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バトル-391 [高校生バトル-40]

「村人は寄せ集めだが村落共同体として団結して行けそうなのか?」
「寄せ集めの脆さはあると思いますが、共に作業することで仲間意識は芽生え始めています。
 他者を蹴落としてでも上を目指す様な人はいませんので至って平和、表向きの賃金は低くし衣食住の質を公開しなかったことで上昇志向の強い人が応募しなかった様です。
 そんな中で、リーダー役を任せているのは共に働く中でスタッフの目に留まった人達、少しずつスタッフのしている仕事を覚えている所なのですが、その過程で私達の望むリーダー像も伝えています。」
「リーダーに成りたいのに成れない人とかの不満はないのかな?」
「特に聞いていません、指示されていた方が気楽な様で、工夫するとか頭を使うことはしませんが、仕事は楽しそうにやっていますので、それもまた良しだと思っています。」
「この国の経済成長がゆっくりなのは、そんな人が多いからかな?」
「どうでしょう、ただ彼らを見ていると経済成長が遅かったとしても悪いことだとは思えません、貧困状態に陥ってしまうのは問題ですが。
 この村では、彼らが心安らかに暮らせる環境を維持して行きたいです、殺伐とした競争社会とは無縁のままにしたいですね。」
「それには、環境を整える必要が有るのだな。」
「はい、今はスタッフがバランスを考え村造り計画を進めていますが、スタッフの力を控えめにし村人中心の社会になった時、そのバランスが崩れない様、考えながら教育を始めています。」
「そんな教育活動に対して彼らの反応はどうなんだ?」
「学校の様に長時間ダラダラと授業を行う訳では有りませんので、教育を受けていると言う自覚すらないでしょう。
 でも社会集団と言うものを考え始めているのですよ、個人と社会の関係なんて考えたことも無かった人達が。」
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バトル-392 [高校生バトル-40]

「彼らは社会に対する意識が低かったのか?」
「ええ、集団のルールを守らないと言うより、職場のルールを充分に理解していませんでした、社員教育はそんな基礎レベルから始めたそうです。」
「大変そうだな。」
「はい、始めの内は話を聞いているのかどうかさえ怪しかったそうです、でも、待遇の良さに気付き始めてからはクビになりたく無いと思う様になり、態度が変わったとか。」
「そして今では忠誠心なんて言葉を口にする村人になったのだな。」
「その辺りは近衛の先乗り部隊が共に働きながら私達の組織について伝えてくれた結果です。」
「聞いたよ、ネットの使えない生活をしていた人がほとんどで、詩織のことを知らなかった人達に詩織の映像を見せ、我々のトップでしばらくここに住むと教えたら、男女問わず目の輝きが変わり仕事に対する取り組みが格段に良くなったのだろ。
 このエリアの人にとって、詩織は間違いなく女神レベルの存在だ。
 村人達と話すことも有るのか?」
「皆さんと相談し、彼らとは距離を取ることにしています。」
「たまに姿を見せるだけ?」
「ええ、警備上の問題も有りまして、少し離れた所から仕事ぶりを見させて貰っています。
 村人達の過去は調査していませんので、どんな輩が混じっているか分からないのです。」
「それなりの人数だから下手に交流を始めるとキリがないしな。
 少し距離感が有った方が有難味も増すだろう。
 詩織が次の宿泊地へ移動し、近衛隊が居なくなった後のことも考えてるのか?」
「今は村人の出入りを禁じてるこの建物へ入ることを許し、私達のYouTubeチャンネルを大画面で自由に見られる様にするなど、真面目に働いてる人へのご褒美を増やします。
 近衛は全員が直ぐに移動するのではなく、状況を見ながら順次移動ですが、この村は随分落ち着きましたので完全撤収までに時間は掛からないと思っています。
 前の宿泊地は少し荒っぽい人が多く未だに完全撤収の目途が立っていないのですよ。」
