SSブログ
高校生バトル-10 ブログトップ

バトル-91 [高校生バトル-10]

「なあ春子、私達の市長選への取り組みは高校生にも刺激を与えられたのだろうか?」
「そうね、公職選挙法バトルや政治家基礎バトルとかは、大学入試に関係ないからか取り組む高校生は多く無かったけど、私達の父親が立候補するということで興味は持って貰えたみたい、当選おめでとうと言うコメントは高校生からも沢山寄せられてるのよ。
初めての選挙で投票した人が当選して嬉しい、と言ったコメントもあったわ。」
「そのまま政治に対して興味を持ち続けてくれると良いのだがな。」
「発信し続けて行かないとね、今なら雅のことが情報番組でも取り上げられて、高校生に限らず注目度が上がってるけど、それが落ち着いてからも。」
「そうだな、大きな成果に結び付かなかったとしても発信し続ける意味は有ると思う。
 なあ、雅ちゃん関係で問題は起きてないのか?」
「勘違いコメントは結構有るけど、きちんと雅の話を受け止めて下さってる方々がフォローして下っていて、彼女があっという間に多くのファンを得た事は間違いないと思う。
 雅に見せたくないコメントは削除して欲しいと言う声が上がっているから、今後はそれを明記して削除して行く方向で話を進めてるの、放置してたらこちらの人間性を疑われかねないでしょ。
 本人は同情されるのが嫌だからコメントは見ないって言ってるし、外に出たがらないから直接的な負荷が彼女に掛かる心配はあまり無いのだけどね。」
「それなら安心か…、でも、運動不足になってないのかな?」
「お母さんの美容体操に付き合ってるみたいだから大丈夫じゃないの。
 お母さんは一人でやるより楽しいとか言ってたわよ。」
「美容体操か…。」
「雅の日常映像は閲覧回数が伸びそうでしょ、しっかり記録映像を残し公開して行くからね。」
「撮影されることに抵抗を感じてないのかな?」
「大丈夫みたい、給料を払う話をしたら喜んでね、そのお金で家族へのプレゼントを買いたいって。」
「そうか、太一は私達に甘えたがっているが雅ちゃんは三郎が大好きで…、照れくさそうにパパと呼んでくれたりはするものの、親になった実感があまり無いのだよ。」
「それで良いと思う、彼女はお父さんと親子と言うより義兄弟姉妹の一員に成りたくたくてね、血の繋がった親兄弟以上の絆が存在するのが嬉しくてしょうがないと話してくれてたの。」
「そうか、義兄弟姉妹のことは養子を迎える事と結び付けて考えてなかったが、あの子の気持ちを考えたら自然なことだろう。
 詩織ちゃんと一緒に我々の義兄弟姉妹の一員としても良いのかも知れないな。」
「そうね、その条件として私達とも少しずつ肩の力を抜いて…、選挙も終わったことだし三郎達も春休みになる、まずは一緒に遊びに出かけるとか提案してみようかな。」
「ああ、少しづつでも外に出る機会を増やして行くべきだ、今までは小学校へテストを受けに行くぐらいだったのだろ。」
「ええ、目立たない様にね。
 ねえ、市の施設の宣伝を兼ねてバーベキューでも、当選祝勝会としてって、どう?」
「おいおい、祝勝会、まだやる気なのか?」
「身内だけのはまだでしょ、しっかり撮影し編集してあちこちのチャンネルで使うからね、利益は市への寄付と言う形で還元するから…、市営のデイキャンプ施設に問題が無いのかも確認して来ようよ。」
「そうだな、あそこはまだ現状確認をして無い、実際に使ってみるのが一番かもな。」
「じゃあ、予約状況を確認しておくわね。」
nice!(13)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

バトル-92 [高校生バトル-10]

