アイドルって恋愛禁止じゃないの?」
「祐樹くんは社長になるのだから普通のアイドルじゃないのよ。」
「うん、高校では特別な存在として二人を応援しようって感じになっているって、お姉ちゃんが言ってた。」
「知ってる、生暖かく見守るのでしょ。」
「私達も?」
「祐樹くんが沙代里の彼氏になってくれるなんて思ってないわよね?」
「はは、お兄さんになってくれないかなぁ~。」
「祐樹くんはみんなのお兄さんなんだぞ~。」
「はは、休憩だけど、どうする?」
「そうね…。」
「あっ、優香さんだ。」
「優香さ~ん!」
「おっす。」
「優香さん、今日はスタッフなんですか?」
「うん、騒ぎ過ぎる子がいたら回し蹴りを入れるんだ。」
「はは、気を付けなきゃ。」
「ここまではどうだった?」
「最高! 去年も楽しかったけど更に!」
「ドキドキが止まらないの。」
「彼女がいても一生祐樹くんについていきます。」
「何、ナマ言ってんのよ、でもそうね、全部終わったら舞台の右に来て、テレビ局のインタビューに答えてくれない?」
「うわ~、テレビに映るの?」
「うん、でも編集でカットされると思っておいてね。」
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神沢祐樹-67 [高校生会議2-15]

「お疲れ様、今日はすごく盛り上がって大成功だったわね。
終了後、外に出てからも子ども達の熱気が冷めなかったのよ。
一人が歌い始めたら、みんなが歌い出してね、その輪が自然に広がって、帰りかけてた子も戻って来て歌ってたのよ、私も一緒になって歌ったけど、なんか映画のワンシーンみたいで、ちょっと感動してしまったわ。」
「チーフ、俺達のオリジナル曲も歌ってくれていましたか?」
「ええ、一番人気、踊りながら歌ってたわよ。」
「祐樹さま、歌も踊りもシンプルにして正解でしたね。
でも、私達がインタビューを受けている時で残念でした、私も子ども達と歌いたかったです。」
「ふふ、それはだめ、そんな事したら終わらなくなってしまったでしょう。
でも、あのオリジナル曲は楽しくて素敵ね。」
「はは、深く考えずに子ども達が喜んで歌ってくれそうな曲にしようとしてたら、歌うのも楽器で演奏するのも簡単な曲に仕上がりました。
多少の秘密と思惑は、もう少し練ってから発表させて頂きます。」
「秘密なのか…、でも王子様がそうおっしゃられるのでしたら。」
「王子様?」
「女の子達にとっては、憧れの王子さまとお姫さまなのよ、あなた達は。
そんな感じの曲も作って夢を見させてあげるのはどうかしら?」
「う~ん、ストーリーが必要かな…、優香はイメージ出来るか?」
「えっ、そうね…、新しい昔話?」
「ふふ、すごく矛盾があるけど、アニメとかがそんな感じじゃないの?
祐樹くんなら戦隊ものでも行けるんじゃない、子ども向けでも、お母さん達がヒーローのファンになるそうよ。」
「ファン層の拡大ですか…。」
「祐兄、女の子達はポスターが欲しいって、それと、普通のアイドルみたいにCDやDVDを出して欲しいそうよ。
お姉さんやお母さんもファンだという子が何人もいたわ。」
「小学生にとって多少高価でも大丈夫なのかな。」
「まともな物を作れば充分な利益が出るだけ売れると思うわ、DVDなら柿川お風景を入れても良いんじゃない。
せっかくテレビ出演の話が有るのだから、売り物がないと。」
「チーフは売れると思いますか?」
「余程下手に作らない限り、売れるに決まっているわ。
今日のイベントだって、中高生やお母さん達から見たいという声が沢山上がってたのよ。」
「今日の子ども達の反応も良かったです、祐樹さまCDチーム、DVDチームにゴーサインを出しても良いのでは有りませんか?」
「そうだな、夏までには発売したいね。」
「はい、夏のイベントで歌ったり踊ったりして頂きたいです。」
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神沢祐樹-68 [高校生会議2-15]

