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バトル-11 [高校生バトル-02]

「春子さん、テストの学年順位、一気に八十位アップしました。」
「ふふ、それは良かったけど、前は随分さぼってたのね。」
「はい、全然やる気なくて、でも、三郎くんとバトルしたり教え合ったり、春子さんにアドバイスして貰う様になって楽しくなりました。」
「三郎も真子ちゃんと学習するのが楽しいみたいよ。」
「ホントですか、だったら嬉しいです、でも中三の内容で良いのですか?」
「大丈夫、元々知的好奇心が旺盛なのだけど、友達とは学習に対する意識に差が有ったみたいでね。」
「でしょうね、私の同級生達も下らない事ばかり話してて…、まあ、私もその一員だったのですが。」
「変わったの?」
「はい、高校生バトルについて語れる友達が出来ました。」
「へ~、その子、今度うちへ誘っても良いわよ。」
「う~ん、そうですね…。」
「何か問題でも?」
「結構可愛いのですよ、彼女が三郎くんと仲良くなったら、ちょっと…。」
「ふ~ん、三郎がどんな態度を取るのか見てみたいかな。」
「春子さ~ん、正直に三郎くんのことが好きだって白状したじゃないですか。」
「ええ。」
「週に三回、彼と一緒に学習する時間が最高で、それを失いたくないのですよ。」
「三郎に迫ったりしてない?」
「してませんよ~、嫌われたくないですから。」
「迫って欲しいかもよ。」
「え~、そうなんですか…、あっ春子さん、私をからかって楽しんでません?」
「私が願うのは弟の幸せだけなの、う~ん、二人の女の子から迫られたら悩むのかな。」
「もう~、私が彼を幸せに出来る様に頑張ります、でも男の子のことって分からないのですよ。
 春子さんにはお兄さんも弟も、更には彼氏さんもいて私の気持ちは分からないでしょうが。」
「そうね、男の子がエッチなのは本能だから、三郎がスケベそうな顔をしていても許してあげてね。
 でも、うちは、自信を持って子育て出来るまでは、妊娠するのも妊娠させるのも禁止だから、避妊には気を付けなさいよ。」
「えっ、そ、それは…。」

「ただいま~、あっ真子ちゃん今日は早かったね…、? 顔が赤いけど大丈夫?」
「だ、大丈夫よ、ちょっと暑かっただけ、今日は理科のバトルでしょ、三郎くん待ってるね。」
「真子ちゃん、汗をかいたのなら先に三郎とお風呂に入って来たら?」
「えっ、えっ…。」
「お姉ちゃん、真子ちゃんを困らせる様な事言わないでよ。」
「三郎は真子ちゃんと一緒に入りたくないの?」
「それとこれとは別でしょ、真子ちゃん、荷物を置いて着替えて来るからちょっと待っててね。」

「う~ん、三郎は思ってたより男らしくなったかな。」
「そ、それとこれとは別って…、一緒に入りたいという気持ちと実際に入る事とは別、と言う解釈で間違ってないですよね…。」
「ふふ、読解バトルの成果が出つつ有るのかな。
 国語のレベルアップは難しいと思ってたけど、好きな男の発言なら真剣に考えるという事かしら。」
「…。」
「学習に対する動機付けと言う事が有ってね、バトルと言うゲーム感覚の学習によって学習に対する気持ちが高まったと思ってたけど、それを三郎が強化していたのね。」
「一緒に学習してると楽しいですから、でも…、春子さんが私を誘ってくれたのは…。」
「そうね、高校生バトルを如何に活用して行くかを考えていたからだけど、パソコンと向かい合うだけより、誰かと一緒の方が健全だと思わない?」
「健全どころか、三郎くんと一緒じゃなかったら、ここまでやる気にならなかったです。
 確かに良いシステムだとは思いますけど。」
「家でも取り組んでいるのでしょ?」
「はい、三郎くんの足を引っ張りたくないですから。」
「その姿勢が陽子にも良い刺激となってるみたいね。」
「どうでしょうか、私が三郎くんと仲良くしてると知ってから、少し大人しくなった気はしますが。」
「三郎の話を楽し気に話す真子ちゃんのことが羨まし過ぎるとか言ってたわよ。」
「はは、お姉ちゃんに何て言われようが、私には三郎くんという味方がいる、と言うと反撃出来なくなって大人しくなるのです。」
「ふふ、結構秘密の無い姉妹なのでしょ、口喧嘩する割には仲の良い。」
「それは微妙かもです、このまま姉に彼氏が出来なかったら…。」
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バトル-12 [高校生バトル-02]

「真子ちゃんお待たせ、今日は生物に関するバトル基礎のベータ版、高校の学習範囲がそれなりに有るみたいだけど大丈夫?」
「今回は遺伝が中心でしょ、三郎くんに負けない様に少し予習しておいたから油断しないでね。」
「うん、準備は?」
「直ぐに始められる様にして有るわよ。」
「じゃあ…。」