「ねえ真子、この施設使うの、私は小学生以来なんだけど、前からこんなに使い勝手が悪かったのかしら。」
「ですね、子どもの頃は疑問を抱きませんでしたが、大人が利用するには中途半端な気がします、利用料金が安いから、その分制約も有るという事でしょうか。」
「もっと快適に利用できる様になったら料金が高くても利用者が増えると思わない?」
「ですね、もう少しお洒落な感じにして食材の準備を店に頼めるシステムも用意するとか、自分達で買い出しをするのも楽しいですが、気軽にバーベキュー、と言うのも利用者を増やす事に繋がると思います。」
「うん、人気が無いから今日は簡単に予約が取れたのだけど、市民の為の施設なのだからね…。」
「春子、難しそうな顔をしてどうかしたのか?」
「あっ、お義父さま、ここは使い勝手が悪くて利用者が少ないみたいなのですよ。」
「貧弱な施設だとは感じたが、改善の余地が有るのか?」
「有りまくりです、肉や野菜を切るスペースが狭いだけでなく水場が離れていて、更に駐車場から食材を運ぶのが大変でした。」
「そうか、食べる専門の私では気付かない所に問題が有るという事だな、で、どうするんだ?」
「みんなで改善案をまとめて、前にお話しした私達からの条件付き寄付で大改修と言うのは如何でしょう?」
「そうだな…、うちの社員にも改修されたら利用するか聞いてみようか、若者が利用するので有れば我が社としても宣伝効果が期待出来る。
 ただ、この公園自体が魅力に乏しいと思わないか、今回誘われなかったら一生来なかったかも知れないぞ。」
「ですね、私も久しぶりに来たのですが、市の施設を利用してみようと考えなかったら使おうとは思わなかったです。」
「周辺も耕作放棄地が目に付いたりして、この地の勢いの無さを象徴してるみたいだな。」
「悪循環の結果でしょうか…、お父さんが市長になったのだから変えて行きたいですが、限りある予算を公園整備に費やしたら批判を浴びそうですね。」
「我々が寄付すると言っても限りが有るからな、そうなると出せるのは知恵しかない。」
「えっと…、なるべくお金を掛けないで公園とその周辺を綺麗に整備して行く方法ですか…。」
「庭いじりや家庭菜園を趣味にしてる人は居る…、真子ちゃんのお婆さんもそうだろ。」
「はい、趣味と実益を兼ねながら健康維持にも効果的だとか、欲張り過ぎずマイペースが一番だと話してます。」
「公園管理ボランティアとなると二の足を踏む人が多いのかな…。」
「春子さん、そこに付加価値を付けられないでしょうか?」
「例えば?」
「作業は一日一時間とか短めにして、後はお茶したり軽いスポーツをしたり、一人が月に二回でも人数が集まれば、作業時間が短くても結構綺麗になると思うのです、中には趣味として木の剪定に取り組みたいと言う人も居ると思います。」
「そうだな、プロの指導の下にと言うのはどうだ、素人ばかりでは考えの違いとかでトラブルに成り兼ねない、ボランティアで作業をしながらプロの知識を学べるのなら、うちは庭師に任せ切りだが、私も興味は有る。」
「お義父さま、老後の楽しみですか?」
「いや、老後でなくてもね、最近は佐伯くんや一郎のお蔭で気持ち的にも余裕が出来たからな。」
「例えばあの生垣だけ、年間を通してお義父さまが管理するとしたら、ボランティアとしての負担と楽しみのバランスはとれますか?」
「やるなら一人ではやらないよ、朝、少し作業してゴルフに行くとか夕方作業してから飲みに行くとか…、でも可愛い孫が手伝ってくれたら楽しいだろうな。」
「雅、お爺さまは孫と作業をしたいみたいよ。」
「えっ、何のことですか?
 そろそろ乾杯するからと呼びに来たのですが。」
「雅は、そこの生垣を管理しなくてはならなくなったらどうする?」
「生垣の管理ですか…。
 う~ん、何をすれば良いのか分からないので、取り敢えず三郎お兄さまに相談します。」
「三郎が生垣の管理に詳しいとは思えないのだけど。」
「大丈夫ですよ、一緒に調べてくれますし甘える口実になりますから。」
「妹だからって私の、こ・い・び・と、に甘え過ぎないでよね。」
「私のお兄さまはお優しい方ですから、自然と私の想いを受け止めて下さるのです。
 最愛の兄がお姉さまに夢中なのは分かりますが、私だって何時までも胸が小さいままとは思わないで下さいね。」
「はいはい、茶番はそこまで、真子、雅、行くわよ。」
「は~い。」
「はは、今のはどういう茶番なんだ?」
「ミュージカルで、三郎を取り合う恋人と妹という設定で行く予定なのですが、雅は愛人の座を狙ってましてね。」
「小学生が愛人ね…。」
「雅は本を沢山読んでいるので、そう言ったことにも触れているのですよ、性教育も私達でしています。」
「ふむ、今までの爽やか路線からチェンジして行くのか?」
「私達のミュージカルはリアルに基づいたフィクションですが、少し背伸びしたい年頃の子ども、その恋心を上手く描けたら、総視聴回数が伸びると思うのです。」
「そして新規の視聴者は過去作も見るのだな。」
「ええ、そこがYouTubeの強みですし、選挙関連で目立った事が高校生バトルの利用者を増やす事にも繋がっているのですよ。」
「だろうな、うちの売り上げにもプラスになったぐらいだ。
 この公園の再生もネタとして上手く演出して映像公開して行けばと考えているのだろ?」
「そのつもりですが…、このエリアでの活動で利益を上げられたら市の活性化にも繋がりませんか?」
nice!(13)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

バトル-93 [高校生バトル-10]