「国民性の違いなのか?」
「どうでしょう、揉め事は多いのですが開発速度はこの村と比べ物にならないぐらい早いのです、荒っぽくても自分達の村を発展させようという意思が強くて。
 同じコンセプトで始めた村々ですが、それぞれ個性的な村になって行きそうです。」
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バトル-393 [高校生バトル-40]

「詩織、今日の取材に同席したことで、改めて一つの国に一つずつ我々の拠点となる村が出来て行くのだと実感したよ。
 この村にいると当たり前のことでも、周辺の村とは随分違うのだな。」
「それなりの投資をしましたので。」
「上下水道は兎も角、電力に力を入れたのは?」
「この国は停電が多いので、周辺の村への送電を意識してのことですが、太陽光パネルの製造会社が株式会社SHIORI傘下に有りますし、小規模水力発電は遠江大学の研究室が改良した物を運用試験を兼ねて設置しました。
 ランニングコストはかなり抑えられますのでこの周辺で数を増やして行きたいです。
 整備中の火力発電所は森の整備で出て来る枝などの焼却処分を兼ねていまして、この地域一帯の電力事情が良く成れば電化製品の売り上げが伸びるとも考えています。」
「取材ではそこまで話さなかったよな。」
「小規模ですが電力会社の設立を考えていますので。」
「それで、話を周辺地とは違う街並みや村人の衣装へと持って行ったのか。
 多額の投資を回収する目途は?」
「この辺りに大きな店はここだけで、この国で手に入りにくい商品も並べています、遊びに来たついでに色々買って帰る人が多いのですよ。
 飲食店も利益率を高めに設定していますが繁盛しています。
 近衛隊が次の宿泊地へ移動した後のイベント企画でも集客が継続出来れば、問題なく銀行に返済しながら村の拡大拡充に充てる予算が確保出来るのですが、最悪でも村の拡大速度が遅くなるだけで村の維持に支障は無いと言う試算が出ています。」
「今後はどんなイベントを?」
「近隣の貧困世帯から少年少女を集めて詩織近衛予備隊を結成し訓練を始めています。
 美味しい物が食べられて綺麗な服を着ての訓練、更にお小遣いが貰えると有って、直ぐに五十名の定員が埋まりました、彼らには英語と算数の授業も受けて貰っています。
 仕事は私達がこの地を離れる日が彼らの初舞台となります。」
「この村の今後は彼らに掛かってると?」
「当初はそう思っていたのですが、近衛隊の活躍で店自体の知名度が予想以上に上がっています、競合店が出来るまでは安泰ですね。」
「競合店出店の予定は有るのか?」
「今の所は有りません、ここの人達には真似出来ないレベルの店ですので遠くからの客も多いのですよ。」
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バトル-394 [高校生バトル-40]

「それにしても、詩織はのんびりしてるのかと思ってたら結構多忙だな、取材と来客対応で。」
「法律に縛られない遠江王国の王家がヨーロッパの王国で注目されてしまったのです。
 そこから取材が増え、番組や記事を見た人から会って欲しいと、会うかどうかはスタッフと相談してるのですが、少々怪しげな人とも後学の為に会っています。」
「王家の話は少し聞いていたけどね。」
「王家の存在を考え直す動きが有るみたいですね、私達は法的な裏付けの脆弱な王家なのにも関わらず多くの協力者が存在、遠江王家の国王と姫で有る私に血縁はなく、雅が養子だと言うことも含めて、このエリアだけでなく世界中から注目され始めました。
 この機会に広報活動に力を入れるのも有りかと思っています、広報費の減額は指示しましたが。」
「勝手に宣伝してくれるから予算の必要はないな、アンチ的な記事は出て無いのか?」
「確認出来ている中では有りません、そう言った記事は、もっと知名度が上がってからかと思います。」
「今の所は概ね好意的に捉えられていると言う事かな。」
