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バトル-211 [高校生バトル-22]

「三郎、最近弱気になってるそうだが、週刊誌の記事を気にしてるのか?」
「少しね、一郎兄さんはどう思ってる?」
「目立っていれば仕方ないことだと思うよ、でも、記事に対して我々を擁護する発言も多いだろ、アンチなんて無視して実績を上げて行けば良いのさ。」
「実績は…、まだ投資の段階だから、何年か続き安定して始めて実績と言えるのでしょ、焦りたくはないけど、もう少し目に見える結果を示すことが出来れば、色んな事業が加速して行くとは思うのだけど。」
「マスコミを最大限に活用して行くと言う方針で動いてるのだから、少しずつ加速して行くさ、次郎は新曲販売の演出に自信が有ると話してが、それはマスコミとの良好な関係が有ってのことだからな。
 まあ、我らが王家に仇なす記事を掲載した週刊誌とその出版社に対しては全面戦争を仕掛ける話が出ているから楽しみにしてろよ。」
「全面戦争?」
「名誉棄損で裁判に持ち込む話も出たがそれより効果的にね、うちは多くのマスコミと良好な関係を築き始めてるから各社があの記事に対抗する報道を始めてくれているし、うちと関係のある企業はあの出版社関連に出してた広告を全部取りやめる方向なんだ。
 何時も好き勝手に書いてる週刊誌、その発行元にダメージを与えることで情報発信の有り方を考えて貰うと言う狙いが有ってね。
 自身の出した情報に対して責任を持てない出版社なんて害でしかないだろ。
 これまで遠江王国はマスコミにとって手頃なネタになっていて、ほとんどが好意的に取り上げてくれてるから、インパクトだけを考えて批判的な記事を出したのだろうが、皆怒ってるのさ。」
「出版社はどう出るのかな?」
「一つの週刊誌が出版社全体に悪影響を及ぼしたと気付いたらそれなり動くのではないかな、いい加減な記事を書かれた経験の有る著名人たちも賛同しているからね。」
「あの記事を切っ掛けに遠江王国が一段と注目されてるとか?」
「そうなる様にあちこちから情報発信が始まりつつ有るよ。
 新曲のPVは、もう直ぐ一曲目が完成するのだろ、一曲だけで良いから予定を早めて発表と言うのも有りだな。
 兎に角、我々のネタを途切れないようにマスコミに流し続けて行けば、事業を加速して行く原動力になることは間違いないぞ。」
「そうだね、雅達とも相談してみるよ、チーム妹は人数が増えて余力が有るみたいだから。」
「チーム妹のメンバーは国の為に働きたがってると雅から聞いたよ。
 誰に強制されるでなく、国民で有ることに誇りの持てる遠江王国だからこそだが、国の為にと考えてるのは中高生だけではないと言うことを忘れるなよ。
 第三王子の活躍は皆が望んでいることだからな。」
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バトル-212 [高校生バトル-22]

「三郎、遠江王国の大いなる挑戦は増刷が決まったから、三郎の会社にも予算を回せるがどうだ?」
「予定通りの相乗効果で本が売れて嬉しいね、次郎兄さんが話してた土地の購入資金には回さなくても良いの?」
「あの土地は、値を吊り上げたかった人が亡くなってね、息子さん達は元々安くて構わないと話してたことも有り良い形になりそうなんだ、土地代でうちの株式を買って貰う方向でね。」
「実質、現金支出なしで土地が手に入るんだ、配当を出せてる強みだね、銀行預金の金利が下がりまくってることも有るのでしょ。」
「向こうにとって元々持て余し気味の土地だったのだから、本当は渡りに船なのさ。
 それでもお年寄りはより高くとね、実は相続税とかを考えたら微妙だったのだけど、お金を欲しがるのは人間の本能なのかもな。
 担当者は、息子さん達もお金に不自由してなくて、むしろ生活に余裕が有ると話してた、だから配当の期待出来る株式の話にも乗ってくれたのだろう。」
「互いに納得出来る形に納まるのなら良いね。
 うちとしては農業公園の機械化をもう少し進めたくは有るのだけど。」
「機械化か。」
「長く使うことが出来れば元が取れるし、農業機械のサンプル的な意味合いもね、農業機械の販売代理店と言う事も考えていてさ。」
「農業って儲からないのだろ?」
「そこは経営者の腕次第、他との差別化に成功した作物は割高でも売れるし、効率の良い経営をして行けば機械化に投資しても元は取れる。
 農業公園では一つ一つの畑が狭いから効率は良くないけど、それなりの工夫で全体の収益は上がって来てるからね。
 みんな農業公園だけで黒字にしたいと頑張ってるんだ。」
「出来そうなのか?」
「そこはイベント次第だよ、農業機械を導入出来たらその関連でイベントを企画して行く、これまでは収穫系のイベントとジビエ関連が好評で、予約で埋まっていてね。」
「演出に成功してるのだな。」
「社員達は色々考えてくれてるからね。
 一見怖そうに見えるおじさんが、とても優しく解説するのが好評だったりと。」
「ふむ、ならばもっと投資して行かないとな。
 遠江王国国立農業公園と言う愛称を定着させる為にも、もっと資金を確保するか?」
「急ぐ必要はないよ、着実に一歩ずつと考えているからね。」
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バトル-213 [高校生バトル-22]

