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バトル-401 [高校生バトル-41]

「国民性の違いが有るのでしょうか。
 それでも、貧困から犯罪へ走るとか、貧困状態では子どもの生活環境が良くないとかは同じだと思いません?」
「そうだな、ここの人は見栄を張らないだけ気楽なのかも知れない…。
 貧困状態を隠さないのは、それだけ貧困家庭が多いのだろう、この村の事が知られるにつれ、社員希望が急激に増える可能性が有るのではないか?」
「そこはまだ掴み切れていません、日本と同様、都会志向が強いのなら、そこまでは増えないでしょうが…、ここは観光客向けの娯楽施設も充実させて行きますので。」
「娯楽施設か…、動き始めた業者は?」
「観光客向けのホテルはまだうちの一軒だけで周辺の村に目立った宿泊施設は有りません。
 その辺りの隙を突いて周辺の村で商売を考える人は出て来るかも知れませんが、今の所、投資を考えるレベルの人は動いて無いようです。
 ただ、この村までの道路脇に勝手に小屋を建て商売を始めた人がいるとのことです、うちの私有地なので対応を検討しているのですが。」
「不法行為なのだから警察に動いて貰ってはどうだ?」
「いえ、土地の使用料を取る案や、こちらで綺麗な建物を建てテナントとして入居して貰う案が出ていまして。
 車で来る観光客にとって、村までの道路に店が有った方が良いとは思うのですが、そこまではまだ直接手を出せないのです。」
「私道として整備したのだったな、道路の両側も買い取ったのか?」
「ええ、新たな幹線道路の両側はこの先値上がりが確実、先々を見通せない人達が目先の利益だけを考え安く売ってくれました。」
「日本なら、ごねて値を吊り上げようとする輩がいそうだが。」
「いたのですが、そんな方の土地は直ぐに諦めルートを変更しました。
 直線道路ではスピードが出過ぎたり眠くなると言う話も有りまして、完成した道路は適度にカーブと直線が繰り返され理想的になったとか。」
「国道や鉄道の駅と繋げたと聞いたがかなり費用が掛かったのだろ。」
「はい、でも国道近くにオープンさせた店でかなり回収出来ています。
 当初は道路工事の作業員が仕事帰りに食事出来る施設をメインに考えていたのですが、駅から近いことや村の店をオープンさせるまでは私達のグッズもそちらで販売していたことも有り大きな売り上げを出しています。
 グッズコーナー廃止後も、輸入雑貨や食品を充実させて売り上げを伸ばしているのですよ。」
「村の店とは品揃えを変えてるのか?」
「はい、村では比較的高価な物を中心販売していますので、観光客は両方の店で買い物して下さっている様です。」
「それで初期投資が順調に回収出来てるのか。」
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バトル-402 [高校生バトル-41]

「近衛隊がこの地を離れると多少売り上げが落ちるかも知れませんが、スタッフの分析では初期投資の回収に問題は無さそうです。」
「しかし回収出来てるとは言えバス会社へも出資しているのだろ。」
「筆頭株主になり、鉄道駅とのシャトルバス運行の為に日本から中古車両や新型車両を輸入して貰いました。」
「この国のバスでは定員無視どころではない映像を見たことが有るが、村へのバスは日本と変わらないね。」
「ここまでは片道三十分程度ですがシャトルバスでの移動を楽しんで貰ってます。
 観光客の多い時間帯は満席になったらスタート、乗客の少ない時間帯でも二十分待てば出発です。
 日本から輸入した中古バスは日本語の表示をそのままにし、その使われていた土地についての案内を車内に掲示して有るのが好評、特にアニメ作品の舞台となった地からの車両は写真に撮られてもいます。
 二台だけ運行している特別料金の最新型バスもリッチな気分が味わえたと観光客に好評で、バスに乗りたくてリピーターになってる人がそれなりに居ると聞いています。」
