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猫田小夜-11 [化け猫亭-02]

「小夜ちゃんなら就職してもすぐに影のボスになりそうだけど。」
「そこまで甘く無いですよ、ここのお客様方でも三割ぐらいの人は部下に出来無さそうです。」
「という事は、後の七割は…。」
「部下になって下りそうな方は五割ぐらいですよ、宮田さんは中間の二割かな。」
「そ、そうなのか…。」
「組織に於ける人間関係って難しいじゃないですか、会社組織では上司の能力が低かったが為に実力を発揮出来ない人が少なからず居るのでは在りませんか?」
「そうだな、私も…、就職したばかりの頃は全く分からなかったのだが、ある日ふと気付いたんだ、係長って頭が悪いんじゃないのかってね。」
「あらま。」
「それから情報収集をしたんだ、先輩方から係長に関する情報を聞き出して行くと、自分が社内でもかなり評価の低い係長の下に配属された事が分かった。」
「それで宮田さんは?」
「係長と話し合ったよ。」
「そして影の係長となったのですか?」
「まあそんなとこ、その係長は悪い人では無かったから私を尊重してくれて、今は私の部下として新人教育をして貰ってる。」
「私だったら…、追い詰めてしまうかも知れません。」
「そうかな、自分は影に徹したけど、小夜ちゃんなら、普通に上司をこき使いそうだ。」
「ですかね…、就職に積極的になれないのはその辺りの人間関係が良く分からないからなのです。
頭も性格も悪い人と同じ空気を吸いたくないじゃないですか。」
「まあ、就職には運の要素が少なからず有るからな、第一志望へ入社してがっかりとか、妥協して働き始めたら自分に合ってた、なんて話は結構耳にするよ。」
「う~ん、能力の高い人に絞ると、人の上に立って威張りたい人は就職を、そうでない人は、起業したり、個人での活動を目指すと思いませんか?」
「はは、小夜ちゃんは後者なんだね。」
「小中学生の頃に集団で動く無駄を散々経験しましたので。」
「なるほどな、高校はどうだったの?」
「自由な校風でしたし、論理的に話せばすぐ分かってくれる人ばかりでしたので気楽でした。」
「もしかして女王様だったとか?」
「いえ、私はそういうタイプではありません。」
「あっ、猫か…。」
「ふふ、さすが宮田さんですね、猫という立ち位置は色々許されるのですよ、何をしていても、しなくても、クラスの皆から可愛がって貰っていました。」
「ルックスが良いと何でも許されてしまうのか…。」
「どうですかね、でも、聞いて下さいよぉ~、私が良いなと思う男子にはみんな可愛い彼女がいて、私に言い寄って来る連中は、感覚的に御免ねっ、て人ばかりだったのです。
私の辞書に妥協という言葉は載っていませんので…、高校時代に性格が少し歪んだかも知れません。」
「はは、まだ妥協する必要は無さそうだが、高望みし過ぎているとチャンスを逃すかもしれないぞ。」
「ですよね…。」
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猫田小夜-12 [化け猫亭-02]

「それで、お金儲けの道は何か考えているの?」
「今は少しだけ投資を、バイトで得たお金だけですので小規模ですが、でも、宮田さん、株の取引きとかってギャンブルですよね。」
「まあな、ただ、堅実にやってる分にはそれ程リスクが大きい訳では無い、ハイリターンを期待してハイリスクな銘柄に手を出さなければ良いのさ。」
「宮田さんもお持ちなのですか?」
「ああ、配当の期待できる銘柄を中心にをリスクを避けて分散投資、デイトレードをする気は無いから大儲けは考えていないよ。」
「そうか、そういう考え方も有るのですね、人に勧められた本は如何にして大儲けするかみたいなもので…、私は、勿論利益を得たいですが一通り仕組みとか確認出来ればと考えて始めたのです、親にはバイトの給料が全部無くなるかもと話した上で。」
「確かに仕組みを知るには実際にやってみるのが一番だね。
ただ、ギャンブル依存症みたいになってしまってはまずいが。」
「はい、気をつけます。
今やってる中で最も利益が期待出来ないのは宝くじのロト7ですが、一回300円と決めていますので大丈夫だと思います。」
「確率を考えたら正解だね、夢だけは有るもんな、当たったら何をするとか考えるのが楽しくて買う訳だろ。」