「遠江王国の地図が出来上がったけど工事中が多いのよね。」
「ビッグプロジェクトで街が生まれ変わろうとしてるからな、とは言っても名称の変更は今まであった施設が遠江王国、国立となったのが中心だろ。」
「大きいのはそうだけど、商店が街並みを考える様になり看板を景観を意識した物に変えるタイミングで店名変更をしてるのよ。
 看板には、優しい王国の小さなパン屋さんとか。」
「そう言えば、あちこちの宣伝に貢献している雅の扱いは店によって随分違うそうだな。」
「違うと言っても、ほとんどが雅ちゃんの子育て奮闘記からの雅ちゃんと言う呼び方か、微笑みの王女もしくはプリンセス雅なのだけどね。」
「少しは優遇して貰ってるのか?」
「適度にね、私だけでなくチーム妹のメンバーもよ。」
「みんなで店へ行ったりしてるの?」
「私達は花の街作戦を担当して、作戦への更なる協力をお願いしにね。」
「皆さん、協力的?」
「うん、王家が今まで行って来た活動の結果、売り上げの伸びてる店が多く、花の街作戦が盛り上がれば更にお客さんが増えると考える人ばかり、だから私達の提案にも積極的に乗ってくれるのよ。」
「良いアイディアは出せてるのかな?」
「数件の商店が集まってる所では植木鉢を地元陶芸家の作品で統一して街のデザインに変化を持たせる方向に、勿論植える花も全体のデザインを考えてね。
 そこから各店舗の外装も個性を出しつつ統一感も出してい行こうと、綺麗に出来たらミュージカルの舞台にしようって春子姉さまも乗り気なの。
 今までの街ってそれぞれの商店が無秩序に看板を出し雑多な感じだったでしょ。
 それとは違う遠江王国の街並みをと考え、ミュージカルの舞台にして行ったらいくらでも観光名所が出来ると思わない?」
「だよな、街並みの整備は地域全員の協力が必要なのかも知れないけど、その気になれば取り組み易いことだよな、そこに地元陶芸家が絡むような取り組みはどんどん紹介して各地で真似して貰いたいね。」
「でも、経営状態が悪いとなかなか思い切ったことが出来ないのだとか、私達の街で出来るのは三郎お兄さまの存在が大きいんだって、女性客をターゲットにしてる店には必ずお兄さまのポスターとか額に入れた写真が飾って有るのよ。」
「はは、すっかりシンボル的存在になってしまったな。」
「地方自治体が町起こし村おこしを考えてもなかなか上手く行かないのは、シンボル的存在が弱いからなのよね、ゆるキャラでの成功例はあるけど。」
「そうなんだよな、ゆるキャラに負けない様…、雅、どうしたら良いと思う?」
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バトル-214 [高校生バトル-22]

「三郎、遠江王国第三王子としての露出が増えてるが大丈夫か?」
「うん、回数は多いけど一回当たりの時間は短いからね、あまり長いと有難味が薄れると言うことでスタッフが調整してくれてるんだ。
 お父さんの方はようやく取材が落ち着いて来たみたいだね。」
「ああ、市長としての職務に影響が無い様に調整して貰って来たとは言え暫くの間忙しかったよ、第三王子程ではないがな。」
「その後、日本国政府の動きはどう?」
「観光の為の遠江王国展開に関しては後押ししてくれる方向だが、社会福祉事業関連の特区に関しては長引きそうだ、市営化を目指して来た三郎の会社は、一旦遠江国営企業とし現行法の範囲内でなんとか出来ないか?」
「そうだね、今の所問題は無いから名前を国営にし収益は遠江王国関連事業に充てても良いよね、市の財政は潤って来てるのでしょ。」
「潤って来てるし、三郎の会社が市の負担を減らしてるからな。
 王国が盛り上がれば税収も増える、国営企業が市にとってどれだけ大きな存在なのかを、遠江王国の大いなる挑戦の続編でアピール出来れば、各地方公共団体も公営企業の可能性を考え始めるだろう。」
「そして、日本国が動かざるを得なくなると言う筋書きだね。
 他がもっと頑張ってくれたらうちも動き易くなるのだけどな。」
「国内の動きは弱いが海外での動きが面白くなって来てるだろ、初めに動いた小国がマスコミを上手く利用してくれたことも有って。」
「日本国に国として認められないまま、遠江王国が複数の国に認められ国交を結んで行くことになる可能性が出て来たね。」
「小国の場合、日本国との国交よりメリットが有ると考えたら…、実際真っ先に手を上げた国はすでに経済が上向きになって来てるそうだからな。」
「うちとしても稼げそうだから、それを次の国への投資に回して行けたら面白くなるのだけどね。」
「油断と焦りは禁物だが相手国の利益を優先していればいずれはな、小さな国が手を取り合い、それぞれの社会問題を解決して行けたらと思うよ、小さな国ほど実現の可能性は高いだろ。」
「国と言っても人口がうちの市より少ない国は幾らでも有るからね。
 本当に小さい国なら少しの投資で社会環境を大きく改善出来そうな気がする、国民性が関係するのかも知れないけど。」
「そうだな、第一の友好国は問題なさそうだが。」
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バトル-215 [高校生バトル-22]