「成程、それなら自前でバス会社を設立しても良かったぐらいだな。」
「いえ、バス会社はこのエリアにとって重要ですので立て直しを図るべきでした。
 バスの維持管理や運転手の確保を考えたら今の形がベストだと思います。」
「バス会社の給与状況はどうなのかな?」
「少しずつ賃上げを実施していますが、最新型のバスを運転してる人達は今まで事故の無かった人ですので、待遇改善を優先的に行っています。
 日本の子ども達が飛行機のパイロットに憧れる様に、ここの子達が最新型のバス運転手に憧れる環境を作れないかとも検討しているのです。」
「それによって運転手の意識も向上するのか…。
 村人社員とは待遇面でバランスが取れてるのか?」
「村の住環境が知られ始め今は微妙ですが、相談しながら徐々に皆が納得出来る形にして行きます。
 バス会社でも経済面の教育を兼ね、収入と支出の内訳を公表し説明して貰っています。」
「知識が無いと理解するのは難しいと思うがどう?」
「充分に理解出来なくとも、うちが経営に関わり社員を大切にしたいと言う方向で会社が動いていることは伝わっていると聞きました。
 労働条件をこちらから良くしようとしているのですから、問題は有りません。」
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バトル-403 [高校生バトル-41]

「労働条件を改善して行くのに必要な収益が気になるのだが、路線バスは乗客が少なくても運行しなくてはならないので非効率だよな。」
「ですね、うちのシャトルバスでも時間帯や列車の到着時間、配車の都合によって乗客数が少ないまま発車する場合が有ります。
 そこで人の代わりに貨物を積むことを検討しています、乗客数の少ない時間帯でも出発までの待ち時間を短縮し空席を減らせますので。」
「都合の良い貨物は有るのか?」
「日本からの船便以外は村で自給自足にしたいのですが、そうも行きませんのでそれなりに有ります。
 業者それぞれが村まで配達では無駄ですので、今は向こうの店で受け取りまとめて運んでいます、その荷物をバスに乗せる方向で考えて貰っています。
 村からはグッズの小口出荷便を乗せようかと。」
「シャトルバスなら問題が少ないかもな、だが人と違って自分で乗り降りしてくれないだろ。」
「積み下ろしが楽で、シートを汚さずシートベルトで簡単に固定出来るボックスを製作して貰っています、良い物が出来たら製品化したいですね。」
「需要は有るかもな、でも、貨物輸送によってバス運行の効率化を進めれば利益率は多少上がるだろうが、それだけでは足りないだろ?」
「村の開発が進むまで皆無だった観光客が増えていますので、それに合わせ、この周辺で今まで注目されて無かった景観の良い土地などを観光地として整備を始めました。
 今後はバスだけでなくタクシーやレンタカーの需要が見込めますので、その辺りをバス会社の一部門として展開して行きます。
 バス会社の部門としては新車や中古車の販売も考えていまして、それに伴い自動車の整備工場を拡充させ、整備士の養成学校設立も考えています。」
「バス会社を中心に車関係の事業を展開して行くのか?」
「はい、電動バイクなども販売して行きたいです。
 カタログで注文して貰い日本と往復している船便で取り寄せとすれば、品揃えは豊富に出来ます。」
「売れるかな?」
「整備体制の強化に成功すれば大丈夫かと。
 この国では中古車が多く販売されているのですが、それは価格の問題だけでなく整備の問題が有るのです。
 最新の機能を搭載した車両で有っても故障しないとは言えません、故障した時に修理出来る人のいない車では例え高級車でも所有するのに躊躇します。」
「それで整備士の養成なのか。」
「これから世界的に電気自動車が出回る様になって行くと中古車市場も変化して行きます。
 それに合った技術力が整備士に求められますが、そこから発展させ様々な技術を持った人材を育成して行きたいですね。」
