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高校生バトル-01 ブログトップ

バトル-01 [高校生バトル-01]

「哲平のお話しに出て来た、学習教科内容によるゲーム感覚のバトルって現実的には微妙よね。」
「そうかな、面白いと思うのだが、システムは今の技術なら簡単に構築出来るだろ。」
「システムが良く分からないのだけど。」
「簡単に言えば試験問題を解いて行く過程を第三者がモニターを通して見られる状態、その画面上にそこまでの正解数や得点が表示され、画面を切り替えながら解説者が説明して行く。
 レベル別で開催するが、それぞれに難問を入れ百点が取りにくい問題とする。
 複数の参加者が得点を競い合うが、同点だった場合は終了宣言を早く出した人が勝ち。
 回答はパソコンのマウスとキーボードを使って入力。
 記述問題は選ばれた視聴者が誰の回答か分からない状態で採点し、その平均が得点。」
「問題の作成が難しいでしょ、大学入試問題でも作成に苦労してるという話を聞いたのだけど。」
「それは有るだろうな、過去問ばかりでは…。
 単に暗記力だけが問われる問題は極力排除とイメージはしてるけど、実際にバトルの回数が増えて行くと問題作りが問題になって行くのかな。」
「問題はそれだけ?」
「そう言われると…、でも、応援している人が問題を解く姿をワクワクドキドキしながら問題を見ながら解説付きで観戦しているだけでも、学力向上に繋がると思わないか。
 ポイントは記述問題で如何に自分の考えをまとめ切れるか、だな。
 バトル終了後には、解説者からのアドバイス、視聴者がそのバトルの内容、例えば三角関数なら、測量などで実際に利用されて来たと言ったことを含め、何故三角関数を学ぶのかを説明すれば、単に頭のトレーニングだけでは無いと理解出来る生徒はそれなりにいるだろう。」
「単なるバトルと言うのではなく、バトルの実況が一つの授業にもなると言うことなの?」
「ああ、勿論バトルだけで学習が成り立つ訳ではないが、クイズ番組で盛り上がる様な感覚で学習と向き合えたら楽しくないか。」
「そうね、でもさすがに大規模と言うのは無理が有るでしょ。」
「そうだな…、せいぜい代表者によるバトルか…、それでもオンラインなら全国どこの学校からでも参加出来る、参加者だけでなく視聴者の為にもなるのだから、文部科学省をスポンサーにしてだな…。
 まずは数学、理科から始めて、国語や英語も、英語は英検やTOEICの形式を取り入れて、選手は結果によって英語検定何級とかを認めて…、数学とかでも公式戦の場合は数学検定何級とかを獲得出来るとすれば、選手の励みになるね。」
「出場までに予選をするの?」
「予選から勝ち残って行くというスタイルは良いかも。
 範囲を絞って戦って行けば、その録画を学習補助データベースとして活用して行く事も可能だな。」
「う~ん、何となくは分かったけど…。」
「では…。」
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バトル-02 [高校生バトル-01]