「はい、遠江国王への取材も増えてると聞いていますが、三郎兄さまへの取材依頼は増えてないのですか?」
「取り敢えず今回の旅行予定が有ったから断って貰ったよ、詩織ほど多くは無かったけど。
 詩織への取材では今後の滞在先に関することも有ったが、来年のヨーロッパ滞在が決定したそうだね、こことは違う取り組みになるのだろ。」
「はい、ヨーロッパでは村造りに難民からの参加も考えているのですが、各国の法制度によって微妙な問題が有りますので、村に定住させるのでは無く、帰国後の生活を考慮しての研修と言う形を考えています。」
「難民だから帰国が前提なのか…、ヨーロッパ圏だと物が有り娯楽も豊富だから村で収益を上げるのは難しくないのか?」
「少し廃れ気味の農園を買い取る話を進めていますが、その地の需要や気候を考慮し栽培する品種を変えれば、それなりの収益を見込めます。
 村人にはオリジナルの衣装で作業に当たって貰い、観光農園としての価値を高めようかとも、暫くは試行錯誤することになりそうです。」
「まあ、我々のYouTubeチャンネル登録者はヨーロッパでも伸び始めているから何とかなるとは思うが。」
「そんなに楽観視はしていません、今までヨーロッパに合わせた番組を作って来なかったことも有り、今一つ勢いが感じられませんので。」
「それでも詩織のファンは着実に増えている、まあ、雅とは更なる多言語展開も考えてるから…、ヨーロッパに拠点を確立出来たら今後の活動に弾みが付くのだろ。」
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バトル-395 [高校生バトル-40]

「詩織、今日はこの国の高官が来てたそうだね。」
「はい、この辺りの活性化に協力して欲しいそうで、色々優遇して下さるとのことでした。
 取り敢えず、電力会社設立の話をさせて頂き話を進めています。」
「今の電力公社と調整して貰うのか?」
「そんなとこです、停電を減らせますので喜ばれると思いまして。」
「どうして停電が多いのかは掴めてるのか?」
「発電所の老朽化と落雷対策の不備ですが、落雷対策は雷が落ちまくっても簡単には停電しない日本の技術を導入すれば解決出来ます、実際、この村は停電とは無縁ですので。
 発電所は大規模な物を作らず小規模の施設を多く作ろうと思っています。
 村での実証実験で良いデータが取れていますので、後は蓄電に予算を掛けるかどうかを検討して貰うことになります。」
「国が絡めば予算に余裕が出来るのかな?」
「国家予算に余裕が有りませんので大きな期待は出来ませんが、安定した電力供給地域が広がることの意味は彼らも理解しています。
 信頼出来る冷蔵庫、冷凍庫が有れば産業の活性化にも繋がります。」
「停電頻発では冷凍保存なんて怖くて出来ないか…、日本では考えられないね。」
「この村を中心に、安定した送電エリアを広げて行き、そのエリア内では冷蔵庫冷凍庫の販売と並行して、高価な冷凍庫を買えない企業向けにリース契約も考えています。
 冷凍出来れば輸出出来る水産資源など、それなりに有るのですよ。」
「ふむ、エリアが広がる速度は国の支援次第だと話したのか?」
「はい、資金を借り入れるとしても限りが有ります、冷凍庫によるこの国の産業革命は進めて行きたいですが、無理は出来ません。
 政府高官には電力会社設立に伴う雇用の拡大などもアピールして置きましたが、法的な支援は期待出来ても資金面は難しいと思っています。」
「この国は大国を信じて失敗してるからな…。」
「でも、そんな経験を踏まえて遠江王国と近付きたくなったと話しておられたのですよ。」
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バトル-396 [高校生バトル-40]

「発電所は規模を大きくした方が効率的ではないのか?」
「確かに効率的だとは思います。
 ただ大規模な発電用のダム建設は環境に与える影響が大きいです。
 それに比べ小規模水力発電は工期が短く、環境に与える影響が少ないと言う利点が有ります。
