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子猫組-01 [化け猫亭-17]

「白猫組として特別な事は有りません。
若い社会的弱者を受け入れ、支え教育し自立を目指して貰う、中途半端な支援では無く安心して自己の再生を考える事が出来るだけの保護体制、加奈お嬢さまが進めて来た活動は、多くの人に対して中途半端な支援を行わなかった代わりに、保護された人達が保護する側に回るという形で拡大しています。
勿論、皆さんの支援有っての事ですが。」
「私としても支援していて嬉しいよ、当初は考えて無かった自社の労働力となってくれてるしね。
同時に、小夜ちゃんが示してくれた働き方改革は、社員の意識を変えつつ有るんだよ。」
「あらっ、それまで無駄が多過ぎただけですよ。」
「はは、当初、小娘に何が出来るんだ、と話してた奴等に靴ぐらいは舐めさせてやって下さい。」
「う~ん、何味の靴を用意すれば良いかしら?」
「靴の味か…、女王様の靴で試させてみようかな。」
「はは、そういう店も有るのか、本間くんは真面目だね、それで桜さん、全国展開に問題はないの?」
「大きな問題は有りません、松尾さんのグループ企業や化け猫組関係の企業、各地で新たに猫桜会の仲間となって下さった企業に支えられて、黒猫組など猫田組傘下の組が手を取り合って規模を拡大しています。
因みに各地で展開させて頂いてます猫桜会関連企業のシェアオフィスは好評で、事業協力や新たな事業展開が次々と始まっています。
シェアオフィスを利用されてる方々は、社員を大切にする事の重要性を学んでおられますので、猫桜会に参加している企業からブラック企業は出にくいと考えています。」
「白猫組の活動では白猫組より猫桜会の名前を前面に出しているが、組員達の結束はどうなのかな?」
「流石に規模が大きくなって猫桜会の組織も複雑に、特に白猫組は社会福祉法人の職員と事業展開している会社の社員、派遣社員等、組員の立場が異なりますので、全体の結束は低下しているとは思います。
でも、加奈お嬢さまの下、私達は一つになって社会的弱者に手を差し伸べていこうと、事有る毎に伝えています。」
「猫又組で把握し報告を受けてる内容からは、殆どの支社や店舗で、従業員の結束は強いと感じていますよ。
人の諍いを終わらせる為の人事異動を行った成果でも有りますが、スタッフ達は猫桜会の目指す社会を理解してくれていると思います、それは一般募集した社員も同様です。」
「桜さん、人事異動は多いのですか?」
「人数は多くないですが、移動させる必要の有る人は頻繁に移動させています。
本人が自身の問題に気付けるか、受け入れてくれる職場を見つけるかですね。
そういう人に限って個人での作業は無理なのですよ。」
「気長に見守るしかないのかな?」
「はい、大した戦力には成りませんが、彼らが犯罪予備軍に成らない様、気を付けて貰っています。」
「人事担当は大変そうだね。」
「どの組も色々大変だと思います、ね、子猫組の組長さん。」
「は、はい、いきなり振らないで下さいよ~、桜さん。」
「大谷さんは大学生?」
「はい、一時は進学を諦めていたのですが皆さんのお蔭で、真面目に学習に取り組んで来て良かったと思っています。」
「白猫組傘下の子猫組がどんな事をしているのか、興味有るな~。」
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子猫組-02 [化け猫亭-17]

「子猫組の大きな目的は子ども達の中に縦社会を築き、そこで社会のルールを学ばせる事、そして健全に組織化された子ども集団の存在によって親達の負担を減らして行く事です。」
「そうか…、今まで子猫組を意識していなかったな、加奈お嬢さま、大谷さんに色々聞いてもよろしいですか?」
「勿論です、私の大切な子ども達、彼等の活躍を知って下さい、白猫組で保護した子どもは全員子猫組の組員です、目安としては二十二歳ぐらいまでですが拘ってはいません。」
「だとすると、大谷さんは大学を卒業する時に子猫組組長を引退なのかな。」
「いえ、次の組長を育ててもっと早く交代します、引退後は社会福祉法人猫桜会でのボランティアに力を注ぎ、就職は桜桃組を考えています。」
「後継者の目途は立っているの?」
「はい、大学受験に取り組んでいる後輩達に引き継いで行きます。
今の現場は、就職希望の高校生が中心になって支えてくれています、彼らが卒業したら大学一年生が中心となり高校生スタッフを育てて行く、組の幹部達は素敵な人ばかりで子猫組の子ども達を優しく守っていてくれます。
その姿を見て育つ子達もきっと素敵な人になってくれると信じています。」
