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バトル-31 [高校生バトル-04]

「春子、英語チャンネルの調子はどうなの?」
「ボツボツってとこね、まだ今までのチャンネルとは登録者数に大きな開きが有るけど、それでもコメント欄には海外からの書き込みも来始めているのよ、お母さんも見てね。」
「そうね、英語は学生時代までで、使う機会が余り無かったからハードルが高いのだけど。」
「三郎達の歌だけでもさ。」
「歌もアップしてるの?」
「三郎と真子ちゃんがどれだけ海外に通用するのかは分からないけど、演出に工夫を凝らしてね。
 英文のコメントでも結構褒めて貰ってるのよ、歌が上手とか愛らしいとか。」
「まだ十五歳だものね、日本人は幼く見られるのでしょ。」
「でも、これから英語が上達して行けば、私達が伝えて行く内容も変化し評価は変化して行くと思ってるの。」
「難しくなるのかしら?」
「ええ、高校生バトルの紹介がメインだけど、その高校生バトル自体が先を見据えてるからね。」
「先?」
「かなりマニアックなバトルが有るでしょ、その最上級の人達で研究会を発足させようと言う動きが有るのよ。」
「分野によっては競ってるより協力して知識を深めて行こうって事かしら。」
「うん、そこにね結構大きい私立大学がスポンサーの名乗りを上げているそうでね。」
「大学の宣伝にもなるのかしら。」
「それも有るのだろうけど、そこの教授は研究会のメンバーが全員他の大学に進んだとしても、その大学の研究室との繋がりを作ってくれたらそれで良いとかで、大学間の競争より学生の研究環境を充実させたいそうでね。
 今はネットで情報交換出来るのだから金銭的な負担は少ないだろうって、文系だから比較的ハードルが低いそうでね。」
「開かれた大学と言う事かしら?」
「大学生の絶対数が減ってるでしょ、そんな環境下でより良い研究者を育てて行くには今まで通りでは駄目だと考えての事、就職で全く違う分野に進んでも、趣味で研究を続けられる環境も意識しているそうなの。」
「そうよね、文学部を卒業しても就職は車の営業、なんてざらだものね。」
「更に、そこから発展させて学会の活性化とか、その分野の教育水準を上げて行くとかも。」
「随分意欲的なのね。」
「大学の現状に疑問を抱いての事だそうなのだけど、彼の大学は総合的な改革を考えてるとか。」
「高校生バトルが教育界に大きな影響を与え始めてることを証明して下るのね。」
「うん、次郎兄さんが関わり始めてからサポートスタッフが増えただけで無く、その組織が良い形でまとまりつつ有るでしょ。
 私の周りでは予備校や進学塾へ通わず高校生バトルのサイトを活用する事で偏差値を上げようと考えてる人が結構いるのよ。」
「不安は無いのかしら?」
「その辺りは自分に見合った大学で良いって考えが広がりつつ有るみたい。
 何の為に大学進学するのかって議論も盛り上がっているからね。」
「春子は早々と第一希望を決めて、そこに余裕で合格するつもりなのでしょ。」
「多分推薦入試で合格でしょ、高校生バトル関連の実績、自己PRは文章でも口頭でも大丈夫、学費は大輔さんのお父さまが出して下さるから、お母さんは全く心配しなくて良いのよ。」
「親としては、手が掛からなさ過ぎて寂しいぐらいなのだけど。」
「ふふ、その分三郎の心配をして上げて、カンパニーの会長をしながら、結構な人気者になってしまって戸惑うことも有ると思うの。」
「それって、春子が仕掛けた結果でしょ?」
「まあね。」
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バトル-32 [高校生バトル-04]

「次郎、カンパニーの運営は順調なのか?」
「うん、思ってたより大勢の優秀な連中が実習を兼ねて参加してくれているのだけど、みんなのテーマは理想の組織なんだ、兄貴は就職してみて会社組織をどう捉えてる?」
「そうだな、世代間のギャップを感じることは有る。
 五月に新規で開発チームが立ち上がったのだけどな、上の連中は大卒を中心に回したいみたいで、高専卒のエキスパートを外したんだ。
 それがさ、俺は別で研修中なのだけど、俺や高専卒の先輩が関わったら三日ぐらいで終わるレベルまでに三か月掛かっても到達出来てなくてな。」
「専門性の高い分野という事?」
「ああ、上の連中も良く分かって無いし、チームの中にはほとんど一から学習してる人もいる、まあ、時間が掛かっても人が育てば良いと言う考え方も有るが、学歴差別で外された高専卒の先輩を頼る訳にも行かず効率の悪い事をやってるよ。
 お蔭でその先輩とは気が合い、頼らせて貰ってるけどな。」
「学歴がそんな形で影響してるのか…。」
「少し残念な会社に思えて来たから、一通り学び少し経験を積んだら、早めに転職を決意するかも知れない、上司次第だけどね。」
「兄貴なら高校生バトルサポートカンパニーは何時でも歓迎するよ。
 システムに対しての構想は色々出てるのだけど、それを実現出来るだけの力がまだ足りてないんだ。」