「はい、300円で妄想の材料が手に入るのですから安い買い物ですよ、でも、大量に購入したらただの無駄使いですよね。」
「ああ、そうだね…、小夜ちゃん、失敗した時の事を想像出来ない、計算出来ない人が馬鹿な事をしてると思わないか?」
「ええ、犯罪を犯し、それが発覚し捕まった状況を想像出来ない人が刑務所で規則正しい生活を送っているのですね。」
「逆に、想像力、推理力の有る人は良い仕事が出来る。」
「あっ、学力では無いと?」
「暗記力が有れば役に立つが、仕事上絶対に必要かというと微妙では有るね。
知識は必要だが、今は調べる手段が広がった、情報収集能力が有れば、不確かな記憶に頼るよりもベターな気がしないか?」
「ええ、信頼出来るデータベースが有れば、でもネット上の情報には怪しげなのも多いです。」
「本だって新聞だって似たようなものだろ、目にした情報から何を導き出すかは自分次第じゃないのか?」
「あっ、そうでした、父から、百人中百人が同じ事を言っていたとしても、それが正しいとは限らないと教えられました。」
「あっ、それは名言だね、うちの息子達にも話しておこうかな、君のお父さんはなかなかの人物なんだね。」
「父はバランス感覚に優れた人で尊敬しています、浮気とかしてるかどうかは分かりませんが。」
「はは、その可能性が有るのか?」
「マスターが歳を重ねて渋くなった姿を想像出来ませんか?」
「なるほど、歳の離れた兄弟だったね、浮気はともかく女性に人気が有るというのは娘としてどうなの?」
「たまに父とデートに行くと周りの視線が面白いです。」
「はは、それは微妙だな、お母さんは?」
「ふふ、嫉妬させないように気を付けていますよ。」
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猫田小夜-13 [化け猫亭-02]

「小夜ちゃんは、朝鮮半島情勢についてどう思う?」
「ふふ、安川さん、今日は国際問題ですか、なんか総理大臣レベルの幅広い見識を求められている気がするのですが。」
「我が国にも大きな影響が有ると思うだろ。」
「はい、間違いなく、ただ…、昨日、たまたまテレビで国会中継を見て思ったのは、国際情勢とかをしっかり考えて欲しい総理大臣に対して、くだらない質問を繰り返している野党議員は日本の明日をどれぐらい考えているのだろうかという事です。
朝鮮半島情勢が大きく動けば、政治経済関連で日本も大きな影響を受ける事は誰にでも分る事では在りませんか。
経済支援を要求されるでしょうし、韓国と北朝鮮が手を組んで日本に色々な圧力を掛けて来る事も容易に推察出来ます、中国やロシアがどう動くか不透明ですし、韓国が北朝鮮の意のままに動かされたら韓国国内の治安が悪くなるかもしれません、色々な状況を想定して備えるべき時にですよ、本当に問題なら司法に任せるべき案件を立法府でだらだらと…、総理の時間を無駄に使っているとしか思えませんでした。」
「まあ、野党はそれぐらいしかやる事が無いのだろうね、党利党略に自分の私利私欲を重ねてどの党の所属になるかを考えている様な人達だから。
与党の連中だって似たようなものだが数の力を分かっている分だけ賢いのかな。
う~ん、韓国の大統領達、その末路を考えると、日本の政治家はまだましなのかも知れないよ。」
「韓国ですか…、今の大統領だって北朝鮮との関係改善で人気が有っても、この先の政策を誤ればどうなるか分かりませんよね。
ドイツみたいには行かないだろうし、北朝鮮を意識しての経済政策は簡単では無いと思います。
反日政策で国民感情をなだめながら、また日本に対して金を出せとか言って来そうですが。」
「地理的に近くてもその辺りの国民性は日本と大きく違うからな、アメリカはどう出ると思う?」
「核とミサイル次第ではないでしょうか、北朝鮮が本当に妥協するとは思えませんが…。
アメリカというより…、私が北朝鮮の指導者なら、経済支援を受けつつ、経済大国にのし上がるというシナリオを描きますね。
核開発やミサイルで技術力を見せつけましたし、今まで周辺諸国に与えていた不安を取り除く事で一気に、そうですね、世界中に慰安婦像を広げながら、韓国と共通の敵として日本を叩けば商談も成立し易くなります。
今の韓国大統領は御し易そうですので難しくないと思いますね。
北朝鮮にとっては、最高のタイミングで動いたのだと思いませんか?」
