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チーム遥香-01 [高校生会議-09]

高校生社員、聡美さんは婚活支援部(仮)の部長として、遥香フレンズという真面目な出会いの場を提供する事業に当たっている。
普通なら、高三の彼女が担当する事では無いだろう。
だが、うちは高一の私が社長を務めさせて頂いている様な会社。
静香の成長ぶりも社員の皆が知っている。
能力の高い人材にはそれなりの立場を与え育てる、という私の方針を面白がってる連中も多い。
一月から三月までの期間、聡美さんが部長職を体験する事に異論は出なかった。
可愛い後輩の成長ぶりを楽しむという、先輩社員の娯楽対象にもなっているからだ。
本人は…。

「遥香さま、給料がいきなり上がるそうですが。」
「学校の方は優秀な成績で卒業でしょ、羨ましいな、私は高校中退なのよ。
仕事に集中出来るのならそれなりの働きと、報酬、心配しなくても四月からは…、普通の新入社員という道も有りますからね、私はお勧めしませんが。
まあ、年度内は部長として社員の皆さんを楽しませてあげて下さい。」
「いきなり部長研修になるとは思ってませんでした、でも良い経験をさせて頂いていると思います。
遥香システムのお陰で私のなすべき事は皆さんが教えて下さいます。」
「そうなってるのは聡美さんの実力なの、教えられた事を整理して実行してるから社員も教え易いのよ。
皆さん私の下で働きたいという様な人達だから、可愛い聡美さんの部下になる事にも抵抗ないの。
正式な部下がいない状態でも、我が社の余力だけで遥香フレンズの準備が随分進んだでしょ。」
「はい、遥香システムあっての事です。」
「そうね、まともに機能していてくれて嬉しいわ、今はダブルワークも上手く機能している様で安心しました、でも人の手が不足しそうなら応援要請をして下さいね。
有給休暇を取り易い様に人の余裕を作っています、時間に追われる作業は多く有りません、先輩方が何とかしてくれますよ。」
「はい。」
「そうなると問題はイベントの内容ですね、一通り目は通しましたが。」
「はい、始めは色々な企画を提案して行きますが、最低募集人数に達しなかった企画は不成立として理由を検討、今後の参考にさせて頂こうと考えています。
スタートは規模を小さめにして身内中心になりますので問題ないかと。」
「ええ、良い案だと思って見ていました、福利厚生の一環でも有りますので大儲けの必要は有りませんが、赤字にしないという気持ちは大切です。
それで今後の事なのですが、ファミレス実習生の中に四月以降、高校生社員に成れそうな人はいませんか?」
「成りたがっている子は三人います。」
「聡美さんの評価は?」
「特に頭の良い子が一人、可愛さと愛想の良さでお客様からの人気が高い子が一人、もう一人は何事にも真面目に誠実に取り組んでくれています。
三人とも学業をおろそかにしていません。」
「高校生社員に推薦できますか?」
「もう一度本人達の希望と覚悟を確認してからならば。」
「それでは確認をお願いします。」
「はい、ところで私は四月から、何処に配属されるか決まったのですか?」
「もう少し待って、え~っと、きちんと休みを取る事を前提に考えた上で、今、仕事に余力は有りますか?」
「はい、部長研修そのものは特に拘束されるものでは有りませんし、遥香フレンズも、部長として取り組むのなら頼れる先輩方にお任せするのが仕事ですので、ファミレス中心に働こうかと思っています。」
「第一支部に随分アドバイスしてくれたでしょ、その内容をまとめ直して欲しいと思うのだけど。」
「分かりました、ファミレスマニュアルの再構築を考えながらアドバイスしていましたので、今月中にはある程度の形に出来ると思います。」
「ふふ、余裕が有り過ぎるみたいね、ならば、その作業を来月末まで先延ばしして、これからプリンセス遥香関連の店を仕事として回って貰えませんか、お友達の飲食費とかもこちらで負担しますから、仕事と遊び半々で構いません。」
「分かりました、何をすれば良いのか分かっているつもりです、報告はどの様な形にすればよろしいですか?」
「普通に自分専用のワークシートで報告書を作成して下さい。
「分かりました、部長待遇ですから遥香さまと副社長のみが閲覧可能という事ですね。」
「ええ、後は…。」

聡美さんの能力は高い、進学を目指してもそれなりの所に入学出来たと思う。
彼女は受験勉強に使う無駄なエネルギーを、バイト実習や高校生社員としての仕事に思いっきりぶつけて、自分のスキルを上げたと話してくれた。
仕事に対する意識の高さは大学生社員達より上かもしれない。
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チーム遥香-02 [高校生会議-09]

静香は仕事の中心を遥香姫親衛隊に置くようになった。
社員達は直属の上司のみならず、静香にも判断を仰いだ上で事を進めている。
始めは高校生の意見も聞いておこうという軽い感じだったのが、彼女の急速な成長に伴い欠かす事が出来なくなった。
社員達は子どもらしさが消え始めた長身の美少女から、直接指示を受けたいと話しているが、システムを通してでも嬉しそうだ。
慣れない内は私に相談して来る事も有った彼女も、最近は自分で判断出来ている。
全体を見る事が出来ているので社員の見落としに気付く事も多い。
気付かなかったら口を挟もうかという事も、問題なく処理して、高一ながら立派に管理職としての仕事を全うしている。

