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バトル-121 [高校生バトル-13]

「市の高校生部会はどうなの、活発に動いてるみたいだけどトラブルは起きてない?」
「少し行き違いが有って揉めたみたいだけど、先輩が落ち着かせてくれたと聞いてる。
 僕にそう言った話は振りたくないそうで、解決してから教えて貰ったよ。」
「三郎に頼る子ばかりでないのなら安心ね。」
「各リーダーの意識は高くて、高校卒業後も党に関わって行く事を前提に考えてくれてるんだ。
 各企画も五年計画十年計画なんてのを平気で考えてる、誰がどう繋いで行くのかも意識していてさ。」
「息の長い活動を考えてくれてるのだとしたら頼もしいわね。」
「うん、今まで高校生バトル関連で僕らが提案して来た事はみんなに伝わっているみたいだよ。
 子育てを意識し今後の家族像を親と話し合ってる人もいてね、反抗期を終え積極的に話し合ってとかも聞いてる。」
「単に大企業への就職を目指して学歴を重視すると言う姿勢から変わりつつ有るのかしら?」
「うちの高校は元々そう言う傾向が弱かっただろ、都会に憧れてる人はいるけど家賃とか満員電車での通勤通学を考えたら、たまに遊びに行くぐらいが良いのかもって雰囲気になってる。
 それより、この市をもっと魅力的な市に変えて行く取り組みに参加した方が面白そうだからね。」
「魅力的か…、この町では何が足りないとか、話題になるの?」
「特には出てないよ、普通の高校生が不便を感じることってそんなに無いでしょ、趣味の関係では有るかもだけど。
 そう言った事は、夏休みになったら伊藤党首が引っ越して来られるでしょ、その時息子さんと娘さんに聞けば良いんじゃない、詩織と同じ中学になるんだ。」
「そうね、でも中学生だと尚更不便を感じないかも、集落から中学までは遠く無いしコンビニも有る。
 都会に憧れてる子に訊くべきテーマかもね。」
「うん、詩織が東京から越して来た時は喜んでたぐらいだからな、空が広くて気持ちが良いって。」
「言ってたね、私達にとっては当たり前の風景なのだけど。
 高校生部会ではもっと魅力的な町にと考えてるのでしょ、具体的な提案は出てるの?」
「具体的とは言えないけど、オンリーワンな街並みや道路と言う話は出てるよ、日本中どこへ行っても電柱が有って似た様なチェーン店が並んでるみたいだろ。」
「そうね、でも電線の地中化は費用が掛かるのよ、うちの集落は造成の段階で済ませたから比較的安かったけど、それでもね。
 一応、集落を中心とした再開発計画に沿って、少しづつ電柱の無いエリアを広げて行くけど、全市に拡大するには百年掛かるかもって。」
「予算の問題なんだね、収入源には限りが有るからな~。
 でも、みんなは電柱の無い街を売りにしたいと考えていてね、前に遊びに来た連中がこの集落はすっきりしてて良いって、海外の街並みを映像で見てると電柱の無い所が結構有るし、集落を中心とした再開発エリアだけでも電柱を無くしたいって、観光も意識しての再開発で建物のデザインにも拘ると言う話でしょ。」
「そうは言ってもね…、う~ん、電線地中化の費用を捻出する為だけの企画を考えてみる?
 雅ちゃんの子育て奮闘記は保育所を充実させ、認定こども園を目指す資金源でしょ、それと同様にさ、百メートル分を稼ぐのにどれだけ掛かるか分からないけど。
 でも…、再開発エリアには農地も有るのだから、電柱の無いエリアの面積を強調する事は今でも出来るか…。
 他の市町村に先駆けてアピール出来たら、注目され費用対効果が大きくなると思わない?」
「それって誇大広告と同じじゃないの?
 でも、ミュージカルの舞台にもなってる集落の紹介をするYouTubeチャンネルから始めてみるのは悪く無いかな。
 そこで地中線化の話題を強調し、その為の予算を捻出する案を募集してみても良いよね。」
「高校生部会を動かす?」
「うん、夏休みを利用して撮影を始めて貰おう、でも当分の間は何本かアップして地中線化一ミリ分というレベルだろうけどね。」
「それでも良いじゃない、動かないよりはマシでしょ。
 それに、目的に対して資金集めをすると言う事例を増やして行きたいのよ、お金が無いと嘆く前にね。」
「資金の流れをより明確に出来るから?」
「うん、漠然と稼いで漠然と使われて行くより良いでしょ、寄付するにしても使途を決めておかないと思わぬ使われ方をされかねないわよ。」
「そうだね、会社と党の境界も、もう一度確認しておくべきかな。
 ボランティアで動いてくれてる人が多いから気を付けないとね。」
「ええ、絶対に曖昧にしては行けないことだから再確認の指示を出しておくわ。
 で、三郎は真子との結婚資金、どうなの?」
「そろそろ、家の設計に入って貰おうかって話し合ってるよ、子どもの誕生や成長に合わせて増築し易い形でね。」
「家一軒を余裕で建てられるとしたら随分生意気な高校生だわ。」
「姉さんには言われたくないかも、自分達の金銭的余力を早めに作って置けば活動に制約が無くなるからと、そもそも収入を確保してくれたのは姉さんだろ。」
「そうだったかしら、まあYouTubeの規約が今のままなら金銭面の心配は無いのよね、三郎にはCMのオファーも来てるし。」
「うん、これからは仕事毎にその報酬を何に充てるとか表明して行こうかな、今までの収入は市長選のタイミングで公表したけど、一歩進める形でどう?」