「給料は良いのか?」
「スポンサーが増えてるし、YouTubeで稼いでいるからね、かと言ってYouTubeに依存し過ぎていては先々何が有るか分からないでしょ。」
「はは、三郎があんなに歌が上手かったとはな、会社でも自慢していて再生回数には貢献してるぞ。」
「英語チャンネルもじわりと伸び始めていて楽しみなんだ。」
「なあ、俺はもう少し会社を経験したいのだが、先輩を雇う事は可能か?」
「兄貴が頼れる人なんて希少だろ、これからの展開を聞いて貰って相談に乗って欲しいかな。」
「学歴差別に嫌気がさして転職を考えてみえるんだ、もう大企業には興味が無いそうでね、今も転職先を探してると思うから連絡して良いか?」
「うん、エキスパートとしてシステムエンジニアを目指してる連中の教育も意識して欲しいと伝えておいてね。」
「了解。」

「随分長かったけど、どうだった?」
「結構乗り気で、高校生バトルと高校生バトルサポートカンパニーについて調べてみるそうだ、今日中に一度連絡をくれる事になってるからその時には直接電話で話してみるか?」
「そうだね、大輔は了解してくれたから場合によっては面接の話まで進めるよ。」
「ああ、頼むな、ところで今後の企画はどうなってる?」
「今進めてるのは『人に伝える』をテーマにスピーチや作文に関連した企画、音楽バトルや英語の企画と同じ様な形で出来るから比較的簡単に始められそうなんだ。
 作文は高校生バトルの小論文とは趣を変え、読んで楽しいテーマにしてね。」
「スタッフが足りてれば進めて行くという事なのか?」
「うん、急拡大は歪を生じさせかねないし、音楽バトルは大学生以上の展開も始めるからね。
 その先は四コマ漫画選手権みたいなのも考えてる。」
「軽そうな企画だな。」
「軽いけど、難しい一面が有ってさ、完全にオリジナルの人物画って難しいだろ、普通にやったら著作権的にアウトやグレーゾーンの作品ばかりになりそうでさ。
 担当者はこの企画に協力してくれそうな漫画家を探しているんだ。」
「それは大変そうだな、企画内だけ二次作品オーケーにして貰うのだろ。」
「まあ、担当を買って出た女史は、あわよくば漫画家と直接会えるかも知れないと目論んでいるのだけどね。」
「はは、そういう発想は大切だな。」
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バトル-33 [高校生バトル-04]

「三郎、中学三年生向けの公立高校入試対策バトル、参加者がぐっと増えたのは私達の宣伝映像効果だと担当からお礼の電話が有ったわよ。」
「はは、お礼なんて良いのにね、YouTubeを使っての宣伝動画は視聴回数がかなり伸びたのだから。」
「だからお礼の電話が来たのだけど、それなりの収入になるものね。
 まあ、四月の新高校一年生を対象としたバトルと比べても参加者数がうんと違うのだから、お礼を言いたくなる気持ちは分かるわ。
 それで、三郎はバトルの得点や順位を公表するの?」
「うん、自慢になる様な結果で無くても、堂々と発表、反省とかを動画にまとめて貰おうと考えてる、大した内容で無くても、僕の結果に興味を持つ人はそれなりにいそうでしょ。」
「そうね、今回が中学三年生として初めての公式参加とも言えるのだから三郎ファンの皆さんは興味深々かも。
 ねえ、今までは高校入試にも役立つバトルだけど基本は高校生の為と言うのに取り組んで来たでしょ、今回中学三年生向けとなって違いは有ったの?」
「うん、全部解いても構わないのだけど、まだ学習してない範囲を開始前に外す事が出来たんだ。
 範囲を減らした人も百点満点になる様に計算した参加者全員の順位と、全問にトライした人だけでの順位が出るみたい。」
「そっか、少しシステムを進化させたのかな。」
「でも不正は仕放題なんだよね。」
「公式なもので無いし、不正して上位に入る人がいた方が、真面目にやって上位に入ってしまう人達の気を引き締める効果が有ると思わない?」
「そうかな…。」
「でもね、一郎兄さんの先輩がカンパニーに入って下さったら、不正しにくい試験システムを構築出来るかもって。」
「へ~、でも完全に不正を無くすことはやっぱ難しいんだね。」
「高校生が中学生だと偽って登録するのは見抜けないでしょ、そんな事をしても意味はないのだけど。」
「どんな感じなのか教えて貰ったの?」
「パソコンに付いてるカメラを使って問題に取り組んでいる様子をAIを利用してずっと監視みたいな発想、パソコン画面の進行と回答状況を分析しながらになるとか、本格的にやるならカメラの台数を増やさないとダメみたいだけどね。」
「高校生バトルは公式なものでは無いからそこまでは必要ないかな。」
「ただね、高校生バトル事務局では近い将来通信教育を出来ないかと考え始めているそうで、ネット環境が有ればどこに居てもテストが受けられるという形も考えて行きたいのだとか、かなりハードルが高いのだけどね。」
「へ~、通信教育って良く分からないのだけど。」