「静香、仕事は広範囲に及んでいるけど卒なくこなしてるわね。」
「どうでしょう、確認作業が主ですから学校に通いながらでも何とかなっていますが…。」
「現場へ足を運んでくれるだけでも喜ばれているし、新商品発売イベントは盛況だったそうじゃない。」
「はい…、初めてモデルになった頃は全然余裕が無くてひどかったですが、色々遥香さまの無茶ぶりにお応えしてる内に、随分鍛えられました。」
「え~、無茶ぶりというのは心外だな~。」
「桜さんも忍さんも、遥香さまに鍛えられたと話してみえましたよ。」
「私は伸びそうな人に対して、その力に相応しい環境を用意させて貰ってるだけよ。
私だって、姫社長になってなかったら、威張り散らして指示を出すなんて事、無かったと思うわ。
静香も、モデルとして、親衛隊隊長として、持ってた力を発揮してるだけの事、もう私の僕なんて卒業ね。」
「それは嫌です、ずっと遥香さまに尽くさせて下さい、親衛隊隊長なのですから。」
「ふふ、社長補佐になってどう?」
「仕事時間は遥香さまの指示通りで変わらないのに、月給制にして頂いてしかも額が…。」
「病気がちのご家族を扶養して行けそう?」
「はい、有難う御座います、遥香さまは我が家にとって神の様な存在です。」
「それは神様に失礼ですよ、話は聞いていましたから他の形での支援を考えた事も有りました、でも静香が自力で稼げそうだと感じましたからね。」
「多過ぎる気がしています。」
「自信を持ちなさい、静香はその給料に見合う働きをしてるの。
高校生の間、学校の成績を維持しつつ、今程度の仕事は続けられそう?」
「はい、全然問題ないです。」
「しばらくは今のペースで、無理しないでね。
ちなみに、桜達は静香より随分給料が少ないけど、それは扶養する人がいないからと考えてね。」
「はい、前野副社長からもその様に伺っています、桜さんや忍さんにも伝えて下さっているそうで、誤解を招かない為に気を使って頂いてます。」
「そっか、ねえ、静香は聡美さんと話す事有るの?」
「はい、しばらくファミレスで一緒でした、頭の良い人ですから教えて頂く事も多かったです、彼女は遥香さまから春休みの合宿に誘われて喜んでいました。
桜さん達と相談して、社長補佐のワークシートにアクセスして頂ける様にしました、同じ部長待遇ですから。」
「うん、良いわね、聡美さんは社内のアイドル的存在で、静香とはまた違った人気者なのよ。
静香は合宿の日程どう?」
「少し高校を休んで早めようかと思っています、聡美さんは卒業で一足早く高校から解放されます、私は出来ればそれに合わせたいと。」
「学校の方に問題なければだけれど。」
「本心は、もう中卒でも良いかと思っています、遥香さまの後を追って中退したいぐらいです。
でも高校生会議の事も有りますので…、進学希望者より好成績で卒業して、聡美さんと同様、高校生に進学という事を考えさせるきっかけになるつもりです。
まあ、少しぐらいずる休みしても、うちの先生方は遥香姫親衛隊の隊員ですから、余程の事でない限り…、隊長には逆らわないでしょう。」
「私の知らない内に随分逞しくなったのね、ふふ、高校を王国の手中に治めたという事かしら。」
「はい。」
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チーム遥香-03 [高校生会議-09]

二月、入学試験を受けに大学へ、数学でいやらしい出題があってむっとしたが、まあ解答でひねりを加えて差し上げた。
試験の終了後は桜と忍が待っていてくれた。

「遥香さまお疲れさまでした、でもこんな試験必要ないですよね、特別推薦ですし。」
「教員達に対するデモンストレーションという事でしょう、不合格なら中卒の社長として働くだけです。」
「それはちょっと…。」
「今までも学歴関係なく活躍された方は少なからずお見えよ。
聡美さんや静香は、大学を卒業しなくても経験を積んで今以上に部下を活かす仕事をしてくれると思ってるわ、私は…、まあ不合格を目指さなかったから大丈夫よ。」
「そうですか、入試は兎も角、試しに受けた大学の期末試験結果はすべてA判定だったそうですね。」
「簡単な科目でしたから、それより実験的なシステムを使っての試験がスムーズに運用出来た事の方が嬉しいわ。」
「そうですね。」
「ところで、システム開発部からのお誘い、返事はまだなの?」
「あんな事までシステムを使って来るとは思いませんでした、遥香さまの目にも触れますのに。」
「単に連絡先を知らなかっただけでしょう、正々堂々としてて良いじゃない、システムに関する提案のお礼を口実に女子大生とのコンパを企画するなんて、健気だな~。」
「では、遥香さまもご一緒されますか?」
「そうね…、時間が合えば。」
「ふっふっふ~、遥香さまのここでのスケジュールは私達が握っています、返事を遅らせていたのは遥香さまに同席して頂きたかったからですよ、先方へは遥香さまの事、内緒の方が良いですか?」
「そうね、しばらくはこっそり彼等の行動を観察させて頂こうかしら。」
「おっ、ドッキリ企画ですね、では連絡を取って店を決めて準備します。」

二人は仕事も遊びも迅速に動く。
桜は開発部と連絡を取り合いながら、店に予約を入れる。
私がいきなり訪れると店が混乱するので事前連絡は欠かせない。
座席のお願いもしたそうだ。
忍は私の服装を彼女の部下とも相談。
お遊びの手伝いをさせられていると思うと部下の方に申し訳ないと思うが、忍は部下からの信頼も厚い、どこかで埋め合わせをするのだろう…、と考えていたら、その部下はこっそり見ている間、私の同伴者、そして合コンの参加者という事になっていた。