「うん、嬉しいね、えっと、まずは具体的に組織を教えてくれるかな?」
「子猫組の傘下には高校生を組長とする組が幾つも有ります。
黒猫組誕生に刺激を受けて男の子達が作ったのが始まりですが、今は、趣味の合う子達が集まり高校生が仕切っています、例えばテレビアニメ、プリキュア好きな子が集まったプリキュア組とか。
小学生と中高生が語り合ったりコスプレしたり、限られた予算の中で楽しんでいます。
その活動を通して小中学生の様子を観察し、生活指導や学習指導に繋げています。」
「遊びをきっかけにした教育活動なのか…。」
「親の言う事は聞かなくても組長の指示には素直に従う子ばかりなのです。」
「下は何歳ぐらいから?」
「そうですね、姉組兄組ではゼロ歳児から本人の自覚のないまま弟や妹を体験していますが、組員として自覚するのは五歳前後からでしょうか。」
「何かに興味を持ったら、という事かな?」
「持ったらというより、こちらから機会を作っています、将棋や囲碁、チェス、オセロなどを推奨し試して貰っていますが…、そうですね、他の人と顔を合わせて交流出来れば何でも良いのです。」
「社会性を意識して?」
「はい、ただ、幼児期は集団での遊びが得意では有りません。」
「スポーツは?」
「各自の能力や希望を考慮して、CAT'S TAIL STAFFの方に指導をして頂いてます。
サッカー組、バレー組の中高生の中には、科学的トレーニングの理論を知って上を目指してる子もいます。」
「学校の部活の様なものなのかな?」
「組としての活動は週に一回程度、複数の組に参加出来るのが特徴です。
幼児から高校生までが色々な形で同じ時間を過ごす、時には大学生や大人の指導を受けながらですが、子猫組として強く結束し絆を深めて成長して欲しいと考えています。
そして、卒業後は猫桜会の一員として、私達を救って下さった方々のお役に立ち、弱者に手を差し伸べる側にと。
小さい子達は分かりませんが、私の様に、猫桜会に救って頂いたと理解している者達は同じ気持ちで、それが子猫組の団結に繋がっているのです。」
「加奈お嬢さま、始めた頃は五里霧中でしたが…、嬉しいですね。」
「はい…。」
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子猫組-03 [化け猫亭-17]

「短期間でよくそこまで、みんな頑張っているんだね。」
「多くの方々の援助が有りました、子ども達が勢い良く増えていますので大学生の支援が無かったら今の形には出来なかったです。」
「男女は仲良いの?」
「はい、いじめ問題に対して真っ先に取り組んでくれた男子高校生達は女の子達の憧れの的、男の子だけ、女の子だけという組も有りますが男女関係なく参加している組が多いです。
新たな仲間が馴染み易い様に、土日は色々なイベントを企画しています。
まあ、可愛い子や恰好良い人が入って来ると、色々ざわつきますが。」
「子どもはずいぶん多いみたいだが。」
「はい、私を受け入れて下さった時点でも、多いと感じていました。
それで、白猫組に保護された若手メンバーと何をすべきか話し合い、白猫組の元になる組織を作って行ったのです。
その後男子も仲間に、早い段階で頼れるリーダー格達が加わってくれて、一気に盛り上がりました。」
「恋愛事情は?」
「普通の学校と同じだと思います、小学生から告白されて戸惑っていた男子高校生が、相談に乗る振りをして近付いた中三女子と親密になったりとかは特殊かも知れませんが、第三者として見てると誰が誰を好きなのか丸解りで、お姉さんとして背中を押したり、振られた子を慰めたりしてます。」
「やはり子猫組内が多いのかな?」
「その傾向は有るでしょうね、外部の子だと同性の友達ですら部屋に呼びにくい一面が有りますし、両親のいる家庭で育った子とは価値観が違うでしょうから。
でも、大人になった時、堂々と猫桜会で守り育てられた言える人になって欲しいですし、私も誇りに思える猫桜会をもっと盛り立てて行きたいと思っています。」
「そういう君は彼氏とかいるの?」
「い、いえ、いません。」
「好きな人とか、憧れてる人は?」
「それぐらいはいますよ、でも既婚者ですので憧れるだけです。」
「でも不倫とか愛人とかどう?」
「え~。」
「おいおい、本間、それぐらいにしておけよ。」
「はは、佐藤、大谷さんが誰を好きなのかは分かるだろ。」
「まあな。」
「ならば愛人という選択肢ぐらいは用意してあげないと。」
「本間、大谷さんが戸惑ってるだろ。」
「あっ、組長に怒られてしまった…、さ、桜さん、そんなに睨まないで下さいよ…。」
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子猫組-04 [化け猫亭-17]