「ネットの普及で随分進化したみたいだけど、単位の取得には試験会場へ行かないと駄目だったりするの、レポートの提出とかでも良さそうなものだけど、それだと誰が書いたのか分からないでしょ。」
「通信教育でも卒業資格が得られるのだよね。」
「ええ、結構有名な大学でもやってるのだけど、卒業したら普通にその大学の卒業生、それだけに単位の取得はいい加減に出来ないのだとか。」
「へ~、学歴か…。」
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バトル-34 [高校生バトル-04]

「次郎兄さん、一郎兄さんの先輩…、えっと佐伯さんだっけ、入社は決まったの?」
「春子も気にしてたのか、時間を掛けて連絡を取り合い準備を進め、面接には大輔の親父さんにも同席して頂いてね、一郎兄さんが彼のスキルを分かり易く説明してくれ、親父さんの会社とサポートカンパニー、両方を見て貰う事になったよ。」
「えっ、両方?」
「一郎兄さんが言うには余裕でこなせる体制を作る所から始めて行くそうだが、兼任なら高給にし易いという事情が有る、当然カンパニーでは最高の年収になるだろ、一人だけ突出した給料でも構わないと思っていたが、大輔は他とのバランスを考えていたんだ。
 兼任でも必要が有れば兄さんが手伝うし、兄さんも早めに転職するかも知れない。」
「そう言えばこの前帰って来た時に転職の話をしてたわね。」
「元々何時かは地元に帰って来ると言ってたし、会社の人間関係が面倒になり始めたとかでさ。」
「一郎兄さんって人当たりは悪く無いよね。」
「何でもね、ちっとも成果が見えて来なかった新チームに研修名目で入れられたのだけど、チームメンバー八人が四か月掛かっても出来なかった事を、数日でほとんど完成させてしまったそうでね、それ以降先輩方との間で微妙な空気になってるのだとか、始めから佐伯さんをチームに入れておけばスムーズに事が運んだとも話してたよ。」
「へ~、大企業でもそんなものなのか。」
「ここでは兄貴の優秀さを誰もが知って認めているだろ、親父さんにしてみれば地方の企業が佐伯さんや兄貴クラスの人を雇うのは無理だと考えていたから喜んで見えたよ。」
「お義父さまは佐伯さんにどんな作業をお願いするのかしら?」
「工場を始めとした全てのシステムを見直して欲しいと話されていた。
 佐伯さんは単にコンピューターのシステムに精通しているだけでなく、人が作り上げてるシステム改善も手掛けて来た人でね、コンピューターシステムを活かして行くには現場の人達の体制強化も重要なんだ。」
「単なるコンピューターおたくでは無いってことね。
 そういう人ならゲストとして三郎達とも対談して頂きたいわね。」
「大丈夫だと思うよ、転職を考えるに当たって奥さんと一緒に春子たちの作品を見たそうでね、三郎のことは弟だと思って可愛がりたいそうだ。」
「あっ、東京からこちらに越して見えるの?」
「ああ、カンパニーの仕事だけなら引越しの必要は無いが、親父さんの会社を一から見直す作業が有るからな。」
「住まいはどうするのかしら?」
「親父さんとこの社員が面倒みてくれる事になってる、取り敢えず中古物件をリフォームして暮らし始めて貰いながら新築の相談、土地は有るからな。」
「もしかして私と大輔さんの予定地近く?」
「うん、兄貴や俺の家もそこに建てて集落を形成したら良いとか話して下さったよ。」
「お義父さまらしいわね。」
「水害の恐れが極めて低い一等地、埋め立てた所でも無いから地盤沈下の恐れも無いのだろ。」
「ええ、みんなの家を建てるのなら個性的な集落にしたいわね。」
「そうだな、何かイメージは有るのか?」
「具体的なイメージはまだ無いのだけど、英語チャンネルでミュージカルに挑戦したいと考えていてね、上手く行ったらそのままミュージカルの舞台にしたいかも。」
「う~ん、すでに知名度が上がって来ているから、観光客が来てしまうかもだぞ。」
「道路も私道の私有地だから住人以外立ち入り禁止、セキュリティは次郎兄さんが考えてね。」
「ああ、そうなったら頼れる部下に指示を出すよ。」
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バトル-35 [高校生バトル-04]

「ミュージカルですか…。」
「真子ちゃんは乗り気じゃないの?」
「いえ、それ以前に出来るのかどうか…、私に…。」
「大丈夫よ、生の舞台で演じる訳でなく、録画し編集して完成させて行くのだから今まで英語チャンネルでやって来た事とそんなに変わらないのよ。」
「姉さんは、どんなストーリーを思い描いてるのかな?」
「そうね、中高生の日常を描いて行くのだけど、高校生バトルの紹介や社会問題を含めた様々なテーマを結論在りきでは無く視聴者にも一緒に考えて貰うみたいな感じでどうかしら?」
「本格的なお芝居ですか?」
「変にお芝居っぽくしない方がリアルで面白くないかしら、ミュージカルだから歌の部分はデフォルメされるけど。」
「歌が特に大変そうだな、曲はオリジナルになるのでしょ?」
「そこは日本のメロディーに英語の詞を付けてってどう?