「漠然と寄付しました、とするよりは考える材料を与えることになるのかな…。
 それを通して私達が何に興味を持ってるのかを知って貰うのは悪くない、兄さん達とも相談してみるわ。」
「僕らは売名行為をもっと頑張って世の中のお金持ちにお金の使い方を考えて貰わないとね。」
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バトル-122 [高校生バトル-13]

「三郎お兄さま、電力会社の人との話はどうでした?」
「うん、思ってたより上の人と話すことになってね、詩織は電力会社のCMに出演ってどう?」
「えっ、どうって?」
「新チャンネルのスポンサーになるのと引き換えに僕達に対してCM出演の打診が有ってね、その出演料はお父さん達と相談して、詩織のお小遣いにすれば良いのだけど。」
「お仕事なのね、やってみたいわ、雅は?」
「私もなの?」
「勿論さ、決めるのは雅だけどね。
 新チャンネルの視聴回数は内容的に伸びにくいかもだけど、電力会社とタイアップして行く事で利益は出せる。
 人件費などの必要経費を差し引いた残りは、僅かで有っても再開発エリアの電柱を無くして行く費用に充てる予定でね、電力会社側とは工事費を安く抑える工法を再開発エリアで試して行くと言う事でも話もまとまりそうなんだ、集落の工事でも協力的だったからね。」
「お金が沢山必要だって言ってた、あれね。」
「うん、CMの方は電力会社のイメージキャラクターと考えてるそうだから、決まったら年単位の契約になる、引き受けたら会社のイメージを悪くする様なことはしちゃ駄目だからな。」
「私でも良いのかしら…。」
「問題無いよ、家族が一つのテーマだから真愛ちゃんと光くんにも出て貰うんだ。」
「でも…、やくざの子が出てイメージが悪くならないかしら。」
「はは、誰もそんな事思わないよ、雅ちゃんの子育て奮闘記を見た上で是非にと話しを持ち掛けてくれたんだ、それに昔の事なんて関係ない、雅が悪い事をしてた訳では無いのだからね。」
「そうね、みんなと一緒なら挑戦してみたいかも。」
「撮影は主にうちの集落、長く続きそうなら、僕と真子で建てる家をオール電化にしてCMに利用する話も有ってね、家の設計は電力会社の都合も入れてとなりそうなんだよ。」
「費用も負担してくれるとか?」
「それはまだ相談してないけど、再開発エリアに試験的にとは言え予算を掛けてくれるのだから、こちらからお願いするつもりはない、家を建てる予算は充分有るからね。
 これが都会だったら土地代だけで余裕が無くなるんだろうな。」
「うん、どうして人は家賃が高く、ごみごみしてて空気の悪い所に住みたがるのかしら。」
「詩織は東京の暮らし好きじゃなかったの?」
「住んでた時は意識して無かったけど、こっちに越して来て気分が良くなったかな、学校の雰囲気が違った事も有るかもだけどね、向こうではいじめも有ってさ。」
「中学でもいじめはないの?」
「少なくともうちのクラスではね、雅、高校生部会のスタッフとはお話出来たのでしょ、私の友達とも話してみる?
 中学生部会を考えてる連中なんだけど。」
「そうね、詩織の友達なら会ってみたいかも。」
「みんな、雅ちゃんの子育て奮闘記を見てて雅と会いたがってるのよ。」
「もしかして、今まで断っていてくれたとか?」
「うん、雅は人見知りでしょ、お兄さまと出会った時は違ったらしいけど。」
「お兄さまは特別な人だもの、それに周りが優しい人ばかりになって…。」
「雅は猫を被る事が無くなって来た、そして素敵な笑顔が人を魅了してる。」
「えっ、なんか恥ずかしいな。」
「恥ずかしがることではないわ、ねえ、お兄さま、中学生が赤ちゃんと触れ合う企画のテストとして学校の子を集落に招いても良いですか?」
「ああ、姉さん達との調整は?」
「自分で出来ます、そう言う話は前からしてましたから。
 まあ、兄さまも雅の事が心配でしたら同席されても構いまわないですよ。」
「ふふ、詩織ったら友達をお兄さまにも会わせたいのでしょ。
 そんな遠回しにお願いしなくても大丈夫よね、お兄さま。」
「そうだな、中学生部会の話も聞いて置きたいかな、それで何時にする?」
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バトル-123 [高校生バトル-13]

「詩織の事だから男子も連れて来るのかと思っていたのだが、女の子二人とは随分控えめだね。」
「男子にはデリカシーの無い奴もいますからね、今回は二人ぐらいの方が雅も気楽だと思いまして。」
「そっか、おしめの替え方を雅から教えられてる表情が真剣で真面目そうだ、雅ちゃんの子育て奮闘記への出演も了解済なんだよね。」
「はい、子を産み育てると言うことと真剣に向き合ってみたいと話してくれてます。
 あっ、終わりました。」

「どうだった、おしめを替えてみて。」
「三郎お兄さま、おしめを替えるのに、こんなに緊張するとは思って無かったです。」
「涼子、慣れてないとは言え、その緊張が伝わったから泣かれてしまったのよ、真愛ちゃんの心が傷ついて無ければ良いのだけど。」
「はは、そこまで軟弱ではないだろう、そう言う瑠衣ちゃんはどうだったの?」
「雅ちゃんの子育て奮闘記を見て予習をしておきましたので何とか。