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バトル-404 [高校生バトル-41]

「やはり移動手段、輸送手段として自動車は軽視出来ないものな。
 だが、ここでは都会と違って需要が限られるのではないのか?」
「いえ、今までも需要は有ったのですが、それに応えられるだけの店が無かったのです。
 この辺りでは中古車を購入するにも一手間掛かるそうで、その辺りの不便さを解消出来れば売り上げは伸びると思います。
 駅周辺では観光客目当ての露店が増え始め、私達の事業による経済効果の拡大が徐々にですが見え始めているのですよ。」
「観光産業で変わるのか…。」
「まだ勢いは弱いですが、お金が回り始めましたので、来週の船便では整備された中古車を数台、運び込む予定、整備はバス会社引き受けるとして販売を始めます。」
「売れると踏んでいるのだな。
 だが、地元の人達はこの村を中心とした事業展開をどう思ってるのだろう?」
「日本の過疎地と同じですよ、ここで育った人達全員がここで暮らして行けるだけの産業が無いのです。
 今以上の産業を新たに生み出すことは簡単では有りませんが、自動車の普及率が少しでも上がればまた違ったものが見えて来ると考えています。」
「それによる環境悪化は?」
「直接的な公害を引き起こす程の台数にはならないです、将来電気自動車が主流になって行くとしても、この一帯の電力は環境に対する負荷の少ない発電で賄って行くことを考えています。
 今も大量消費されてる化石燃料を考えたら、このエリアの二酸化炭素排出量は可愛いもので広大な森林が充分カバーしてくれているのではないですか。」
「そうだな、今は生活改善を優先しないと、どうだエンゲル係数の高すぎる人は減らせそうか?」
「その辺りは微妙ですが、生活に対して不満を持ってる人は減らせそうな気がしています。」
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バトル-405 [高校生バトル-41]

「雅、今日は何してたんだ?」
「村人との交流、詩織の妹分と言うことで時間を作ってくれてね、色んな人がいて色んな話が聞けたわ、皆さんここでの暮らしに満足してるみたいよ。」
「もう慣れたのかな?」
「ええ、始めの内は互いに知らない人ばかりで不安だったのが、今では共に働き共に遊ぶ仲間として信頼していると話してくれた。
 ただ、勤務評価の高い人から家族や元カノを呼び寄せる相談をしているから、村はこれからも変わって行くのだとか、博打で負けっぱなしの人は興味ないと言ってたけどね。」
「住まいは家族を呼んでも大丈夫な広さか…。」
「それでも大家族だと無理が有るから調整をしてるの。」
「調整?」
「博打で負けてる人に広い居住スペースは必要無いでしょ、だからそんな人達は、まとめて同居させ部屋を確保して大家族でも呼び寄せられる様にするのよ。」
「成程、でも呼び寄せる中に子どもがいたら教育の問題が出て来るよな。」
「そこはスタッフが張り切ってたわ、この国の教育状況を考えたらホームスクールレベルで充分、大人達が分担して教えることで、色々な大人と触れ合えるメリットが有るのだとか。
 日本の子どもが接する大人の数は限られているけど、ここでは大勢の大人達から様々なことを学べるのではないかって。」
「核家族で親戚付き合いが少ないと、ホントに限られてしまうそうだな、しかも教師や習い事の先生に偏って。」
「うちは違うけどね、姪や甥たちは人見知りになる事が許されないレベルで可愛がられているでしょ。」
「雅もそうだったな。」
「はは、中学の頃は私を甘やかし過ぎだと思ってたけどね。」
「甘くしても問題ないと分かっていた。
 ここにやって来る子ども達も大勢の大人達に可愛がって貰えると良いのだが。」
「衣食足りて礼節を知る、彼らは衣食住が足りているのだから大丈夫よ。」
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バトル-406 [高校生バトル-41]