「う~ん、そうかもな…、北朝鮮が韓国と共に日本を食い物にするシナリオを描いていたとしても不思議ではないか…、小夜ちゃんは日本としてどうすれば良いと思う?」
「今は情報収集でしょう、実際に日本に対して圧力が掛けられる様なら毅然とした態度を、総理大臣には取って欲しいですね。
変に妥協する事無くバランスの取れた外交、野党の党首には無理そうですから、安倍首相が退陣となっても自民党から有能な後継者が出て欲しいです、心当たりは全く在りませんが。」
「そこなんだよな、パフォーマンスで小泉は人気が有ったが、社会の二極化を推し進めた張本人という評価も有る、民主党政権時代の闇は若者の間でも広く知られているのだろ。
一旦退いた安倍晋三が再び首相になり、首相経験の有る麻生太郎が大臣となったという事は、自民党内でも力を認める人が多いのだと推測出来る。
その後継に名前が上がる人達はな…。」
「安川さん、国民が望むようなヒーローレベルの政治家は簡単には現れませんね。
トランプが大統領になったアメリカの大統領選挙では、どちらの候補にも魅力を感じませんでした。
色々批判を受けてはいても、安倍首相は職責を果たしていてまともだと感じます、ただ、彼を支えるべき周りに甘さがありますよね。」
「そうだな、昔の知り合いに国家公務員でもかなり上まで登り詰めた人がいるのだが、彼の奥さんがお歳暮お中元の時期を嘆いてみえたよ、届く貢物を全部送り返すのが結構な手間だったそうだ。
今の官僚全員が同じ様な感覚の持ち主ならば、野党やマスコミが喜ぶネタを提供する率はかなり低いと思うのだがな。」
「報道が正しければ隙だらけですものね。」
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猫田小夜-14 [化け猫亭-02]

「小夜ちゃん、仕事には慣れたみたいだね。」
「はい、マスター、お客さんに可愛がって頂いてます。」
「誘って良かったと思ってるよ、お客さんにも、バイトの子達にも良い影響を与えてくれているからね。」
「そうですか? 適当にやってるだけですよ。」
「基本、客もバイトも真面目な人ばかりが集まる店だから、視点が固定化されかねなかったんだ。
たまに私から話を振ってもね。
小夜ちゃんは、適当に話し相手をしていても、相手の心理を読んで合わせているだろ?」
「何故か、私に弄ばれたそうな人が多いですが、私にとってプラスになる事を話して下さる方もみえて、大学では学べない事を学ばせて貰っていると思っています。」
「富永さんが話してみえたよ、小夜ちゃんは根は真面目なのに、捉えどころの無い所が面白いって、綺麗な女の子は見てるだけでも幸せな気分になるともね。」
「ふふ、富永さんからは社長心得を教えて頂いてます、そういう視点で考えた事が無かったので新鮮ですよ、すぐ社長になれるのなら就職も有りかしら。」
「はは、それを考えるなら起業だろ。」
「でも、大変そうです。」
「楽して金儲けをしようなんて考えてないよな?」
「考えてませんよ、ただ、起業するにしても自分の力を発揮したいじゃないですか、まだ分野すら思い浮かばなくて…。」
「深く考えずに試してみれば良いのさ、不安なら誰からも借金をしないと決めておけば良い。」
「小さく始めて、借金しないと存続出来ない様な状況になったら撤退か…。」
「投資の方はどうなんだ?」
「今のところお客様方と意見交換しながら進めていたのが当たって極めて順調、と言ってもまだ少額ですから…、でも、額が増えたらホントにギャンブルですよね。」
「それが分かってるなら安心かな、まあ、起業だってギャンブルなのだが。」
「そうですね、結局ギャンブル好きが世の中を回しているのかしら、成功すると考えて投資するとしても絶対ではない…、衰退していった大企業は経営陣の読みが甘くて賭けに負けたという事ですね。」
「そういう事だ、まあ、大企業は潰すと多くの人が迷惑するから支援を受け易いが中小企業だと倒産だね。」
「経営者になるということはギャンブラーになると言う事かしら?」
「手堅い人に、そのイメージはないけどな。」
「就職せずにお金儲けを考えてる時点で、私もギャンブラーの一人なのね。」
「ああ、でも、違法なギャンブルには手を出すなよ。」
「はい、そこまで馬鹿じゃないです。」
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猫田小夜-15 [化け猫亭-02]