「高校生数学バトル~!
 全国の高校生の皆さん、高校生バトルファンの皆さん、お待たせしました。
 いよいよ数学バトルA級決勝大会の開幕です。
 解説は馬田大学教育学部の鹿田但夫教授、実況は私、蝶田花男でお送りします。
 鹿田先生、ついに高校生数学バトルの頂点を決める日がやって来ましたね。」
「はい、B級やC級以下の決勝バトルも見ものでしたが、何と言っても問題のレベルが違いますので楽しみです。」
「では、試合開始に先立ちまして、高校生数学バトルの仕組みを改めて紹介させて頂きます。
 参加資格は高校生以下の児童生徒、各種予選大会を経て様々な決勝大会が繰り広げられて来ました。
 先生、随分バラエティーに富んだ大会が行われて来ましたがその意図はどの様な事だったのでしょう。」
「そうですね、より多くの人に参加して頂けるように企画した訳ですが、各決勝大会の映像がそのまま学習教材としても役に立つ事を意識しています。」
「それでは少しずつ、まずは総合A級~総合C級ですが。」
「総合クラスはそのまま大学入試を意識した内容で戦って貰って来ました。
 A級は偏差値の高い国立大学を基準に、B級は名門私立を意識し、C級は学生数の多い人気私大レベルと考えて下さい。
 どれも大学入試の範囲になりますので、基本的には高校三年生で入試に向けての準備が進んでいる人がメインの対象となっています。
 皆さんご存じの通り、B級C級の決勝大会には小学生中学生も進み皆さんの応援を受けていましたが、A級の決勝では高校二年生の三人以外は高校三年年生という勝負になっています。
 単元クラスD級は、三角関数、微分積分など単元別問題をそれぞれ上級中級下級と言った形に分け予選と決勝大会を開きました。」
「高校内容ですが各単元の下級には中学生の参加が多かったですね。」
「ええ、次回は中級や上級でも中学生の参加が見られるかも知れません。
 チャレンジクラスE級F級は数学が苦手な人達向けのバトル、中学生以下の参加を認めず一次予選の結果で実力の近い人毎に分けられ二次予選、決勝大会と進め、そのチャレンジの様子を分かり易い解説付きで展開して来た事で、視聴者の方からも数学が分かる様になったという声が届いています。」
「先生、学力的には劣る人にも機会の場を設けた訳ですが、それは企画当初から考えていた事なのでしょうか。」
「はい、学校の授業とは違う学習の場としても、この数学バトルは意義の有る活動だと考えています。」
「我々はモニター越しに選手が回答を進めて行く様を見て来た訳ですが、ドラマも有りましたね。」
「最後の見直しで誤りに気付きギリギリで逆転、時間勝負を意識し過ぎてのミス、選手達は上位選手の現時点での得点のみが知らされ、そこでの自己判断が勝敗を左右する事も有り、孤独な闘いをどう制するか、ここまで白熱したバトルが多く見られました。」
「今回は総合A級という事ですが、見どころはどこでしょう。」
「何と言っても難問にどう立ち向かうか、それと記述問題ですね、そこで本当の実力が問われます。」
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バトル-03 [高校生バトル-01]

「では総合クラスA級、百名による頂点を目指したバトルの開始です。
 五、四、三、二、一、スタート。
 鹿田先生始まりましたね。」
「はい、問題の全容確認から始めている人、頭から全力で解き始めている人、様々です。
 A級は一見基礎問題と思える所にも罠が仕掛けられていますので…、おっと早くも36番、68番とミス、焦らず落ち着いて取り組んで欲しいです、見直しで気付いてくれれば良いのですがハイレベルな闘いですのでこれだけでも致命傷になりかねません。」
「選手はマウスとキーボードを使って入力していますが、我々は選手百人が入力しているデータを分析しているAIがピックアップしたデータ情報や回答を見ながら話を進めています。
 では先生、二人が誤答を入力した問題から解説をお願いします。」
「ええ、この問題は…。」