「この公園の改修か…、やるなら思い切ってやりたいね、市の予算を当てにせずに…、どうせなら貧困対策とかも絡めてってどうかな?」
「次郎には策が有るのか?」
「今は全く無いが、公園管理ボランティアを上手く組織化出来たら今後の市政にとってプラスになると思う。」
「そうですね、余暇イコール娯楽では無いと思うのです、一郎は仕事が楽しいそうで、一見ぼーっとしてることも有るのですが、そんな時でも仕事の事を考えてるのですよ。
 退職された方でも社会に貢献出来る作業は、大きな負担にさえならなければ余暇の過ごし方として悪くないと考えられるのではないでしょうか。」
「友香さん、市長としても楽しく活動出来るボランティアは進めて行きたくてね、この公園の管理と言う問題は市政の観点で見ても微妙な部分が有ってね。」
「微妙なのですか?」
「裕福な自治体なら年間を通してしっかりとした管理作業を行えるが、ここは見ての通り、春子が予約してから調べてみたのだけど、ここの予算は他の自治体と比べても最低レベルなんだ。
 無意味なお城建設計画はストップさせるが、他にも予算を必要とする課題が有り、公園の維持管理費を大きく増額とは行かないのだよ。
 近所の児童公園も草が生い茂っていて、公園で遊ぶ子どもの姿を見る事も少なくなっているとは言え何とかしたいのだけどね。」
「子どもの人数自体が減ってるし、遊びも…、私達が子ども頃だってゲーム機に夢中になってる子ばかりで、ふふ、三郎には自然を感じて成長して欲しいって、私達って随分生意気な子どもだったよね、一郎兄さん。」
「はは、そんな事を言いつつゲームを作る事にも興味を持ってたのだけどな。
 今にして思えば、親父の掌の上だったのだと思うね。
 知的好奇心を多方面から掘り起こされて今の自分が有ると思うんだ。」
「雅は僕たちが何もしなくても好奇心旺盛だね。」
「なんかな~、三郎兄さまは私がついて行けない話題になったから気を使って下さったのでしょ…、真子姉さま、私が三郎兄さまのことが大好きになっても仕方ないよね。」
「そんな事分かってるわよ。」
「うっ、雅ちゃん御免な、少し雅ちゃんを無視して昔話しをしてました…。」
「ふふ、そうやって気遣って下さる次郎兄さまの事も大好きですよ、私はお兄さま方のお話を聞かさせて頂く事が楽しいのですから気になさらないで下さい。」
「雅の方が大人かもと思える今日この頃だけど、詩織と雅は私達義兄弟姉妹の一員となる覚悟は出来てる?」
「雅はまだ皆さんに心を開き切れて無いかも知れませんが、ここに集いし方々の思いは三郎兄さまの導きも有り、共に学習しています。
 これからも、ただ知識を得るだけの学習ではなく、多くを考え、人として学ぶ姿勢を変える気は有りません。
 今は会社のお手伝いをさせて頂き始めたばかりですが、社会に奉仕する役目を担って行く覚悟は出来ています。
 雅共々皆さんの義兄弟姉妹、その末席に加えて頂けたら幸いです。」
「詩織…。」
「佐伯くん、良い子に育ちましたね。」
「はい社長、東京から引っ越して来るのには抵抗が有ったと思うのですが皆さんに可愛がって頂きまして、雅ちゃんとの出会いも視野を広げることに繋がりました、雅ちゃん有難うね。」
「そんな…、私にとって初めて友と呼べる存在です。」
「三郎、二人は私の孫で有りながら義妹でも有ると言うことで良いのかな。」
「はい、とても大切な妹達です、よろしくお願いします。」
「では、もう過ぐ桜の季節だから、義兄弟姉妹誓いの儀式は桜の下で行いましょう、全員和服着用でどうかしら。」
「桜の開花と天気に合わせてのスケジュール調整はお父さまと佐伯さん一郎が大変そうですが最優先にして貰いましょう、着物の方は麻衣さんにお願いして良いかしら。」
「友香姉さん、任せて下さい、二人なら春子のが似合いそうだけど、気に入らなかったら貸衣装、明日決めてしまいましょう。
 次郎は場所の確保と…、足元がブルーシートでは駄目よ。」
「分かった、それなりのセットを組み演出を考えて貰う。」
「次郎兄さん、誓いの盃には出来ないから、誓いの何にする?」
「そうだな、詩織ちゃん雅ちゃん、義兄弟姉妹の一員となると心に刻み付ける儀式的なことに何か希望は有る?」
「う~ん…、雅、皆さんに抱きしめて貰うってどう?」
「うん。」
「大好きなお兄さまやお姉さまに抱きしめて貰うなんて大人になったら出来ないでしょ。」
「うん…。」
「もう、雅ったら泣かないでよ。」
「真子姉さま…。」
nice!(10)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

バトル-94 [高校生バトル-10]

「お父さん、大学の仲間とボランティア組織、市政協力会を立ち上げる事にしたからね。」
「早いな、私は何をすれば良い?」
「そうね、あの公園を中心に周辺地も含めた整備計画を進めて行きたいと発表して欲しいかな。
 市長の話しを受けてから、組織立ち上げの発表と耕作放棄地の買収交渉を始めたいと思うの。」
「少しは地価が上がると考え、フェアに行こうと言うことだな。
 そこまで大規模には出来ないから心配はないと思うが、その姿勢は大切だと思うぞ。
 他は?」
「後は、空き地の雑草等の除去に関する条例の制定、土地所有者の義務としてね。」
「ああ、それはこの市にも必要だと考えていて話を進めて貰ってるよ。
 利用する気の無い土地を手放したくなるようにすれば良いのだろ。
 それで、どれぐらいの土地を手に入れるつもりなんだ?」
「活かし方を考え予算と相談しながらになるのだけど、まずは店を一軒始めたいかな。
 現状では採算が合わないと思うけど、ボランティア組織の拡大を成功させ、公園の改修が進めば必要になるでしょ。
 飲食店が繁盛するレベルまで、活気有るエリアにして行きたいかな。」
「ハードルが高そうだ。」
「土地を安く買えたら、一面のお花畑とか農学部の実習農場もイメージしているのよ。」
「維持費以上に稼げるのが理想だが、それには初期投資が必要になるだろう、予算的にはどうなんだ?」
「YouTube部門の収入がダントツで右肩上がりなの、詩織と雅次第だけど、まだまだ伸び続けると思うわ。
 撮影編集のスタッフは地元の人が多いからか、利益を市の活性化に使う事に異論が出なかっただけでなく、早速、あの公園での新人歓迎バーベキュー大会を企画してるのよ、義兄弟姉妹の儀式を成功させてからになるけどね。」
「雅たちにとって良い思い出となる儀式に出来そうか?」
「担当者は私達の結婚式以上にするって張り切ってたわ。
 雅たちも家族以上になるのだから恥ずかしくない様にって、着物での立ち居振る舞いを麻衣さんに教えて貰ってるのよ。」
「YouTubeも意識してのことかな?」
「ええ、英語チャンネルにもアップするから伝統有る儀式で無くても日本らしさを見せたいと、初めて着物を着せて貰って少し興奮気味にね。
 伝統が無い代わりに自由度の高い儀式となるのだから演出の提案も考えてたわ。」
「注目されそうなのか?」
「お正月に私達の着物姿を披露した時は閲覧回数が伸びたし、私達の結婚式もね。
 今度の儀式は伝統的なものでは無く新しいオリジナルのイベントだと説明しないとね。」
「売り上げも見込めると?」
「勿論よ、儀式当日は準備風景から録画し一日の様子を様々な形に編集し複数のチャンネルにアップして行くからね。
 義兄弟姉妹に関する過去の動画も整理し直して閲覧し易くしておくからトータルでかなりの利益になる筈、直ぐにでも新キャンプ場の設計に入って良いかも。
 スタッフは、ネタの欲しそうなワイドショーにも情報を流して行くと話してたわ。」
「そうか、取材依頼はまだ来てるから効果的かもな。」
「どんな取材が来てるの?」
「また大臣に浮気とかお金の問題とかが出てるだろ、私が立候補するに当たり国による資格試験は無理だとしても、党所属の議員はその資質を党がもっとしっかり審査するべきだと発信したじゃないか。
 それを受けての取材依頼が何本か来たし、雅関係のもな。」
「党所属議員の一部が党のイメージを大きく損ねてるとか考えられないのかしらね…。
 国政は次郎兄さんの夢物語に乗るしか無いのかな。」
「国会か…、与党になるにはとてつもなく多くの仲間が必要になるぞ、市長選とは規模が全く違うのだからな。」
「世代交代と言うか国会議員総入れ替えの必要性を感じてる人は少ないのかしら、今の与野党では国自体が老いて行きそうだわ。」
「まあな、総理大臣が交代しても官僚が変わらないと行政改革は進まない気がするよ。」
「市政を嘆くだけでは何も変わらないと言って、お父さんが市長になってくれたけど、さすがに総理大臣にはね。」
「三郎は真っ直ぐ過ぎて政治家には向かないと思うんだ、日本初の女性総理、春子なら適任だと思うのだがな。」
「お父さん、真面目に話してるのだから冗談はよしてよ。」
nice!(10)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