「マスター、佐々木さん達は、小夜ちゃんを囲んで何を話しているのですか?」
「麗華ちゃん、気になる?」
「気になりますよ、なんだか悪だくみをしてるって雰囲気が漂っていません?」
「はは、合法的な事だから心配には及ばない。
これをテーブルまで運んで、そのまま君も混ぜて貰うと良い、店は落ち着いているから大丈夫だよ。」
「はい。」

「麗華ちゃんは、起業とか考えた事有る?」
「いいえ、私が目指しているのはキャリアウーマンですから。」
「そうか、でも仕事の関係で出来立ての会社と関係を持つ可能性は有るだろ?」
「う~ん、否定は出来ませんね、佐々木さん達は会社を興されるのですか?」
「いや、その予定はないが、小夜ちゃんから最低限の資金で起業というテーマを振られてな。」
「どんな会社なのです?」
「どんなと言うか…、資本金十万で出来る会社なのだが。」
「社長が体を張って頑張るしかなさそうですね。」
「だろ、でも、小夜ちゃんのイメージには合わないと思わないか?」
「ふふ、小夜ちゃんが起業するなら、おじさま方が出資して下さるのでは?」
「それでは、面白くないと姫は考えているのだよ。」
「資本金十万だと実店舗は無理ですね、ネットショップとかが現実的かしら。」
「麗華さん、余程良い商材を扱って効率良く宣伝していかないと難しいと思いません?」
「あらっ、小夜ちゃんには面白いアイディアが有るのかと思ったわ。」
「何にも浮かばないので、お客様方の知恵を拝借しようと考えたのです。」
「おじさま世代をターゲットというのは難しくないかしら?
佐々木さんは何にお金を使います?」
「そうだな…、ゴルフと飲み会かな。」
「小夜ちゃんゴルフは?」
「しないです。」
「じゃあ、小夜ちゃんの得意な事は?」
「え~、何かしら?」
「ふふ、才女でも自分の事は分からないものなのね。」
「麗華ちゃんは分かってるのかい?」
「ええ、佐々木さんは何時も色々教えて貰ってませんか、小夜ちゃんに。」
「まあ、そうだな。」
「コンサルタント的な事が出来そうだと思いません?」
「あっ、おじさま方に適当な話をしてお金を巻き上げれば良いのか。」
「はは、はっきり言い過ぎだが…、仕事としてうちの会社を見て貰うのは有りかもな。」
「個人経営のコンサルタント会社なら資本金はたいして掛からない、小夜ちゃんの力次第でしょ。」
「麗華さん、有難うございます、調べて検討してみます。」
「お客さんは、化け猫亭で小夜ちゃんに弄ばれて喜んでいる人から開拓して行けば良いわ。」
「おお、では小夜ちゃんの起業を祝して乾杯だな。」
「気が早すぎですよ。」
「でも、佐々木さんの奢りで、皆さん何がよろしいですか?」
「と言うことは、小夜ちゃん本気なんだ。」
「良い先輩と出会えた事に乾杯ですね。」
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猫田小夜-16 [化け猫亭-02]

「小夜ちゃん、藤井聡太六段が昇段して七段になったんだよ。」
「はい、ニュースを見ました、檜田さんに教えて頂いてから将棋の事を調べましたが簡単な事ではないのですよね。」
「うん、そうなんだ、今回は休暇を取って朝から対局を見てしまったが楽しかったな。」
「えっ、永井さんは、ちっとも手が進まないから将棋の対局は見ていて面白くないと話してましたよ。」
「奴は素人だからな、じっくり次の一手を考えたり、解説を聞くのが楽しいんだ。
まあ、解説の先生や聞き手の女流棋士によって随分違うのだがね。」
「ふふ、檜田さん好みの女性が登場していらしたのですね。」
「ああ、慣れていてトーク力の有る人は何故か美人なのだよ。
解説も若手は視聴者を意識出来なかったりするから、慣れたベテランの方が楽しい、そこに若い女の子が絡んで行くという構図は下手な芸人のトークより面白いぐらいだな。」
「へ~、ちょっと見てみます。
ところで、檜田さんは藤井ろ…、藤井七段は天才だと思いますか?」
「天才の定義は難しいが、持って生まれた才能がないとあそこまでには成れないだろう、天才だと思うよ、小夜ちゃんは何か思うところが有るのかい?」
「はい、ハイレベルなクイズ番組の優勝者が東大医学部生にして司法試験に合格、と知りまして、そんな天才が将来何をするのだろうかと。」
「すごい人だね。」