 お母さんからは子育ての大変さ知って人生設計を考えなさいって言われてます。」
「大変さは感じられた?」
「はい、友香さんに教えて頂きまして、確かに一人でするとしたら大変です、でも家族で育てると言う形、お婆ちゃんの若い頃は普通だったそうですが、それが理想なのかも知れません。」
「うん、うちは兄と歳が離れてるでしょ、僕の子守は兄さん達がしてくれたんだ、物心ついてからもよく遊んでくれてね。
 本の読み聞かせは両親と兄弟の当番制、もうぼんやりとしか覚えてないけど。」
「愛されていたのですね。」
「今もだよ、愛されてる分、妹達を愛してるんだ。」
「い~な~、私もお兄さまに愛されたいです、妹しかいないので。」
「彼氏は?」
「まだですよ~。」
「そうなのです、私達の彼氏は影も形もないのに子育てを学んでいるのです。」
「涼子ちゃん、中学生は学ぶ必要無いと思う?」
「学校でも少しは学習するみたいです、でも、今日みたいに赤ちゃんと触れ合える訳では無さそうで。
 私達はもっと大人になった時に必要なことを学ぶべきですよね。
 うちの父は私が中学生になってから、高校生バトルで皆さんが主張されていた事を話してくれる様になりまして、それを詩織達とも話し合ったりしてるのですよ。」
「お父さんと仲が良いんだ。」
「多分ですけど、私の反抗期を乗り越えやすくしようと言う父の作戦なのだと思います、お兄さまは、反抗期、どうでしたか?」
「そうだな、論理的に理解はしてたから、猫を被って表に出さない様にはしてた、でも、うちの両親は兄達で経験済みだから、こっちが反抗したくなる様な言動はしなかったんだ。
 一応反抗期になったみたいだとは伝えたけど、日常生活の変化は少なかったかな。」
「へ~、私はまだ良く分からなくて、その話は父にもしてみます。」
「対話の有る親子なら安心だと思う、素敵なお父さんなのだろ?」
「はは、市長さんほどのイケメンでは有りませんが娘には甘いのですよ。」
「中学生部会の話はお父さんともしてる?」
「はい、人数は少なくても高校生になった時のスタッフは必要だからと、父は市会議員を意識し始めていましてね、市長さんと春子さんみたいな関係を私ともと思い描いてる節が有るのです。」
「涼子ちゃん的にはどうなの?」
「全然解りませ~ん、でも詩織達と一緒に部活感覚で中学生部会を始めるのは悪く無いと思っています、市政について学習したり高校生部会のお手伝いからになると思うのですが。」
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バトル-124 [高校生バトル-13]

「中学生部会として考えていることは有るのかな。」
「はい、児童公園の清掃をしてからみんなで遊ぼうと言う秋からの企画は中学生でも参加し易いと思うのです、お掃除もチーム分けしてのゲーム感覚バトルになるのですよね?」
「うん、小学生から大学生、大人まで、色んな年代の人が一緒にね、子どもが普段接する人は限られているけど、いじめの問題だって身近に相談出来る人が居れば深刻にはならないと言うことも意識していてさ。」
「いじめか…、私達の周りは詩織に引っ張られて、いじめとかは考えられないのですよ。
 雅ちゃんが辛い思いをしたことも教えて貰いまして…。」
「そっか、どう、歳の違う色々な人と接することは視野を広げることにも繋がるって…、そんな感覚は分かるかな?」
「分かりますよ、今日はゼロ歳児と向き合って色々考えさせられましたもの、雅ちゃんや友香さんからも教えて貰いましたし。
 私の周りには子育て中のお母さんも、赤ちゃんの世話をしてる子もいませんからね。」
「お兄さま、大家族と言うのを意識していると友香さんが話してましたが、お兄さまも大家族は良いと考えているのですか?」
「勿論だよ、子育てを協力し合うことで仲良し家族がもっと仲良くなってる。
 何か有っても直ぐに頼れる人が近所に何人もいるから安心なんだ。
 ねえ、昔は今より家族や地域で協力し合っていたと言う話は聞いた事ないかな、村落共同体とか。」
「そんらくって村のことですか?」
「うん、昔は、地域の事を役所がやってくれてた訳では無いだろ。
 特に田舎では村人同士が力を合わせて行かないと生活が成り立たなかったんだ、田畑の水や道の管理とかね、だから運命共同体とも言える。
 悪くない共同体なのだけど、少し考え方の違う人は村八分と言って仲間外れにされる事があったのは欠点かな。」
「社会の時間に、いじめ問題を絡めて聞いた事があります。」
「それが、世の中の変化で役所が公共事業を担う様になり、若い人は収入の良い職を求めて村を離れ、どんどん変わって行った、ここらは田舎だから近所付き合いも残ってるけど、都会だと隣に住んでる人の名前さえ知らないと言う事も普通に有るそうだよ。
 つまり、同じ町の同じマンションに住んでいても全く繋がりが無いんだ。
 それでも生活に困らない社会、一見問題は無さそうだけどね。」
「でも、問題は有るのですね。」
「個人としては豊かになったかもだけど、社会としては貧富の差が開き望ましく無い状態でさ。
 シングルマザーの中には一人で苦労してる人もいるんだ。」
「貧富の差が広がったのは政治にも問題が有ったとお父さんが話してました。」