「問題は遥香さまがどれだけ姫オーラを隠せるかです。」
「え~、私、普段はそんなに姫を出してませんよ。」
「あ~、これだから私の姫さまは…、サングラスにマスクをしていても、例えフルフェイスのヘルメットを被っていても、歩いているだけで高貴なお方だとばれてしまいます、もっと自覚して下さい。」
「待って、流石にフルフェイスで歩いていたら、怪しい人と思われて逆に変人として目立つでしょ。」
「今回は店の人に協力して頂いて目立たない席を用意させて頂きました、フルフェイスの必要は有りません。
さらに私の部下の中から美形を選びましたので、席の関係上そちらに目が行き、奥の席の遥香さまには気付かれないと思います、ですが姫オーラが出てしまいますとミッションが失敗してしまいます。
くれぐれもお気を付けください。」
「分かったわ。」
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チーム遥香-04 [高校生会議-09]

ミッション当日。

「私達は学生以外の方とのコンパは初めてなんです。」
「桜さん、特別な違いは有りませんよ、まずは乾杯しますか?」
「はい、でもすいません二人が来れなくなくってしまって、四人対四人のつもりでしたのに。」
「気にしてませんよ、我々は遥香さまの近況を聞かせて頂きながら、お二人ともお近づきに成れればと思っていますから。」

その言葉通り話題は私の事ばかりだ。
こっそり聞いているのが恥ずかしくなる。

「ところで遥香さまのお出ましはまだなのですか?」
「えっ、どういう事で?」
「遥香さまは、今、この地にいらしています、そのタイミングに合わせて合コンの承諾を頂きました、社内で公開されている遥香さまのスケジュールで遥香さまはオフ、姫さまをほったらかしにして、お二人だけでこの店に来る筈はないでしょう?
もしそうなら、支社で問題にしますよ。」
「はは~、参りました~。」

忍が私を迎えに来る。
「遥香さま、相手が一枚上手でした。」
「そうみたいね。」
八人でテーブルを囲む。

「お久しぶりですね。」
「はい、遥香さまは一段と美しくなられて…、システム開発でご一緒させて頂いてた頃は、まだ可愛らしさも感じていましたが。」
「ふふ、忍と桜のミッションは失敗に終わりましたが、ちょっとドキドキして楽しかったわ、有難うね。」
「先輩方の洞察力の前に完敗でした、開発部では何時頃から遥香さまの事に気付いて見えたのですか?」
「はは、気付くも何も、始めのお誘いから…、担当者は忍さん達との合コンを狙っていましたが、タイミングを計れとの指示は私が出しました。」
「策士か~、私の行動パターンも読まれているのですね。」
「読むも何も、お二人のワークシートからは遥香さま愛が溢れていて、休憩時間の楽しみですよ。」
「え~、セキュリティーはどうなっているのです?」
「はは、セキュリティーも何もお二人は社内公開してるじゃないですか。
遥香さまにとって問題になる記述がなければ私達も眺めるだけですよ、娯楽として。」
「う~ん、大丈夫です、嘘は書いてませんし人に知られて困る事も有りません!」
「あっ、忍が開き直った、まあそんな話ばかりでなく、せっかく女子大生が三人来ているのですから、もう少し話題を変えて…、そうね桜の秘密とか知りたくない?」
「えっ、知りたいです、遥香さま!」
「教えて上げな~い。」
「え~、遥香さま~。」

それからはおバカな話で盛り上がった。
桜に酔いが回り始めた頃…。

「皆さんにとって遥香さまは恋愛の対象だったりするのですか~?」
「はは、姫さまは、別次元の存在だからね…、自分にとって最高の存在だって事は付き合ってる彼女も知ってるよ。」
「えっ、それで彼女は納得してるのですか~?」
「それより、彼女がいるのに合コン参加って如何なものかしら。」
「桜さん、彼女も遥香さまの大ファンなのですよ。
くじで勝ち抜いて、遥香さま情報を沢山ゲットして来いという指令を受けました。」
「支社総務部の山中さんでしょ、二次会にお誘いしても良いわよ。
二次会はうちの本館、今日は私が許可しますから本館にお酒を持ち込んでも構いません。」
「はい、有難う御座います…、でもどうして彼女だと?」
「私だって、ぼ~としていたい時も有るの、何となく開発部の進捗を見ていたりするのだけど、ワークシート左下の隠し…、うちは社内恋愛推奨だから問題無いわ。
でも、本社では皆、あなたの事を心配してるのよ、クリスマスデートで盛り上がったのに、初詣で失敗、こちらで得た情報によると総務の新人が結構なイケメン、勿論使えない人を採用するする様な人事課ではないでしょ。」
「えっと…。」
「山中さんに対しての、一筋です、という言葉が嘘でなかったら、本社社員は全員あなたを応援するわよ、全社公開情報として甘~いやりとりを公表する勇者ですから。」
「あ~、油断してた~、お前らは気付いてなかったよな?」
「ええ始めは、でも遥香さまから、静かに見守りつつ状況を報告せよと、シークレットモードでの密命が有りまして…。」
「二次会に彼女をお呼びしてプロポーズってどうかしら、なんなら演出をメイド隊に指示しますが。」
「すいません、少し頭を冷やしてきます。」