 別に訳詞にする必要はないのよ、替え歌って言えば良いのかな、反響が有ったら元歌を紹介しても良いわね。」
「春子さん、ターゲットのメインは海外の方なのですよね。」
「勿論よ、一回十五分程度、始めは一ヵ月に一回ぐらいのペースで更新、撮り溜めて事前にチェックして貰いながらになるのかな…、目標は週一更新、焦って公開する必要は無いから完成度を上げてからのスタートでも良いわね。」
「連続物だと当たれば大きいのかな…。」
「十話で始めて知ったという人が一話から見てくれる可能性が有りますね、う~ん、一話から見たくなるレベルに出来るかどうかが問題ですね…。」
「既に英語チャンネルの登録者数が二百万人を越えてるでしょ。
 スタートまでにまだまだ増えそうだし、歌だと何度も閲覧する人がいて視聴回数がぐっと伸びる、だからミュージカルなのよ。
 売れない映画よりうんと低予算で制作出来て高収益が期待出来る、失敗してもダメージは小さい。
 ファンを増やせたら、まともに作った映画以上に稼げるかも。」
「取らぬ狸では悲しいかな。」
「大丈夫よ、テーマ毎にキャストを入れ替え、ロケでも変化を付ける。
 さり気なく地元の風景を紹介し、観光案内の要素を加えるとか何でも有り、メインキャストが登場しない形でもストーリーを展開させるから、あなた達にとって大きな負担とならない様にするし、場合によっては留学した事にして長期間休むことも可能だからね。
 まあ、テレビ番組に安いギャラで呼ばれるよりは良いと思うのよ。」
「春子さん、テレビ局からの出演依頼はどうなったのですか?」
「この前話した通り、私達は暫くの間は出ないと言う方針で通せそう、代わりに次郎兄さんと大輔さんが出る方向で話を進めていてね、二人で色々宣伝させて貰いながら状況を把握した上で、私達のテレビ出演を考えて行くって、ギャラ次第では有るけど。」
「三郎くんが出演したら視聴率取れそうね。」
「こういう活動はYouTubeだけで充分だよ、趣味的に続けることは有っても芸能人になる気はないからね、タレントに会えると言われても、特に会いたい人が居る訳でも無いし。
 そうだな、メインチャンネルで大輔さんをゲストにテレビ出演ネタを公開したら、春子姉さんの婚約者という事で視聴数が伸び、テレビ局のギャラ以上に稼げるんじゃない?」
「ふふ、まあ今の所、必死になって稼がなくてはならないと言う状況では無いのだから、そう言った奥の手はもう少し温存して置いても良いと思うの。」
「高校生バトルを宣伝して行く必要は有るのですよね。」
「必要性は有るのでしょうが、もうワンランクシステムを増強してからという話も出てて、焦る必要は無いのよ、そうでしょ三郎。」
「うん、リスクを分散させつつアクセス速度を落とさない、焦らず確実にシステムを強化しながら拡大して行く、佐伯さんに教えて貰ってるのだけど焦ると失敗するって。」
「三郎くんは、佐伯さんの話しに付いて行けてるのよね、私は早々と諦めたのだけど。」
「僕は兄さん達にシステムの事も教えて貰ってたからだよ。
 もっとも、佐伯さんは一郎兄さんとは違った角度から考えるヒントをくれるから面白くてね、システムって言葉自体から考え直しているんだ。
 コンピューターのシステムを最大限に有効利用するには人のシステムを考え直さなくては行けない。
 人のシステムを極力良いものにする為、コンピューターのシステムを充実させる。
 この辺りの基本を忘れて失敗する人もいるそうだよ。」
「う~ん…、落ち着いて考えると当たり前の様な、でも難しそうな…。」
「姉さんは、さり気なく人のシステムに影響を与えてるのでしょ。」
「ふふ、大したことはしてないわよ。」
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バトル-36 [高校生バトル-04]

「三郎、この前の番組は見てくれた?」
「うん、結構時間を貰ってたね、自分的には次郎兄さんが熱く語ってた学生社員の話が面白かったよ。」
「はは、他は知ってる事ばかりだったからだろ。」
「サポートカンパニーを立ち上げるに当たって社員教育を考えてたとは知らなかったからね。
 番組で話してた通りの成果が上がってるの?」
「ああ、大卒新人が企業で役に立たないと言う話を聞いた事が有り、起業に当たって結構調べたんだ、そしたら全般的に大卒新入社員の評価が低くてね。
 まあ、学生は就職したら研修で教えて貰えるぐらいの感覚、企業側は多くを望まず諦めてる、みたいな感じだったのさ。」
「所謂高学歴の人達でも?」
「学歴が高くても、ビジネスの現場でまともに通用する語学力が不足しているとか、電話の応対がまともに出来ないとか、まあ、学生時代にバイトとかで経験してなくては難しいのだけど、雇う側と雇われる側の意識にはギャップが有るんだ。