「終了~。」
「ねえ、結構難しくなかった?」
「さすがに中学の理科とは違うね、結果は?」
「えっと…、二千三百五十六人中、七百四十九位。」
「あ~、負けた~、僕は八百十五位だよ。」
「えっへん、じゃあ一緒に見直しましょ。」
「うん…。」
「あ~、似た様なとこ間違えてたね。」
「調べてみようか。」
「ええ…。」

「遺伝って不思議よね、お姉ちゃんと私が同じ両親から生まれたとは思えないもの。」
「そうかな、結構似てると思うけど。」
「え~、どこが?」
「元気なとことか。」
「違うとこは?」
「変に比べると失礼になるかも。」
「そういう優しさは、三郎くんと春子さんの共通点ね。」
「そうかな、今日はお姉ちゃんから何か言われてたのでしょ、顔を赤くする様な事を。」
「うん、言われた。」
「お姉ちゃんは優しいのだけど、たまに…、ごめんね。」
「全然気にしてないし、春子さんと三郎くんのお蔭で学年順位がかなり上がったのよ。」
「じゃあ、お姉ちゃん達の高校に合格出来そうなの?」
「多分ね、都会だと高校の選択肢が多くて、春子さんとうちのお姉ちゃんや私が同じ高校に進学なんて有り得ないって聞いたけど。」
「学歴に拘る人は高校から県外の高校へ行く人もいるそうだけど、うちは兄貴達もお姉ちゃんと同じ高校、大学は二人とも東京だけどね。」
「春子さんは三郎くんと離れたくないから大学も県内を考えているのでしょ?」
「はは、理由は怪しいけど…、地方で暮らしていても都会に負けない学習環境という事を考えていてね、高校生バトルに興味を持ったのもその関係なんだよ。」
「へ~、大学進学とか全然分かってないけど…。」
「真子ちゃんは将来の事考えてる?」
「そうね…、私は…、って、三郎くんはどうなのよ。」
「まだ全然考えて無い、兄貴達も焦る必要は無いって言ってくれてるし。」
「そうよね、高校生になってからで良いでしょ、まあ、高二になっても姉貴は何にも考えてなさそうだけど。」
「はは、真子ちゃんは考えてるんだ。」
「勿論よ、具体的な事はまだだけど、好きな人と一緒に暮らせたらとか…。」
「彼氏とかいるの?」
「えっと~、その~、三郎くん次第…、私は、その…、彼女にとは思えなくても今まで通りでいて欲しいのだけど…。」
「えっと…、僕と付き合って下さいって言えば良いのかな…。」
「う、うん、大好きです。」
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バトル-13 [高校生バトル-02]

「真子ちゃん、学習へのモチベーションは下がってないみたいね。」
「はい、次のテストでも結果を出して、高校入試への弾みにしたいです。」
「三郎と仲良くなって、気が緩むかと思ってたけど大丈夫そうで安心したわ。」
「気は緩められませんよ、一学年上だから何とか一緒に学習出来てますが、油断してるとバトルで負けっぱなしになりそうで、それはちょっと…。」
「勝敗はあまり気にしてないのか思ってたわ。」
「ゲームだから面白いので…、春子さん、中学生で彼氏と付き合い始めても上手く行かない人がいるのですが、多分互いの距離感が掴めてないのだと感じていまして。」
「ふむふむ。」
「彼らは告白して付き合い始めたのだから一緒に遊びに行かなくちゃ、とか考えるみたいです。
 でも、互いの事が良く分からないまま自滅して行くのです。」
「自滅ね…。」
「二人での充実した時間を持てないまま…、大人では無いですから…。
 でも私達は、一緒に学習することで充実した二人の時間を持てています、学習関連で話題は豊富ですからね。」
「なるほど、真子ちゃんなりに分析してるのか、ねえ、上級のバトルは見てくれた?」
「はい、数学と国語のを見ましたがレベルが高過ぎて、応援したくなる選手がいればスポーツ観戦気分になれるのかも知れませんが。」
「やはり中学生には楽しめないか…。」
「春子さんにとっては娯楽なのですか?」
「難しいバトルを見るのが面白くてね、バトルの内容を完全には理解出来なくても頭の片隅に残らないかとも思っていて。」
「う~ん、私の頭には…、でも三郎くんの頭には…、春子さん、三郎くんと相談しながらバトルの観戦も考えてみます。」
「ふふ、真子ちゃんのそう言う所が好きなのよ。
 慣れるまではあまり面白くないかもだけど、上級者の高校生バトル…、そうね、中学で学習した内容の先なのだから、知ってる事から推測してみたりして、授業で教えられるのとは違う取り組みを考えると、少しずつ面白くなって行くかも、今は理解出来なくても良いのだから気楽に接して行けば良いのよ。」
「そっか、説明を聞いて何となく言葉が頭に入ったりはしました、簡単な予習になるのですね。」
「ええ、それだけでなく、選手が問題に真剣な表情で向き合う姿は美しかったでしょ。」
「はい、でも画面越しですし…、三郎くんの方が凄く恰好良いですよ、問題に取り組んでいる時には、つい見とれてしまいますが、バトル終了後の笑顔がまた素敵で、そんなドキドキというハンディを乗り越えてバトルに勝つ私を、私は褒めて上げたいです。」
「ふふ、まあ、たま~に、というレベルで良いし、三郎とのデート気分で良いから観戦してみてね。」
「はい、お勧めのバトルは有りますか?」
「そうね、もうすぐ日本史が有るわよ、中学高校で学習する日本史は目次レベルだけど、バトルでは結構踏み込んだ問題が出て面白いの。
 五択問題でも、選択肢の文が長いから国語の読解問題と通じる所が有ったりしてね。」
「日本史は三郎くんが好きだから外せません。」
「真子ちゃんはどうなの?」
「私は、三郎くんと学習出来るのなら何だって好きになります。」
「好きこそ物の上手なれということか、次のテストでは順位を更に上げそうね。」
「学年順位なんて本当はどうでも良かったのですが、彼に手伝って貰ってるのに結果を出せなかったら恥ずかしいですし、彼と付き合い始めて成績が上がってるのだから誰も文句が言えないのですよ。」
「おかげで、陽子の愚痴が増えてね。」
「はは、愚痴る暇が有ったら自分を磨きなさいと言ってやって下さい。
 最近、姉を見てると且つての自分を見ている様で…、まあ、このまま反面教師でいてくれても構わないのですけど。」
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バトル-14 [高校生バトル-02]