「祐樹くん、今日は大変だったのだろ。」
「そうでもないですよ、スタッフは慣れてますから。」
「子ども相手は楽ではないと思うが。」
「子どもと言っても高学年ですし、プログラムを見た上で来たいと思った子ばかりです。
抽選に外れて来られなかった子もいるぐらいですから。」
「はは、小学生でも君のステージなら見たいと思う訳なんだな。
おっ、テレビの方はようやく始まるみたいだね。」
「はい、担当の方は短時間で編集と話しておられましたので気になります。」
「でも、県内各地の子どもの日の風景紹介という事では扱いが短かそうね、祐樹さん達のイベントをしっかり紹介して下さればよろしいのに。」
「お母さま、それは仕方ないです、テレビで紹介して貰えるだけで有難いです。」
「絵美はちゃんとやれたのか?」
「たぶん…。」
「絵美は子ども達の心を掴みました、子ども達にとって憧れのお姉さんになりましたね。」
「そうか…、しかし柿川の話題はまだなのか?」
「あなたはこういう事には、せっかちなのよね。」
「はは白川社長はどっしり構えておられるのかと思っていました。」
「まあ、普段はな。
テレビ番組は中身がなかったり偏ったりしててあまり見なくなってね。
それより、そろそろ社長と呼ぶのは終わりにしてくれないか。」
「うっ…、絵美のお父さんとかですか…?」
「よろしいでしょ、私もお母さんと呼んで欲しいわ、四人で食事してるのですからね、ご両親には内緒にしておいてあげるから。」
「は、はい…。」
「ふふ、でも、お邪魔しますではなく、ただいまと言える様になりましたよね、祐樹さま。」
「はは、何となくね。」

「しかし、この番組は一つの話題が短いな、この調子では君達のイベントも簡単に紹介して終わりなのか、あっ、ようやくかな…。」

『こどもの日の風景、最後は柿川市で行われたイベントです。
ホールには二千人の子ども達、圧倒的に女の子が多いのですがどんなイベントだと思いますか?』
『可愛いキャラクターが登場したとか?』
『ざんね~ん、微妙に違いまして、登場したのは、かっこいいお兄さんなんです。』
『私以上にかっこいいお兄さんはざらにはいませんよ。』
『はい、おじさんは黙ってて下さいね、まずはステージの模様をどうぞ~。』

「ほんとに歌のお兄さんなのね。」
「主役は子ども達と言っておいたのですが…。」
「テレビ画面のアップで見ても、祐樹さんはアイドルグループの子達に全く負けて無いわね。
トークスキルや歌唱力も…。」

『初めて見る方なのですが。』
『実は柿川では歌とルックスで超有名な高校生、子ども達のお目当ては彼なんです。
子ども達のインタビューの様子を見て下さい。』

「かなり恥ずかしいな…。」
「でも、お姉さんやお母さんの話を交えて、子どもだけに人気と言う訳では無いと伝えてくれましたね。」
「絵美の事は控え目にしたみたいだな…。」
「まだ、柿川に越して来て間が無いからと、お願いしておいたのです。」
「説明がややこしくなるだろうしな。
今はこれで良い、思っていたよりしっかり紹介してくれているな。」
「はい。」

『神沢祐樹さんの魅力は分かって頂けたでしょうか。』
『実際に会ってみて、どんな感じの人なのかな?』
『もう、かっこよくて爽やかで、でも、うんと年下なのに頼りたくなるような人です。
今は柿川のローカルアイドルですが、これから県内の方々にもっと知って頂こうと企画を練っています、期待してて下さいね。』
『地元発という事だと、応援するしかないな。』
『はい、お願いします。』
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神沢祐樹-69 [高校生会議2-15]

「結構しっかり扱った割に、祐樹くんのプロフィールは簡単に済ませたね。」
「はい、小出しにして行くと聞いています。
柿川以外の人にとって謎多き存在から始める事で人の興味を引くという作戦だそうです。
何でもキー局が情けない状況なんだそうで、そのマイナス要素を払拭する材料にしたいと話してみえました。」
「局の事情も有る訳か…、では、アイドル業に力を入れるのか?」
「少なくとも、これから仲間になって下さる方々が動き易い様にはして行きたいです。
地域の更なる活性化を考えたらマスコミに良い形で注目される事はプラスになります。
ただ、自分は出過ぎないつもりです、学校が有りますし、柿川フレンズのメンバーに目立って頂かないと行けませんから。」
「それは許されないかも知れませんよ、テレビ局が欲しいのは祐樹さんの映像なのですからね、余程個性的な人がメンバーにいない限りは、リーダーが色々背負う事になるのではないかしら。」
「そうですか…、まだ感覚的に掴めていません、色々動き始めているという実感は有るのですが。」
「試行錯誤で良いのさ、初めから卒なくこなそうなんて思わなくて良いんだよ。」
「でも、少し試行をし過ぎているかも知れません…。」
「それぐらいで調度良いと思うよ、君の社員達はやる気満々だからね。
社長が高校生アイドルなら盛り上げたくなって当たり前さ。
最近は人と会うと必ず祐樹くんの話が出るんだよ、色々聞かれるのは人気の証だろう。」
「何を聞かれているか想像できるだけに微妙ですが…。」
「まあ、気にするな、細かい事を気にしてると大物には成れないそうだぞ。」
「はは、市役所でもそんな話を耳にしました。」
「あっ、市長とも会って来たのだったね。」
「はい、連休前に時間を作って頂きまして。」
「どうだった?」
「こちらとしては市民会館の稼働率を上げる事で市に協力させて貰うつもりです。
市長も協力し合って行きたいと話して下さいました。」
「地方都市の市民会館的施設は利用率が低いと聞いた事が有る、柿川もなのか?」
「ええ、趣味の発表会が有ったりしてまだましだそうです、それでもイベント会場として確保するのにさほど問題は無かった様ですから空きが有るのでしょうね。」
「ここからなら、東京までアーティストの公演を見に行く人もいるだろうが、柿川へ君達のイベント目当てで東京から人が来る様になると面白いな。」
「簡単な事では有りませんが、社員達もその方向で動いてくれています。」
「しばらくは落ち着かないだろうが、まあ何とかなるよ。
次のイベントは五月の末だったか?」
「ええ、本当はもっと準備に時間を掛けるべきなのでしょうが、凝った演出を考えなければ裏方に問題はないそうです。
セミプロとしてのデビューですからシンプルにスタートします。
各アーティストも、今までの活動を紹介する形にしますので特別な準備は要らないと思います。」
「君達は二人での持ち歌とか、少ないのだろ?」
「はい、一番の問題は自分達です。
高校生の男女デュエットに対してどの様な反応が有るのか全く分かりません。」
「確かに、男女ユニットのアイドルなんて聞いた事ないな…。」
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神沢祐樹-70 [高校生会議2-15]