「さあ、場が和んだ所で。」
「松尾さん、和んでませんよ!」
「まあまあ、桜さん…、私としては子猫組メンバーの進路について大谷さんから聞いておきたいのです、どうです、大谷さん。」
「あっ、はい、進学の意志が有り、それなりの学力を認めて頂いた者は受験に向けて励んでいます。
猫桜会に保護して頂いた事で上を目指せると、少し頑張り過ぎてる子もいますが、競い合ったり教え合ったりしています。
それぞれが将来、猫桜会の一員として活躍する姿をイメージしながらです。」
「うん、イメージする事は大切だね。」
「学習意欲の弱い子には、高卒で就職する時を考えて貰うため、職場見学やアルバイトとして職場体験をして貰っています。
中学生は全員高校進学を認めて頂いていますが、余りにも高校の三年間が無駄になりそうな子、それと落ちこぼれ高校生には、黒猫組という選択肢を、桜さん了解の下に提示しています。」
「他の職場ではだめなの?」
「かなりの高確率でドロップアウトしそうな連中ですので。」
「藤井組長、鉄砲玉ぐらいには成るかも知れませんね…。」
「ああ、そうだな、だがここは堅気の場…、大谷さんに絡むし、里香さん、本間は酔っぱらっているよな、頼むよ。」
「承知致しました。」

『ぐぎ! ずるずるずる…。』

「うっ、藤井くん、本間さんの婚約者って…。」
「黒猫組武闘派の一員でも有りましてね、一見綺麗なお姉さんですが、体力や武術に自信が有って黒猫組の一般募集に応募して下さったのです。
普通に戦ったら本間は勝てないでしょう、でも黒猫組への忠誠心が高いですから本間の嫁にはぴったりだと思います。」
「本間氏からは少しぐらいの浮気を許してくれる人だと聞いていたが…。」
「ええ、本間の心を掴むにはそれぐらいの事が言えなきゃだめだぞって、アドバイスしときました。」
「大丈夫なのか?」
「大丈夫も何も、彼等の事は他人がとやかく言う事では有りません、なあ、桜。」
「彼女が、どういう青春時代を過ごして来たのか分かりませんが、もし暴力団の襲撃を受けたら、組長と私を優先的に守り、出来れば愛する若頭も守れたら嬉しいですと、真顔で話してましたね。」
「秘書としても有能と聞いたが。」
「多趣味なんですよ。」
「藤井くんは、それで片づけてしまうのか?」
「他の人なら大学受験などに費やす時間を、多くの趣味に費やした結果です。
武術や登山、バイオリン、珠算、書道などは子どもの頃から取り組んでいたそうです、何でもやりたい事をやらせてくれる家庭だそうで、それらを比較的短時間で極め、幾つかは教える立場になっています。
知識も、例えば、花の名前に詳しいですし、武闘派のリーダーが言うには、世の中に出回っている銃器の事は彼女が一番詳しいと。」
「銃器か、猫又組としては大きな見落としをしていた気がするな…。
まだ、本物の拳銃とは監視映像を通しても遭遇していないが。」
「彼女が集めたデータは整理して貰っています、彼女は3Dプリンターで作れてしまう様な銃には興味が無いそうですが。」
「大丈夫、そっちは作ろうと思えば何時でも作れる。」
「えっ、それって…。」
「はは、藤沢さんは、まだ作りませんよ。
鉄砲玉とか拳銃とか言っても…、まあ、黒猫組や猫又組の話を聞いて少し怖く感じたかも知れませんが命のやり取りをする気は有りません。」
「分かっています、前科の有る方を受け入れ、犯罪予備軍を減らす活動だと理解しています。
でも、その過程で暴力団と向き合わざるを得ないのですね。」
「うん、静かに資金源を絶てれば良いのだが、うちには頭の悪いチンピラもいてね、自分達は堅気の方には絶対迷惑を掛けない正義のやくざだと言って、暴力団と対決したがってるのですよ。
猫桜会の傘下にいる内は絶対駄目だと命じて有るし、猫桜会に迷惑を掛ける事は絶対だめだと教育はしているのですが。」
「大変そうですね…、でも、子猫組として応援出来る事は無さそうです…。」
「子ども達のクラスメイトにやくざの子はいないのかな、いたらどういう対応をされているのか知りたいのだけど。」
「あっ、いじめ関係でいましたが、すぐ引っ越しまして。」
「うん、そういう情報だけでも共有出来ないかな?」
「はい、これからは気に掛けて幹部達とも話し合っておきます。」
「お願いします、たまたま親がやくざだったと言うだけで本人は悪くないでしょ、親が後を継がせたいと考えていたとしても。」
「そうですね。」
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子猫組-05 [化け猫亭-17]

「松尾さん、すいません、話をそらせてしまいまして。」