「真子ちゃん、三郎、計算バトルのベータ版が有るのだけど取り組んでくれない?」
「またもベータ版か、最近多くない?」
「高校生バトルの構築には大勢の人が取り組んでいるからね。
 うちは仲良し中学生がバトル基礎で成果を上げてると報告して有るからベータ版のテスト依頼が多いのよ、私が結果報告を自分のトレーニングとして積極的に書いてることも有るのだけど。」
「春子さんは文章を書く仕事を目指しているのでしたね。」
「今回のはどんな感じ?」
「対コンピューターモードとネット対戦モードが有って、その対戦モードを試して欲しいって、特に得点配分のバランスについての意見を聞かせて欲しいそうなの。」
「どういうバトルなのです?」
「まず互いに計算問題を作成したら、その答えを入力。
 自分の作った問題に不正解ならマイナス、正解したらポイントを得ると同時に相手の画面にその問題が表示される。
 自分の問題作成を終えたタイミングで相手の問題を解く。
 問題作成を終えた時点で相手からの問題が届いてなかったら、次の問題作成に入る。
 問題の範囲はスタート前に相談という事になるわね。」
「確かに、問題作成に対するポイントと問題を解いてのポイントをゲームとして面白くするにはバランスが微妙になりそうですね。」
「う~ん、問題のレベルをAIを使って判定させるってどうかな、それによってポイントを決めるとか。」
「そうね、簡単な問題と難しい問題が同じポイントでは面白くないかも、でもまずはやってみようよ。」
「ふふ、真子ちゃんの弱点を突く問題を考えようかな。」
「あっ、そうか弱点を突く問題なら、そのまま苦手克服に繋がるのね、春子さん、準備は?」
「簡単よ、まずは…。」

「負けた~、真子ちゃんの苦手そうな問題を作ったつもりなのにあっさり解かれて…。」
「ふふ、それに動揺して、自分の作った問題を間違えてはね、このマイナスポイントの大きさには納得でしょ。
 でも、やはり難しくても簡単でもポイントが同じと言うのは…、作ったり解いたりする時間だって違うのだから、バランスを取るのが難しいわね。」
「AIを導入するとコストがかさむのかな。」
「三郎、コスト面は私達が心配しなくて良いのよ、やってみた感想はどう?」
「良いと思う、結果を利用して自分のレベルに近い相手をネット上で見つけられるシステムにするのでしょ。
 小学生でも使えるし、自分で問題を作ると言うのは式の仕組みを確認出来て良いと思う。」
「真子ちゃんに負けて悔しかったとは言わないのね。」
「はは、勝った時の笑顔は負けた悔しさを忘れさせてくれるから。」
「真子ちゃんが負けた時は?」
「悔しそうな表情が可愛いから全力で倒しに行くのだけど。」
「はいはい、ラブラブなのね。
 じゃあ、二回戦は連立方程式縛りでやってみる?」
「うん、問題作成が難しくなるのかな…、文章題とかでも勝負出来たら面白くなるかもだけど、問題作成に時間が掛かるか…。」
「そうね、実現出来たら国語の力も上がりそうだけど、採点が難しいのよね。」
「上級者のバトルでも採点に時間が掛かって、その場で結果発表して貰えないのがまどろっこしかったわ、AIの技術もそこまでには至ってないのでしょうね。」
「お姉ちゃん、数学の文章問題作成コンテストってどうかな?」
「あっ、そうね、バトルではなくコンテストなら結果がすぐに出なくても良いし、じっくり解いて良い作品に投票としても、三郎、高校生バトルの事務局に提案しておくね。」
「文章を読んで数学の問題を解く、読解力を高める事にも繋がりそうな問題を作ってみたいわ。」
「じゃあサンプル問題を二人で考えてくれる?」
「おっけい、真子ちゃん、読み物としても面白いのを考えようよ。」
「うん。」
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バトル-15 [高校生バトル-02]

