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チーム遥香-07 [高校生会議-09]

「それで、今回の合宿テーマは考えてくれた?」
「はい、チーム遥香ですね、スタートに私も入れて下さってとても嬉しいです。
一つの役割として組織内のチェックと有りましたが、管理職と職務をダブらせるという事ですか?」
「ピラミッド型組織を斜めに切り込むという視点はどう?
プリンセス遥香の事業に係わっている社員の中には、隣の部署で何をしてるのか把握出来ない人も少なくないの。
商品開発、製造、通販、ファンクラブ、ファミレスと言った部署でピラミッドを形成して会社の形を作ってる、そこに遥香姫親衛隊という別の括りが有り、その隊長が各管理職とは違った視点で全体を統括し確認している。
静香の存在は大きくて、かなりの無駄を省いているだけでなく新たな展開に繋がっているのよ。」
「はい、先輩方から聞いてます、静香さんは視点と視野が違うから見落としに気付いてくれると。」
「そうか、私はそこまでの内情が把握出来ていませんでした。
そうすると、私達は遥香コーポレーションを自分達の視点で見直すという事ですか?」
「それも有りますが、一つは遥香システムを導入した企業のチェックです。
今まで遥香システムを導入して下さった企業は、先方と相談の上、開発チーム遥香姫としてシステムに入り問題点の指摘や提案をさせて頂いています。
ただ、今後の事を考えると私の暇つぶしだけというのもどうかと、どの企業もピラミッド型の問題を抱えていますからね。
先方の企業としっかりコンタクトを取った上でアクセス権を認めて頂き、違った角度から組織を見直すなんて事は…、桜、忍のよだれを拭いてあげて。」
「は~い。」
「遥香さま、四月からでもやらさせて頂けるのでしょうか?」
「忍、桜、お願いね、相手企業の効率アップ、売り上げアップに繋がれば喜んで頂けるのよ、守秘義務は完璧に守ってね、卒論で利用させて頂く時も先方の承諾を得てからよ。」
「はい。」
「場合によっては、他の企業との関係を構築すると大きな利益に繋がる事も有るわ、でもそれに気付いた時は特に守秘義務を思い出して慎重に行動してね。」
「あっ、提案が不調だった時に情報が一方の不利益になりかねないと…。」
「王国内企業同士ならと油断しないで欲しいの、不調に終われば別企業との協力体制を模索する可能性も有る、そんな時に無意識の情報漏洩だって起こりかねないの。
しばらくは王国内の優良企業中心になる訳だけど油断はしないでね。」
「はい、気を付けます。」
「聡美も体験してね、企業によって色々違うから面白いのよ。」
「はい、でも先輩方とは経験が…。」
「そうね、聡美の方が得意な分野も有るわね。」
「えっ、そういう意味では…。」
「聡美さん、いえ、聡美、一緒に勉強ね、お互い教え合ってスキルアップしましょ。」
「は、はい、桜さん、よろしくお願いします。」
「そんな感じで、チーム遥香には一般社員とは別次元で動いて欲しいと考えているの。」
「組織を斜めに切り込みつつ、新たな事業展開を模索という事ですね。」
「ええ、聡美、その為にチーム遥香サポートを置いて、雑事はすべてそちらへ振って行く体制にしようと考えているの、サポートにはチーム遥香メンバー候補にも入って貰うつもりよ。」
「今後はどの様なメンバーをお考えですか?」
「男女、年齢問わず、私と気の合いそうな人。」
「はは、その個人的な判断基準が王国らしくて良いですね。」
「どれだけ才能豊かでも、遥香さまが気に入らない人は要りませんわ。」
「それでねメンバーの立場や仕事内容は様々になるけど、チーム遥香として上下なく行きたいの。
静香がモデルをこなしつつの遥香姫親衛隊隊長として四人の中では一番立場が上でも、仲間として同じ位置にいると考えて欲しいかな。」
「そうよね、静香、私の事は桜って呼んで、静香は歳の差を気にしそうだけど、ふふ、隊長なんだから隊員をさん付けにするのもおかしいわよ。」
「分かりました、呼び捨てにして欲しいと言われる事は多いですから随分慣れました、でも皆さんは遥香さまにとっても特別な方々、私のお姉さんという事で如何でしょうか。」
「うん、私達は遥香さまの下に平等だという気持ちは忘れないで欲しいかな、ね、聡美も良いでしょ。」
「はは、忍先輩、遥香さまの下に平等って良いですね、流行らせて良いですか?」
「勿論よ、でも私は先輩でもないから、忍だけで良いよ。」
「分かりましたフレンドリーに行きましょう、静香も少し肩の力を抜いても良いと思うわよ。」
「はい、聡美…。」
「う~、静香の可愛い顔初めて見たよね、桜。」
「忍、静香は困ってるのだから…。」

桜と忍は兎も角、静香、聡美を含めた四人はまだ互いの距離感も掴めていないだろう。
高一の静香、高校を卒業したばかりの聡美、大学三年の桜と忍、この四人を核に四月からの新たな展開を目論んでいる。
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