「いや黒猫組が正義のやくざで安心したよ、やくざ映画に憧れている人もいそうだね。」
「はい、やくざごっこをしている様なものなのですが、かっとなって万引き犯を殴ったりとかしまして、組長として、すでに十数回謝りに行ってます。」
「相手の反応は?」
「暴力団がらみは有りませんので穏便に、黒猫組の事を知っているのか、万引き犯の親御さんは自分が行くと喜んでくれまして、中には黒猫組で鍛えて貰えないかという方も。」
「はは、それで組員が事件を起こしてもイメージは悪くなっていない訳か、謝りに行くのが組長の仕事とはね。」
「殴った奴は反省するし、他の組員も組長に迷惑を掛けてはいけないと思うみたいですが、一晩寝ると忘れてしまうみたいで。」
「暴力団がらみや大きな事件を起こさない事を祈るばかりだね。」
「はい。」
「大谷さん、君達には危害が及ばない様、監視システムで見守っているからね。
それで、子猫組は白猫組の拡大に合わせて大きくなって行くのだろ、その辺りはスムーズに行きそうかな?」
「地方支部ではまだ中高生が係われず、大学生の援助も限定的で子猫組の拡大はとても難しいです、幼子優先ですので。」
「確かにそうだね、本部でも高校生が係わり始めるまでは時間が掛かった、まあ、それからが早かったみたいだが、子猫組の中高生達は地元志向が強いのかな。」
「そうですね…、この地に悪い思い出しかない子は少なく有りません、でも、仲間が出来た事を喜んでいる子は多いです。」
「そうか…、引っ越す事は考えにくいのかな。」
「京都で保護された中学生は京都支部が拡大したら帰りたいと話していまして京都の高校を目指しています、そんな彼女が京都に子猫組を広げるのなら手伝いたいというメンバーは何人もいます、他のメンバー達も、ずっと仲間だからと応援すると。」
「うんうん…、あっ、親の仕事の関係で離れた子も結構いるのだろ?」
「はい、彼等は土日を使って遊びに来ています、小学生以上は月に一回以上来て欲しいと話していまして。」
「やはり転校先に馴染めてない子も出て来てるのかな?」
「親の転属に伴う転校は、複数の子が同時になる様、白猫組で調整しています、親の再婚で転校した子も含め、今の所は大丈夫みたいです。
松尾社長のニュータウンへは大勢行きましたので、向こうの学校で大きな顔をしているそうですよ。
高校生組長に連れられて、こちらのメンバーが遊びに行く事も有ります。」
「子ども達は、やはり孤独にしない事が大切なのかな。」
「勿論です、子猫組メンバーの多くは孤独な時間を色々な形で、多分、一般家庭で育てられた子よりも長く経験していると思います。
その結果、集団に馴染むまでに時間の掛かる子もいます。」
「馴染みにくい子の率はどれぐらいなの?」
「年代によって違いますので一概には言えませんが、中学生前後で三割程度でしょうか、統計学的には意味のない数値ですが。」
「他の子達は?」
「環境の変化を素直に受け止め、直ぐ馴染み他の子達のフォローをしてくれてる子もいます。
やはり中学生前後ですが、凄く嬉しそうに猫桜会について学んでいる子も少なく有りません。」
一見両極端ですが、メンバー達は自分よりも酷い環境で育った子の存在を知ったりして、色々考えています。
そういう点では、新人の白猫組メンバーより子猫組メンバーの方が意識が高いかも知れません。」
「そうか、私達はこれからも進学を支援し就職後も見守って行きたいと考えている、この先、白猫組の事情で桜さんがお願いを聞いてくれない事が有るかも知れないが、そんな時は私達の窓口に相談して欲しい、但し、すべてを許す訳ではないからね。」
「はい、今の桜さんなら何をお願いしても聞いてくれそうですが、先の事は分からないですものね。」
「おいおい…。」
「はは、子猫組は猫桜会の子だからね、お母さんは桜さんでもお父さんは私達だからな。」
「えっ、皆、藤井組長が子猫組のお父さんだと思っていますよ、子猫組のお母さんは桜さん、お父さんは藤井組長で、加奈お嬢さまは女神さまとなっています。」
「私の存在は?」
「実績を知る年長者は尊敬しています。」
「加奈お嬢さまの婚約者だという事は?」
「女神さまは、本当に雲の上の存在ですので。」
「しくじったかな、う~ん、自分としては…、なあ、桜さん…。」
「大丈夫です、サンタクロースの座が…、いえ猫桜会ではサンタクロースに変わる存在として崇め立てられる最高神に祭り上げさせて頂きます。
まずは、色々お祭りをでっち上げて行きましょう、神々の婚礼も美しく演出しますよ。」
「もう少し子ども達と近い位置を考えていたのだがな…。」
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子猫組-06 [化け猫亭-17]