「お姉ちゃん、高校生バトルではネット授業の構築も始めてるけど、中学生向けは作らないのかな。」
「検討はしてるみたいだけど…、でも三郎には必要ないでしょ。」
「まあね、ただ、高校範囲のネット授業を見てると分かり易くて、クラスの連中が授業中にうるさいのは教師の力量にも問題が有ると思えて来てさ。」
「そうね、真子ちゃんも言ってたわ、高校生バトルの解説は分かり易くて楽しくてと、私達との学習を始めるまで学習に身が入らなかったのを先生のせいにしては行けないとは言ってたけど、彼女も教師に問題が有ったと感じてるのは間違い無いわね。」
「次郎兄ちゃんは、芸人を名乗っていても全然面白くない人が大勢いて、その中で本当にトークの上手い一握りだけが活躍してるという現状を考えると、教師の資格を持ってる人が大勢いても、教え方が上手く生徒に人気の有る教師ばかりでは無いというのも仕方が無いと話してたよ。」
「学校では、やたら平等とか公平とかを強調するけど、どの先生の授業を受けるかで差が付くとしたら、全然公平ではないわね。」
「ネットの授業は質問がしにくくは有るけど、先生たちは僕らがどこに疑問を抱くか把握してるのか、自然と頭に入るからな。」
「中学の授業がつまらなくなったとか?」
「それは仕方ないと諦めてる、ただでさえ理解力のない子が、受けたくもない授業を受けさせられているのだから。」
「そうよね、授業の中で生徒が興味を持てる話を出来る先生って…、出来ても毎回とは行かないみたい、芸人のトークでも波が有ったりするって次郎兄ちゃんが話してた…、ねえ、次郎兄ちゃんって芸人を目指したりしてないよね?」
「どうかな、芸人やお笑いの話はよくするけど…。」
「文化祭の時は微妙だったでしょ。」
「漫才か…、高校の文化祭だから盛り上げて貰えたけど…。」
「高校生バトルで解説して下さる先生方と、学校の先生を比べると、トークの力って大切だと思う、次郎兄ちゃんがそこを考えているのなら頼もしいよね。」
「そっか、お姉ちゃんは文章で人に伝える事を考え、兄ちゃんは言葉で伝える事を考えているのかな。」
「三郎は自分の考えを人に伝えられる?」
「どうかな…、大切な事だとは思うけど…、言われてみると自信ないかも、先生みたいには話せそうにないね。」
「学校の授業では当てられて応えたりしてるけど…、将来、仕事の場で人に何か伝える機会は普通に有るでしょ、そう考えると文章にしても話すにしても、人に伝える能力って学校教育の中で軽視されていると思わない?」
「高校生バトルの事務局に…、そうだな、作文コンテストや、え~っとスピーチのコンテストとか提案してみる?」
「そうね、先回の提案には喜んで頂けて、どんどん提案して欲しいって返事が来たから、出せば先生方の意見を教えて下さるかも、私にとっても私達の意見を上手く伝えられるかのトレーニングになるわね。」
「ただ…、大人の考えるテーマだと真面目なものに偏ると思うのだけど。」
「うん、その辺りを強調してみる、中高生が興味を持ち易いテーマでないと盛り上がらない、校則の問題とかなら興味が持たれるかも知れないけど、普通に楽しい話でも良いと思う。」
「次郎兄ちゃんが高校生だったら漫才でも披露したくなるのだろうけど、そういうのも必要だよね。」
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バトル-16 [高校生バトル-02]

「三郎、高校生バトルの事務局から、この前の提案に対して返事が来たのだけど、特別に組む座談会に出演して貰えないかって。」
「座談会?」
「高校生バトルの主催者としては、受け身だけでなく、提案してくれる中高生の存在を広く知らしめたいそうでね。」
「へ~、どこで?」
「座談会そのものはパソコンを使いネットで、私達は家から、でも、それだと画質や音質が悪くなるので、スタッフの人が家に来て撮影するという計画なの、元々東京一極集中に疑問を抱いてるスタッフが多いそうでね。」
「高校生バトルは地方に暮らす生徒を意識したプログラムだったよね。
 お姉ちゃんは勿論出演したいのでしょ。」
「ええ、真子ちゃんも誘ってどうかしら。」
「お父さんには話したの?」
「うん、三郎が良ければ、何事も経験だからって。」
「そうだった、お父さんならそう言うに決まってるね、提案させて貰ったのだから責任が有るとも。
 真子ちゃんに連絡入れるよ。」