「有難う御座いました、大学入試の数学を忘れ掛けてる私にはすでに難しいです。
 大学としては学生にこのレベルの力を求めていると考えればよろしいのでしょうか?」
「はい、バトルをご覧になってる高校生の方、特に理数系で力を発揮して行きたいと考えている人は最低でも七割は正解して欲しいですね。」
「現時点で選手たちの正答率は九十五パーセントを越えていますが。」
「さすがに予選上位者です、全員が理数系大学を志望していると聞いていますが頼もしいですね。
 ただ、論理的に説明する設問と、最大の難問にはまだ誰も手を付けていませんので、これからが見ものです。」
「文章での説明は証明問題の発展形と考えれば良いのでしょうか。」
「ええ、論理的思考力だけでなく表現力も問われます、自分の考えを正しく伝える能力は重要ですので。」
「採点には二十名のボランティアが参加と聴きましたが。」
「二十名の方にはそれぞれ百人分の回答を採点して貰いますのでそれなりの労力が必要です。
 大変な作業になりますが、大学や企業の関係者が率先して引き受けて下さいました。」
「何かメリットが有るのですか?」
「優秀だと感じた生徒とは懇談の機会を設けます、その席でのスカウト活動はルールに則っていれば問題有りません。」
「なるほど、優秀な生徒を見つけ出すという理由も有るのですね。
 おっと、ここで大きなミス、一気に得点を下げてしまった人が出ましたが、上位陣はノーミスで安定しています。
 では、その上位陣の中から写真公開オーケーで自己アピールをしたい人中心に紹介して行きます。
 54番は宇宙航空研究開発の道に進みたいと言う島根の高校三年生、趣味は将棋、彼女募集中だそうです。
 受験生で彼女募集中とは余裕なのでしょうか。」
「本当に力の有る生徒はレベルの高い大学でも余裕を持って合格します。
 無理をしていませんから高校生生活を楽しんでいますよ。
 逆に実力ギリギリの所を狙ってる人は余裕が無くて、その余裕の無さがマイナスに作用することは少なく有りません。
 無理して上を目指すのか、ワンランク下げて余裕を持つのか、微妙な選択になります。」
「先生はどちらが良いと?」
「難しいですね、結局はケースバイケースです、無理したことで成長する子もいれば潰れる子もいますので、最後は本人のバランス感覚では無いでしょうか。
 ただ、失敗する子は視野が狭いと感じる事が有ります。」
「単に学力では無いと言う事ですか?」
「余裕の有る生徒は広い視野で物事を捉える傾向が有ります。
 学力偏重で、実力以上の結果を求められて育って来た子は、見せかけの学力がそれなりに高くても、大学入学後に力の差を思い知らされる事が有ります、それをプラスに出来れば何の問題も有りませんが、苦労して合格した大学で、その現実を見せつけられて挫折してしまう人もいます。
 入試をクリアするだけで無く、人として成長する事も必要なのですよ。」
「ではこのバトルに参加している人達の中にも、大学で苦労するかも知れない人がいるのですね。」
「それはどの世界にも存在する事です、理想と現実、戦ってる彼らは遊ぶ為に大学に行こうとは思ってないでしょうから、思う様に行かなくても乗り越えて欲しいですね。」
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バトル-04 [高校生バトル-01]

「総合クラスA級はB級までと違って早めに終わる人が居ませんでしたね。」
「記述問題の内容を考えたら時間が足りないぐらいでしょう、見直しをしっかりしていた思いますし。」
「皆さん当然上位を狙ってますものね、記述問題など一部を除いた途中結果ではあまり差が出ていません。」
「さすがに全国の猛者ばかりです、ボランティア採点者の採点結果が待ち遠しいです。」
「最終結果の発表は二週間後を予定していますが、鹿田先生、今日の問題を大学入試に対するアドバイスを加えながら解説して頂けますか。」
「はい、では、一問目から…。」

「先生、有難う御座いました。
 では番組の最後にこれまで寄せられたメッセージを紹介して行きます。
 一人目は北海道のF.F.さん、七十八番、三重からの参加で顔出ししてくれた『伊勢のバスケ野郎』さんの記述問題に感動を覚えたそうです。
 解答は…、これですね…。」
「…、確かにしっかり書けています、読み易くまとめられています。」
「学部は違うけど志望大学は同じだそうで、大学に合格出来たら会ってみたいそうです。」
「はは、なかなかのイケメンですものね。」
「兵庫のS.H.さんは、選手たちが問題を解くスピードに圧倒されたそうです。
 数学は何時も苦労しているそうで。」
「文系の方でしょうか?」
「みたいですね。」
「苦労していても数学の面白さに気付いてゆっくりでも良いですからじっくり取り組んで欲しいです。
 高得点を取る事だけを目指さずに、数学的に論理的に物事を考えることも数学学習が目標としている所です、大学入試だけが学習の目的では有りません。」
「そう言えば総合クラスB級には、大学入学を目指さず、高校卒業後は資格を取りながら起業を目指すという人がいました。
 かなりの好成績で、しっかりした目標が有れば大学へ行かなくとも自立出来そうでしたね。」
「はい、彼には大学へ通うことが無駄に思えたのでしょう。
 彼も言ってましたが、将来必要だと感じたら、それから大学へ通っても良いのです。」
「次は、宮城のN.T.さん、A級選手の皆さん方が将来の夢をしっかり描いている事を羨ましく感じたそうです、ご自身は何となく大学を卒業して就職ぐらいしか考えられていないそうで。」
「そういう人も少なくないでしょう、これからでも遅く有りませんから充実した人生を歩める目標を見つけて欲しいです。」
「ええ、私達高校生バトル運営チームは高校生の皆さんがより充実した生活を送って下さる様、応援しています。
 今回の結果発表や選手インタビューは二週間後に公開予定です。
 また、これまでの単元別バトルの模様などは整理が進んでいますので、学習の補助教材としても利用して頂けたらと思っています。
 今回はA級のバトル、問題と真剣に向かい合う高校生達の姿、楽しんで頂けたでしょうか。
 それでは本日はこれまで、次回のバトルに期待して下さい。」
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バトル-05 [高校生バトル-01]