「ふう、この部屋は何故か落ち着くよ。」
「社長室は祐樹さまのお部屋ですから。」
「今日は疲れただろ。」
「疲れなんて子ども達が盛り上がってくれましたので感じませんでした。」
「そうか、だが、これから仕事としてやって行くとなると色々大変な事も有るのだろうな。」
「でしょうね、でも、私は祐樹さまとなら簡単に乗り越えられると思っています。」
「絵美って結構楽観的だよね。」
「ふふ、祐樹さまと出会ったからです。」
「それは光栄だね…、なあ、俺達のユニット名はどうする?」
「難しいです…、そうですね…、音楽用語から頂くと言うのは如何でしょうか?」
「そうだな、調べてみようか…。」

「amorosoとかamabile…。」
「う~ん、lentoはどうかな?」
「ゆっくりと、ですか…。」
「のんびり出来る曲も歌ってみたいと思うんだ。
売れる曲はテンポの良い曲なんだろうけどさ。」
「ゆっくりと、祐樹さまとの時を過ごして行きたいです。」
「ああ、すごく早いテンポで事が進み始めてしまったが、落ち着いてじっくり事に当たって行きたいね。」
「ではアルファベット表記でLENTO、レントにしましょう。」
「はは、こういう決断は早いんだね。」
「ええ、迷っても良い案が浮かぶとは限りません。
服を選ぶ時に迷って買った物はあまり着なかったりしませんか?」
「う~ん、服は優香任せだが、優香も同じ様な事を言っていたかな。」
「ふふ、異色の男女ペア、歌う曲も流行に流される事無く…、アイドルが歌わない、アリアをアレンジした様な曲も歌いたいです。」
「ああ、基本はアーティストで行きたいよな、俺はまだ実力が伴っていないが。」
「そんな事ないですよ、人の心に届く歌、私は先生に言われても良く分からなかったです。
でも、祐樹さまの歌は、皆さんの心に届いていると感じます。
テクニックだけではない、とても素敵な心をお持ちだから、子ども達へ真っ直ぐ届くのだと思います。」
「はは、絵美の歌声も素敵だったよ、声楽的な歌い方を封印して、結構器用なんだね。」
「発声の基礎をきちんとしていたら、どんな歌でも歌えると言われて来ました、演歌や民謡を試すには至ってませんが。」
「まずは歌のお姉さんとお兄さんになって、子ども向けの歌でCDを作ってみるってどうかな?」
「曲は作りますか?」
「出来ればね、今日発表した曲は喜んで貰えただろ。」
「作詞が難しいかも知れません。」
「テーマを子どもの日常、楽しい日常にすれば良いんじゃないか、おはようの歌、歯磨きの歌、行って来ますの歌、みんなで遊ぶ歌、そうだな、ごめんなさいの歌とかも有りだ、一応四年生ぐらいをイメージして…、明るくて元気で素直な子。」
「誰かモデルになる子はいるのですか?」
「優香だな、彼女が子どもの頃から口にしてきた言葉には面白いのが色々有るんだよ。」
「良い感性を持ってらっしゃいますものね、子どもの色々な場面を子どもの気持ちを考えながら歌にして行けば良いのですね。」
「ああ、明日は曲作りに時間を取ろう。」
「はい、簡単に沢山作って、仕上げはプロの方にお願いするのも良いかも知れません。」
「ああ、そうだね、それなら細かい事を考えず大胆に作れる、プロに心当たりは有るの?」
「ええ、コンセプトがはっきりしていますから著名な方にお願い出来ると思います。」
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