 このギャップは双方にとって大きなマイナスだと感じたから、サポートカンパニーに参加してくれる学生には、その辺りの事をはっきり話す事にしたんだ。
 社員として働く実習と言う側面を強調して募集したからね。」
「番組では、大学生が起業した会社だからと、他社との交渉の過程でも素直に教えを請いながらと話してたけど、実際はどうだったの?」
「ホントにうちのメンバーは素直な奴が多くてな、一旦就職活動を止め、場合によってはずっとうちで働く事も意識し始めてた連中が、スポンサー交渉してた先から誘われて内定を貰ったりしてる。
 就活とは違った形で向かい合えた事が良かったと、互いに思ってるらしい。」
「う~ん…、就活の時とは話す内容が違うという事?」
「交渉しながら、教えを請うていただろ、上昇志向が有って素直な存在を部下に欲しいと思うのは自然じゃないのかな。
 相手の会社側としても就職して来る大学生の質が向上すれば嬉しいと考えてか結構助言して貰えた、その内容を整理し社員で共有したから、学生社員の意識が高まり質も高くなったのさ。」
「助言を貰って就職までに足りない所をカンパニーで働きながら身に着ける事も出来るのだから…、アルバイトでは無く大学を卒業して就職するまでの社員と言う形は正解だったんだね。」
「ああ、後輩に引き継ぎながらね。
 始めはずっとサポートカンパニーで働く選択肢を意識してた連中が、実習の場としてのカンパニーを後輩に引き継いで行くべきだと考える様になり、更に活気が出て来てるんだ。
 『就職するまでに身に着けておきたい常識』って本の出版を進めるぐらいにね。」
「そう言う展開もしてたのか…、皆さん大学とカンパニーの両立は出来てるの?」
「まあ、それぐらい出来なきゃなって、彼らのプライドを刺激するのが俺の役目なんだ、時におだてながら。」
「はは、でもそれだと、人の入れ替わりが一般企業より激しくなるよね。」
「その分人件費が抑えられるし、常に若い会社で居られる、ただ、副業が禁止されて無い企業に就職した場合は学生社員を見守る立場で残って欲しいとはお願いしてるんだ。
 うちは公益性の有る企業だし、彼らの就職先との繋がりも強固なものにして行きたいからな。」
「スポンサーとの関係は良好なまま保ちたいものね。
 兄さんが熱く学生社員について語っていたのにはそんな背景も有ったんだ。」
「金儲けだけを考えて起業した訳ではないからな。」
「その、金儲けの方はどうなの?」
「スポンサーが増えてるし、三郎達がYouTubeで稼いでくれてるし、グッズやイベントの売り上げも有る、三郎の給料も上げられるがどうする?」
「う~ん…、そうだな…。」
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バトル-37 [高校生バトル-04]

「姉さん、昨日次郎兄さんと資産運用の話をしてさ。」
「今は銀行に預けても利率が低いって話しでしょ、昔とは全然違うとか、株でも始めるの?」
「うん、資産運用の話を、メインチャンネルで取り上げるのも有りって話になってね。
 学校では貯金しましょうって程度で、大切なお金に関する学習が出来てないからね。」
「そうね、私は結婚後の事が有るから自分で学んでるけど、本当は就職する前から知っておくべきことだと思う、次郎兄さんは何て言ってたの?」
「株式投資に興味が有るって話したら、学習の一環として株取引に取り組みながらYouTubeで解説して行こうかって、将来的には金融商品についての知識を含めたバトルを展開して行くのも有りだって。」
「う~ん、高校生や大学生だってリスクを含めて知っておくべきことだし、メインチャンネルに今までとは違った視聴者層を取り込めるかも知れないわね。
 この所私達は英語チャンネルに時間を掛けてて、メインチャンネルのネタが弱かったと思うわ、専門家に解説して貰う時間をたっぷり取れば三郎の負担は大した事無く進められわね。」
「一からの学習になるから簡単ではないと思ってる、でも、企業と向き合うことにもなり社会とも今までとは違った角度から向き合う事になるのでしょ。」
「そうね、学校では学べない事が学べるのは間違いないわね。
 株式投資は、合法ギャンブルみたいなものだとは聞いているのだけど、自己資金をバランス良く運用して行けば良いのだから。」
「姉さんは資産運用をどんな感じでしてるの?」
「給料を貰う様になってから大輔さんと相談してね、リスクの少ない銀行預金と配当狙いの優良株や株主優待の有る銘柄ってとこ、私の場合、株式は長期保有しか考えて無いけど、三郎はハイリスクハイリターンな銘柄も試してみるのでしょ。」