「高校生国語バトル~!
 高校生バトルファンの皆さんお待たせしました~。
 国語バトルA級決勝大会初日の模様をお伝えします。
 解説は牛田大学文学部の頓田邦彦教授、実況は私、雪山夏子でお送りします。」
「頓田先生、ここまで予選をご覧になられて如何でしたか?」
「そうですね、数学バトルは比較的正解がはっきりした問題が多かったのですが、国語は微妙な所も有りまして、即座に採点出来ない問題が多くなりました。
 しかし、選手の解答を沢山比較出来たのは良かったと思います。
 大学入試問題を意識しながらも、国語力、というものに向き合う問題が多くて面白かったですね。」
「本日はA級の決勝ですが、一つ目の部門は校正推敲バトルです。
 先生、このバトルのポイントはどこでしょうか。」
「与えられた文を校正し推敲しながら、自分の文章として、自分の考えを入れながらまとめて行く作業になります。
 誤字脱字が有り、曖昧な論点、分かりにくい表現で書かれた文章を、自分なりにどう解釈し自分の考えを加味し、まとめて行けるか、また文章のセンスが求められます。」
「今回予選を通過したのは二十三名なのですね。」
「決勝に進む力の有る人が二十三名いたという事です、この人数が多いのか少ないのか分かりませんが、将来文章に関わる仕事に付けそうな人達だと考えて下さい。
 このバトルでは、単純に数値化された採点は出来ませんので、完成した文章を読んで皆さんに投票して頂き順位をつける賞と、特別審査員からの賞という形にさせて頂きます。」
「では、開始の時間となりました。
 五、四、三、二、一、スタート。
 まずは課題文を視聴者の方にも見て頂きましょう…。」

「こ、これは酷い文ですね。」
「頓田先生この文は誰が書いたのですか?」
「かめや何某と聞きましたが…、まあ、今回のバトル課題としては悪く無いのかも知れません。」
「早くも誤字の修正を始めた人がいますね、選手の表情は真剣そのものですが…。」
「誤字が残っていては印象が悪くなります。
 今、六番の人が『聞く』を『聴く』と修正しました、どちらでも良さそうですが、この場面では『聴く』の方が一般的です。」
「あっ、十三番の選手が『メーン』を『メイン』に修正しましたね。」
「これは微妙で選手の間でも判断が分かれると思います。」
「新聞などでは『メーンスタジアム』と表記されますが、口語的には『メインスタジアム』の方がしっくり来ますものね。
 この辺りは文章の評価に影響するのでしょうか?」
「大きく影響することは無いと思いますが…、私も十三番の方と同じく『メイン』とします、日本語の話し言葉として定着していますので。」
「それでも、新聞社とかで働く事を考えたら『メーン』でないと誤りになるのでしょうか。」
「でしょうね。」
「そう考えるとこのバトルは結構難しいという事になります。」
「はい、三番の方は『てにをは』で迷っているみたいです、『私が』と『私は』では微妙に違いますものね。」
「それぞれの感性だったり、文脈の中で変わって来ます、こうして文章を手直しして行く作業を見ていると選手の皆さんが何に迷い、どう決断しているのかを推測出来て面白いですね。」
「先生、このバトルの制限時間は、その判断に大きく影響しますよね。」
「ええ、文豪と呼ばれる人達でも遅筆の人がいたり…、締め切り間際に勢いよく書き上げる人もいるでしょうから、このバトルで負けたからと言って、単純に能力が低いとは言えません。
 短時間で文をまとめ上げる力が弱いと分かれば、速報記事を書く様な仕事には向かないと考え仕事を選べば良いのです。」
「そういう事なのですね、十五番とか早い人はかなり完成度が上がって来てる様に感じますが。」
「元の文章を上手く利用していますね、十九番の選手は起承転結を意識して文を組み立てています。
 視聴者の方は作文や小論文を書かれる時の参考にされては如何でしょうか。
 ただ、内容面はまだ微妙、時間は有りますので落ち着いて仕上げて欲しいです。」
「それは、各選手、序盤の様子を見比べて行きましょう…。」
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バトル-06 [高校生バトル-01]