「ああ、僕も調べてみたのだけど、企業の人件費を減らしたいと言う思いを政府が後押しした結果、正社員ではない人が増え、若くても収入が少なくて結婚や出産を諦めざるを得ない人が増えた、そして、子育ての大変さからか少子化が進んだみたいだね。」
「はい、結婚して子どもを二人産み育ててれば人口が減らないのだけど、そうはなってないです。」
「そんな事も有って、僕らは社会を見直しているんだ。
 児童公園の清掃に向けて調査したのだけど、近所の住人が自主的に掃除をしてくれてて綺麗な公園と、たまに市が手入れするだけの公園とで大きな差が有り、利用のされ方も違うみたいでね。
 つまり住民の意識にも差が有るのさ。」
「あっ、うちのお婆ちゃんは公園の掃除を良くしてます、適度な運動になるとかで。
 それで散歩に来る人からの頂き物が有ったり…、確かに草が生い茂ってる公園も有りますね。」
「どの公園も自分達の公園だと、まず子ども達に思って貰い高校生とも触れ合う機会に、掃除はその切っ掛けにと考えていて、子ども達に掃除をさせると言うのは目的ではないんだ。」
「遊んでばかりで掃除をしない子でも参加して良いと言う事ですか?」
「構わないが、そんな子は仲間外れ、村八分になるかもな、それがいじめに繋がるのは問題だがその為に高校生や大人の目が有る、子ども達を社会で育てるって言うのはそう言う事なんだよ。」
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バトル-125 [高校生バトル-13]

「話が少し難しかったかな?」
「そんな事無いです、私は父に教えて貰っていますので、もっと人の繋がりを強くして行くことで、災害時に協力し合えるという事も想定しているのですよね。」
「うん、それも有るけど、話し始めたら長くなってしまう色々な思惑が有ってね。
 そろそろ、おやつにしても良いんじゃないか。」
「そうね涼子からの差し入れを頂き…、あっ、雅ちゃん有難う。」
「どう、僕の妹は気が利くでしょ。」
「はい、私も見習いたいです。
 父は学校の学習より大切な事は幾らでも有ると、高校生バトル運営の主張には大賛成なのですよ。
 だから私、テストの点で怒られたことないんです。」
「ふふ、何時も高得点だからでしょ、涼子は。」
「ううん、自分でも不本意な点の時も有るのよ、自分が許せないミスとかも。」
「そう考えてる人にテストの点数で怒る親はいないよ。」
「いえいえ、居るんですよ、心の狭い親が、だから中学生部会では大人に向けても、お兄さま達の主張を伝えて行きたいのです。」
「お兄さま、木村君のお母さんは難しい人でね、中学になってテストの平均点がぐっと下がってる事が分かってないみたいなの、小学校のテストは真面目にやってれば簡単に百点を取れるレベルだったけど、中学は違うでしょ。」
「そう言う人も居るんだ、中学の先生が説明してくれれば良いのにね。」
「それが、先生の話を聞く様な人ではなく、うちのお母さんは少し病んでいるのかもって話してまして、それなりに有名な人なのです。」
「瑠衣ちゃん、それが本当なら大学生と相談になるのだけど、一度その木村君の話を大学生に聞いて貰うって出来ないかな?」
「連絡は…、詩織はメアドとか知ってる?」
「う~ん、そもそもスマホとか持って無さそうじゃない?」
「夏休みだから、次に会うのは登校日、私はどこに住んでるのかさえ知らないわ。」
「右に同じく、お兄さま、早い方が良いのですか?」
「そうだな、大学生は試験期間だから、登校日で問題無いよ、時間を掛けても良い方向へ持って行けるか難しそうだし。」
「大学生の研究対象?」
「そうなるのかな、今聞いた話だけでも、木村君の成長に対してお母さんの存在がマイナスに成りそうでしょ。
 高校生が出しゃばれる話では無いが、病んでる人でも市民なのだからと言う話をしてる人が居てね。」
「誰もが幸せに暮らせる町、その誰もがには木村君やそのお母さんも含まれているのですね。」
「うん、とても難しいことだけど、うちの市長の目標だからな。」
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バトル-126 [高校生バトル-13]

「市長さんは、市で出来る改革を一つずつ進めて行くと話されながら、市民に対して協力をお願いをされたのですよね。」
「うん、まず家族、そして親戚、遠縁の人も含めて手助けを必要としてる人に手を差し伸べ、その延長で町中の弱者に気配りを、勿論強制ではなくお願いなのだけど、真面目に考えて下さる方が大勢いて心強いと話してた。
 公園の掃除をして下さってる方は、お願いする前から地域の為に働いて下さっていたのだけどね。」
「でも、お婆ちゃんは市長さんのお話を聞いてから自分達の町なんだと言う気持ちが強くなったと話してました。
 因みにうちのお婆ちゃん、三郎お兄さまの事を弟だと言ってるのですよ、普通は孫ですよね。」
「はは、問題無いよ、人類皆兄弟で良いじゃないか。」
「兄弟と言えば、皆さんの義兄弟姉妹と言うのは普通の兄弟とは違うのですか?」
「法律的には親戚でさえない人とも兄弟以上の関係になってるからね、詩織も僕の可愛い妹なんだ。
 まあ、兄弟以上と言うより兄弟同然と言った方が正しいのかな。」
「長兄であるお兄さまが一声掛ければ、義兄弟姉妹の関係者も含め多くの人が動くのですよね。」
「それは…、市長の考えに沿って大勢の人達が動いて下さってるけど、僕は名前だけの長兄、会社でも名前だけの会長だからね。」