バトル-95 [高校生バトル-10]

「春子には日本人初の国連難民高等弁務官だった緒方貞子さんみたいな行動力が有ると思っているのだがな。」
「それは買い被り過ぎだわ。」
「なあ、日本で女性議員が少ない理由は色々考えられるが、若い頃から政治と真正面から向き合い、真面目に私利私欲抜きで政治家を志す人が少ないこともその一因だと思わないか?
 真面目でも半分洗脳され日本の国益をまともに考えられない人ではまずいが。」
「洗脳かどうかは分からないけど、そんな人、国会議員にもいるわね…。」
「政経塾とかは有っても、政治家になるための教育システムと言うのが確立されてる訳ではないだろ。
 資格試験を通る必要も無く国民の代表となって重責を担う立場になるのだから、不祥事を起こす人が出て来ても不思議ではないのかな。」
「議員になるための非公式な資格試験…、取り組む人が少なくても一般向け資格試験対策と同じ形で展開して私達で試験を行う、少なくとも議員に関係する法律を熟知出来る環境を提供すべきかもね。
 まあ、それを通して洗脳し、これから立ち上げて行く地域政党へ誘い込むと言う手は考えても良いかしら。」
「はは、そんな考えがすぐ浮かぶ春子は、やはり政治家向きだと思うよ。
 まずは被選挙権を得られるまで研究してみてはどうだ?」
「今からなら時間が有るってことね。」
「私よりも有名なのだから市長になったとしても世襲と批判されることはないだろう。
 職業としての政治家を考えてみないか?」
「でも、どうして急に?」
「市長として改革を進めて行くにあたり後継者の事は早くから考えて行くべきだと思ってな、改革を進めたのに、市長が変わったら元に戻ってしまったなんて悲し過ぎるだろ。」
「そうね、まだ有権者になって日が浅いから考えもしなかったけど…、これから出産を経験してと言う時期だから仕事の準備期間に入るのも有りかしら。
 お父さんは状況に応じて県知事とかも視野に入れてるの?」
「選択肢としては考えている、仲間が市長になってくれるのであればね、知事と市長が力を合わせて行かないと地方自治体の改革は進まないと思うんだ。」
「県と市の役割分担を見直して行くのね、国政にはどう?」
「国会議員になれた所で何が出来るか疑問じゃないか、市会議員では無く市長を目指したのと理由は同じ、無所属では何も出来ないし、与党に所属したとしても一年生議員なんて、党の指示に従って法案に賛成するぐらいで改革の原動力になれるとは思えない。」
「その辺りが見えにくいのよね、実の所、国会議員が何をしてるのかも良く分からないわ。
 う~ん…、高校生にも分かる様に、興味を持つ人が少なくても私達のメインチャンネルで取り上げて…、国政を考えて行くチャンネルも開設して行くべきかしら。
 登録者数は伸びないだろうけど、仲間が国会議員を目指すとなった時に役立つ様に。」
「チャンネルが増え、それぞれが頻繁に更新されてるが春子は時間的に大丈夫なのか?」
「そっちは問題無いわ、まとめて収録した後は編集者任せなの、一本を十分から十五分にしてるし関連する動画を入れたりしてるでしょ、チームが多いからスタッフも余裕でこなしてるのよ。
 義兄弟姉妹の儀式は三チームが撮影に当たるのだけど、編集者は他チームが撮影した映像も被らなければ利用しても良くてね、カメラの台数がテレビ局並みかそれ以上になると思ってね。」
「う~ん、気を抜けそうにないな。」
「駄目よ、ちゃんと気の抜けた表情も撮らせてあげないと。
 メリハリの利いた映像って緩めのシーンが有ってこそだからさ。
 くつろいだ姿を見て視聴者は改めて市長に親近感を抱くのだからね。」
「多少演技をしないとダメなのか?」
「わざとらしいのはNG、自然体の演技なら良いけど…、余計なことは考えず、ただただ、義妹を迎えられて嬉しいと言う感じがベストかな。」
「分かった、何とか自然体で、まあ、今回はメインの二人が目立つだろうし、男性陣では長兄に自然と目が行くだろう。」
「三郎の和服姿って様になるのよね、お正月の時も兄さん達とは違って上手く着こなしてたと言うか。」
「だな、今度はちょんまげ姿を試してみてはどうだ?」
「う~ん、それはちょっと…、本人は嫌がるでしょうね、見てみたいけど…、そうね、良い鬘が有れば何とか言いくるめて被らせることも…、お父さん、儀式では出来ないけど英語チャンネルのミュージカルでなら、ふふ、三郎のちょんまげ姿なら若殿様って感じで凛々しく…。」
「はは、楽しみだがミュージカルは事実に基づいたフィクションでは無かったか?」
「大丈夫、夢の中での出来事と言う力業が有るのよ。」
nice!(12)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