「残り時間が少なくなって来ましたが、元の文章は同じでも、二十三人全く違う文章になって来ましたね。」
「はい、各選手最後の推敲作業に取り組んでいますが、課題の文章がもう少しまともだったら、ここまで異なる事は無かったと思います、選択の幅を広げ易い課題文でした。
ですます調が多めですが、対話文を工夫したりと面白いです、後は読み手がどう判断するかです。
 このバトルは正解が一つでは無いという事を、皆さんに感じて頂く良い機会になったのではないでしょうか。
 バトルとして順位は付けられますが、作文や小論文を書く時の参考になるものばかりです。
 結果発表の時には、特別審査員からの解説も有りますので今後の参考にして頂けたらと思います。」
「選手の皆さんは最後の追い込みに入っていますが、完成したものは後程番組サイトで公開されますので、じっくり読んでの投票をお願いします。
 さて、頓田先生、この後のバトルについて紹介しておきたいのですが。」
「そうですね、国語バトルのA級は、少しマニアックと言いますか、ハイレベルなバトル、この後のバトルは大学受験の参考にはなりにくいですが、一歩も二歩も踏み込む学問、大学が目指している所を感じながら観戦して頂けたらと思います。」
「平安時代の貴族になったつもりでの作文や、古文書読解は高校生レベルではないですね。」
「ええ、ここまでのB級以下では、一般的な読解問題が中心でしたが、A級では敢えてハイレベルな内容を視聴者の方々にも味わって頂こうと言うのが今回の趣旨です。
 古文による作文の審査員は古典に精通している方ばかりですので、盗用すればすぐにバレてしまいます、課題に従いオリジナルの文章を書きあげるというのはかなりハードな作業になりますが、研究者を志す人には是非取り組んで欲しいとの考えから組まれたバトルです。
 視聴者の皆さんには古文の学習と捉えて頂き、自身でも挑戦してみて欲しいと思っています。
 古文書の読解は歴史学者を目指す人にとって大切な能力で、バトルは本気で研究者を目指す人材を探したいと言う意味合いも有ります。
 漠然と日本史が好きというだけで学者を目指そうと言う人がいますが、自分で古文書と向き合って行かないと、他人の解釈に対して漠然と意見を述べるという程度の事しか出来ません。
 皆さんご存じの通り、歴史研究は残された情報から推理している訳で、まずは歴史的資料と向き合うところから始まる訳です。
 A級バトルの決勝に残っている人達は、高校生ながら、それぞれに研究してこられた方ばかりですのでハイレベルなバトルが期待出来ます。
 この後の二つのバトル、解説が無ければ全く理解出来ないかも知れませんが、研究職という存在を意識しての観戦をお願いします。」
「そろそろ、推敲作業の終了時間ですが、この後投票して下さる方にお願いしておきたいのは、バトル中には各選手のプロフィール紹介が有りましたが、純粋に文章を評価しての投票をお願いします。
 優れた文章なのに得票数が少ないという人には特別審査員からの賞が有るとは言え、選手達は純粋に文章での評価を得たいと考えていますのでご配慮をお願いします。
 それではここで一区切りを付け…。」
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バトル-07 [高校生バトル-01]