「遥香さま、どういう事なのですか?」
「彼は彼女とのやり取りを会社のシステムを使って行っていたの、お遊びでしょうけど、残念なのはシステム開発の人間だから、もう少しセキュリティーを気にして欲しかったという事かな。
まあ、彼女はセキュリティー設定を高くすると閲覧も書き込みも出来ないからだとは思う。
管理部の人なら絶対気付く事が開発部だと気付けなかったりという事かしら。
ところで、彼がくじに当たったのは偶然なの?」
「遥香さまがお見えになると予測して、くじに細工をしたのは自分です。
くじに外れた開発部若手独身男性社員は全員了承済です。」
「それでしたら今回の滞在中にうちの本館で、開発部独身男性とメイド隊中心に合コンパーティーを開きましょう、忍、手配して。」
「分かりました、今日の二次会はどうされますか?」
「そうね、メイド隊のメンバーから希望が有れば参加して頂いて構いませんよ。」
「はい、有難う御座います、すぐ手配させて頂きます。」
「私はお店の方にお礼をしてきますね。」

飲食店では写真撮影をお願いされる事が多い。
それにお応えすると大抵の場合値引きして下さる、今日は半額で済んだ。
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チーム遥香-05 [高校生会議-09]

二次会は盛り上がった。
彼に呼ばれてやって来た山中さんは、開発部の社員から事情を聞かされても、私に会える事が嬉しいと話してくれたそうで。

「遥香さま、今日は呼んで頂いて本当に有難う御座います。」
「何時もお仕事有難う御座います、随分陰で支えて頂いて助かっています。」
「当たり前です、私にとって一番大切な遥香姫の為なら何だってしますわ。」
「ふふ、それで彼とはどうなの? 初詣でのあれは、ひどいわよね。」
「そうなんです、でもそろそろ仲直りかと思ってたら、プライバシーの大公開ですよ。
これは、どう責任とって頂くかって大問題です。」

それからは山中さん中心に女子会トーク満開。
開発部の社員はメイド隊のメンバーと楽しそうにしているが、一人だけ困った顔をしてぼ~っとしている人がいる。

私は気づいてからすぐに開発部の部長と連絡を取った。
管理者は部下の作業履歴を把握出来るシステム、当然の様に気付いていた彼は、二人の恋の行方を案じていた。
だが…、二人で相談して、どれだけ本人達に気付かれない様に、この情報を広められるかの実験を試みたのはいたずら心から、担当副社長の了承も得ての事。
その結果多くの社員が知る所となり、彼はこの様な使い方の代償を知る事に。
この、交換日記というリアルな恋愛ドラマは、娯楽として皆を楽しませてくれた。
勿論公開すべきでない内容が書き込まれたら止める様指示は出しておいたが、微妙な所で止める事無く続いていた。

合コンの翌日、秘密のシートは社員一同からの励ましや、楽しませてくれたお礼などの書き込みで賑わう事となった。
その後も、彼がやけくそ気味で山中さんとのやりとりを続けているのは、途中で止めたら全社員、続きが気になって仕方がないと、お願いしたからだ。
まあ、内容は面白くなくなったが。

そして事の顛末を漫画化する事になった、勿論名前を変え色々脚色する、二人の了承の元、恋愛模様を描きながらセキュリティを考える内容になる予定。
今までも漫画は高校生会議中心に取り組んできたが、ストーリーが今一つパッとしなかった。
今回は、元ネタのリアルエピソードも色々面白いので王国内の社内販売とコミケでの販売を想定している。
赤字にならない程度には売れるだろう。
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チーム遥香-06 [高校生会議-09]