「そんな事無いですよ、お父さんは自分達のリーダーなのだからって、私達が義兄弟姉妹に加えて頂いた時にはお兄さまの事を褒めちぎっていたのですよ。」
「佐伯さんは大袈裟なんだ、詩織は普通の兄と妹だと思っててくれれば良いからね。」
「私も…、義兄弟姉妹の一員にと言うのは恐れ多いと言うかご迷惑でしょうが、妹の一人にして欲しいです。」
「はは、今日はずっとお兄さまと呼ばれてるけど。」
「駄目ですか?」
「兄として大した事はして上げられないよ。」
「何をして貰うでなく気持ちの問題なのです、クラスの子にはアイドルに夢中な子もいますが私にとってお兄さまはアイドルを遥かに超える存在なのですから。」
「私も、妹にして下さい。」
「う~ん、私より先に妹となった雅はどう思う?」
「ふふ、詩織、中学生部会より先に妹…、妹軍団、ちょっと違うか…、チーム妹とか結成する?」
「そうね、お兄さま、今日は二人だけですが、他にもお兄さまに憧れてる子はいまして、私としては保育所が開設されたら、みんなでお手伝いをさせて貰いながら学ばせて貰うと言う事も考えていたのです。
 男子の場合は、知らない男の子におしめを替えて貰うことに抵抗を感じるお母さんがいるかも知れないので、少し違う形ですが。
 真子姉さまに迷惑を掛けない様にしますからファンクラブと考えて、でも、ちゃんと涼子と瑠衣も妹だと思って欲しいのです。」
「僕の妹は多く成るのかな?」
「中学生女子がお兄さまのお役に立てる企画があれば直ぐに何十人かは集められます、合唱部の先輩に声を掛ければもっと、ね、涼子。」
「練習の合間でもお兄さまの話題になるのですよ、パートリーダーの先輩なんて、雅ちゃんの子育て奮闘記を欠かさずチェックしてるのはお兄さまの登場シーンを見逃さない為だと話してまして、今日のことを伝えて良いものか微妙なのですよ、嫉まれそうで。」
「そのパートリーダーも妹に?」
「合唱部の部員は全員皆さんのミュージカルを見てますので、恐らくほとんどの女子部員は妹に成りたいと、お兄さまは気軽に会える存在では無くても、同じ町に住んでるアイドルなのですから。」
「詩織が企んでるのは保育所の事だけ?」
「中学生部会を考える中で色々と…、そうですね合唱部の目標にミュージカルへの参加を加えるとか、魅力的な町にして行くには市民の魅力も高めて行く必要が有るじゃないですか。
 お兄さまの妹チームが出来たら、お兄さまと一緒にみんなでこの町を盛り上げて行きたいです。」
「町中の男子に嫉まれそうだけど。」
「お兄さまには真子姉さまがいるから良いのですよ、あくまでもアイドルに対する憧れで有って彼氏とか恋人とは違う存在なのです。」
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バトル-127 [高校生バトル-13]

「中学生部会の立ち上げ前に、その準備組織としてチームを組んでみるのは良いかもな。
 活動内容にもよるけど、立ち上げの資金ぐらいは出せる、事務的な事は高校生や大学生のスタッフに手伝って貰おう。」
「お兄さま、やはりYouTubeにチャンネルを開設しますか?」
「そうだね、出たくない子もいるだろうから、出演の強制は無しだよ。」
「チームを組んでミュージカルへの参加と言うのはどうでしょう?」
「瑠衣ちゃん、英語の歌で、それなりのレベルが要求されるけど大丈夫かな。」
「聴いて下さる人数が桁違いに多いのですものね、可能なら一切妥協しないで取り組みます。」
「チャンネルが増えてるからキャストも増やして行く方針でね、真剣に取り組んでくれるのなら大丈夫だけど、ギャラやレベルの問題が有り小編成になる、ソロを歌える子はどう?」
「滝山先輩かな…。」
「瑠衣もでしょ、一度お兄さまに聴いて頂いたら?」
「えっ?」
「そうね、瑠衣の歌に真愛ちゃんと光くんがどんな反応をするのか見たいかも。」
「アカペラでってこと?」
「練習してる曲が有るのなら僕も聴きたいな。」
「お兄さま達のミュージカルに憧れて歌い込んでいる曲は有ります…、でも真愛ちゃん達に泣かれてしまったらどうしましょう。」
「じゃあ、泣くまで歌うってどう、泣かなかったら最後まで。」
「瑠衣、お兄さまと真愛ちゃん達に聴いて貰おう、がんば!」
「う、うん、お兄さま下手でも笑わないで下さいね。」
「出だしのキーは大丈夫?」
「ええ….。

 Somewhere over the rainbow ♪
 Way up high ♪
 There’s a land that I heard of… ♪」

「瑠衣ちゃん凄く良かった、本格的に練習してるのだね。」
「きちんとしたレッスンを受け始めたのは中学になってからで、まだまだです。
 お兄さまに憧れ、英語の曲を歌いたくて始めたのですが、まだレパートリーが少なくて。」
「これだけ歌えるのなら、僕らのミュージカルに参加して欲しい、涼子ちゃんはどうなの?」
「私はまだ全然です、発声とか難しくて瑠衣みたいには歌えません。」
「合唱部の指導は?」
「先生はあまり熱心ではなくて、先輩に教えて貰ってます、力の有る先生はうちみたいな弱小合唱部に興味が無いとか…。」
「ふむ、僕も真子も合唱部には関わって無かったから良く分からないけど…、君たち三人は合唱部の部員として不満が有るのかな?」