「ねえ春子、微分は理解出来た?」
「ええ、始めは良く分からなかったけど、高校生数学バトルのサイトで詳しく説明していてね、うちらの先生よりうんと分かり易かったの。」
「数学バトルなんて自分に関係ないと思ってたからスルーしてたわ。」
「冬子、あれは出場する人の為というより、視聴する高校生の為のチャンネルなのよ。」
「どんな感じ?」
「今までのバトルが整理されてるのだけど、バトル中やバトル後の解説が分かり易くてね、閲覧してから練習問題を解いてみたら自分の理解度アップが実感出来たわ。
 冬子が全然理解出来てないのなら微分の下級レベルがお勧め、バトルの問題が難しくないのよ。
 でね、二十七番の永田くんは下級レベルの中では上位と言う事でバトル終了後に解説の手伝いをしてたのだけど、絶対冬子のタイプだと思うわ、彼氏と一緒に数学に取り組むみたいな感覚になれるかも。」
「そっか、でも下級レベルという事は頭が良いという訳では無いのよね。」
「はは、冬子よりは良いと思うし、後日談として、バトル切っ掛けで数学が面白くなり、学校の授業は相変わらずあまり聞いてないけど、高校生数学バトルのサイトを利用して学習を深めているのだとかで、中級や上級の問題にも取り組んでいるそうよ。」
「そっか、それが数学バトルの目標なのかな。」
「授業という学習スタイルは人によって合う合わないと言うことが有ると、解説の先生が話してみえてね、私は先生にもよると考えているのだけど。」
「そうよね、先生がお爺さんではなく若いイケメンの先生だったら私だってもう少し身が入るかも。」
「お爺さんって、まだ四十代なのよ、先生。」
「なんかダサいし、先生を選べないって不幸だわ。」
「そうね、数学バトルの解説をして下さる先生は話が分かり易くて、私達ぐらいのレベルだと教師の力量で成績に差が出来るのかもって、つい考えてしまう。
 総合A級やB級の人達は、自力で理解して行くそうで、教師がいなくても構わないと話す人がいたのだけどね。」
「やっぱ違うのね、トップレベルの人達は。」
「全然違ってたわ、私達がどれだけ頑張っても埋められない差が有る、答えを導き出すまでの早さが全然違うもの、私は解説を聞いてなるほどと思うだけだった。」
「ねえ、数学バトルって見てて面白いの?」
「面白かったわ、ゲーム感覚、スポーツ観戦みたいな面白さが有るし、自分でも問題を解いてみようとか、解説を聞いて納得したり、選手の真剣な表情にドキドキしたり。」
「春子のタイプも出てたんだ。」
「タイプというより人が真剣に取り組む姿って美しいのよ。」
「そっか、私も見てみようかな、まずは微分の下級からだったね。」
「今はコンテンツが少ないけど、今後増えて行くのよ、主催者は新たな学習スタイルとしてサイトを充実させて行き、事情が有って学校へ通えなくなっても学力を伸ばせる場にしたいそうなの。」
「あっ、なら…。」
「不登校になってからの通信教育が思う様に行ってないのでしょ、冬子の従妹は。」
「うん、調べてから紹介してみようかな、メールのやり取りは普通にしてるから。」
「学校の授業より親しみ易いし、レベルも選べるからね、今後充実して行けば先生を選べるかも。」
「へ~、でも単位とかは取れないのでしょ。」
「そこから通信教育に対する取り組みが変わって行く様に冬子が考えて上げたら?」
「そうね…。」
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バトル-08 [高校生バトル-01]

「今回の高校生日本史バトルは公立高校入試レベルだから、三郎でも結構解けると思わよ。」
「お姉ちゃん、高校生バトルなのに中学生向け?」
「ええ、高校生バトルのシステムがバージョンアップして参加し易くなったの。
 まずは誰でも参加出来る十級からのスタート、十級問題で合格点を三回取れたら九級にチャレンジする資格が得られるのよ、二人での挑戦も有りだから一緒にやってみる?」
「うん。」
「えっと、エントリーは…。」
「あっ、人数制限が有るんだ。」
「同時に大勢が取り組むとサーバーへの負荷が心配なのね。
 十五人待ちだけど、予想待ち時間は五分だから予約を入れるわよ。」
「良いけど、どういうルール?」
「問題は幾つかに分かれていて、それぞれに時間制限有り、今回は五択問題だけだから三郎がマウスで選択してね、始めは時間に余裕が有るみたいだから、まずはやってみましょう。」
「分かった、始める前にトイレに行っておくよ…。」

「三郎、始めるわよ。」
「スタートボタンをクリックだね。」
「…、どう?」
「五択と言っても一問目は織田信長一択でしょ。」
「ええ、取り敢えずこの十問は全部選択してみて。」
「はは、楽勝だね。」
「初級クイズって感じか、時間にも余裕が有って三郎には簡単過ぎかしら。」
「油断はしない、ねえ、お姉ちゃん全部自分の力で解かせて。」
「良いわよ、私は見てるだけにするわ。」