三月、聡美さんの高校卒業を待って岩崎村での合宿を始めた。

「聡美さん、婚活プログラムは手堅く利益を出しているのね。」
「ええ、忍さんも状況を見て下さったのですね、遥香さまからは福利厚生の意味合いも有るので大きな利益を目指さなくて良いと言われています。
でも赤字にはしたく有りませんので、現場スタッフの人選を考えています。」
「イベント現場スタッフの力量が大きく左右するのね、システムを通してだと掴みにくい情報で管理者の力が問われるのかな、大変じゃないの?」
「企画が成立するだけの人数が集まれば、後は皆さん楽しんで下さいという感覚です。
今はスタッフも参加者の一人、うちのスタッフは私が参加した高校生会議のプログラムで盛り上げるのが上手だった人達、ダブルワークの形でお力をお借りしています。
今のところ、皆さんに楽しんで頂けている様です。」
「聡美さん自身が企画に参加される事は?」
「それは…。」
「忍、婚活企画に可愛い聡美が登場したら、男性陣の目や心が聡美に集中してしまうでしょ。」
「あっ、そうですね。」
「企画は担当者任せで良いのよ、本数も多くないからダブルワークと言っても、今の所、遥香フレンズはスタッフの余暇みたいなものね。
でも、まだ表に出してないけど、聡美は壮大なるグループ交際を考えてるのよ。
どんどん仲間を増やして、結婚してからも交流できる形を内緒で模索してるの。」
「聡美さん、どうして内緒なのです?」
「ここまでは、大勢の社員に支えられて研修して来ました、これからは自分の方針をしっかり部下に伝えて動いて頂く形にしたいのです、それには私自身の下準備が必要で、公表したら私の部長研修が次の段階に入ったと社員の皆さんに認めて頂けるレベルでないといけません。
事業規模は大きく有りませんので、可能だと判断しています。
基本的には、遊びの幹事が社員だったりサポーターだったりという形をイメージしていて、人付き合いの少ない方や苦手な方が友達の輪を広げるお手伝いを出来ないか、という試みです。」
「そうすると人間関係学部の辺りが興味を持つかもしれないわね、スタッフが足りなかったら適当にただ働きさせる事も可能だから覚えておいてね。」
「分かりました、彼氏彼女のいない人限定でお願いさせて頂くかもしれません…。
人間関係学部ですか…、遥香さまは何学部に進まれるのですか?」
「私は総合コース、お父さまと学長が相談して新設して下さった…、もしかすると私だけで終わってしまうかもしれないコースなの。
学部関係なく単位を取ってみてから、気が向いた学部の卒業単位を取る、六年掛けて複数の学部を卒業するか、絞りこんで大学院へ進むかは未定よ。」
「大変そうですね。」
「でも、講義時間に拘束されず、一科目の単位を取るには、与えられた本を読んでレポート提出して試験に通れば良いのよ。」
「遥香さまだから簡単な事ですが、我々凡人には大変なんですよ、聡美さんがどう思ってるか分からないけど、遥香さまは本物の天才ですからね。」
「だから、大学教授達もその力を無駄なく伸ばして頂きたいと考えてる訳、でも各学部が自分の所に遥香さまを、という争奪戦になりかねなくての総合コースなのよ。」
「遥香システムの発案者ですから天才だと思っていました、これから遥香さまの下で高校の制約なく働かせて頂ける事は楽しみでしか有りません。」
「有難う、私も嬉しいわ。
それで…。」
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チーム遥香-07 [高校生会議-09]

「それで、今回の合宿テーマは考えてくれた?」
「はい、チーム遥香ですね、スタートに私も入れて下さってとても嬉しいです。
一つの役割として組織内のチェックと有りましたが、管理職と職務をダブらせるという事ですか?」
「ピラミッド型組織を斜めに切り込むという視点はどう?
プリンセス遥香の事業に係わっている社員の中には、隣の部署で何をしてるのか把握出来ない人も少なくないの。
商品開発、製造、通販、ファンクラブ、ファミレスと言った部署でピラミッドを形成して会社の形を作ってる、そこに遥香姫親衛隊という別の括りが有り、その隊長が各管理職とは違った視点で全体を統括し確認している。
静香の存在は大きくて、かなりの無駄を省いているだけでなく新たな展開に繋がっているのよ。」
「はい、先輩方から聞いてます、静香さんは視点と視野が違うから見落としに気付いてくれると。」
「そうか、私はそこまでの内情が把握出来ていませんでした。
そうすると、私達は遥香コーポレーションを自分達の視点で見直すという事ですか?」
「それも有りますが、一つは遥香システムを導入した企業のチェックです。
今まで遥香システムを導入して下さった企業は、先方と相談の上、開発チーム遥香姫としてシステムに入り問題点の指摘や提案をさせて頂いています。
ただ、今後の事を考えると私の暇つぶしだけというのもどうかと、どの企業もピラミッド型の問題を抱えていますからね。
先方の企業としっかりコンタクトを取った上でアクセス権を認めて頂き、違った角度から組織を見直すなんて事は…、桜、忍のよだれを拭いてあげて。」
「は~い。」
「遥香さま、四月からでもやらさせて頂けるのでしょうか?」
「忍、桜、お願いね、相手企業の効率アップ、売り上げアップに繋がれば喜んで頂けるのよ、守秘義務は完璧に守ってね、卒論で利用させて頂く時も先方の承諾を得てからよ。」
「はい。」
「場合によっては、他の企業との関係を構築すると大きな利益に繋がる事も有るわ、でもそれに気付いた時は特に守秘義務を思い出して慎重に行動してね。」
「あっ、提案が不調だった時に情報が一方の不利益になりかねないと…。」
「王国内企業同士ならと油断しないで欲しいの、不調に終われば別企業との協力体制を模索する可能性も有る、そんな時に無意識の情報漏洩だって起こりかねないの。
しばらくは王国内の優良企業中心になる訳だけど油断はしないでね。」
「はい、気を付けます。」
「聡美も体験してね、企業によって色々違うから面白いのよ。」
「はい、でも先輩方とは経験が…。」
「そうね、聡美の方が得意な分野も有るわね。」
「えっ、そういう意味では…。」
「聡美さん、いえ、聡美、一緒に勉強ね、お互い教え合ってスキルアップしましょ。」
「は、はい、桜さん、よろしくお願いします。」
「そんな感じで、チーム遥香には一般社員とは別次元で動いて欲しいと考えているの。」
「組織を斜めに切り込みつつ、新たな事業展開を模索という事ですね。」
「ええ、聡美、その為にチーム遥香サポートを置いて、雑事はすべてそちらへ振って行く体制にしようと考えているの、サポートにはチーム遥香メンバー候補にも入って貰うつもりよ。」
「今後はどの様なメンバーをお考えですか?」
「男女、年齢問わず、私と気の合いそうな人。」
「はは、その個人的な判断基準が王国らしくて良いですね。」
「どれだけ才能豊かでも、遥香さまが気に入らない人は要りませんわ。」
「それでねメンバーの立場や仕事内容は様々になるけど、チーム遥香として上下なく行きたいの。
静香がモデルをこなしつつの遥香姫親衛隊隊長として四人の中では一番立場が上でも、仲間として同じ位置にいると考えて欲しいかな。」
「そうよね、静香、私の事は桜って呼んで、静香は歳の差を気にしそうだけど、ふふ、隊長なんだから隊員をさん付けにするのもおかしいわよ。」
「分かりました、呼び捨てにして欲しいと言われる事は多いですから随分慣れました、でも皆さんは遥香さまにとっても特別な方々、私のお姉さんという事で如何でしょうか。」
「うん、私達は遥香さまの下に平等だという気持ちは忘れないで欲しいかな、ね、聡美も良いでしょ。」
「はは、忍先輩、遥香さまの下に平等って良いですね、流行らせて良いですか?」
「勿論よ、でも私は先輩でもないから、忍だけで良いよ。」
「分かりましたフレンドリーに行きましょう、静香も少し肩の力を抜いても良いと思うわよ。」
「はい、聡美…。」
「う~、静香の可愛い顔初めて見たよね、桜。」
「忍、静香は困ってるのだから…。」