 太陽光発電は建物の上だけに限定して展開、火力は化石燃料に比べ効率が悪くても森林資源を活用し森林整備とセットで考えています。
 電力の地産地消を考え送電ロスを減らすシステムを確立出来れば、電力事情の良くない国で運用して貰えると思うのです。」
「電力事情が良く成れば工場誘致も出来るからな。」
「工場を建てる時は屋上に太陽光パネルを設置し、近くに小規模水力発電所を建設、出来れば小規模火力発電施設も併設する形を推奨したいです、その維持管理を我が社で引き受け、工場を中心に従業員の居住区を充実させると言うプランを用意しています。」
「工場を中心に村を形成すると言うことなのか?」
「条件が合えばですが。」
「この村はそのサンプルでも有るのかな?」
「はい、村の拡大を目指し周辺地の調査も進めています。
 住環境をこの村レベルに合わせて進めて行けば、この国の人にとって住みたくなる街が形成されるでしょう。」
「そして人々は株式会社SHIORI関連の店で買い物をし飲食をする訳だ。」
「投資したお金は回収して行かないと破綻してしまいます。
 事業を拡大し銀行から借り入れたお金を回転させ経済活動を活性化させることで国民の生活を豊かにして行くのは経済人の責務です。」
「他人の生活を豊かにするなんて考えない人ばかりだから、この国はこの程度なのだろうな。
 人口の少ないこのエリアが生まれ変わったら面白くは有るね。」
「変わって行きますよ、建設中の寮が完成したら人口が百人ほど増えるのです。」
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バトル-397 [高校生バトル-40]

「それに合わせての社員募集は?」
「支社で貧困層の若者中心に面接を始めていまして、寮の完成を待てなくてテント生活でも構わないと言う人が来週やって来ます。」
「今の住環境がとても悪いとか?」
「それも有りますが身体的なハンディが有り差別されているそうです。」
「テント生活で大丈夫なのか?」
「いえ、同棲を始めるカップルがいまして部屋が空きますので、そこに入って貰うことになりました。」
「今は贅沢な広さだよな、日本の狭いワンルームとは違い夫婦に子どもが生まれても充分な広さにしたのは結婚する社員を想定していたのかな。」
「貧困層出身者に中流の生活を体験して欲しかったのです、その環境を維持したいと言う意欲を引き出したかったのです。」
「意欲の無い人が多かったとか?」
「色々諦めて給料の安いうちを選んだ人もいたみたいです、村に来て衣食住を保証すると言う意味を知り意識が変わったそうですが。」
「最低限度の衣食住をイメージして都市から離れた村に来たのなら変わって当たり前だろうな、給料は安くても生活水準は上がっているのだから。」
「住環境に関しては日本の支社でも社宅や寮の充実を検討して貰うように指示を出しました、給料を上げるだけが社員に対するサービスではないと思いまして、食事や洗濯、掃除の有料サービスも含めてです。
 日本人ってそう言ったサービスの使い方が下手だと思いませんか?」
「家政婦さんを活用する文化は上手く育ってないよな。
 サービスの価値を低く考える延長線上に福祉関係に携わる人の給料が安過ぎると言う現実が有ると思うよ。」
「充分な物を手に入れるだけの収入が有るのなら、そう言ったサービスに目を向ければ良いと思うのです。」
「サービス関係の事業は今一つ伸びてない、そこそこお金の有りそうな人が掃除は面倒だと発信していたりして、お金の使い方を知らないのだよな。」
「日本での事業展開として少し力を入れて行きたいですが、色々勘違いしてる人が多い様で時間が掛かりそうです、人によるサービスが軽視されて来た歴史が有り、家政婦さんを見下している人がいますので。」
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バトル-398 [高校生バトル-40]

「サービスと言えば、この村では洗濯を頼むことが出来るのだったな。」
「コインランドリーは設置して有るのですが、身だしなみに気を配らない人がいまして。