バトル-96 [高校生バトル-10]

「麻衣、義兄弟姉妹の儀式、この編集された映像を見てると、うちのYouTubeスタッフはカメラマンも編集も腕を上げたと思わないか?」
「そうね、桜の花びら舞い琴の音色も素敵、こんな綺麗な作品に仕上がるとは思ってなかったわ、次郎が指導した訳では無いのでしょ。」
「ああ、俺は撮影に立ち会う事は有っても口出しせず見守る様にしてる、普段、映像に対する提案は春子がしているかな。」
「うん、私が英語チャンネルに出演した時もそうだった、ディレクターが分かりにくい話をしてたら、春子さんがすぐに場を仕切り簡単な説明で全員を納得させてたわ、スタッフ全員が彼女より年上でもね、お父さまが春子さんに政治家の道を提案したのも分かる気がする。」
「俺も言われてみて、確かに春子なら政治家でもやって行けると思った、今まで考えた事もなかったのだがな。」
「リーダータイプばかりの家族でも、それぞれ違ってて面白いわ、三郎さんは素直過ぎるから政治家になったら周りからの色々な意見に潰されてしまうかもね。」
「それは有るな、真面目でも多少の狡猾さが無いと政治家はやって行けないだろう。
 春子は狡猾と言う訳では無いが、人の気持ちを読み取り自然な感じで従わせる能力に長けていると思うんだ。」
「ふふ、次郎はそこまで人の心理を考えないのだけど、人を傷つける事はしないし大輔社長と上手く役割分担し社員からの信頼が厚い、でも政治家には向いて無いよね。」
「はは、お金儲けを真面目に考えたいからな、兄貴も時に技術指導をする今の役職が合ってると思う、結局親父の政治的能力を一番受け継いでるのは春子なんだと思うよ。」
「それで、市政協力会の立ち上げが決まり地域政党の話が進み始めて、高校生バトル運営会社としてはどう動いて行くことになるの?」
「今日春子から出たのは、例え反応が弱くても高校生以上を対象に、明日の日本を背負って行くのは今の若者で有りお年寄りでは無いのだと思って貰える活動をして行きたいと言うことでね。」
「うん、気が付いたら老人ばかりを大切にする政治で、明日を支える若者世代がないがしろにされて来たわ、少し変化は見られるみたいだけど。」
「目先の利益に囚われ次世代のことを考えなかった結果が派遣労働の拡大に繋がり少子化を進めた一面が有る、子孫を残すと言う動物の基本的本能からも逸脱と言うか、環境問題もそうだろ。」
「うん、そう言う話になると何時も思い出すのが、今は衰退してしまった林業、山に木を植える老人の話でさ。」
「あっ、分かるよ、自分の為では無く子や孫の為にと言うのだろ。」
「ええ、森が荒れてる話を聞くと悲しくなるのだけどね。」
「そこも何とかしたいが森林の面積は国土の三分の一も有るからな。
 まずはバランスのとれた国を目指す第一歩として、春子は地域政党レベルでスタートし、何れは国政を目指す政党の立ち上げを、政治家の育成と共に考え、まとめてみると話してたよ。」
「お父さまの選挙運動が人々の記憶に新しい内に始めたいわね。」
「ああ、それは春子も考えてる、最初から完成されたものには出来ないと明言しながら提案して行く事になるだろう。」
「私達、義兄弟姉妹が何をして行くのか、今までは少し朧気だったけど、いよいよ本格的に始まるのね。」
「うん、道のりは遠く険しいだろうが、俺達なら社会に一石投ずることは出来ると思う。
 これから生まれて来る子が物心つく頃には胸を張って話せる様にしたいかな。」
「市長選で成功出来たのだから…、ふふ、ワクワク感が半端ないのだけど。」
nice!(11)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

バトル-97 [高校生バトル-10]