「真子ちゃん、どうだった?」
「クラスメートにからかわれるかも知れないけど、三人で出るのなら良いって。」
「良かった、真子ちゃんと三人なら、高校生バトルの宣伝効果が期待出来るって言われてたからね。
 返事をして打ち合わせをしておくわ。」
「ねえ、テーマとかは?」
「私達が提案した内容を中心にしたいとは聞いてるけど。」
「そっか、それならさ、次郎兄ちゃんにも手伝って貰って台本を作っておくとかどうかな?」
「そうね、ぶっつけ本番より良いと思う、兄ちゃん達も冬休みで帰って来るから…、一郎兄ちゃんにも伝えておくわ。」
「兄ちゃん達も高校生バトルの事は知ってるのでしょ。」
「ええ、興味が有るみたいだから、ちゃんと報告してるのよ、このまま運営スタッフとかに巻き込んでしまおうか。」
「兄弟揃ってか…。」
「一郎兄ちゃんの彼女さんは教育系の人らしいからね。」
「へ~、どんな人なんだろう?」
「気になるよね、高校生バトルに興味を持ってくれたら、連絡を取り合っても良いのだけどな。」
「お姉ちゃんみたいな人だったら安心だけど。」
「だめよ、全然違う人の方が面白いと思わなくっちゃ、でも一郎兄ちゃんと話が合う人なら問題ないでしょ。」
「そうだね、大学生の視点から高校生バトルを見て貰うと面白いかも。」
「うん、お父さんも興味が有ると話してたから、お正月はみんなで語れるかも、そうだ、真子ちゃんも誘いなさいよ。」
「どうかな…、お姉ちゃんは大輔さんを誘うの?」
「うん、次郎兄さんは麻衣さんを呼ぶだろうし。」
「そっか、お母さんは今年の正月に、麻衣さんが来てくれて嬉しそうだったよね。
 う~ん、みんなで話し合った内容を、高校生バトルの座談会で活かせたら面白くないかな。」
「三郎が話しを進めてくれたらね、お兄ちゃん達もお父さんお母さんも、三郎の成長をまだ分かって無いから、見せて上げなさい。」
「成長?」
「真子ちゃんと出会い高校生バトルと出会い、三郎は随分成長してる、自信を持って一郎兄ちゃんにも自分の考えを話すのよ、お姉ちゃんが付いているのだから安心してね。」
「うん、じゃあ、真子ちゃんを誘ってみる。」
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バトル-17 [高校生バトル-02]

「三郎、数学は高校の範囲まで進めてると聞いたが難しくないのか?」
「うん、一郎兄ちゃん、簡単ではないけど高校生バトルの運営チームが構築し始めた授業動画を利用していてね、自分の理解度は数学の基礎バトルで確認出来るのだけど、昨日取り組んだ範囲は、およそ三万三千解答中の千九十七位、一回目の挑戦でだからまあまあでしょ。」
「取り組んでいるのは高一ばかりなんだろ。」
「多分ね、ただ中学生の利用が増え始めてるみたいでさ。」
「春子が言ってたな、基礎から確認し直す必要が有る高校生の為に構築されたバトルが、高校受験にも丁度良かったとか、そう考えると高校内容に手を出す中学生は少数派だろ。
 それにしても中三の内容は兎も角、高校内容までとは随分意欲的だな。」
「まあね、高校生バトルの先生達の話は分かり易くて面白いんだ、おかげで高校入試レベルのバトルでも結構上位に食い込めたんだよ。」
「高校生や中三に勝てたという事か?」
「うん、少し自信になった。」
「そう言えば彼女は中三なんだって。」
「へへ、一緒に学習してるんだ。」
「学年が違っても問題ないのか?」
「誕生日は二か月しか違わないんだよ、始めの内は少し気にしたけど今は全然気にならない、中二の範囲は一通り終わらせて有るからね。」
「中三の彼女と一緒に学習してるという事は、もう高校に合格出来るとか。」
「だめだよ、中学卒業が条件なのだから。」
「はは、その条件がなかったら余裕で合格しますよって顔だな。」
「彼女は余裕でお兄ちゃん達の後輩になれそうなんだけど、学力的には僕とそんなに差が無いからね。」
「そういう事か、春子と一緒に高校生バトルの事務局に提案もしてるのだろ、春子は三郎の提案が中心だと伝えて来たが。」
「ちゃんと兄ちゃん達の教えを守って、色々な視点で考える様にしてるからね。」
「頼もしいな、俺の彼女も三郎や春子に会うのが楽しみだと言ってたよ。
 教職課程を取っていて、高校生バトルの事は大学でも話題になってるそうでな。」
「二日に来てくれるの?」
「ああ、四人兄弟がそれぞれの彼女彼氏と勢揃いだからお袋も嬉しいだろ。」
「一郎兄ちゃんが彼女を招くのは初めてだよね。」
「今の彼女とは結婚を意識してるからな。」
「今までは違ったの?」
「まあな、告られて付き合ってみても物足りなさを感じる子達だったから、友香は真面目な話題からも逃げずに自分の考えを話してくれる、三郎の彼女はどうなんだ?」
「結婚とかは分からないけど、一緒にいたいと思うし…、付き合い始めて二人の学力が上がっているのだから悪く無いでしょ。」
「春子は第一印象が良かったし、二人が初めて会った時から惹かれ合ってるのを感じたとか話してたぞ。」
「お姉ちゃんには隠し事出来ないよ。」
「はは、鋭いしな…、春子がいると喧嘩にならない。」
「次郎兄ちゃんと?」
「ああ、春子が生まれた時に二人で大切にしようと約束したし、三郎が生まれた時には三人でね。
 仲良し兄弟って良いだろ。」
「うん、お姉ちゃんは誰よりも僕の事を、ただ可愛がってくれるだけでなく一人の人間として尊重してくれるから、自分もそれに応えなきゃって普通に思ってるんだ。」
「そうだな、三郎を子ども扱いしないように友香にも話しておくよ。」
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バトル-18 [高校生バトル-02]