 始めはそんな人から強制的にお金を取って洗濯をしていたのが楽だからと定着したそうです。
 給料は安くても使い道が少ないので利用者が増え、ここの洗濯部門は安定した利益を上げています。」
「お金の使い道か…。」
「食堂の日替わり定食は無料ですが追加は有料、この追加メニューは料理人と交渉出来、種類が増えつつ有ります。
 後は、お酒と私服への支出となっていますが、店に並べた電化製品購入を目指して貯金している人もいるのですよ。」
「ローンは?」
「高額な商品を買って逃げる人が出かねないそうで検討中です、限度額を低めに設定してのスタートになるかと。」
「今は給料に満足していても欲が出て来るとどうなるか分からないよな。」
「真面目な人は昇給しますし、ここで技術を身に着け転職して貰っても構わないと思っています。
 新たな雇用に繋がりますので。」
「条件の良い転職先は有るのか?」
「少ないでしょうね、かなり努力して技術力を上げても、ここの衣食住を給料に換算したらそれなりの額になります。」
「衣食住をこちらで用意したことは彼らにとってどうだったのかな?」
「引っ越して来て貰うので住まいは必要でしたが、食事は料理人が皆の意見を聞いてくれますので好評、衣服に無頓着な人がいますのでこちらで用意して良かったと思っています、接客も有りますし、彼らを景観の一部とも考えていますので。
 作業中は必ずユニフォーム着用ですが、オフタイムもユニフォームで過ごし、私服を持たない人もいるそうです。」
「その気になればかなり貯蓄出来そうだな。」
「それが、酒や博打に消えてしまう人が少なからず。」
「少し残念だね。」
「いえ、酒は店の売り上げになりますし、博打は社員の間でお金が動くだけ、博打に勝った人は店の売り上げに貢献してくれます。
 お金の流れとしては悪く無いのですよ。」
「自身のスキルアップとかは考えてなさそうだな。」
「今までの生活でスキルアップと言う概念は無かったのだと思います、それでも結婚を意識し始めた人は変わりつつ有ると聞いています。」
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バトル-399 [高校生バトル-40]

「楽しく働いて結婚し家族が増えれば、日本人の価値観では収入の低さが気になるだろうが、そんなに悪く無いのかもな。」
「元々貧困層の人達ですので日本の様に物にあふれた生活を知りません。」
「それも有って賃金を抑えたのか?」
「いきなり収入が増えても戸惑うばかりで管理し切れないのではと、支社のスタッフが助言してくれたのですが、状況報告を見ていると正解でした。
 現金が入ると飲酒や博打に消えてしまうのです。
 でも、真面目に結婚を考える人が増えて来ましたので、彼らがどう変わって行くのか楽しみです。」
「結婚となると今の給料では足りないとか言って来ないかな?」
「子どもが生まれたら育児支援などのフォローしますし、保育や教育の環境も整えて行きます。
 勿論、費用は嵩みますが、観光をベースに多業種展開をして行きますので大丈夫かと。
 彼らに支払った賃金が店の売り上げとして順調に返って来ていることも有ります。」
「税金面はどうなんだ?」
「妥当なラインだと思います、ここの整備はほとんど自力で行いましたが、政府関係者には私達の味方が少なからずいますので無理なことは言って来ません。
 無理難題を吹っ掛けられたと言う話は、この国への進出企業から聞いていたのですが。」
「自分達が利益を得るために進出して来る企業とは全く違うことをしてるのだから当然だろう、詩織が怒る様なことをしたら民衆から反感を食らうだろうしな。
 利益の全てをこの国に投資して行くことは知られているのだろ。」
「はい、綺麗になった村が広がりつつ有ることはマスコミが取り上げてくれています。」
「都市部で活動していたら反発されていたかも知れないが、目立った産業の無かった村だからな。」
「今後どうなって行くのか、不透明な部分は有ります。
 都市部と違い治安は良いのですが、賑やかになると良からぬ人も来るでしょう。」
「警察は?」