「今日の話は少し難しくなるから、詩織と雅は聞き流してくれて構わないけど、質問が有ったら後で応えるからね。」
「はい、春子姉さま、お願いします。」
「では地域政党の話しから、要点は読んで貰ってると思いますが、再確認の意味で話して行きます。
 お父さんの市政をバックアップしてくれる市会議員を増やし、市政改革を進め易くすることが表向きの目的ですが、党員は地域を限定せずに募集し、各地方自治体在住の党員と連携して行くことを目指します。
 党員党勢の拡大に成功したら国政政党を目指し、勿論与党になることを目標に展開して行きますが、その第一歩を、敢えてこれから有権者になって行く高校生からと考えたのは、政治に対して関心の薄い世代で有る反面、しがらみが無く私達の主張を素直に受け止めてくれると思ったからです。
 高校生バトルとしてスタートしますが、直ぐに大学生社会人と広げて行くつもりで、ただ、その広げて行く活動に高校生が関わってくれたら、大人に言われて動くのではなく自主的に動き始めて欲しいと考えていますが、現時点でも、人数は多く無いですが地方の問題を何とかしたいと言う高校生の声が届いています。
 今までのバトルとは違い直ぐに参加者が増えるとは思えないですし、長期間に渡ってバトルが継続されるので未知の部分が多いですが、まずは動き始めてみないと始まりません。
 ここから、順を追ってとなると、まずは発起人の話しからになります、市長、お願いします。」
「うん、発起人には知名度を利用して立ち上がる時の力になって貰おうと思う、ただ人が集まり始めたら特に何かをして貰うという事は考えなくても良いと思うんだ。
 発起人会としては男女同数、年齢層は高校生以上でバラバラになるのが好ましいと考えている。
 一応、テレビ局へ呼ばれた時に知り合い、協力を申し出てくれた人達には趣旨を説明して打診してみようと思っているが、うちからは春子と三郎、私の三人とし、発起人会のリーダーは春子にと考えてる、その辺りをまずは検討して貰いたいのだがどうだろう。」
「春子をリーダーに三人と言うのは問題ないと思う、特にリーダーが若いと言うのは地域政党の趣旨にも合っている、で、親父が打診するのは何人ぐらい?」
「十人程度だ、受けてくれるかどうかは未知数だけどな。」
「男女比の調整は地元の著名人でするか、人選は市長が打診する人達の返事を待ってからにしよう、それまでに候補者のリストアップは進めておくが、全体の人数は多くなっても構わないよな。」
「社長、多くなると男女比の問題と、声を掛けた人と掛けられなかった人が出て来て微妙な問題が起こりませんか?」
「そうか、では三郎はどう考える?」
「そうですね…、今回は男女比を気にせず、早めに発表し知名度に拘ず公募で、著名人には個別に声を掛けさせて貰うってどうです、発起人はそのまま党員になって頂くということで。
 高校生が気付く前に人数が集まってしまい、春子姉さんの意図から外れる可能性は有りますが、なんならうちの高校生達には自分が声を掛けます。」
「市長は三郎の案をどう考えます?」
「そう言うスタートか…、まあ、実質的な発起人は私達なのだから、それも有りかな、一郎、公募のシステムはどれぐらいの時間で完成させられる?」
「そうですね、まず簡単な発起人登録システムを一週間後ぐらい先を目途に稼働させ、並行してセキュリティのしっかりした党員登録システムの準備を進める、発起人登録開始から党員登録開始までの期間は…、二週間ぐらいでどうでしょう?
 発起人の登録は一千万人ぐらい、党員登録は一億人ぐらいまで可能な形で用意出来ると思います。
 ただ、アクセスが集中した時にダウンする可能性は否定出来ませんので、その旨をアナウンスして置く必要が有ります。」
「それぐらいの余裕を持たせておけば安心だな。
 こそこそ発起人をお願いしているより手っ取り早いだろう、私は三郎の案に賛成だ。」
「下手に考えてるより動き始めた方が良いですね、春子さん一気にやりましょうよ。」
「ええ、発起人登録をしてくれた人の中からまずはボランティアスタッフを募集し…、市政協力会との関係を考えるべきですね。」
「市政協力会を新党の一組織としたら分かり易く無いかな、市政研究会のメンバーも党員になってくれるのだから、市政研究会も党内に取り込んで良いと思うわ、ボランティアで無い人には党費から報酬を支払う形でどうかしら?」
「友香さん、うちからの寄付は党へとしますか?」
「ええ、寄付だけでなく、党としても稼いで行きたいですね、市長選の感触を考えたら、党のグッズでも物が良ければ売れると思います。
 お金の流れは全て公開し、お金の掛かる提案に対してはそのお金をどうやって手に入れるかも考えて貰いましょう。」
「取り敢えず今は市政研究会の人件費とシステム構築の費用だね、市政研究会関連の費用は本来税金で賄われるべきだけど、まあ、うちと癒着した所でうちにメリットは無いと理解されてるみたいだから良いでしょ、大輔、どれだけ稼いでも使い道に悩む必要は無さそうだぞ。」
「だな、公園近くでは儲からない店を始めなくてはならないし、安い土地を買いまくって大地主になる計画も有る、子どもが生まれたら車も買い替えだ。」
「そうだな、公園の近くにキャンピングカーで利用出来る施設を作ってだな…。」
「次郎兄さん、話を戻すわよ。」
「あっ、御免…。」
nice!(12)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

バトル-98 [高校生バトル-10]