「大丈夫ですよ、これからの教育プログラムで松尾社長の功績は伝わって行きます、勿論子猫組にも参加して貰いますので。」
「ああ、そうだった、ねえ、大谷さんは猫桜総合学園構想について知ってる?」
「まだ、名称を目にした程度です。」
「だよね、これからは子猫組も関係して行くから話を聞いてくれるかな?」
「はい。」
「では、皆さんに、こちらの中北くんを紹介しよう、彼はCAT'S TAIL STAFFからうちのスタッフになって貰いました。
彼には本社移転に伴う社員子弟の教育問題という観点から、教育問題検討チームの一員として動いて貰っています、猫桜総合学園構想については、彼から聞いて下さい。」
「よろしくお願いします。
私達は松尾社長からの提案を受けながら、現在の学校制度について考えて来ました。
そこから、かなり実験的な学校として猫桜総合学園を立ち上げていく事を提案しています。
学園の大きな特徴は、生徒を総合クラスと特別専攻クラスに分ける事です。
中等部の総合クラスは普通の中学と基本同じカリキュラムですが、特別専攻クラスは偏ったカリキュラムを考えています。
能力に応じて、生活に最低限度必要な知識の他は技術家庭科に重点を置き、就職後、すぐ役立つ技能獲得を目指すクラス、また、高校内容までどんどん先へ進むクラスなど、特別専攻クラスは一般中学の上位と下位から無駄を無くすと考えて下さい。
また、総合クラスに在籍していても得意教科は先へ進んで構いませんし、音楽の得意な子だけでの一年から三年合同授業も考えています。
高等部も基本は同じですが、職場実習の機会を多く設け、力に応じて中等部のクラスや大学で学習出来る体制を整えて行きます。
簡単に言えば、内容が難しくて授業について行けなく、授業中ぼんやりしている子や内容が簡単過ぎて授業時間を持て余している子の無駄な時間を減らす事が目的です。」
「目標地点を、大学入試では無く、就職して働く事に置くのかな?」
「はい、高等部の途中から就職しても良いです、就職してみて必要な知識が足りて無いと判断したら週の三日は仕事、二日は高等部や大学で学ぶという選択肢も用意したいです。
大学や大学院では社会人も積極的に受け入れて行きます、仕事との両立は所属企業との調整になりますが、余暇を利用して一つの研究を続ける事も可能、実際に始めてみないと分かりませんが、卒業の肩書を得る為だけの機関にはしたくないです。」
「卒業の位置づけは?」
「中等部は三年で卒業ですが、高等部以降は卒業したくなった時、卒業に値する成績を残していれば卒業です。
ずっと在籍したままというのも可能ですが、就職先が猫桜会以外だとどう扱われるか分かりませんし、学割等の問題が有りまして、今後の課題となっています。」
「学費にもよるが学割が使えるなら卒業しないという人も出てきそうか…、学校法人として認可されるのかな?」
「スタートはインターナショナルスクールみたいな扱いになります、後は潰れそうな私立大学を乗っ取り、そこを再生しながら拡大というビジョンも有りますが、現行法上、猫桜総合学園全体を学校法人にする事は難しいです。」
「だろうな、校舎はどこに?」
「まずは高等部の本部と大学の研究施設をニュータウンの近くに建設します。
すでに整地が始まっていまして、猫桜総合学園の核となります。」
「教師の募集は始まっているのですか?」
「いえ、これからです、そこも実験的に始めたいと考えていまして。」
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子猫組-07 [化け猫亭-17]

「実験的?」
「はい、大学生と高校生が作る新たな学校として人を集めますが暫くは雇用関係を発生させません。
こちらから提示する案を元に、ネット上で意見交換して貰いながら、高校生、大学生、院生で組織を構築、その過程で、仕事として取り組んで貰う人や生徒、学生になって貰う人を選び、講師等を彼等に選んで貰う、理事長は大学生でスタートしたいですね。」
「自分達で作る学校か…。」
「まだ、少しの人にしか話していませんが反応は良いです。
形になるまで時間は掛かりますが、システムが出来上がって来れば拡大出来ると思います。」
「だろうな、夢が有ると言うより夢しかない…、年寄りは見守る側にしかなれないのが残念だな。」
「いえ、高川さんには、ぜひ経済関係の講師をお願いしたいです、中北くん達は全てを若者でと考えている訳では有りません、講師には現場経験の有る方をと考えているのです。
机上の学問と現場経験者からの教え、そのバランスが良ければ就職後も安心ではないですか。」
「成程、松尾さんも経営者として、学生時代のカリキュラムに疑問を抱いておられたのですか?」