「でも、将来は医療ミスに関する弁護士かもしれません、その世界では第一人者になるのかも知れませんが、もっと社会の事を学んで貰って国のリーダーとかの選択肢を考慮して頂くとか…、棋士の皆さんは幼い頃から実力を発揮されてプロになられる方が多いですが、天才レベルの才能を個人プレイの将棋では無く国政の場で発揮されたとしたら…、リーダーとしての資質は、また違いますので単純な話では有りませんが、安倍総理の後継が見えない状況を考えていまして。」
「そうだな、色々な分野でヒーローが出て来ているのに、国民が一番必要としてる政治の分野にはね、今の状況も…、知り合いのフランス人が呆れていたよ、賄賂を貰った訳でも無く、ただ官僚達が勝手に動いた様な事で、しかも今の国際情勢を考えたら極めて小さい事で総理を貶める野党やマスコミ、安倍首相に代われる存在のいない状況で何を考えているのか分からないとね、今の総理の状況を見ていたら、真面目な理由で政治家を志す若者なんて出て来なくなるともね。」
「結局、パフォーマンスは上手でも能力の低い人が安倍総理の後継になるのでしょうか?」
「反政府運動をしている様なマスコミが存在するからね、民主主義の悪い面が出てしまっている、大学生の就職率とかを民主党政権時代と比較する気は無さそうだしな。」
「政権批判をするネタの方が視聴者受けするのでしょうね…、私達は憂う事しか出来ないのでしょうか?」
「う~ん…、次の総裁選で安部首相が再選されたとしても後継者は必要なのだが、国のトップリーダーを育てるという感覚も見えて来ない。
次の選挙で自分が当選出来るかどうかが問題という連中ばかりだと、政治の世界にニューヒーロー登場は期待出来そうにないかな…、いっそ、小夜ちゃんが総理を目指してはどう?」
「私はリーダータイプではないですし、能力も有りません。」
「はは、起業して社長を目指しているのだったな。」
「もう、檜田さんの耳に入っているのですか…。」
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猫田小夜-17 [化け猫亭-02]

「経営コンサルタントを考えてるのかな?」
「はい、まだ学習を始めたばかりですが、今まで全く見えて無かった将来へ向けての方向性が固まり始めました。」
「どんな形で始めるの?」
「化け猫亭のお客様方が相談に乗って下っています。
まずは、実践経験を積むべきとの事で、その場を検討して頂いています。
近い内にお客様関連の会社と契約を結ぶ事になるかと。」
「もう、そこまで進んでいたのか、確かに実際の会社を見て考える事はプラスになるだろうね。
契約内容も相談してるの?」
「はい、私のトレーニングという意味合いが強いので、目に見える実績を上げる事が出来なかったら無報酬、成果を上げる事が出来たら成功報酬を頂けるという形になりそうです。
社員の方から色々教えて頂きますので、私が授業料を払わなくてはいけないところなのですが、会社に赴く時に小奇麗な身なりをしていれば大丈夫だそうです。」
「はは、美人は得だね、せいぜい男性社員達の目を楽しませてやってくれな。
だが、小夜ちゃんは経営や経済と無関係な学部だから大変だろ。」
「そうでも無いです、経済活動は人の心理と密接に関係していますので。
売れる商品は、消費者に欲しいと思わせる何かが有る筈なのです、それを見誤るとたとえ良い商品であっても思う様に売れません。
工場や倉庫では、壁の色によって労働者のモチベーションが変わります。
暗い感じの職場では、働かさせられてるという感覚が高まり、明るい職場ではそれが軽減されます。
省エネ対策で照明を減らす傾向が有りますが、大きく考えたら生産性を落としているかも知れません。」
「なるほどな…、小夜ちゃんは経営コンサルタントに向いていそうだ。」
「でも、必要な知識をひたすら学習する必要は有ります。
まあ、今まで、はっきりした目標もなく学習して来た事を考えると集中して取り組めますので楽しみではありますが、必要なら幾つか資格を取ろうとも考えています。」
「本気なんだね。」
「ええ、真っ直ぐに取り組む事で、自分の力がどれ位のものなのか見えると思いまして。」
「それは私も知りたいね、君がお休みの日には、化け猫亭が猫田小夜論で盛り上がる事がしばしば有ったからね。」
「え~、私も混ぜて欲しかったです~、どんなお話をされていたのですか?」