桜と忍は兎も角、静香、聡美を含めた四人はまだ互いの距離感も掴めていないだろう。
高一の静香、高校を卒業したばかりの聡美、大学三年の桜と忍、この四人を核に四月からの新たな展開を目論んでいる。
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チーム遥香-08 [高校生会議-09]

チーム遥香としての活動は多岐に渡る。

「静香と桜は広報も手伝ってるのよね、聡美も可愛いから表に出て貰ったらどうかしら?」
「忍、何を他人事みたいに話してるの、チーム遥香も表に出して行くから、あなたもテレビに出て貰うわよ。」
「え~、私は裏方で…、遥香さま、引き立て役ですか~。」
「静香や桜だと、メイク担当が力を発揮出来ないって嘆くのよ、忍なら彼女を喜ばせて上げられると思うな、メイク一つで印象が随分変わるものなのよ。」
「ほぼすっぴんの遥香さまに言われましても…。」
「アイドルではないけど私達五人組のユニットですよね、遥香さまをセンターに四人が個性を発揮出来たら楽しいです、遥香さまを盛り立てるのも私達の仕事ですよ、忍姉さん。」
「聡美は積極的ね…、超絶美少女遥香さまを、長身クール系美少女静香、可愛いくて人気者の聡美、ちょっぴり色香漂う女子大生桜、う~ん私は…。」
「世の中の美意識は多様なのよ、忍は自分にもっと自信を持って良いの、でも記者会見でこけたりボケたりする担当がいたら楽しいかもね。
明るく笑って突っ込みを入れる聡美、冷たく止めをさす静香、意味深な笑顔の桜、という分担でどうかしら。」
「そんな~、私、お嫁に行けなくなってしまいます~。」
「忍が人気者になるかもね、まあ具体的な話はこれからだけど、漫画の実在モデルって案は面白そうでしょ。
プライバシー大公開事件は上手くまとめてくれそうだから、次はチーム遥香を紹介しつつ私達の着ている服を紹介する形で写真を入れたり、着こなしのアドバイスを入れたり、煮え切らない恋に悩む忍を優しく見守る私達というストーリーに沿ってね。」
「遥香さま、私、恋に悩んでないのですが。」
「ふふ、悩んでもいないのに、遥香さまから悩めとの指示を受けて困る忍、桜は同情して適当な男性を見繕う、私が陰ながら応援していると、静香がポツリと一言、彼が迷惑そうだ、なんて。」
「うん、聡美、そんな感じで良いわ、ポイントは男性の人選かしら、静香、どう?」
「モデルの男性から適当に見繕っておきましょうか。」
「そうね、お願いするわ、写真も入れたいもの、桜は別で…、大学生とか何人か候補を上げてみて、個性的な人が良いな、忍が色々な出会いの中で自分を磨いて行くというストーリーでどうかしら?」
「遥香さま、簡単にストーリーをまとめてみましょうか?」
「ええ、聡美、お願い、漫画の出来が良かったら、そこから発展させて実写を織り交ぜたアニメというのも考えてるの。
漫画の実写化を私達でとなったら無理が有るけど、アニメに私達の静止画や動画を組み込んでセリフはプロの声優にお任せなら形になると思うわ、宣伝したい衣装は本物をお見せしたいし。」
「面白そうですね。」
「桜は良いわよ、スタイル良いから…。」
「忍だって、着こなしを工夫すれば…、メイクと衣装で随分変わりそうですね。」
「そうね、ストーリーとも絡ませて、まずは忍をどこまで輝かせる事が出来るか試してみましょう。」
「えっ、私ですか…。」
「忍、日頃からお洒落にも気を使いなさいって言ってるでしょ、遥香さまのお側にいさせて頂いてるという自覚が不足してるわよ。」
「う~ん、そんな時間が有ったら自分のスキルアップと考えていたのだけれど…。」
「相手にどんな印象を与えるかって大切なのよ、私達は相手がひれ伏したくなるようなオーラを発する遥香さまの真似は出来ないわ、でも女には女の武器が有るのよ。」
「桜に言われると言い返せない…。」
「静香は、どう思う?」
「商品をアピールして行くには、色々な人が居た方が良いと思います、色々な個性を前面に出せますので、忍姉さんのメイクと衣装に関しては、指示を出しておきます。」
「うん、お願い。」
「忍姉さん、私は遥香さまに出会ってなかったら、猫背でダサくて暗い…、中学の頃は背後霊と呼ばれてました、人の価値は外見で決まるものでは有りませんが、人に対する印象も変わり、それが自分の自信にも繋がります。」
「う~ん、人生経験は静香の方が上みたいね、分かったわ、煮るなり焼くなり好きにして。」
「メイクと衣装を静香が担当してくれるのなら、姿勢と仕草は私が担当するわ、ファミレス、ホール係の延長になりますが。」
「では私は、聡美と静香の成果に磨きを掛けて、そうね、女磨きを…、聡美もこれから可愛さだけでなく…、武器は多い方が良いから、基本は相手の心理だったりするのだけど、どう?」
「桜姉さん、お願いします。」
「これで合宿中のお遊びは確定したわね、では、高校生会議関連の話だけど…。」
「遥香さま、もしかして私は玩具ですか?」
「勿論よ、忍。」
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チーム遥香-09 [高校生会議-09]

