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バトル-10 [高校生バトル-01]

「あらっ、真子の惨敗じゃない。」
「うるさいわね。」
「仕方ないわよ三郎は日本史得意なんだから、そう言う陽子も結構間違えてたでしょ。」
「はは。」
「春子さん、他の科目は無いのですか、出来れば三郎くんに勝てそうなの。」
「そうね、数学バトルのベータ版が発表されたばかりだけどやってみる?」
「どんなバトルなのですか?」
「今回のは今やった日本史バトルと同様の形式で高校入試までの内容なの、高校生でも中学の学習内容が分かっていない生徒がいて、そういう人向けかな。」
「三郎くん、中二と中三でかなりのハンディだけど良い?」
「良いですよ真子さん、勝ち負けより、どんなことをこれから学習して行くのかに興味が有ります。」
「かっこいい~、私もこんな弟が欲しかったな~。」
「もう、こんな妹で悪かったわね!」
「まあまあ、陽子ったら何時もこんな調子なの?」
「春子さん聞いて下さいよ~、うちの姉はちょっと先に生まれたからってすぐに威張るのですよ。」
「なるほど、陽子の妹って大変なんだ。」
「三郎くん、春子さんは良いお姉さんなの?」
「まあ…、ね…。」
「照れちゃって、可愛い~。」
「もう、お姉ちゃんったら、ごめんね三郎くん、胸は大きくても人間的には成長してないのよ、この人。」
「なによ、お子ちゃまに言われたくないわ。」
「はいはい、数学バトルの用意が出来たわよ、真子さん、パソコンは三郎と交換する?」
「大丈夫です、それよりアドバイス貰えますか。」
「良いわよ、じゃあ、陽子は三郎を見てて上げて。」
「おう、任せときな。」
「では、スタートしましょ…。」

「時間切れか…。」
「真子さん、基礎は問題ないのね。」
「はい、でも、所要時間が気になりました。」
「そっか、気にしなくて良いのだけど、今までに取り組んだ人達との比較が表示される事でバトルって気になったでしょ。」
「ですね、私としては解けた方ですが、応用問題は…。」
「ベータ版で解説部分が未完成だから、少し説明するね、この問題のポイントは…。」

「三郎、どうだった?」
「学習してない所は陽子さんに教えて貰って少し理解出来たけど、高校入試は大変そうだよ。」
「でも理解が早いから大丈夫だと思う、私がもう少し分かり易く説明して上げられたら良かったのだけど。」
「春子さんの説明は分かり易かったな~。」
「うるさいわね、学年のトップクラスと私を比べないでよ。」
「私も春子さんみたいなお姉さんが欲しかったなぁ~。」
「残念でした、姉が後から生まれる事は有りませんからね~。」
「でも、私と三郎くんが結婚したら、春子さんがお姉さんになるのよ。」
「無理無理、三郎くんにだって選ぶ権利が有ります~。」
「あら、残念、お姉ちゃんは絶対選ばれそうにないもの。」
「あなたたちって、何時もそんな調子なの?」
「へへ、まあ娯楽みたいなものかな。」
「娯楽なのか…。」
「男の子には理解出来ない?」
「カルチャーショックです、姉さんは何時も優しくて…。」
「まあまあ、そんな事よりベータ版の感想を送りましょうよ。
 三郎も高校生バトルには充実して欲しいでしょ。」
「うん、ネットで出来ると言うのは大きな利点だと思う。」
「そうね、でも私は三郎くんや春子さんと一緒に出来て楽しかった、一人でも取り組めそうだけど家だと騒々しい人がいましてね。」
「何よあんただって。」
「お姉ちゃんよりはマシだわ、昨日だって…。」
「はいはい、真子さん、次からは一人でいらして下さいね。」
「良いのですか、春子さん。」
「二人一緒だと三郎が疲れそうだから。」
「じゃあ、私も真子とは別で。」
「それは却下、陽子が来ると学習がはかどりそうにないもの。」
「そんなあ~、私と真子では大差ないのに。」
「ふふ、そう思ってるのは陽子だけでしょうね。」
「三郎くんは、違うよね、私と真子なら私を選ぶでしょ?」
「はは、姉さんは僕のことを大切に考えてくれてますし、姉さんだって可愛い妹が欲しいのだと思います。」
「う~ん、このとてつもない敗北感は…。」
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