「終わった~、後の方は少し難しかったけど高校入試ってこんなレベルなの?」
「ふふ、高校入試が日本史だけなら中学二年生の三郎でも余裕を持って合格出来そうね。」
「だけならね、あっ、もう結果が出て来た…。」
「所要時間は全て規定範囲内、得点九十五点、これまでに挑戦した三千九百四十三人中六百二十一位、合格、後二回の合格で九級への挑戦権獲得か、上出来じゃない。」
「九十五点で六百位か~、満点の人が少なからずいたのだろうな。」
「高校三年生や大人も挑戦してるのだから仕方ないわよ。」
「そっか、でも九級を目指したくなったね。」
「その前に間違えたところを確認してみましょ。」
「うん…、あっ、そうか、この五択はもっと慎重に読まなきゃダメだったんだ、落ち着いて考えたら間違えなかったのにな。」
「そうね、私も別の問題で勘違いしてたわ。」
「九級の問題って難しいのかな?」
「一級が偏差値の高い大学入試に向けての問題なのだから、九級はそこまで難しくないと思うわよ。」
「お姉ちゃん、十級をクリアして先に進もうよ。」
「ええ、九級になったら私の出番が有るかしら?」
「中学と高校では内容が違うのでしょ、お姉ちゃん高校の教科書見せて。」
「ええ、ちょっと待ってて。」
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バトル-09 [高校生バトル-01]

「春子、日本史バトル、弟とやってみるとか言ってたけどどうだった?」
「十級は楽勝でクリア出来そう、弟は私の教科書を読み始めたから九級も行けるんじゃないかな。」
「へ~、姉が真面目だと弟もってこと?」
「真面目なのかどうかは分からないけど、歴史は元から好きみたいで本を読んだりしてたからね、クイズを解く感覚で楽しそうに取り組んでいたわよ。」
「そっか、うちの妹は…、クイズ感覚なら少しは解く気になるのかしら。」
「中三でしょ、勧めてみたら。」
「反抗期なのよ、ねえ、中二の男の子だと反抗期ではないの?」
「親には普通に反抗してる、でも私にはね。」
「姉には逆らえないとか?」
「そんなんじゃないと思う、私は彼が小学六年生の頃から意識的に一人の人間として人格を尊重して来たの、弟は弟なりにそれを感じてくれたみたい、小さい頃から面倒見て来た事も有って仲が良いのよ。」
「へ~、うちは姉妹喧嘩が絶えなくて…、私は春子みたいな人格者じゃないからね。」
「でも一緒に遊びに行くのでしょ。」
「まあね、ゲームに誘う感じで高校生日本史バトルを勧めてみる、頭は悪く無いから、何か切っ掛けが有れば伸びると思うの。」
「それなら試してみる価値は有るわね、高校生バトルの中学生版が有れば良いのに、陽子も数学バトルのコンテンツを利用して理解が進んだのでしょ。」
「ええ、バトルに参加は無理だけど…、数学も日本史バトルみたいな形式にして行くのかな。」
「日本史バトルに問題が無かったら拡大して行くとはアナウンスされてたわね、でも中学生版までは予算とか難しそうだわ。」
「日本史バトルのシステム構築にはお金が掛かってそうだったの?」
「難しいことは分からないけど、問題をバランス良く作って行くだけでも大変だと思う。
 問題が少なかったら、利用者が伸びないだろうし。」
「どれぐらいの利用が有るのかしら?」
「私達が取り組んだ時で四千人弱の人が同じ問題に取り組んでた、因みに弟は六百二十一位だったわ。」
「高校入試レベルとは言え、高校生対象の問題でその成績なら優秀、ねえ、写真見せてよ。」
「良いわ…。」

「おっ、美形じゃん、背は春子と同じぐらい?」
「最近抜かれてしまってね。」
「会ってみたい…、そうだ、妹も一緒に四人で日本史バトルとかどうかな、彼となら妹もやる気になりそうだわ。」
「えっ、どうかな、聞いてみないと…。」
「そんなの姉の力で言う事を聞かせてさ。」
「さっき言ったでしょ、私は弟の人格を尊重して来たって。」
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バトル-10 [高校生バトル-01]