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猫田小夜-18 [化け猫亭-02]

「そうだね、他の女の子は政治に関する質問に対して曖昧に答えるけど、小夜ちゃんは、はっきりしてるだろ。」
「檜田さん、たとえ間違っていたとしても自分の考えを持て、というのが父の教えなのです。」
「なるほど、素敵なお父様なのだね、小夜ちゃんの意見は相手を混乱させる事は有っても間違ってないというのが我々の見解なんだ。」
「適当に話しているだけですよ。」
「適当か…、小夜ちゃんはネット上に溢れているコメントって関心有る?」
「たまに見ますよ、人の心理を探りたいと思う事も有りまして…、ただ、恥ずかしい人の多さに悲しくなります。」
「恥ずかしい人?」
「公開されてる事実関係を理解出来ていなかったり、知らない人が適当に書き込んでいるのは、論理的に考える事の出来ない人たちの暇つぶしなので仕方が無いのかも知れませんが…、記事を書いてる人でも情けない人が多くて、新聞社や雑誌の記者とかの肩書で書くならもう少しまともに書けないのかと、よく思います。
私が酔っ払い相手に適当な話をしてるのとは違うのですから。」
「はは、そうだな、コメント以前に記事そのものがな。
ただ、くだらない記事はともかく偏向報道は問題だと思わないか、それによって考え方が偏る人も居るだろ?」
「ええ、自分の主張に対して都合の悪い事から目を逸らした記事が多過ぎます、よくそれで歴史ある新聞社の記者を名乗れるものだと感心する事が有るぐらいです。
そして…、檜田さんは、ネットの普及による情報化社会が、膨大な量のいらない情報に邪魔されていると感じる事は有りませんか?」
「それは有るな、実は普段あまり使っていないツイッターで、キーワード検索というのを使ってみたんだ、そしたら、古い情報や人を貶める様な書き込みが沢山出てきてね、下らないサイトの宣伝なのだろうがね、それで小夜ちゃんに聞いてみたくなったんだよ。」
「便利そうな機能でも、利用者によってその価値が奪われてしまうのですね。
結局、巷に溢れる情報に信憑性は無いというスタンスで向き合うしかないのですが、それは昔から変わらないのかも知れません。
記者自身が偏りなく書いていると思っていても、そこには私的な価値基準がどうしても存在するでしょうし、そもそも価値観は人それぞれですよね。」
「そうだな…。」
「そんな中で自分の価値観と近い人の話には同意、実は思いっきり偏見に満ちていたとしても、その人にとっては正しいのです、世の中に絶対的正解なんて有りませんからね。」
「う~ん…。」
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猫田小夜-19 [化け猫亭-02]

「日大アメリカンフットボール部の内田正人監督にとっての正解は、相手クオーターバックを殺してでもチームの勝利だった訳じゃないですか。
日本大学理事から、人の価値観は本当に様々なのだと教えられました。」
「しかし、彼の正解に対して同意する人は少ないと思わないか?」
「日本大学の幹部は容認していますよ、私に権限が有ったら監督は懲戒処分、プラス被害者側から訴えられる前に刑事事件として彼を告発しています。
そうしないと日大そのものが、世間の価値観とズレた恥ずかしい大学だと認識されてしまうでは有りませんか、でも、それをしなかった。
時すでに遅し、日大卒業生や在校生が恥ずかしい思いをし、学生の偏差値は下がって行く事になるのでしょう。
組織の中で高い地位にいても一般的価値基準と違う感覚の持ち主は時々登場しますね。」
「だよな、ルール無視のタックルを見て日大アメフト部に入ろうと思うのは余程の馬鹿か大物だけだろう、あそこまで分かりやすい映像が広まってはな…。
なあ、小夜ちゃんは日大アメフト部、再生出来ると思うか?」
「内田正人が日大に留まる様では難しいですが、理事もやめるのであれば何とかなりますよ、大きな注目を集めている訳ですから。」
「策が有ると?」
「アメフトの事は分かりませんが、どん底と言える今の状況を公開して再生のドラマを演出して行くだけです。
部に残った人達が何を考え、どう動いたのか、それを演出はしていないという演出で伝えて行く、10分ぐらいの動画にまとめてネットで随時公開して行けば、今なら注目度が高いですので、それなりに活動費は稼げるぐらい見て貰えますよ。