「そちらは行政サイドにお任せです。
 都市部では警察官による不正行為が横行しているそうですが、ここでは今の所不正をしたくても出来ません、先のことは分かりませんが。」
「不正か…、警察官でも生活があまり良くないのかな?」
「安定した職業で有っても、支払われる給料は良くないので、様々な手を使って昇進を目指すみたいです。
 警察官が、この村に住むので有れば、心豊かに暮らせる生活を提供したいのですが公務員への利益供与は問題になりかねません。」
「不正行為そのものだからな。」
「ただ、その家族をうちで雇うことは可能だと思いますので、スタッフが動いています。
 間接的な利益供与とも言え微妙なのですが、給料では無くこの村の生活水準を考えたら村人達とバランスが取れませんので」
「この国の実情を考えたら微妙でもないのだろ。」
「ですね、この国の慣習に従い実権を握っている方々への贈り物は怠っていません、トイレの改修工事は喜んで頂けました。
 こちらとしては宣伝を兼ねてのことで元は取れていますが。」
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バトル-400 [高校生バトル-40]

「村の規模が大きくなると問題も出て来るだろうが、どの程度まで広げて行くつもりなんだ?」
「ここで使う食材は極力この村で確保して行こうと考えています。
 宗教上の食事制限が有りませんので牛や豚を増やして行きたいですし、衣類工場を広げアイテム生産を進めてと考えると、村人社員は足りていません。」
「拡大の予算はこれまでの利益からだけにするのか、更に借り入れるのか、どうする?」
「一期工事と考えていた建設計画が済んでから暫く様子を見て、二期工事スタートのタイミングを図ります、ただ周辺の村は電力事情がかなり悪いので、電力事業は別枠で考えています。
 安定した電力供給が出来れば今まで以上に協力して頂けると思いますので。
 その為の工事費用は借入れることになりますが、問題は人材の確保です。」
「さすがに村人の中から電力会社の社員にとは出来ないのだね。」
「はい、それなりの能力が必要です。」
「今、村の電力に携わっている人は村に住んでるのだよな?」
「ええ、特別職として給料は他の村人社員より高く設定していますが、住居のレベルは同じにしてます。」
「給料の格差で揉めたりしてないのか?」
「村人に対して何故特別職なのかの説明はしていますし、自分達の知識では出来ないことをしていると理解されています。
 特別職の人達は差別に対する教育を受けて貰っていますので両者の間で特に問題は無い様です。」
「能力差を受け入れているのかな?」
「それは当たり前のことでは有りませんか?」
「ただ、そんな違いから階級社会が生まれたのかもと思ってさ。
 単純に能力に差が有るからと納得しているのなら良いが、教育の差から始まったことだと考える人がいたら寂しくないか?」
「難しい所ですね、環境によって得られる能力が変わるのか、元々遺伝的な差が有るのか、ただ、能力が低くても人生を楽しめているのなら良いと思いません?」
「そう言う発想か、確かに生き生きと働いてる人達を見てると…、この村に来て生活が変わり勝ち組になったと思っていても不思議ではないか。」
「能力関係なく、自分は良い生活が出来ていると思えていることは大切なこと、それが人としての自信に、そして彼らの成長に繋がれば良いのでは。」
「その辺りの感覚がな…、遠江王国で貧困から脱却した人は、助けられてと言う意識が強いと自信に繋がらなくてね、国民性の違いも有るのだろうが。」
「日本では、社会的に勝ち組負け組と言う意識が強いのでしょうか?」
「だと思うよ、もう少しのんびり出来る社会でも良いと思うのだけどね。」
「この国では貧困層でも結婚に躊躇しない傾向が有ると聞きました、それが良いことなのかどうかは何とも言えませんが。」
「自殺率は日本に比べたらかなり低いのだよな…。」
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