「母さん、夕食の後片付けは俺がやる事になってしまったよ。」
「あらっ、次郎は日本史バトルで負ける筈が無いとか言って無かった?」
「一郎兄さんは兎も角、春子や三郎があそこまでやってるとは思ってなかったんだ、大学入試レベルだからね。」
「どう、春子は大学大丈夫そう?」
「うん、他の教科も頑張ってるみたいだし、地元の国立なら余裕でしょ、もっと上を目指せそうだけど。」
「春子なりに考えてる事が有るみたいね。」
「ああ、文章を書く仕事を意識してるみたいだけど、地方の活性化とかもね。」
「大輔くんとはどうなのかしら?」
「上手くやってるみたいだよ、春子なら将来社長夫人となっても問題ないだろ。」
「そうね、次郎も雇って貰ったら。」
「起業に失敗したらね、一応冗談っぽく頼んでは有るんだ。」
「起業って、真面目に考えてるの?」
「ああ、三郎の発案を春子から聞いてから具体的に考え始めたんだ、高校生バトルの一環としての立ち上げを麻衣や大輔とも相談してる。」
「彼女や親友を巻き込むの?」
「高校生バトル自体が世の中の為になる事でしょ、それを後押ししつつ…、大学卒業までに収入を安定させたいかな。」
「就職する気はないのね。」
「自分の力を試したいんだ、とは言え一人では心許ないから仲間をね、春子や三郎も助言してくれるだろう。」
「三郎にも助言して貰うの?」
「うん、春子からは少し聞いてたけど、すごく成長しててびっくりしたよ、彼女が出来て変わるパターンかな、大輔も春子と付き合う様になって随分変わったからね。」
「そうなんだ、みんなが仲良しなのは嬉しいけど、母さんは仲間外れの気分だわ。」
「じゃあ、株式会社を立ち上げたら株主にでもなる?」
「株主って、資本金はどれぐらいを考えてるの?」
「百万ぐらいかな、今の所は大輔が筆頭株主の候補だけど、あいつは実習のつもりで登記とかもやるからって言ってくれてさ。」
「春子に言われて?」
「いや、彼は将来親の後を継ぎ社長になるという前提で大学に通ってるだろ、百万と言う額も彼が口にした金額、俺はまだ分かってなくて起業したら社長は大輔に任せるかも知れない。」
「結局、大輔くんに雇って貰うんだ。」
「はは、共同経営者を目指すけどね。」
「それなら安心かしら。」
「大輔は親父さんにも話して了解して貰っていてね、企画に問題が無いと判断して貰えたら一千万ぐらいでも大丈夫だとか、春子が親父さんに気に入られていると言うのは強みなんだ。」
「大輔くんは結婚とか考えてるのかしら。」
「ちっちゃい頃から一緒に遊んでいたし、中学生の時に小六の春子に告白してから春子一筋。
 親父さんは新居の話を春子ともしてるそうだよ、この近所にね。」
「随分気が早いのね。」
「春子が大学生になったらとか、大輔は早く俺を義兄と呼びたいのだとか、まあ、父さんにも覚悟しとく様に話しといてよ。」
「大輔くんなら文句の付けようが無いでしょ、もしかして二日に来た時に御挨拶とか?」
「うん、それも有ったから兄貴にも彼女さんを誘う様に話したんだ。」
「次郎は麻衣さんとどうなの?」
「学生結婚は考えて無いよ、大学を卒業して経済的な見通しが立ったらと話してる、付き合いが長いから麻衣の親父さんも俺たちが結婚するという前提で将来の話をしてくれてるんだ。」
「婿養子の話しとか?」
「ああ、麻衣の妹達は随分前から俺の事をお義兄ちゃんと呼んでいて…、ねえ、それでも麻衣と結婚させて下さいって、神妙な顔をして言わなきゃダメなのかな。」
「ふふ、そういうイベントは想い出に残るのだからちゃんとやらなきゃ。
 儀式めいた事って結構大切なのよ、一つずつ二人の想いを確かめて行く、その過程で互いに気付いて無かった事に気付けたりもしてね。」
「母さんも父さんと?
 どんなだったの?」
「教えて上げな~い。」
「はは、春子に大輔との事を訊いた時と同じか、親子だなぁ~。」
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バトル-19 [高校生バトル-02]