今までなら絶対試合に出して貰えなかった人達が頑張るとか、日本人は好きじゃないですか。」
「しかし、対外試合とかは難しいだろ?」
「対応の悪さでどの道しばらく対外試合は出来ません、時間をかけて再生して行くしか無いのです。
でも、それでは動画の視聴者は飽きてしまいます、そこで動画には影から支える選手の彼女とかにも活躍して貰うのです、総合演出の出来る人がいれば、当分試合に勝てなくても、いえ、むしろ勝たない方が良いのかも知れません。」
「演出か…、確かに部員達は悪くない、同情の余地は有る。
日大が対応を間違えていなかったら、試合を断られる事も無かったかもな。」
「最大の問題は、この件を受けて日大という大学を運営している人達が、恥ずかしくなるような判断力しか持ち合わせていないという事実を世間の人達が知ってしまった、という事では有りませんか。
さすがに殺人未遂とはならないでしょうが、傷害事件との認識すら持てない人達が運営している大学、入学を目指している高校生がいるのにですよ。」
「組織の闇か…、相撲、レスリング、官僚組織以外にも表に出てない不正は有るだろう。
無能な人が日大レベルの大学組織を運営しているとは、事件が起こるまで思ってもいなかったな。」
「学校で教科として教える事ではないと考えられて来たのかも知れませんが、中高生ぐらいから組織運営、組織論を教育すべきではないでしょうか、ただ、頭が悪くても組織の幹部になれる訳ですから、根本的解決にはならないかも知れませんね。
この前、お客様に教えて頂いたのですが、人を恫喝する能力に長けている人は組織の上に行けるそうです、論理的思考能力が欠落していてもですよ、檜田さんは心当たり有りませんか?」
「はは、有るよ、うちの常務がその典型でね…。」
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猫田小夜-20 [化け猫亭-02]

「ねえ、小夜ちゃんの専門外だとは思うが、老人介護の問題はどう思う?」
「ふふ、高川さんは、ようやく不安になって来たのですか?
健康寿命を延ばすには、お酒を控えめにしないとだめですよ。」
「う、うん…。」
「不安の原因は厚生労働省が発表した介護職員に関する推計ですね。」
「ニュース、見たんだ。」
「ええ、介護職員が近い将来大きく不足、でも、私は重そうな高川さんを介護するなんてまっぴらごめんです。」
「だ、だろうな…。」
「それで…、高川さんは、もし介護が必要になった時、介護して下さる方に充分な報酬を支払おうと考えていますか?」
「そんな事は考えた事無かった…。」
「安ければ良いと値切るのでしょ?」
「そりゃあ、安いに越した事は無いからな。」
「人によるサービスの価値を低く考える人が多い状態で、介護職に就こうなんて思う人、増えませんよ、もっと楽な仕事が有りますからね。
しっかり調べた訳では無いのですが、介護職は重労働で精神的にもきつい割に給料が安いみたいです、まあ、その隙をついて稼いでる人もいらっしゃるそうですが。
今の社会は、介護に限らず肉体労働に対する対価を抑え過ぎていると思いませんか?」
「う~ん…。」
「今は頭の良い人達にとって都合の良い社会、社会を動かしているのは学歴関係なく頭の良い方々が中心ですし、肉体労働の方は社会的な力が弱いです。
その頭の良い人達が貧富の差を広げてしまった、気が付いたら少子高齢化です。
富裕層に集まり過ぎてるお金が、肉体労働者にもバランス良く行き届いていれば、経済活動が盛んになるのですけど、企業の偉い人達はそんな事考えていませんよね、利己的ですので、高川さんもそうでしょ?」
「うっ、手厳しいな…。」
「介護を含めたサービス業が正当に評価されていたら内需はもっと拡大します。
高川さんの会社は大きいですから、老後の面倒を見る部門か子会社を作って、そこで働く人の給料を営業社員と同等にするとか如何です、安心して老後を迎えられますし、安定した雇用の場を広げる事になり会社のイメージアップに繋がりますよ。」
「だが、それは費用が掛かり過ぎる…。」
「やはり職種差別するのですね、社会全体の給与体系を見直さないとバランスの取れた国にはならないと思うのですが。」
「そうは言っても…。」
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