「う~ん、ハイリスクなのは少しだけにするつもりだけど…、銀行に預けて置くよりはマシって程度の利益で良いのだからさ。」
「そうね、それでも今から取り組んで行けば真子ちゃんとの結婚資金も余裕じゃないかしら。」
「給料を貰っていてもそんなに使わないからな。
 姉さんは具体的にどんな形でYouTubeに上げて行ったら良いと思う?」
「まずは中学生が株式投資に挑戦、と言う形でインパクトを与えるべきでしょうね。
 でも株式の話は大人でも良く分かって無い人が多いみたいだから、その辺りの解説には時間を掛けるべき、コンテンツを面白くするには、やはり買った株の値動きを毎週報告しながらみんなで分析、視聴者の意見もコメント欄から拾って行こうか。
 但し、凄く儲かるイメージにはしたくないわね。」
「リスクは強調して行くべきだろうな。
 えっと、法的に問題なのはインサイダー取引だよね。」
「ええ、その辺りも番組で取り上げて行かないと…、スタッフの話は兄さんとしたの?」
「いつも通り、企画としての検討を指示して置くと話してたよ。」
「そっか、将来的にはバトル形式での展開も有りだと思うから提案しておくわ。」
「姉さんも乗り気なんだ。」
「自己資金をどう運用して行くのかって大切な事だと思うのよ、今の私達みたいに直ぐに使う予定の無いお金を持っていて、それを低金利の銀行預金だけにしておくのか違った運用をして行くのか。
 リスクとも向き合いながらになるのだけど。」
「姉さんは社長夫人コースで心配いらないんじゃないの?」
「人生何が起こるか分からないのよ、今安定してる企業だって十年後も安定してるかと言うと、それは断言出来ないでしょ。
 でも、ある程度の貯蓄は保険的に必要なのだけど、皆が変に貯めこみ過ぎると経済が回らない、沢山稼いで上手に使う事を考えるべきなのだけどね。」
「バランスって事だよね、パソコン買っても良いのかな。」
「パソコンなら自分の為の投資と言う意味も有るでしょ、自分のお金で買うのなら、お父さんも反対しないと思うわよ。」
「だよね、まだ自分の給料とその使い道とか…、良く分かって無くてさ。」
「ふふ、真子ちゃんも自分で稼いでいるから欲しがらないでしょ、でもプレゼントは忘れちゃだめよ。」
「う~ん、クリスマスまではまだ日が有るし…。」
「そんなイベントに左右されている様ではまだまだね。」
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バトル-38 [高校生バトル-04]

「真子ちゃんも株バトルに参戦するのね。」
「はい、今までサポートカンパニーから頂いた給料は手付かずでしたので、そこから百万円で父と取り組むことにして、スタート時に購入する銘柄を検討中です。」
「父と娘での参戦だと強敵になるのかな…、三郎は銘柄、決めたの?」
「まあね、バトルだから教えないけど、姉さんはどう?」
「私は堅実に株主優待の有る株を紹介して行くことをメインに考えて、バトルでは上位を狙わず一年で一割ぐらい増やせたら良いと思ってる。
 ちなみに大輔さんはハイリスク銘柄を中心にお義父さまと組んで参戦、首位か最下位、中途半端は無いのだとか、うちのお父さんとお母さんはバランス型投資の手本を見せるのだと張り切ってたわね。」
「お父さん達が参戦表明したことで一気に盛り上がったよな。
 ホントは内輪での小規模なバトルをイメージしYouTubeで公開と考え予告したのだけど、一気に参加希望が増え、今までで一番平均年齢の高いバトルになりそうだね。」
「各自百万スタートだから、高校生の参加は無いと思ってたら意外と多くなった、余裕の有る親は子どもとこういう経験をしたいと思っていたのかもね。」
「実績を全部公開して行くのだから、ハイリターン狙いが成功し過ぎては良くない気もするのだけど。」
「参加者が増えた事で失敗例も増えるでしょ、長期戦になるから取り敢えず生き残りたいわ。」
「まあ、サポートカンパニーとしてはスポンサーを確保出来たし、視聴数もそれなりに見込めそうだから、僕らが多少資金を減らしたとしてもトータルでは大きなプラスになるのでしょ。
 勿論、バトルで惨めな敗北はしたくないけど。」
「スポンサー企業としても三郎には負けて欲しく無いでしょうね、宣伝効果を考えたら。」
「姉さんが株主優待を紹介したとして、その企業からの見返りは有るの?」
「そこはまだ分からないわ、バトルが盛り上がり注目を集めてみないとね、是非紹介して欲しいという企業から声が掛かる様に頑張るつもりだけど。」
「春子さん、株主優待は利益として加算されるのですか?」