その後、話を真面目な方向に切り替えて…。

「岩崎高校生会議、起業実習から会社運営実習の案は見てくれたかしら?」
「はい、遥香さまのご指摘通り問題も有ると思いますが、高校生会議からバイト実習、高校生社員と体験させて頂いた者としては大賛成です。
より多くの高校生が会社組織を体験出来る事の意味は大きいと思います、一部の商業高校でも体験実習として取り組まれている事ですが、高校生会議として取り組めば更に充実した内容になると思います。
バイト実習でも成果は上がっていますが、どうしても人数の制約が有って、真面目で優秀な人ばかりになってしまう、でも本当に体験すべきは、そうではない人達だと思うのです。
それで、起業と並行して、ハードルを下げた形でも進めてみてはどうでしょう?」
「どんな感じで?」
「高校生会議のイベントでは模擬店を出す事も有ります。
私も高二の時に体験したのですが、先輩がどんぶり勘定の人だったので、すぐにサポートさせて貰いました。
その経験を踏まえて考えたのですが、単発の模擬店で有っても、高校生から計画書と予算申請書を提出して貰って、合格なら準備資金を与える。
合格基準は給料を払った上で黒字に出来そうかどうか、その根拠が計画書で示されているかどうかと言った処です。
高校の文化祭でも、高校生会議のイベントでも、計算の出来てない模擬店が多く見受けられました。
指導を強化すれば、小さな商業活動でも計画的な運営を学ぶ良い機会になると思うのです。」
「いきなり起業では荷が重くても、模擬店レベルなら取り組み易いという事なのね、聡美の方で進めてくれる?」
「分かりました、予算の母体はどうしますか?」
「遥香コーポレーション社長補佐として、この事業展開に対して聡美が必要とする金額はどれくらい?」
「担当社員の給料を含め、初年度一千万ぐらいで如何でしょうか、ある程度数をこなさないと社員の人件費が賄えません、高校生にはこちらの事情を理解して貰った上で利益配分の調整となりますが、それも学習の一環です。
形が出来、バリエーションを増やす事に成功すれば回収出来る額だと思います。」
「そうね、では起業のサンプルとして新会社を設立しましょう。
起業に挑戦する高校生が現れた場合は、その親会社にします。
資本金は私が出しますが、社長は…、聡美、やってみる?」
「そうですね…、名前だけでも遥香さまになって頂けたら高校生達が喜ぶのではないでしょうか。
私は副社長として実質的な責任者、実際に動いて貰う人は、高校生会議のサポートスタッフから転籍希望者を募れば簡単に集まると思います。」
「高校生会議主体で動いて貰ってる漫画チームとかも、新会社の所属に出来ないかしら?」
「分かりました、今は岩崎王国から多くの支援を受けていますが、その支援を減らせる方向でも考えてみます。」
「減らさずに違った事業展開を模索しても良いのよ。」
「あっ、王国の拡大ですね、高校生会議自体が王国外からの参加を認め始めて拡大を模索しています、高校生会議の可能性は大きいですね。」
「現状で一億、状況次第ではそれ以上を聡美の裁量で動かせると思っていてね。」
「はい、有難う御座います、それでは、高校生会議に於ける遥香システム導入計画の進捗によって…、小規模支部の起業希望者が、それなりの力を持っていると判断出来た場合は導入を優先したいと考えています、如何でしょうか?」
「そうね、その見極めにはシステムが使えなくて手間も掛かるでしょうが、是非その方向でお願い、いずれ地域間格差は是正しないといけないし。」
「はい、支部が多いですから…、それで…、遥香さま、今後、地域政党みどりの風を国政へと考えた時、支持母体として岩崎高校生会議というのは如何でしょうか、大学のシステムでは制約が大きいですが、高校生会議のシステムなら全国展開出来ます、高校生という名称に囚われない活動をしている大人も多いですし…、政治活動で高校生の為の場を利用する事に対して反発が有るかも知れませんが、うちは王国ですから。」
「確かに、王国内で政治的な全国展開を考えた時、一番手っ取り早いわね、絶対王政みたいな状態にしようとする訳でもなく…、地域政党は、お父さまが秋山史枝市長と始めた事ですから…、システムを導入した事により、バラバラに活動して来た三つの支部の間で意思統一もされ始めているものね。
聡美、今夜はお父さまと三人で話し合いましょう。」
「はい。」
「御免、聡美、私、あなたの事を過小評価してた、遥香さまからの提案は読ませて頂いて自分なりに考えたつもりだったのに…。」
「何言ってるのですか、忍姉さんには忍姉さんの役目が有るじゃないですか。」
「そうよ、記者会見の場で上手にボケてね。」
「遥香さま~。」
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チーム遥香-10 [高校生会議-09]