「仕事や給料に関する不満は聞かなかったのか?」
「力仕事は男性が分担し交代して当たっているのだけど、自ら希望して肉体労働専門になる人もいるのよ、接客が苦手な人がね。
 体を使う作業以外は、その担当が天職だと言えるレベルでないと専門には成れないのだけど、前は一日中単純な繰り返し作業をしていて精神的に辛かったと言う人が時間帯や日によって作業が変わるのは嬉しいと話してたわ。」
「覚えることが増えても?」
「リーダーにならなければ難しい作業はないそうで、自分で収穫した作物を調理したり売ったりするのは楽しいと話す人がいたわよ、工場でグッズの製造に当たるのも長時間の作業では無いから苦にならないのだとか。」
「だから給料が安くても我慢出来るのかな。」
「衣食住の質を考えたら給料は充分みたい、博打で失う人もいるけど、実家へ仕送りしてる人は少なからずいて。
 手元に一割残しておけば問題ない所を二割残し博打で増やしてる人がいたわね、勝負は運だけではないそうで。」
「資金はここだけで回したい所だが、遠く離れた人がそれで助かっているのなら悪くない、仕送りしてる人は家族を呼び寄せることを考えているのかな?」
「今後を考えると人手は必要なの、だから働ける家族を呼び寄せることは住居スペースと相談しながら進めて行くそうよ。」
「寮の部屋には限りが有るから難しそうだな。」
「新規で住宅を建ててるって知らなかった?」
「へ~、建設費用はどうやって捻出したんだ?」
「立派な家でなくても良いの、自分達の村を拡大して行くのだからと、休日を利用しここの木材を使ってコテージ建設を進めてるチームが有るのよ。」
「格安で建設出来るとか?」
「トイレを寮と同じレベルにするぐらいの予算はスタッフが捻出するそうで、土地と材料は有るのだから、この先家族を呼び寄せる勢いを加速させたいのだとか。」
「家族を大切にする気持ちが有るのかな。」
「うん、日本より強いと思うわ。」
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バトル-407 [高校生バトル-41]

「村人なりに考えているのかな?」
「意識の高い人は多くなさそうだけど、会社に頼りぱなっしでは無く自分達の力で村を充実させたいと言う気持ちを持ってる人が呼びかけて家造りをスタートしたの。
 ただ、遊びの延長みたいな部分も有り、皆で楽しく作業し作業後は酒盛り、酒盛りの準備は女性陣が担当していて、宴会は彼女を作るチャンスなんだって。」
「彼女が出来たらやめるとか?」
「まさか、そんな男は彼女に軽蔑されるでしょ。
 結婚を意識してるカップルも熱心に参加してるそうよ。」
「同棲の話は聞いていたが、カップルは増えているのかな?」
「子造り子育てに対して無責任では行けないとスタッフが指導してるのだけど、彼らなりに考えているみたい、スタッフは結婚後の生活について相談を受けてから、安心して結婚出来る体制を考えているの。」
「村人が急速に増えそうだね。」
「それを見越して寮の部屋は無駄に広かったのだけど、すぐに足りなくなりそうだから家造りが始まったのよ。」
「村人による家造りは加速するのかな?」
「そうなるみたい、雑魚寝に慣れてる人が多いそうで、綺麗過ぎる寮では落ち着かない人もいるとか。
 取り敢えず博打で負けてる連中は寮を出ることになりそうだけど、トイレが綺麗なら不満は無いのだとか。」
「博打ってどうなのかね…?」
「個人的な賭博には全く規制がないそうで、それが貧困生活の理由だった人もいるみたい。
 ここでは、衣食住が保障されてるから、給料以上を博打につぎ込む人もいるそうで、ちょっとどうかと思ったのだけど、勝ってる人達はそれなりに考えてるの。」
「どんな感じで?」
「どうせ碌なことに使わない連中の金だから有意義に使って上げるのだとか。
 実際、家造り関連でも博打で勝ってる人が酒盛りの費用を出していてね。