「あらっ、真子の惨敗じゃない。」
「うるさいわね。」
「仕方ないわよ三郎は日本史得意なんだから、そう言う陽子も結構間違えてたでしょ。」
「はは。」
「春子さん、他の科目は無いのですか、出来れば三郎くんに勝てそうなの。」
「そうね、数学バトルのベータ版が発表されたばかりだけどやってみる?」
「どんなバトルなのですか?」
「今回のは今やった日本史バトルと同様の形式で高校入試までの内容なの、高校生でも中学の学習内容が分かっていない生徒がいて、そういう人向けかな。」
「三郎くん、中二と中三でかなりのハンディだけど良い?」
「良いですよ真子さん、勝ち負けより、どんなことをこれから学習して行くのかに興味が有ります。」
「かっこいい~、私もこんな弟が欲しかったな~。」
「もう、こんな妹で悪かったわね!」
「まあまあ、陽子ったら何時もこんな調子なの?」
「春子さん聞いて下さいよ~、うちの姉はちょっと先に生まれたからってすぐに威張るのですよ。」
「なるほど、陽子の妹って大変なんだ。」
「三郎くん、春子さんは良いお姉さんなの?」
「まあ…、ね…。」
「照れちゃって、可愛い~。」
「もう、お姉ちゃんったら、ごめんね三郎くん、胸は大きくても人間的には成長してないのよ、この人。」
「なによ、お子ちゃまに言われたくないわ。」
「はいはい、数学バトルの用意が出来たわよ、真子さん、パソコンは三郎と交換する?」
「大丈夫です、それよりアドバイス貰えますか。」
「良いわよ、じゃあ、陽子は三郎を見てて上げて。」
「おう、任せときな。」
「では、スタートしましょ…。」

「時間切れか…。」
「真子さん、基礎は問題ないのね。」
「はい、でも、所要時間が気になりました。」
「そっか、気にしなくて良いのだけど、今までに取り組んだ人達との比較が表示される事でバトルって気になったでしょ。」
「ですね、私としては解けた方ですが、応用問題は…。」
「ベータ版で解説部分が未完成だから、少し説明するね、この問題のポイントは…。」

「三郎、どうだった?」
「学習してない所は陽子さんに教えて貰って少し理解出来たけど、高校入試は大変そうだよ。」
「でも理解が早いから大丈夫だと思う、私がもう少し分かり易く説明して上げられたら良かったのだけど。」
「春子さんの説明は分かり易かったな~。」
「うるさいわね、学年のトップクラスと私を比べないでよ。」
「私も春子さんみたいなお姉さんが欲しかったなぁ~。」
「残念でした、姉が後から生まれる事は有りませんからね~。」
「でも、私と三郎くんが結婚したら、春子さんがお姉さんになるのよ。」
「無理無理、三郎くんにだって選ぶ権利が有ります~。」
「あら、残念、お姉ちゃんは絶対選ばれそうにないもの。」
「あなたたちって、何時もそんな調子なの?」
「へへ、まあ娯楽みたいなものかな。」
「娯楽なのか…。」
「男の子には理解出来ない?」
「カルチャーショックです、姉さんは何時も優しくて…。」
「まあまあ、そんな事よりベータ版の感想を送りましょうよ。
 三郎も高校生バトルには充実して欲しいでしょ。」
「うん、ネットで出来ると言うのは大きな利点だと思う。」
「そうね、でも私は三郎くんや春子さんと一緒に出来て楽しかった、一人でも取り組めそうだけど家だと騒々しい人がいましてね。」
「何よあんただって。」
「お姉ちゃんよりはマシだわ、昨日だって…。」
「はいはい、真子さん、次からは一人でいらして下さいね。」
「良いのですか、春子さん。」
「二人一緒だと三郎が疲れそうだから。」
「じゃあ、私も真子とは別で。」
「それは却下、陽子が来ると学習がはかどりそうにないもの。」
「そんなあ~、私と真子では大差ないのに。」
「ふふ、そう思ってるのは陽子だけでしょうね。」
「三郎くんは、違うよね、私と真子なら私を選ぶでしょ?」
「はは、姉さんは僕のことを大切に考えてくれてますし、姉さんだって可愛い妹が欲しいのだと思います。」
「う~ん、このとてつもない敗北感は…。」
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