「はい、全否定する気は有りませんが、起業後に今まで学んで来た事を冷静に見直していたら、時代に合わない講義の存在に気付かされました。
そんな講義より、経営実習の方が、経営を考える学生にとってプラスになります、その過程で必要な知識を自ら調べ研究するというトレーニングになりますので。
残念ながら、今の学校制度下では受け身だけの学生が多いと思うのです。」
「そうだな、化け猫亭のスタッフでさえ、講義を真面目に受け良い成績を上げていても、自分から取り組むという意志の弱い子がいる。
中北くんは受け身で無いと思うが、どういうきっかけで、この取り組みに?」
「CAT'S TAIL STAFF向けの講座がきっかけです、松尾社長始め猫桜会の最高幹部から大学とは違う講義を受ける事が出来るので学生達に大人気の講座なのですが、きちんと感想や意見、小論文を送ると、運営スタッフがそれに応えて下さいます。
そこからの流れで就職を決めたのは自分だけでは有りません。
自分の場合は、就職活動に時間を取られなくてラッキーでした、戦略的に卒業を一年遅らせる事にしましたので、学業と仕事の両立に問題は有りません。」
「そうか、学生で有れば大学を利用出来るのだね、でも学費を余分に払う事になるのだろ?」
「はい、猫桜総合学園準備室で負担して下さるとの話を頂きましたが、学費は自分で負担し、その分を経済的に恵まれない子の入学支援に回して貰います、自分は、しっかり給料を頂いていますので。」
「う~ん、学校法人でないと資金面が難しくなるのかな。」
「基本は松尾社長頼みですが、社会福祉法人猫桜会による教育支援の一環として検討を始めて頂いています。
また、実習を通してお金を稼ぎ授業料に充てて貰うとか、起業を考えています。
店を作り、その運営を通して学習し経験値を高めて貰います、学生や周辺住民が客になるでしょう、良い収入源となる店が出て来る様でないと大学の存在意義が薄れてしまいますが。」
「大学は経営、経済が中心になる訳か。」
「大学のスタート時は教育関係も視野に入れています、また、猫桜会系工場での実習をメインにした職業訓練コースも考えています。
実習に入る前に充分な基礎を学習して貰い、現場実習、一つの工場で長期間でも良いですし、短期間の実習を複数経験するのも有り、そのまま就職すれば工場側にとっては新人研修を済ませての入社というメリットが有りますし、入社後すぐにやめる人を減らす事にも繋がります。
学生としても、実習生として馴染む期間が有れば安心だと思います。
実習を通して必要性を感じた知識を学校で学べる体制も考えています。」
「それなら、短期間でスタート出来るな。」
「はい、ただサポート体制が有る程度完成してからでないと、企業側にご迷惑をお掛けするだけになってしまいます。」
「う~ん、化け猫組として…、猫桜総合学園職業訓練コースか訓練校を構築するよ、中北くん、どうかな?」
「あっ、一番良い形…、ですよね、松尾社長。」
「そうだね、高川さん、お願い出来ますか?」
「ああ、半年以内に就職し、一年以上務めたら学費はボーナスの形で返すとか…、サポート体制と応募状況を見ながら対象年齢を少しずつ上げても良いかな、化け猫組メンバーで話し合ってから猫桜会傘下の全社に協力要請をするという事で、松尾さん、どうです?」
「お願いします。」
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子猫組-08 [化け猫亭-17]

「中北さん、子猫組としては、猫桜総合学園のネットワークに参加すれば宜しいのですね。」
「はい、それと、学習が苦手な子の為に行っている活動は、特別専攻クラスの参考になります、将来的には、そのまま猫桜総合学園特別専攻クラスとなって頂く事もイメージしています。」
「では…、松尾社長、子猫組の進学先として猫桜総合学園をアピールした方が良いのでしょうか?」
「それは先の話だね、学園として機能し始めるまでには時間が掛かる、ただ、学校に馴染めて無い子達向けの教室を、寮やシェアハウスに併設という事は考えて欲しい。
スタートは大きな校舎のない形をイメージしているんだ。」
「不登校児向けのフリースクールですか?」
「うん、それに近い形からのスタートになるかもしれない、どうかな?」
「すでに子猫組には不登校の子が数名います、支援を試みていますが成果はまだ小さいです。」
「そうか、不登校児の人数を考えたら、猫桜会関係にも少なからず居ておかしくない筈、だが、さすがにそういう情報は上がって来ないな…。」
「白猫組でフォローを始めるのは、専門家と相談し充分な体制を整えてからです、目指すのは、学校法人猫桜学園初等部、中等部、名古屋校という形ですね。」