「はい、合唱コンクールで金賞を取った中学と私達の部ではレベルが違い過ぎまして。」
「では、中学の合唱部を乗っ取るのと、別で立ち上げるのと、どっちが良い?」
「どういう事ですか?」
「こちらで手配して合唱部に指導者を送り込むか、新たな合唱団を立ち上げるか、両方と言うのは指導者の問題が有るかな。」
「え~っと…、目標をどこに置いてどの程度のレベルを目指すとか…。」
「そうね、ただ楽しむのか、少しぐらい厳しくても上を目指すのか、合唱部の中でも考えが分かれてるみたいなのです。
 滝山先輩は上を目指したくて基礎練習を重視したいのですが、それだと部員が減りそうで。」
「こちらとしては中学の合唱部がどうなろうと構わないんだ、合唱コンクールにも興味は無い。
 ただ、ミュージカルや市民祭で、素敵な歌声を披露してくれる合唱団が有ったら精一杯応援するってとこかな、合唱は吹奏楽部と違って楽器にお金を掛ける必要が無いから費用も軽く済むだろ。」
「ねえお兄さま、保育所にはピアノを置くのですよね。」
「うん、多目的ホールに…、そこを合唱団の練習場にするとか?」
「詩織、私達の歌声を聴いてちっちゃい子達が泣き出さないかしら?」
「大丈夫よね、雅?」
「涼子さん、私達、子守しながら歌ってるのですよ。
 上を目指すなら赤ちゃんが泣き出すような歌では駄目ですよね。」
「子守歌替わりとか?」
「子守歌の真逆、安眠を妨害する様な歌にも反応してくれる様になりましてね、さっきの瑠衣さんの歌、二人とも好きみたいでしたよ。」
「雅ちゃんには、そんなことも分かるの?」
「はい、勿論です。」
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バトル-128 [高校生バトル-13]

「お兄さま、先日の話しですが、滝山先輩は合唱部をやめてプロレベルを目指す合唱団に参加したい、また、チーム妹を結成するのなら、その一員に成りたいそうです。」
「じゃあ合唱団を作ろう、指導をお願いする先生には合唱部の指導では無く、プロを目指す合唱団指導になったと伝えておくよ。」
「その違い…、先生にとってはどうなのですか?」
「楽になったと言うことさ、向上心の無い人は切り捨てれば良い、中学の部活だとそうは行かないだろ。」
「うっ、厳しそうだ…。」
「プロを目指すのだからね、中学生が立ち上げる合唱団がどう成長して行くのかも公開して行くが、実力の無い人は舞台には立てない、人が揃わなかったら合唱では無く滝山さんと瑠衣ちゃんのデュエットやソロでも良いんだ、YouTubeと言えどギャラが発生するプロの仕事だからね。
 因みに、僕たちのミュージカルは大きく編集し直してテレビ放送と言う話が進み始め、YouTubeでの数話分を一本にまとめて海外のテレビ局にも売り込んで行く、増える収入で更にパワーアップだね。」
「異例のヒットだからテレビでも…、その勝因は?」
「徹底的に質を追い求めたからだよ、YouTubeだから簡単に作ってとは一切考えて無い、それなりにお金を掛けて撮影して来た結果なんだ。
 初期投資をケチらずにした結果、その初期投資が千倍以上になって返って来てる、始めは少し費用を掛け過ぎかとも思ったけど、チャンネル登録者は増え続けてるだろ。
 日本を紹介する映像や話を入れてるのも海外で受けてる一因みたいだね。」
「予算が充分有るから更に質を追い求める事が可能ってことですか?」
「そう言うこと、小道具として自社の製品を使って欲しいと言う話も増え、別口の収入も伸びているんだ。
 イギリス発祥のお菓子が日本でも人気だと言うことが、うちの映像を通してイギリスでも知られ、それを切っ掛けにイギリスでの売り上げが伸びたと言うことも有ってね。」
「お金の心配は要らないってことですね。」
「うん、詩織にとっては…、メインチャンネルで詩織と雅の歌や英語のレッスン風景を紹介してるが、そこから合唱団のオーデションに合格するストーリーになるか不合格の話になるかが心配じゃないの。」
「ですよね…。
 今は雅に負け気味ですが何とか、えっと…、一軍と二軍みたいな形になるのですか?」
「うん、妹達の熾烈な争いを見る事になるのかも。」
「歌ではライバルでも、お兄さまの妹しては協力し合える関係にしたいです、どうなるかは始めてみないと分かりませんが。」
「うん、どれだけ歌が上手くても人間性に問題が有ったら認めない、そんな人は不祥事を起こしかねないからね。
 一応、こちらがギャラを払って歌って貰うAクラス、ギャラは出ないがイベントでは舞台に立つことも有るBクラス、全員歌唱指導を受けて貰うけど、その費用が個人負担となるCクラスも考えてる、ただ家庭の事情を考慮し、Cクラスでもやる気が有れば個人負担を免除すると言った形を想定してるのだけど、どうかな?」
「良いと思います、合唱部の先輩でもBクラスに入れそうに無い人が何人かいまして、滝山先輩は二年生ながら全体の指導を任されてやりにくそうだったのですよ、同学年だけで無く三年生もいますので。」
「ストレスを感じてたのだろうね。」
「はい、歌の個人レッスンを受けて来たとは言っても、教えるのは難しいと思います。」
「彼女の…、新しい合唱団での立ち位置は相談だけど、歌に関する指導は高校生や大学生にも手伝って貰えると思う、場合によっては中学生から大学生での混声合唱団をAクラスのみの小編成、Bクラス中心の大編成でと言う話も出ててね。」