「へ~、次郎兄ちゃんは起業を考えてるんだ。」
「高校生バトルへ提案する話を春子から聞いてな、三郎の提案、今は学習オンリーの高校生バトルに幅を持たせるというのは正解だと思って調べてみたんだ、起業は前から考えていたのだけどね。」
「高校生バトルに関連した会社?。」
「ああ、高校生バトルは、スポンサーがいてボランティアがいて成り立っているだろ、でも、もっと注目が集まれば運営が楽になり、更に充実した活動が出来る、とは言え学習のみでは高校生でも興味を持たない奴が多い、作文コンテストやスピーチコンテストから発展させ、娯楽も含めた各種高校生バトルの展開という三郎の提案は良いのだが、スタッフは今もかなり頑張っていて余力に問題が有る。
 そこを埋めて行く会社を立ち上げ、大学生を動かして行ければと考えてな。」
「収益は見込めるの?」
「高校生バトルの知名度が武器になるし、展開が広がる事によって学習バトルへの注目度も上がると考えてる、勿論、内容が面白く無ければダメだけど、そこはトーク力の有る仲間に手伝って貰う。」
「トーク力が有ると言ってもプロではないのでしょ。」
「まあな、でも経験を積めば…。」
「そうだね…、ねえ、その人達にもバトルをして貰えば?」
「バトル?」
「番組を作って行くのだったら、誰のトークが上手いかを投票して貰うとかどう?」
「う~ん、シビアに競い合わせるのか…、悪くはないが、俺に票が入らなかったら辛いな。」
「現実を見なきゃ、売れない芸人は自分の面白く無さと向き合えてないのでしょ。」
「はは、そんな話も三郎にしたっけかな。」
「高校生がメインだけど高校生だけに拘る必要もないでしょ、バトルでも。
 認知度が上がったら拡大して行くべきだと思うし、中学生や大学生、更には大人でも参加出来るとか、YouTubeも活用して可能性を広げる方向にしたらどうかな。」
「そうだな、なんでもバトル、投票して貰う事でも視聴者参加型を強調出来るか…。
 今の学習バトルは尊重したいからもう少し考えてみるよ、なあ、三郎は会社の相談役とかになってくれないか?」
「相談役って、何をするの?」
「気が付いた事が有ったら指摘とか、春子には高校生バトル事務局との交渉に先立って繋ぎを頼んだ所なんだ。
 大輔や麻衣も乗り気でな、兄弟で一つの事に取り組むって面白いと思わないか。」
「悪くはないけど…。」
「そうだ、三郎は会社の会長になってくれよ。」
「会長?
 会長って何するの?」
「俺にも良く分からないが、三郎の考えを元に立ち上げる会社だからな、中学生が会社の重要なポジションにいるって楽しそうじゃないか。」
「はは、大輔さんに頑張って貰わないと危なそうだね。」
「三郎に言われなくても、社長は大輔が良いと思ってる、高校生バトルの事も春子から聞いていて俺より詳しくてな。」
「へ~、姉ちゃんは大輔さんと兄ちゃん達には同じ内容で報告してると話してたのだけど。」
「そこは、彼氏と兄とで差が出来るだろ、俺は大輔ほど春子と会って無かったのだし。
 なあ、それより三郎の彼女も巻き込めないか?」
「う~ん、身内で固めるって…、上手く行けば最強、でも失敗したら泥沼様態になりかねないよね。」
「うっ、言われてみれば…、でもさ俺たち兄弟プラス…、大輔は俺の親友で有り春子の彼氏だろ最強になる確率の方が高くないか?」
「そうだね、新しく始めるのって賭けみたいなものだとは思うけど…、ねえ兄ちゃん、そうなったら役職に関係なく実質的な中心人物はお姉ちゃんだと思わない?」
「はは、そうかもな。
 なあ三郎、大学でも素敵な人との出会いが有り学ばせて貰ってるのだが、共に歩んで行きたいと思うのは大輔や兄弟なんだ、俺達で最強のチームを組んで挑戦したい、三郎と久しぶりに話せてマジで嬉しく、その思いが強くなったんだ。」
「一郎兄ちゃんは良いの?」
「兄貴は就職が決まっているが、俺達とは違った視点で見守って欲しいと話して有る。
 友香さんは教職課程を取ってるけど教師と言う職業に拘ってなくて、高校生バトルに興味が有るとか、明日会った時に色々話してみたいと思ってるんだ。」
「一郎兄ちゃんの話しだと真面目な人みたいだね。」
「真面目でなければ兄貴と合わないし、俺たちの義姉になるかも知れない人なんだぞ。」
「そうだよね…、どんな人なんだろう、ちょっとドキドキして来たよ。」
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バトル-20 [高校生バトル-02]