「桜さん、学校法人となるとカリキュラムには法的な制約が有るのでしょ。」
「その法律を変えるべきだと思いませんか、多種多様な人間で構成される社会、外国籍の人やハーフと呼ばれる人達も増えています、その狭間で…、地方の支部で保護された子の中に日本語がほとんど理解出来ない子がいます、そんな子は教育現場の教師だって投げ出したくなりますよ、国籍が日本であったとしても、小学校に日本語を教える授業は無いのです。」
「社会の歪、それを一つ一つ正して行こうとしても法律の壁、という事ですか。」
「藤沢さんの力で政治家の弱みを握ってとか出来ないですか?」
「それは気が遠くなるし、脅迫は加減が難しいですよ、強く出ると警察に訴えられたり、弱気だと逆に脅される、で、真面目な取り組みは?」
「法学部中心に法改正案と現行法の隙間を検討して貰っています。
憲法で、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない、としたまま自衛隊に守られている現状を考えたら、他の法律だって超拡大解釈しても良いでしょう。
違法と判断されたとしても悪事を働こうとする訳では有りませんので罰は大した事ない筈、裁判官がどう判断するか楽しみですね。」
「違法行為も辞さずという事かな。」
「 国民は、その保護する子女に、九年の普通教育を受けさせる義務を負っているのですが、この義務を果たせない親が少なからずいる訳です。
子ども達一人一人の事情と向き合いながら、僅かでも社会参加出来る環境を作りたいですね、公立学校の教師に負担を負わせる事無く、勿論子ども達にとっても負担にならない様に。」
「不登校と言っても原因や状態は様々でしょ。」
「はい、小児鬱といった病的な原因を抱える子もいますが、周りの環境が良ければ自立出来る子もいます。
ただ、精神科の薬は副作用が強く出る人もいますので充分な配慮が必要です。」
「そういう領域なのか、桜さん、うちで何が出来るか検討させるよ。」
「有難う御座います、藤沢さんには患者観察システムをお願いするかも知れませんが、当分先の事です。」
「う~ん、入院患者の状態をAIが常に観察するシステムは改良が進んで、患者がナースコールする前に看護師が様子を見に行ける様になって来た、ベッドの上では無いから少し難しいが、開発チームに提案しておくよ、精神科の入院病棟に需要が有りそうだ。」
「監視システムの応用ですか?」
「ああ、病院サイドに資金的な問題が無ければ売れると思う。」
「結局はお金なんですね、なあ桜、猫桜会で総合病院を持てるぐらいに出来ないかな。」
「はい、目標を高く持ち、それを達成する私達の姿を子ども達に見せて行きたいです。」
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子猫組-09 [化け猫亭-17]

「大谷組長、猫桜会のパーティーは如何でしたか?」
「緊張の連続、猫桜会の中心メンバーはオーラが違うのよ。
加奈お嬢さまは、あまり話されなかったけどホントに美しくて静かに見守っていて下さるという感じ、やはり私達の女神さまだわ。
桜さんは何時もよりテンション高め、旦那さんと一緒だったからかしら。」
「私達のお父さまはテレビやポスター通りだったの?」
「それ以上よ、外見だけでなくね、うんと年上の人とも普通に話してたし、子分の事を叱り飛ばしてた。」
「怖い人?」
「全然、優しく、黒猫組組員の行動を呆れながらも守って行くって姿勢…、ちゃんと私達がお父さまをお慕いしてる事は伝えられたと思うわよ。」
「大谷組長は恋心を伝えられたの?」
「出来る訳ないでしょ、桜さんもいたし、そんな事よりメールで送った内容はどう?」
「猫桜総合学園ネットワークには、幹部全員が入るより、俺達の代表を何人か送るという形が良いと思うな。」
「そうね、ここで意見交換するとしても、猫桜総合学園ネットワークとは代表を介してやり取りした方が効率が良さそうだわ。」
「不登校児の支援は、今まで私達が考えていたより大変みたいね、私達なりに接して来た子達もなかなか難しいし…、病気という観点を持って無かった事は反省点だと思う。」
「一旦担当者を変えて、桜さんの部下と調整かな?」
「そうだな、子猫組全体を考えたら…。」
「課題は多いよね、でも下の子の面倒を見る事で変わる子が目立って来てない?」
「それは感じる、接しにくかった子が年下の子と馴染む事をきっかけに私とも話してくれる様になった。
不登校の子達もそうなってくれると良いけど。」
「極端だよな、能天気な奴らと少し病んでる連中がいて。」
「でも、気を付けて欲しいんだ、保護されて安心し、はしゃいでる奴等だって心の中に隠してる事が有るかもしれないだろ、いや隠す為に明るく振舞っているぐらいに思わないと。」