「えっ…、楽しみな様な…、私にはCクラスが待っていそうな…。」
「そこは心配ない、今の詩織をBクラス標準と想定して話を進めてる、ミュージカルではAクラス入りを目指して頑張ってると言う役どころとか、どう?」
「英語も歌も、今の有りのままの姿で出演と、春子姉さまから聞いていましたので問題無いです。」
「英語はどう?」
「まだ、覚えてる単語が少ないと自覚して励んでます。
 発声も、英語は歌う様に響かせると言うことが解り掛けて来たところで。」
「僕には英語で話し掛けてくれても良いんだよ。」
「はい、でも…、お兄さまとは知ってる英単語だけで話せる様な中身の薄い話はしたくなくて、涼子達や雅とは少しインチキしながら英語で話したりしてるのですが。」
「うん、英語は使わなくては身に付かないからインチキで良いんだよ。
 なあ、雅は時々真愛ちゃん達に英語で話し掛けているのだが、どう思う?」
「雅は日本語と英語、両方聴いて育つハーフの子もいるのだからと話してましたね。
 遺伝的には頭の良い子に育つ確率が高そうですから良いのではないですか。」
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バトル-129 [高校生バトル-13]

「遺伝的にか…、詩織、最近一つの仮説を立てていてね。」
「仮説ですか。」
「将棋の藤井聡太さんは『考えすぎて、頭が割れそう』と幼稚園のときに言っていたそうだが、同じ年頃に雅は新しい父の事で凄く考えてたと言う、詩織も知育玩具にハマり考えながら遊んでたと佐伯さんから聞いていてね、幼少期に沢山考えた経験が知能の発達に大きく関わってるのではないかと思ってるんだ。」
「普通に考えたら、当たり前のことでは無いですか?」
「まあね、でも暗記との因果関係も考えていてさ。
 考えることと記憶することは、どちらも頭を使うが違う作業だろ。」
「そうですね、脳の使い方は全く違っていそうです。」
「今の学校教育は記憶に偏ってる気がしてね、学習塾の弊害かも知れないけど、高校入試に向けての数学でさえ、問題の解き方を沢山覚えてクリアするとか、つまり考えるのでは無く暗記することで高得点を目指す、勿論、そんな学習法は高校生になり学年が上がるにつれて通用しなくなるのだけどね。」
「はは、数学は自分で考えて答えを出すから面白いのに。」
「詩織は幼児期の経験が生きているから考えることが好きになったのかもな。」
「う~ん、考えたこと無かった…、でも面白い玩具が有って、今でもたまに遊んでるのですよ。」
「うん、佐伯さんに聞いたよ、実は僕も同じのをね、真愛ちゃん達にはまだ早過ぎるけど叔父からのプレゼントとして注文して有るんだ。」
「いくら何でも早過ぎでしょ。」
「なに、姉さん達も興味を持ってるから育児の合間に遊んで貰えればとも思ってね。」
「そっか、姉さま方ならちょっとした息抜きになるかも。
 お兄さまの仮説は幼児期限定なのですか?」
「まあな、考える力がどう伸びて行くのかはデータを取りにくいし個人差も大きそうだろ、論文のテーマにはしにくいと思って、仮説止まりなんだ。
 真愛ちゃん達の成長を通して少しは確認してみるつもりだけど、二人の内どちらかを力が伸びないであろう環境に置く訳には行かないからね。
 人の能力は遺伝と成長過程の環境に左右されるのだけど単純な話では無いだろ。」
「遺伝の部分もですか?」
「うん、能力の高い親は、子の教育に適した環境を整えることが可能だと思わないか?」
「あっ、そうか…、そう考えると遺伝による能力か環境によって得られた能力なのかは分からない。
 それなら…、遺伝的に劣ると思われる子に高度な教育を施してみるとかはどうです?」
「そうだな、可能なら試してみたい気もするが親の存在は大きいだろ。
 教育を始める前の段階で、環境による差がついてしまうかも、効果の程は分からないが胎教とかも…、胎教って知ってる?」
「ええ、お姉さま方もお腹の子に音楽を聴かせるとか、生まれる前の環境…、あっ、親の食生活とか飲酒喫煙とかも影響するのかな…。」
「それと高度な教育と言っても、幼児向けの早期教育はメリット、デメリットの検証が難しいみたいでね。」
「そう言えば、姉さま方は読み聞かせを中心にと話してましたね、特別な早期教育は考えてないと言うことでしょうか。」
「うん、例えば九九を五歳で覚えたら凄いかと言うと、小学生になったらみんなが覚えるだろ、単に早く覚えたと言うだけでメリットは無い、でも、その暗記に脳を使うことで能力が伸びてるのならメリットが有ったと言える。
 ただ、暗記が出来ても考える力はそれ程でも無い子がいるじゃないか、暗記すれば点が取れる教科に強くても数学の様な論理的に考えることは苦手とか。」
「私は人より早く九九を覚えたりしなかったけど、数学得意なのはお父さんからの遺伝だと思ってた。
 でも遺伝と環境の割合がどうなのかは、簡単に判断出来ることではないのですね。」
「そう言うこと、まあ、詩織ちゃんがお父さん似と言うことは遺伝が関係してるのだろうけどな。」
「よく言われます。」
「目元とかね、でも、癖が似てるのは遺伝とは関係ないかも。」
「え~、癖とか意識してませんでした、どんな癖です?」
「まあ、微笑ましいことだから気にしなくて良いよ。」
「も~、気になるじゃないですか~!