「新党立ち上げを始めるに当たって、三郎には考えが有るのよね。」
「うん、春子姉さんと話してて、大きなポイントになると思ったのは、どんなキャッチコピーを出して行くかと言うことです。
 『私達は立候補者のことを何も知らないで投票して来た。』と言うコピーは市長選を通して全国に知れ渡りマスコミも使う様になってくれ、コピーには人を動かす力が有ると感じましたので、これからのキャッチコピーを幾つか考えてみました。
 『黙って負の遺産を負わされるだけで良いのか。』と言うのは高校生だけでなく若い世代に向けたメッセージとして、『少子化は天災では無く人災。』『孫、子の為に木を植える人はいなくなってしまったのか。』は大人世代に対して、少し分かりにくい方が印象に残るのではないかと考えました。
 その説明は自分達の武器、YouTube動画でして行く事になりますので、分かり易過ぎると見て貰えないと言う理由も有ります。
 今まで高校生バトルの運営をしながら主張して来た事は概ね受け入れられて来たのですから、政党の一つぐらい…、大した魅力も無く、単に政権与党に対して反発する人の受け皿となってるだけの野党よりは魅力的な政党を創り出せるでしょう。
 それには、まず、人に興味を持って貰い、共に学び考えると言うことからです。
 具体的な第一段階としては、新政党結党に向けての考えを発起人募集時に公開、発起人の意見を入れて党員募集の文面に練り直して党員募集スタートでどうでしょう。
 勿論、YouTubeを活用して説明し党員になって欲しいとアピールして行きます。
 直ぐに完成されたものを提示する必要は無いと思いますので、二つの募集開始は一郎兄さんが話した二週間差で良いのではないでしょうか。
 後は党員になってくれた人達によって党の主張、その完成度が上がって行くのがベスト、こちらから与えるのでは無く、党員自らが考え成長させて行く政党でなければ意味が無いと思うのです。」
「ああ、その通りだな、発起人募集時の文面は春子がまとめてくれた内容で問題ないだろう、スタートはシンプルに、それに対して肉付けをして行くのが党員の役目で有ると主張して行こう。
 第一段階の作業は今まで高校生バトルで培って来たノウハウを活かせば然程難しい事では無いと思う。
 ただ、春子は直ぐに参加者が増えるとは思えないと話してたけど、大きな反響が有った場合でも余裕を持って対処出来る体制と作戦は練っておくべきだな。」
「一郎兄さんには何か考えが有るの?」
「うん、党員登録のスタート時はボランティアスタッフとして動いても構わないと言う人だけに絞って登録して貰い、党組織構築、党勢拡大に向けての役割分担を担って貰う。
 その状況を見ながら一般党員を募集するタイミングを計れば混乱を押さえられると思うんだ。
 党員登録システムの構築と並行して、ネット上で党員同士がやり取り出来るシステムを用意するが、その運用テストもお願いしたいね。
 ボランティアスタッフだと意識してくれてる登録者ばかりなら組織をまとめ易いだろ。」
「はは、さすが一郎だ、自分にスタッフとしての自覚が有れば、例え混乱してもスタッフに文句は言えないわな。
 逆に新しい党の一員になったと実感出来て前向きな人ほど期待感を持つのではないか。」
「そう言うことですね、私達が新党の発起人になり、そのまま忙しく動いてしまっては、私達の党だと勘違いされてしまい兼ねませんが、そんなのは政党とは言えないです。」
「うん、友香さんの言う通りだ、我々は党員たちが我々の思惑から大きく外れて行かない様に見守って行こう。
 取り敢えず鍵を握りそうなのは…、市長、現職市議から新党に参加しそうな人はどうです?」
「そうですね…、社長、新党立ち上げを正式発表したら次の選挙を見据えて悩みそうな人は何人かいます、ただ…、新しい党を引っ張って行けるだけの力が有る人なのかは微妙で…。
 春子、新党の所属議員になって貰うとしたら厳しい審査をするのだろ。」
「勿論よ、議員の質を上げる、その為の新党でも有るでしょ。」
「社長、人の噂話を全部信じてる訳ではないのですがね…。」
「火の無い所に煙は立たぬ、と言うことですな。
 新党の形が出来たら、そんな輩の情報を上手く流して辞職に追い込み、補欠選挙に新党から候補を立てると言うのも有りだな、おっと、詩織と雅は聞かなかったことにしてくれな。」
「ふふ、お爺さま、私は沢山の悪だくみを耳にして来たのですよ、義兄弟姉妹の一員になってなかったら、それを参考に悪い子になってたでしょう。
 私は辞職に追い込まれそうなことをしてる人が辞職に追い込まれない方が問題だと思います。」
「だよな、どうです、私の孫はしっかりしてるでしょ。」
「はは、私の娘ですけどね。
 実際問題、病気で引退した人が居たりして、補欠選挙を実施するだけの欠員になる可能性は有るのですよ。
 ただ…、今は我々が擁立出来るだけの人物に心当たりが無くて…、普通の会社員には気軽にお願い出来ませんからね。」
nice!(10)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

バトル-99 [高校生バトル-10]