「分かっているわよ、私だって…。」
「俺もだ。」
「不幸自慢は禁止だからね。」
「ああ、子猫組は過去を振り返らず未来の幸福を追及する、でも仲間と共にいられる今が一番幸せなのかもな。」
「あんたは順ちゃんと共にいられるからでしょ。」
「はは、まずは子猫組の活動を、どう猫桜総合学園に組み込んで行くかだな。」
「一部は猫桜総合学園職業訓練校へ丸投げで良いのでしょ?」
「ええ、高川組長には就職希望の高校生を職業訓練校一期生にという事で了承して頂いたわ。
まずは現場実習の延長からスタート、その状況を見ながら職業訓練コースの体制を整えて行く。
それでね、今まで担当して来た、鉄平と美佐には猫桜総合学園の臨時職員になるという選択肢が与えられたのだけど、今まで通りの仕事をしながら給料が貰える様になる、成果を上げれば正規職員に格上げよ。」
「俺達の職業訓練でも有る訳か…、でも大学との兼ね合いがな、組長、折角入らせて貰った大学なんだぜ。」
「正規職員になれるかどうかは、自分で多くを抱え込まない事に掛かってるの、鉄平と美佐は高校生にも人気でしょ、自分で作業をするのでは無く、高校生達に上手く作業を振り分ける事が出来、大学を普通に卒業出来る目途が立ったら正規職員として業務内容を増やして行くという事なの、勿論強制ではないわ。
桜さんだって凄く多くの仕事を抱えてるでしょ、でもそれを可能にしてるのは多くの優秀な部下の力なの、鉄平が有能な部下を見つけ任せる事が出来たら、後は報告を受け指示を出すだけ、と言っても状況をきちんと把握している必要は有るわね。」
「そうか、高校生を俺達の部下と考え組織化すれば良いのか、それなら簡単だな、給料が貰えるのなら奢ってやれるし。」
「組長、猫桜総合学園職業訓練校一期生募集、何時からでも良いわよ。」
「おっ、美佐がやる気になった、姉御に逆らう奴はいないから楽勝だね。」
「となると問題は、不登校児のフォローか。」
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子猫組-10 [化け猫亭-17]

「俺、もっと詳しく調べてみるよ、今まで上手く行ってなかった事を見直してみたいんだ。」
「じゃあ、女の子目線で私も、気になってる子がいるし。」
「では、現場は洋平と知世にお願い、一旦、高校生は外しましょう。
調べた結果は私達で共有ね、チームを組み直す時は高校生の理解を深めてからだね。」
「ねえ、名前だけでも猫桜総合学園初等部、中等部としても良いんじゃないかな。
学校へ行ってない事を負い目に感じてるかも知れないし、籍は公立学校に残しておいてさ。」
「悪くはないが、何とか学校へ行けてる子に悪い影響は無いだろうか。」
「学校へは行かないけど、他の子と遊べる子もいたね。」
「学習に取り組めてる子もいる、今まで学校へ行かせようとしてたから上手く行かなかったんじゃないのかな、大谷組長、美佐の言う通り寮に小さな学校を作れば良いのだろ、無理に学校へ通ってる子でも条件をクリアすれば猫桜総合学園初等部、中等部への転校を認めても良いんじゃないか。」
「教師の問題や法的な問題はどう?」
「そうね…、猫桜総合学園ネットワークの子猫組代表を決めて、CAT'S TAIL STAFFの教育担当とも連絡を取りながらかな、取りあえず私から猫桜総合学園準備室へ提案しておくわ。」
「子猫組代表の方は教育学部が動くべきよね、私の他に誰かやる?」
「じゃあ俺は千恵のサブで動くよ、良いでしょ?」
「問題ないわね。」
「こうなって来ると忙しくなりそうだな、俺は何時でも担当を持てる様に大学の学習を先に進めておくよ。」
「そうね、みじめな成績では支援して下さってる方に申し訳ないわ。」
「でも、学業ばかりに囚われすぎて視野の狭い人になって欲しくないと言われてね、高川組長から青春を謳歌せよと言われたのよ。」
「うん、まあ、楽しんでるよな、俺達、子猫組でさ。」
「反動が大きかったのよね、進学出来るか微妙だったのに真面目には学習して来た…、拾われるまでは泣いてばかりいたのに、突然生活が落ち着いて、仲間が出来て進学が許されて。」
「良いよね、理沙は彼氏も出来たし、まあ私だって頑張ってるけど、他の学生とは距離を置きたくなる時が有るのよね、その辺りが視野の狭さなのかな。」
「焦らずに青春を楽しみながら、少しずつ視野を広げて行けば良いのよ。
ねえ、私、今、恰好良い事言ったよね?」
「はは、紗枝は可愛いよ。」
「やった~、健人に可愛いって言って貰えた。」
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