「友香さん、お疲れでしょう、片付けは良いですよ。」
「春子さん、一郎さんから聞いてた以上に素敵な家族で、私もその一員となりたいと思ったの、だから手伝わさせて。」
「兄とは話が進んでいるのですか?」
「ええ、私から告白して付き合い始めたのだけど、春子さんと大輔さんの婚約へ向けて一歩踏み出す日に誘ってくれたのだから分かるでしょ。」
「ふふ、でも次郎兄さんが起業の話しを始めたから驚きませんでした?」
「良いと思うわよ、ただ単にお金儲けを考えてるだけでなく、社会貢献を意識してのこと、一郎さんが手伝いにくい分、私が動くわ。」
「その気に?」
「中学生が会長なんて面白そうじゃない、三郎くんは教育実習で受け持った高校生より余程しっかりしてる、真子ちゃんも物怖じせず自分の考えを話してくれて頼もしいわね。」
「何となく彼女なら義妹にしても良いかなって思ったのです。
 丁度基礎バトル、中学生でも取り組めそうなのが始まり、高校受験生にも役立つ気がしまして、三郎と三人で取り組んだら楽しそうかなと。」
「そこなのよね、学習を楽しむ、教育実習を経験して個人差を実感したのよ、学習に対して真面目に向き合えてる子は知的好奇心を満たし、知識の幅が広がる事を心地よく思っているのだけど、そうでない子はね、高校受験を頑張って入学した子達なのだけど。」
「都会の高校でもそんな感じなのですね。
 ここは自宅から通える高校の選択肢が少なくて、都会に比べたら学力差が大きのだろうと思っていますが。」
「それは一郎さんから教えて貰ったわ、教育実習先と一郎さんの母校を比較、都市部と地方の格差は有るのよね、でも一郎さんは地方の普通の高校から一流大学に合格した訳で。
 環境のハンディを遺伝のアドバンテージで軽く克服出来たのでしょ、一郎さんは。」
「みたいですね、予備校には通わず高三のお正月も私達と普通に遊んでましたから。」
「私は必死だったわ、大学には何とか合格出来たって感じ、一郎さんの学部よりかなり楽なのだけどね。」
「入試と言うバトルに拘ったのはやはり学歴ですか?」
「そうね、プライドも有ったかな、将来に対する目標が明確では無かったから、取り敢えず有利な状態にして置きたいとも思ってた。
 春子さんは学歴への拘りが無いと聞いたけど。」
「大輔さんのお嫁さんになるのに必要ないのです。
 大輔さんのお父さまも全く気にされて無くて、高校卒業後は好きにしたら良いし、早く結婚して子どもが出来たら大学は休学すれば良い、私が文筆業を目指している事もご存じで、大したお金にはならないそうですが、コネで仕事を紹介して下さる話も出ていて、高校生バトルの紹介を高校生の視点で紹介する企画を考えています。」
「新聞とか雑誌に?」
「ええ、次郎兄さんが大輔さんと共に起業となったら、そこで私も活躍出来る様にって。
 今までもずっと良くして下さって、この服もお義父さまが買って下さってのですよ。
 大輔さんの兄弟は男の子ばかりだからか、ずっと娘の様に可愛がって下さってましてね。」
「春子さんが誰からも愛されるのは、会ってみて良く分かったわ。
 一郎さん、妹とは絶対仲良くなって欲しいって話してたのよ。」
「ふふ、三郎もお願いしますね。」
「勿論よ、私もあんな弟が欲しかった、妹は生意気でね。」
「三郎も、口調は兎も角、中学生の癖に生意気だと思わなかったですか?」
「全然、慣れない真子ちゃんに気遣いしてたし、大学の同期より大人、春子さんの影響なのでしょ。」
「どうかしら、兄たちに引っ張られて背伸びしてるのかも知れませんよ。」
「大丈夫、彼は無理して背伸びしてる訳では無く、同級生に物足らなさを感じているのだと思うの。
 だから、春子さんが面倒みてるのでは?」
「三郎と歩いてると女性の目線が三郎に集まるのですよ、そんな時は姉の特権で腕を組んでみたりするのですけどね。」
「あらっ、大輔さんは怒らないの?」
「反対の腕を大輔さんが取ったりしまして、さすがに最近は本人が嫌がるから出来なくなりましたが。」
「うっ、私も腕組んで歩きたいかも、真子ちゃんに見つからない様に…。」
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