「補欠選挙か…、市長選の過程で話した議員にも健康の問題で任期を全う出来ないかも知れないと話してたお年寄りがいましたよ、親父が市長になるのなら安心して引退出来ると話してくれたけど…、うちから擁立出来る候補者を見つけられなかったら仕掛けられないな…。」
「次郎兄さん、もし補欠選挙になり新党からの候補者を当選させることが出来たら新党が勢い付くとは思わない?」
「それは間違いないが、そもそも俺達の周りに被選挙権の有る人は少ないだろ。」
「お母さんがいるじゃない。」
「は、春子~、何を言い出すのよ、そもそも市長の妻が市議だなんて聞いた事ないわ。」
「うん、聞いた事が無いぐらいレアなら話題になるかもな。」
「次郎…。」
「市議会に主婦目線は必要だし、バックには春子が付く、母さんは公職選挙法バトルや政治家基礎バトルでもトップクラスの成績を残してたよね。」
「一郎、あれは市長選に向けて…。」
「お母さんに無理はして欲しくないけど、僕が小学生の頃、PTAではまとめ役だったのでしょ。」
「もしかしてあなた達企んでたの?」
「いや、こんな素敵な市会議員候補者が身近にいる事、春子に言われるまで気付いてなかったよ。」
「補欠選挙の考えは無かったけど、次の市議会議員選挙に市長の妻が立候補したら面白いとは考えてたの、市長選でインパクトを残せたのだから次はどんな形でって、真面目な話し、私は何時お母さんに相談しようかなって考えてたのよ。」
「あなたは勿論反対でしょ?」
「う~ん、無理強いは出来ないが…、現職の市議は予想してたより平均レベルが低くてね、この前の選挙でも定員割れしそうだったろ。
 どうしても当選させたくない人がいて、健康に心配の有る人が無理して立候補したとも聞いてる。」
「どうしても当選させたくない人って?」
「無投票になったら、異常な程思い込みの激しい人でも当選出来てしまうだろ、被選挙権の有る年齢ならば。」
「う~ん…。」
「私は、お母さんの力を認めてるのよ、さすが元生徒会副会長ってね。」
「おだてて木に登らせようと言う魂胆なのね、私は豚じゃないのよ。」
「急ぐ話でもないし一つの選択肢だと思って考えてくれたら良いよ、俺達に無理強いする気は無いし。
 議員候補が育つまでの繋ぎと考えてくれても良いのだから。」
「でも、ホントに考えた事無かったわ、市政の問題点は考えてたのにね。
 私も義兄弟姉妹の一人として考えてみないと駄目なのかしら、誰か議員の仕事について学ぶのを手伝ってくれるの?」
「雅と私は市長の娘として学んで行こうって話してるのよ、立候補関係なく市長の妻として学んで欲しいわ。」
「そう言えば、公職選挙法バトルと政治家基礎バトルでは春子に勝ったままよね、確か負けたら私の言う事を何でも聞くとか豪語してたけど、忘れてない?」
「覚えてますよ、まさかお母さんがあんな高得点を叩き出すとは思って無かったもの。
 それで、お願いは何?」
「そうね、雅、春子にお願いすること、一緒に考えてくれる?」
「はい、お母さま。」
「あれっ、ママと呼ぶのは止めたの?」
「お母さまと呼ぶのが一番しっくり来ると感じまして、目指せ、お上品キャラなのです。」
「雅は猫を被るのが得意なのよね~。」
「真子お姉さま、それは二人だけの秘密にしておいて下さいませ、おほほ。」
nice!(9)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

バトル-100 [高校生バトル-10]

「春子さん、市外の人にも党員登録して貰うのでしょ、市内と市外で二つの内部組織になるのよね?」
「ですね、市内の人には単純に地域政党と考えて貰えば良いのですが、市外の人達には、それぞれの居住地での活動を意識して貰いながら国政政党に向けての案を出して貰ったり…、各地に有る地域政党と連絡を取り合い大きくまとまれるか検討して欲しいと考えてます。」
「市内は協力者が多いと思うが…、多くの地方自治体は人口減少を始め共通の問題を抱えている…、市外も盛り上げて行きたいよな、我々は国政政党も視野に入れてるのだから。」
「一郎兄さん、ネット上に一つの…、国を縮小した様な架空の町を立ち上げ、それを全国展開の足掛かりにするってどうかな?
 各市町村単位をどう呼ぶかは考える必要が有るけど、同じ市に住む人同士で意見交換をしたり、他の市町村メンバーと協力したり、バトルしたりと。
 単なる組織とするよりイメージが良くない?」
「党員が住人となるバーチャルな町と言うことだな、三郎、そんなシステムを組んで行くのは悪くないと思うよ。
 う~ん、市内、市外と考えず、全国システムの一部として、この市の党員組織をそこに組み込むのが自然じゃないか。
 この市は新党と言う一つの組織内で特に盛り上がってる地区と言う感じで参考にして貰い、別組織と認識されない様に気を付けるべきだと思う。」
「確かにその方が無難ね、既存の地域政党がそのシステムに参加出来る体制も作りたいかな。」
「春子、活動してる地域政党とは連絡を取ってみたのか?」
「まだこれからよ、せめて組織のアウトラインぐらいは出来てからで無いと話しづらいでしょ。
 リストアップを進め情報収集はして貰ってるけどね。」
「地域政党だって国政との絡みを考えていると思うんだ、国との関係は良好にしておきたいだろうからさ、親父はその辺りどう考えてるの?」
「そこは単純明快だよ、一郎、国会議員は一票が欲しい、その一言に尽きるんだ、選挙で勝てなくては何も出来ないだろ。
 幸い、この市を選挙区にしている議員はまともな人だから、定期的に連絡を取って行けそう、県知事の方は私達の選挙運動が気に入らなかったみたいで微妙だけどな。」
「そうなんだ、新党を市内で盛り上げるのは難しくないと思うけど、県内に広げて…、国、県、市町村の役割分担に無駄や無理を生じさせない為にも…、春子その辺りでもYouTubeを活用して行くのだろ。」
「勿論よ、一本当たりの閲覧数が直ぐに伸びなくても、うちは本数で勝負出来ますからね、私達だけでなく、発起人やスタッフを引き受けて下さる党員の方々にも出演して頂きましょう。
 コメントを参考に修正して行くのも有りだわ。」
「春子姉さん、それは有権者でなくても構わないのですよね。」
「ええ、真子にもお願いして良い?」
「勿論です、詩織、雅、覚悟は出来てる?」
「はい、子ども目線っぽい話をさせて貰えば良いのですよね、えっと…、私達を見て大人が子ども達の将来を考えてくれる様に…、だよね、三郎兄さま。」
「うん、二人は若干無邪気さに欠ける気がするけどね。」
nice!(8)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー
高校生バトル-10 ブログトップ