 教えて下さいよ~。」
「はは。」



出典
 藤井聡太棋士に関して
  https://book.mynavi.jp/shogi/detail/id=66116
 まだ数々の記録を塗り替える前、中学生棋士としてプロ入りしたばかりの頃の記事です。
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バトル-130 [高校生バトル-13]

「なあ、三郎達が進めてる中学生の合唱団はどうなった?」
「うん、合唱部からの入団希望者と会って歌を聴かせて貰ったりしたよ。
 次郎兄さんも納得出来そうな即戦力は二人、彼女達にはミュージカルの新シーズンに出演して貰う方向で調整を始めて貰ってる。
 一年生の子は曲を仕上げるのに少し時間が掛りそうだけど、二年生は大丈夫みたい、曲が決まればそれに集中したいから学校の部活は辞めると話してた。
 合唱団の人数は少ないから練習はうちでやるよ、一般募集をして人数が増えたら市の施設を借りるつもりだけど、授業後の時間帯なら余裕が有るみたいでね。」
「キャストが増えれば三郎達の負担を減らせるのかな。」
「そうだね、でも、その分アップする回数を増やしたいとも思っていてさ、お金の使い道は幾らでも有るでしょ。」
「まあそうだが、その子たちはプロ志望なのか?」
「二年生はね、一年生は学業優先のセミプロでの活動をイメージしてる、でも歌に対する強い想いは二人とも同じだよ。」
「それなら、ユニットとして売り出すことも考えるか。」
「うん、中学生の女子だけでチームを誕生させる話も進んでるからね。
 支部の中学生部会立ち上げに向けて、その核になって貰えたらと思ってるんだ。」
「秋の市民祭でダンスを披露とかはどうだ?」
「そっちの取りまとめは詩織が話を付けてくれた二年生が進めてくれることになってね、明日までに夏休みの課題を終わらせて、明後日から色々と動く話になってる。
 ダンスのことは相談してみるよ。」
「市民祭は今までに無かった規模にしたいと盛り上がってるが、中学生が加わればもっと盛り上がると思うんだ、歌でもダンスでも良い、下手過ぎなければね。」
「大学生部会が仕切るホールイベントと高校生部会中心の屋外イベントの両方に参加して貰う?」
「ああ、余裕があったら路上ライブも有りだな、商店とのタイアップを考えれば衣装代とかを捻出出来るかも、予算に余裕は有るが、自分達の企画で費用を確保出来れば彼女達の自信に繋がると思わないか。」
「そうだね、親に負担を掛けさせたくないし、その方向で考えてみるよ。
 費用は一旦こちらで出し、収入が有ればそれで補填と言う形でも良いかな。」
「ああ、三郎関係の予算を上手く使ってくれ、一応タイアップに乗ってくれそうな商店のリストは後で送って貰うが、担当スタッフとも相談してくれな。」
「おっけい、中二のリーダーは親とも相談した上で、夏休みを使って学校では体験出来ないチーム作りに励んでみると話してくれててね。
 高校生部会からのサポートも検討して貰っていて、秋の市民祭を明確な目標と出来れば一気に動き始められると思う。
 早目にチームメンバー募集まで漕ぎつけて貰うよ。」
「チーム名とかは決まってるのか?」
「チーム妹、が仮の名だけど…。」
「はは、三郎の妹なのか?」
「詩織たちはそのつもりみたいだけど、まあ、僕がみんなの弟なのだから適当に胡麻化すよ。」
「う~ん、チームとして公募したら百人どころでは済まないかもな、中学生限定だとしても。」
「人数が多くなりそうなら、高校生に動いて貰うつもりなんだ、女子中学生相手だから男子生徒中心にスタッフや裏方をやりたがる人は多いと思ってね。」
「いい加減な男子は排除しろよ。」
「うん、高校生部会は市民祭に向けての準備を早くにスタートしてたでしょ。
 今までの情報で誰が信頼出来るかは分かってるからね、スタッフの中には今出来る準備作業をほぼ終えたと言う人もいるんだ。」
「公園清掃スタッフとかと重なってないのか?」
「複数の企画に参加してる人もいるけど、管理責任の有る仕事は一つで後は手伝いなんだ。
 当初考えてたより大勢参加してくれたおかげで、一人当たりの負担が少なくなり、予定してなかった作業も喜んでやってるとか、野郎連中は女子の目が有り、つい張り切ってしまうそうだよ。
 女子は女子で女子力をアピールとか、共に働くことで仲間意識が強まったと聞いてる。」
「朝の涼しい内が中心と言っても暑くて大変そうだがな。」
「熱中症に気を付けながら良い汗をかいてるってさ、作業の後は体育館のシャワーを借りてから遊んだり学習に取り組んだり、高校生部会として政治について学んだり、部活をやってない連中も充実した夏休みなってると話してくれたよ」
「そうか、高校生部会は思ってた以上に盛り上がってるのだな。」
「うん、大人達の方はどうなの?」
「居酒屋での飲み会なのか会議なのかは分からないが、市民祭で如何に稼ぐかで盛り上がってるそうだ。
 うちのYouTube効果で観光客が増えてるだろ、売り上げが伸びて喜んでいる所は、祭りでも稼いで党に貢献したいとね。」
「党支部の予算も市議会議員選挙までには余裕を持たせたいよね、全議席数分の候補者を立てるのでしょ。」
「ああ、余裕の有る自営業者中心に名乗りを上げてくれる人が増えてね、当選後最初の仕事は議員定数削減になるのだけど。」
「当選したら次回は自分たちの誰かが落選か出馬を取りやめると言う前提なんだね。」
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