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猫田小夜-15 [化け猫亭-02]

「マスター、佐々木さん達は、小夜ちゃんを囲んで何を話しているのですか?」
「麗華ちゃん、気になる?」
「気になりますよ、なんだか悪だくみをしてるって雰囲気が漂っていません?」
「はは、合法的な事だから心配には及ばない。
これをテーブルまで運んで、そのまま君も混ぜて貰うと良い、店は落ち着いているから大丈夫だよ。」
「はい。」

「麗華ちゃんは、起業とか考えた事有る?」
「いいえ、私が目指しているのはキャリアウーマンですから。」
「そうか、でも仕事の関係で出来立ての会社と関係を持つ可能性は有るだろ?」
「う~ん、否定は出来ませんね、佐々木さん達は会社を興されるのですか?」
「いや、その予定はないが、小夜ちゃんから最低限の資金で起業というテーマを振られてな。」
「どんな会社なのです?」
「どんなと言うか…、資本金十万で出来る会社なのだが。」
「社長が体を張って頑張るしかなさそうですね。」
「だろ、でも、小夜ちゃんのイメージには合わないと思わないか?」
「ふふ、小夜ちゃんが起業するなら、おじさま方が出資して下さるのでは?」
「それでは、面白くないと姫は考えているのだよ。」
「資本金十万だと実店舗は無理ですね、ネットショップとかが現実的かしら。」
「麗華さん、余程良い商材を扱って効率良く宣伝していかないと難しいと思いません?」
「あらっ、小夜ちゃんには面白いアイディアが有るのかと思ったわ。」
「何にも浮かばないので、お客様方の知恵を拝借しようと考えたのです。」
「おじさま世代をターゲットというのは難しくないかしら?
佐々木さんは何にお金を使います?」
「そうだな…、ゴルフと飲み会かな。」
「小夜ちゃんゴルフは?」
「しないです。」
「じゃあ、小夜ちゃんの得意な事は?」
「え~、何かしら?」
「ふふ、才女でも自分の事は分からないものなのね。」
「麗華ちゃんは分かってるのかい?」
「ええ、佐々木さんは何時も色々教えて貰ってませんか、小夜ちゃんに。」
「まあ、そうだな。」
「コンサルタント的な事が出来そうだと思いません?」
「あっ、おじさま方に適当な話をしてお金を巻き上げれば良いのか。」
「はは、はっきり言い過ぎだが…、仕事としてうちの会社を見て貰うのは有りかもな。」
「個人経営のコンサルタント会社なら資本金はたいして掛からない、小夜ちゃんの力次第でしょ。」
「麗華さん、有難うございます、調べて検討してみます。」
「お客さんは、化け猫亭で小夜ちゃんに弄ばれて喜んでいる人から開拓して行けば良いわ。」
「おお、では小夜ちゃんの起業を祝して乾杯だな。」
「気が早すぎですよ。」
「でも、佐々木さんの奢りで、皆さん何がよろしいですか?」
「と言うことは、小夜ちゃん本気なんだ。」
「良い先輩と出会えた事に乾杯ですね。」
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