「ええ、物によっては時価でね、ただ、それを売って資金に組み込む事はルール上出来無いから、運用資金が増える事は無いの、その辺りのルールはもうすぐ発表されるわよ。」
「百万円分の利益を運用資金から外せたら負けは無くなるのですよね?」
「ええ、その後運用資金がゼロになっても初期値を下回る事は無いのだから、でも簡単な事では無いでしょうね、社会情勢、経済環境の変化によってバトルの難易度は大きく変わって行きそうだから。」
「ねえ、株取引がメインだけど、並行してお金の話しを展開して行くのでしょ、そっちは大丈夫なの?」
「まずは、お金と言う存在を高校生の視点で見直して貰う所から始まって、老後の資金まで。
 高校生に老後の話はどうかとも思うのだけど、親や祖父母の話として考えて貰おうって事で大きな筋書きは出来つつ有るのよ。
 ネタが尽きる事は無いから、視聴数が伸びるかどうかは出演者のトーク力次第になるのかしら。」
「う~ん、正しく稼いで正しく使う、突き詰めれば簡単な事だけど簡単ではないのだろうね。」
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バトル-39 [高校生バトル-04]

「三郎、企画が増えて忙しくなってないのか?」
「大丈夫だよ、ミュージカルは音楽バトルの上位者も出演してくれるし、株バトルは日常生活に影響する様なデイトレードをしない前提だからね。
 高校は普通に受かると思ってて、結構自由にやってるよ。」
「それなら良いが、サポートカンパニーの売り上げに大きく貢献しているのだから無理はするなよ。」
「うん、一郎兄さんは転職、どうするの?」
「話は進めてる、佐伯さん同様二つの会社に籍を置くことになるのだけど、佐伯さんとは違う角度から社内を見た後、取締役にと言う話が来ていてな、大企業の平社員よりは面白そうだと思わないか?」
「業務拡大して行くの?」
「ああ、高校生バトルの運営と高校生バトルサポートカンパニーが合併する話が出てるだろ、そのタイミングで、資格試験をサポートする企画を立ち上げる案を出して有る。」
「大輔さんのとこは?」
「佐伯さんが見直しただけでも効率が良くなり始めてるからな、展開している事業を拡大しつつ、そのノウハウを活かして新たな事業展開を視野に入れてるよ。」
「無理なく出来そう?」
「ああ、佐伯さんは俺の頼れる先輩という肩書を上手く活かして…、大卒では無いって事が逆に印象を良くしてるみたいなんだ。」
「へ~、そう言うものなのか、学歴差別が有ったのでしょ。」
「親父さんは元々実力主義だからね、佐伯さんの話しは人を納得させる、引退する常務取締役の後任にと言う話が出ても反対する人はいないそうだよ。」
「兄さんの取締役就任も?」
「まあな、俺の場合は学歴が説得力にはなっているが、俺と次郎で高校の改革を進めた話は…、まあ田舎の良いとこで誰もが知ってる、全国的な知名度では、すっかり三郎に抜かれたけどな。」
「ねえ、知名度は武器だと思う?」
「そうだな、武器にはなるが時には足を引っ張られる事も有るだろう、テレビに出て無くてもね。
 知名度を武器に何か考えてるのか?」
「今は考えてないけど…、将来普通に就職と言うのはどうかと思い始めてさ。」
「三郎はやりたい事をやったら良いさ、真子ちゃんに見捨てられない程度にな。」
「一郎兄さんは中三の時、就職とかまで考えてたの?」
「全然だよ、漠然と大学は意識してたけどね。」
「大学に通ってみてどうだった?」
「良かったのは学生のレベルが高かったという事かな、話題が高校とは全然違ってね、友香とも出会えたし。」
「兄さんが転職したら友香さんはどうするの?」
「大学卒業後はこっちに来て貰う話を進めてる、まあ三郎の義姉になるってことだな。」
「結婚?」
「ああ、彼女が大学を卒業したらね。
 仕事は中学生を対象とした高校入試向けバトルの管理業務を続けて行く事になる。」
「そっか…。
 中学生バトルの方向性は悪く無いと思うよ。」
「どの辺りが?」
「階級を細かく分け、各階級内での順位争いと昇級を目指すシステムになったでしょ。
 到達可能な目標が有るという事は大切な事だと思うんだ。」
「中学生向けはまだ充分ではないのだろ?」
「それでも、取り組む人が増えたし、その中には中学生バトルの運営に興味を持つ人も出始めてね、姉さんが話した、受け身では無い学習の話に刺激されたみたいで。」
「ふむ、良い傾向だな。」
「そこから、意識の高い中学生が連絡を取り合える環境を作る話が出てるんだ。
 難しい話題を語り合える仲間を求めてね。」
「そうだな、俺が中学生の時も、もう少し大人な会話をしたいと思ってた。