 負けてる連中は酒に有り付く為に作業を頑張ってるのよ。」
「スタートは同じでも着実に階級社会が出来上がっていそうだな。」
「博打で勝てない最下層の人達も、ここでの生活をそれなりに楽しめているのだから問題ないでしょ。」
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バトル-408 [高校生バトル-41]

「博打は問題になってないのだな?」
「違法でもないし、スタッフは日本でも公営ギャンブルやパチンコが有るのだからと話してたわよ。
 始めの頃は仕事が終わってから何をしたら良いのか分からない人がいたそうで、娯楽として始まったのだけど、村なりのルールを決めたのが良かったのだとか。」
「ルールが有っても給料を全て無くす人がいるのだよな?」
「全て使ってしまっても大丈夫な様に、給料から光熱費や洗濯代などの個人負担を引いた額を渡しているの、借金は禁止だけど、パシリになってお小遣いを貰うのは有り、ゲームに強い人の子分になってる人もいるのよ。」
「村人は平等の筈だったがな…、他に娯楽はないのか?」
「食堂ではテレビの他に私達のYouTubeチャンネルを大きめのモニターで流してたわね。
 それを見て詩織のファンがすぐに増え、本物の詩織を始めて見た時はとても盛り上がったのだとか。」
「雅のファンは?」
「まあ、それなりに。
 女性達にとっては店での買い物が娯楽で、私のグッズを着てくれてた人もいたのよ。」
「娯楽施設の完成までは娯楽が少なそうだな。」
「それでも楽しみは有って、村周辺を散策しながら村を拡大して行く計画作りをしてる人達がいてね、自分達の村と言う意識が村人の中に芽生え始めているのだって。
 最初は衣食住が保障されるのなら給料が安くても仕方ないと消極的な理由で来たから、長く住むとは考えて無かったのに。」
「それだけ居心地が良いのかな?」
「家族を呼び寄せる話では、トイレとシャワーを完備して貰えたら雑魚寝でも今より全然良いみたいな話を幾つも聞いたわ。
 今、一人で暮らしてる部屋で家族十人と住む計画を立てている人がいるぐらいでね。」
「個人のプライバシーは気にしないのだな」
「ここなら仕事が有るし診療所も、社員の新規募集枠は社員の家族で簡単に埋まりそうなの。
 詩織は寮の建設を考えていたのだけど、コテージを建てて行くことになるかもって。」
「それなら休日の作業ではなく、仕事として作業して貰わないとな。」
「その辺りは今後調整して行くそうよ。
 でも、家を建てるのは楽しいと話してたから趣味として続けて行く人もいるのでしょうね。」
「う~ん、娯楽の一つなのか…。」
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バトル-409 [高校生バトル-41]

「お兄さま、今日は村人と交流されて如何でした?」
「雅から聞いてたことを確認したと言う感じだったよ、詩織の人気ぶりも含めてね。
 コテージの建設現場にも案内して貰ったが長屋の様な住宅になるのだね。」
「ホントはそれなりの生活水準を維持したいと考えていたのですが、家族を呼び寄せたいと言う希望が多くて、コテージは村内に点在させるより、まとめて建てれば様々な物を共用出来て効率的だそうです。
 一人に一つのトイレやシャワールームは彼らにとって贅沢過ぎるのでしょう。
 ここは入浴習慣が無い代わりにシャワーなのですが、シャワーの無い家では服のまま屋外で水浴びをして体を洗っていたそうです。」
「うん、綺麗なトイレとシャワールームが完備されてるだけで生活水準がかなり上だと聞いた、貧困層の生活水準はかなり低そうだな。」
「ですね、総合的に考え、建設中の寮もその運用を見直すことになりそうです。
 今の村人達は生活水準を一気に上げることでモチベーションを高められたと言う側面は有るのですが、家族で暮らすことを優先することになりました。
 生活環境をそれなりに整えられたら、余暇をどう過ごすのかを考えて行きたいです、一部のギャンブル依存は根が深そうで。」