その夜、岩崎社長と。

「聡美、遥香から話は聞いたよ、私なりに検討させて貰ったが良いと思う。
一政党のバックアップを岩崎高校生会議の名称で行う事に反発が有るかもしれないが、そういう事も含めて、既存の政治団体との違いを示す事になって面白いだろう。」
「高校生時代のピュアな気持ちを忘れないで政治に係わって下さい、という後付けの理由はどうですか?」
「腹黒い遥香からピュアな気持ちとはね…、まあ良いと思うよ。」
「岩崎社長、遥香さまは純粋な方です、王国を拡大する事の意味を誰よりも分かっておいでです。」
「ふむ、遥香、良い仲間を見つけたな。」
「ええ、聡美の考えをもう少し聞いておきたいのだけれど。」
「はい、私が話すまでもなく、遥香システムの導入によって岩崎王国自体が大きく動こうとしています。
ただ、王国全体を一つのシステムで管理するのは無理が有ります。
企業活動という王国の根幹に係わる部分は、今進められている各企業への遥香システム導入が進めば全体に良い結果をもたらすと思います。
でも、それ以外の部分、岩崎高校生会議や地域政党みどりの風がらみ、また社会福祉関連事業は、全国レベルのシステムが必要だと思います。
しかし、それぞれが個別で展開するには費用もかさみます、逆に、一つのシステムで運用して行けば、高校生が政治や社会福祉の現場に触れ易くなると思いました。
形を整え国政を目指す政党として名乗りを上げる段階で、政党独自のシステムを立ち上げれば良いと思います。
すでに高校生会議、三つの支部は、離れて活動していても共同での研究に取り組み始めています。
サポートスタッフ達は、その可能性を熱く語って下さいました。
その勢いで、みどりの風を国政政党へ発展させる準備も、上手く各地の活動を集約して行く事が出来れば一気に進むと思います。」
「だな、遥香、高校生会議への導入計画は練り直しが必要だぞ。」
「はい、前倒しと拡大ですね、大学生を全国に派遣する形でどうでしょう?」
「遥香システムの使い方を教える事を実習に組み込むか…、今は初級研修だけで良い、高校生と社会人が一緒に研修を受ける事もプラスになるだろう。」
「まずは、みどりの風が頑張ってる地域から、イレギュラーとしては優秀な高校生起業希望者のいる支部を優先なのよね、聡美。」
「ええ、でも、問題は組織作りだと思います、各支部、各地域で行って来た事を全国レベルでまとめるとなると、ギクシャクしかねません。
それで、組織の中枢にあたる人物は、チーム遥香の一員となって頂き、遥香さまの下に平等という形ではどうでしょう、王国の企業活動の象徴は岩崎社長、政治を含めた活動の象徴は遥香さまという事で。」
「そうね…、お父さまは如何ですか?」
「私一人に集中するより良いと思うが、私より遥香は大丈夫か?」
「正直言って、チーム遥香は政治活動まで意識してませんでした…、でも、お父さま、将来の総理大臣候補をチーム遥香の一員として迎える事は前向きに考えたいと思います。」
「まあ候補者はいるが…、聡美は政治の事にも前から興味があったのか?」
「以前はそれほどでもなかったのですが、高校生社員として研修を受ける過程で先輩方から教えて頂きました、もう直ぐ市長選挙という事情もあります。
岩崎社長、みどりの風で国政を目指すのは何時頃になりそうですか?」
「すでに結構な人材が集まりつつ有って、解散時期にもよるが、次回の衆議院選挙を考えている。
そこに向けて、遥香システムをどう生かすか考えていたところなんだ。
だが、高校生会議のシステムを活用する案は、聡美の話を聞くまでなかった。
明日は各方面に指示を出しまくる事になる、有難うな聡美。」
「いえ、私は遥香さまに認めて頂いた事で多くの方々から助言を頂ける様になりまして…。」
「はは、受験勉強してたら、ここまで成長出来なかったという事かな。」
「はい、受験の為の知識が必ずしも仕事に生きるとは思えません、岩崎社長が高卒でも力を発揮出来る環境を作って下って、それを遥香さまが生かして下さり…、私は恵まれています。
ダブルワーク社長社員の方々からも多くのアドバイスを頂いたお陰で、遥香さまのお役に立てる自分になれた気がしています。」
「皆さん聡美の事、褒めてらしたわ、そうね…、今度は彼等を部下として使いこなすトレーニングを始めましょう。
チーム遥香担当副社長は前野さんにお願いして有ったけど、事業規模が一気に大きくなりそうだから、聡美も副社長としてチーム遥香を引っ張ってくれないかな。
副社長の業務に関しては前野さんから指導を受けて…、前野さんも他で持ってる業務を整理出来たらチーム遥香の一員になって頂く事になってるの。」
「そんな…、先輩方を差し置き過ぎだと思いますが…。」
「みんな喜ぶわよ、聡美の成長ぶりを見守る事が社員達の楽しみなのだから。」
「大丈夫だ、聡美なら出来る、遥香の負担を減らしてやってくれな。」
「は、はい。」
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