 ネットを通してでも、そう言う仲間が見つけられるのは良い事だな。」
「うん、政治経済の話が出来る中学生は希少生物だからね。」
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バトル-40 [高校生バトル-04]

「明けましておめでとう、昨年と同じメンバーがこうして集まってくれて嬉しいよ。」
「一郎兄さんと次郎兄さんの結婚が決まって、お父さんとしては感慨深いでしょ。」
「まあな、四人の子ども達が立派に成長し、それぞれが素敵な配偶者を見つけてくれた、親としてこれ以上の事は無いだろう。」
「お父さん、真子ちゃんはまだそこまで考えて無いかもよ。」
「えっ、そうなのか?」
「ははは、その気が無かったらここにはいないでしょ、真子ちゃん。」
「勿論です。」
「う~ん、去年はもう少し、恥ずかしそうにしてたのにな。」
「春子さんに鍛えられましたから。」
「高校生活はどう?」
「そうですね、学校は何とか無難にこなしてます、学習は無理せず自分なりに頑張った結果が自分の実力と考え…、まあ、姉より高い結果を出していますので全く問題有りません。
 ミュージカルへの挑戦には緊張しましたが三郎くんと一緒に取り組んでいることで、充実した時間を過ごせていまして…、遊びでは得られない貴重な時間だと感じています。」
「そっか…、三郎くんはどうなの、次郎にこき使われてないのか心配だわ、YouTubeは毎日の様に更新してるでしょ。」
「麻衣さん、心配には及びませんよ、マイペースでやってますから。
 複数回分をまとめて録画しているのですが、毎回出てても自分達の出番はそれほど長く無いのです。
 今は…、歌のクオリティを上げる事が課題ですね。」
「結構な視聴回数でしょ、CDを出す話は出て無いの?」
「次郎兄さん、配信の話は進んでる?」
「ああ、CDを出すよりは簡単、録音をし直す時間が取れたら直ぐにでも始められるよ、著作権関係は調べて有るからね。
 配信と並行して、ミュージカルの解説とか関連書籍の制作販売も考えてるんだ。」
「儲かりそうなの?」
「赤字にはならない自信は有る、ただ海外でどれ程の売り上げになるのかは全く分からない。」
「英文のコメントを見てると三郎くん目当ての女性ファンが多いのよね。」
「みんなの弟というキャッチが正解だったな。」
「そうよね、私の義弟になるって話すと羨ましがられるのよ、次郎と結婚するって言っても軽く流されるのに。」
「それは付き合いが長かったからでしょ、次郎兄さん、英語教材チームが取り組んでる読み物だけど三郎の写真を入れようよ、メインターゲットは女子高生でしょ、うちの高校ではみんなが三郎の写真を持ってるのよ、ね、真子ちゃん。」
「私としては微妙なのですが、彼氏としてではなく理想の弟として妄想してるみたいです。
 私の事を弟の彼女という扱いで接して来る、おバカな子もいるのですよ。」
「そうか、会社の利益に繋がるのなら、そう言ったグッズをもっと展開して行くべきだな、良いだろ三郎。」
「良いけど…、売れなくても知らないよ。」
「そこは、視聴者の心理を突いてだな…。」
「女子高生だけでなく女子大生もターゲットに入れるべきだわ、春子さんが編集長になって雑誌を企画してみてはどう?」
「友香、春子に出来るのかな?」
「大丈夫よ、ね、麻衣。」
「うん、私達も手伝うし、ゆったり制作して年一回の発行でも良いのよ、ネット版と同時発行にして紙の方には紙ならではのおまけをつける、友香と少し構想を練ってみたのだけど、編集長はやっぱ春子でしょ。」
「友香と麻衣さんがそんな話をしてたとはね。」
「ふふ、麻衣は五か月年下の義姉になるのだから連絡を取り合って来たのよ。
 今のカンパニーなら雑誌の一つや二つ、発行する余力は有るでしょ。」
「次郎、どうなんだ?」
「勿論問題ない、春子の功績は大きいからな、麻衣の事だから収支の計算は出来てるのだろ?」
「ええ、スポンサーをお願いする企業のリストも作ってみたわ、営業担当が余程無能でない限り、その五十%は確保出来るでしょう。」
「そうやって、営業担当にプレッシャーを掛けるのですね。」
「そうよ三郎くん、ちなみにカンパニーでの営業成績は上位なのよ、私。」
「やっぱ綺麗な人に頼まれるとおじさん達は簡単に落ちるって事?」
「ふふ、どうかしらね~。」
「その美女は、中学生におだてられて舞い上がる訳か。」
「兄貴よ、そう言う的を得た発言は社内での好感度を下げる事になるのだぞ。」
「うっ、麻衣さん、美女という部分だけ覚えておいて後は忘れてくれないか…。」
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