「スタッフは金銭のやり取りでは無く負けたら罰ゲーム的な形に持って行きたいと話していたよ。」
「罰が金銭を失うよりも厳しいことにならなければ良いのですが、遊び感覚の延長が行き過ぎたことにならなければ良いのですが。」
「その辺りのことは詩織が話せば従うのではないか、詩織に対する忠誠を語る人は何人もいたぞ。」
「忠誠心と言う言葉は主従関係に有る様で抵抗を感じているのですが、ここを離れるまでに話しておくべきなのでしょうね。」
「離れた後も詩織の影響力は残るだろ?」
「スタッフはこの村にとって君主的存在は必要だと考えていまして、映像を通して定期的に話して欲しいと言われています。」
「お兄さまは、そう言った存在について、どう思われます?」
「彼らにとっては色々な意味で必要だと感じたよ。
 詩織の存在が有るから皆がまとまっていると話すスタッフもいたからな。
 目に見えない神的存在より、企業のトップとして安定した生活環境を提供してくれている詩織と言う美しい女性を信仰の対象にしたとしても全く不思議ではない、この事業を成功させるには精神的な支えとしても詩織の存在は大きいと思うよ。」
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バトル-410 [高校生バトル-41]

「人の支えとなるリーダーなら大統領とかに頑張って貰いたいものですね。」
「残念ながら、この国のリーダーも日本と同様、求心力は弱いみたいだな。
 人々は英雄的指導者を望んでいるのだろうが、結局利害関係、私利私欲に左右されてしまう。
 詩織は日本の総理大臣がどうして総理大臣に成れたのか理解出来てるか?」
「国民が直接投票で選んでない裏側なんて全く分かりません、ただ、直接投票した所で総理大臣に相応しい人が選ばれるかどうかは怪しいですね。
 日本のリーダーに相応しい人物がいたとしても、その人がリーダーに成れるシステムは作れそうにないのでは有りませんか。」
「そこが悩ましいと言うか、そもそも総理大臣に相応しい人が日本にいるのか、と言ったレベルの議論になってしまう、チーム詩織を率いる詩織に勝る存在は居るのかとね。」
「一国の首相を支えるチームが全く見えないのが問題だと思います。
 チーム詩織の様な存在が総理大臣を支えていたらもう少し支持率が高くなったのではないでしょうか。」
「ああ、見えてこないだけで存在しているとしたら、その能力はかなり低いのだろう。
 なあ、今のペースでチーム詩織が拡大して行ったら国を動かせるぐらいの組織になるのではないか?」
「どうでしょう、今も高校生が英語学習の為に新規加入しているレベルですので。」
「切っ掛けはどうであれ、チームメンバーに成れるだけの力を持っているのだから、加入後に成長する可能性は充分に有るだろ、若く優秀なメンバーを加えられていることもチーム詩織の強みだと思うんだ。」
「組織としては、ほとんどの部分が私の手を離れていることが良いと思っています、各部門のリーダーが私達の考えに沿って動いて下さってると実感出来ていますので。」
「あくまでも詩織の脳だと言うことが徹底されていて、そこが他の組織では真似出来ない所だな、この村も、ある意味詩織の脳によって運営されてるのだろ?」
「そうですね、ここのスタッフにもチーム詩織のメンバーが居るのですが、理想の村を考えて行く中で多くの意見が出て来ても、私達の判断基準を元に整理して行くだけで答えが見えて来るのがチーム詩織の強みだと話してくれました。」
「その判断基準も今までの活動を通して蓄積されて来たものだよな?」
「はい、それは間違いないと思っています。
 ただ、村造りに関しては国民性の違いや価値観の相違が有りますので慎重にと。」
「押し付けはまずいが、村人社員達は詩織の言うことなら抵抗なく受け入れそうな雰囲気だったぞ。」
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