「お兄さま、ミュージカルの海外ロケは決まりそうなの?」
「ああ、次のシリーズになるから撮影はまだ先のことだけどね。」
「私達も?」
「勿論さ、雅達の休みを利用し、春子姉さんは普通にバカンスを楽しんでる様子を沢山撮影して来ようってさ、ストーリーは屋内中心に進めれば良いのだから、そっちは日本のスタジオで撮影出来るだろ。」
「そっか、それまでには…。」
「それまでに?」
「もう少し水着が似合うようになりたいかな。」
「それは気にしなくて良いよ、基本水着姿はNGだろ。」
「それでも、薄着になるのだから乙女としては気になるのですよ。」
「雅は可愛くて素敵なのだから、今のままで全然良いのだけど。」
「もおっ、お兄さまったら。」
「それにしても雅ちゃんの子育て奮闘記はネタが尽きないものだな。」
「尽きるどころか更新回数を増やす話が出てるのよ、乳幼児の子育てに関し公的な機関も含めてPRしたいことが沢山有るそうで。」
「回数が増えると大変だろ。」
「大丈夫よ、今までもPR中心のは最初と最後に少し話すだけだったからね、それよりPRだと何時もよりスポンサー料が多く入るでしょ、更新回数が増えたらチーム妹の活動費にも回して貰って良いかしら?」
「勿論さ、雅の人気で登録者を伸ばして来たチャンネルだからな、それよりチーム妹の活動資金は足りてないのか?」
「そうでもないのだけど、活動費に余裕が有れば、もっと大胆な活動が出来ると思ってね。」
「例えば?」
「3Dプリンターを使い、オブジェや花を植えるプランターを造るとか、遠江王国を飾って行きたいのよ、私達。」
「へ~、中学生でも作れるんだ。」
「環境が整っていればね。」
「工房とかも必要なのかな?」
「学校では色々面倒かも。」
「分かった、ちょっと調べて相談しておくよ、他はどう?」
「お兄さまが乗り気だって話したら色々出て来そう、遠慮してた人達からもね。」
「提案をどんどん実行して行ける様にもっと稼ぐ必要は有るが、オブジェやプランターの販売を考えても良いのだろ。」
「はい、お兄さま、美しき王国をもっと盛り立てて行きたいですからね。」
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バトル-216 [高校生バトル-22]

「三郎、遠江王国国営遠江株式会社と言う新社名で問題はないの?」
「遠江王国は半分架空の王国だろ、弁護士は社名の一部として使う分には国営でも問題ないだろうと話してたよ、日本国に本社を置く普通の株式会社としての登記で、春子姉さんの配当も今まで通りさ。」
「ほんとは市営にする予定だったのよね、普通の会社で話が違うとか言われないかしら?」
「僕らの配当は、その使途を社会福祉の充実に充て、明確にして来たから大丈夫だと思う。
 市が担って来た事業を随分引き継ぎ充実させて来たからね。
 法的なメリットを目論み市営企業になることを目指して来たけど、それがダメなら普通の株式会社として公的機関に縛られない自由さを生かして行けば良いと幹部達は考えてくれ、国営企業として王国を盛り上げたいと話してるよ。」
「頼もしいわね、資金面は?」
「全体の収支バランスは取れてる、農業公園関連、福祉関連事業の赤字幅は思ってた程増え無くて他の収益で充分カバー出来ているんだ、業務拡大への投資や配当を出してもね。」
「敢えて配当を出して貰って私達、義兄弟姉妹から提案する福祉策に充てて貰って来たのを今後は王国の予算に回して行くのでしょ、そこが少し心配なのだけど。」
「会社の幹部としては、元々市の予算に組み込まれると考えてた配当が王国の予算となるだけだと考えてるからね、王国運営にはうちからも幹部を送り込んでるし。
 社会福祉も思い切った投資をしたら、かなり効率が良くなり、子会社化した授産施設の売り上げも伸びていてね、特に安全で楽しく作業出来る機械の導入は色々な意味で正解だったよ。」
「もっと予算を掛けたい分野はないの?」
「今の所はね、ただ、この先資金が必要になったら増資を考えても良いと思ってる。
 今までは市への株式寄付を前提にしてたから、株主はうちの義兄弟姉妹だけにしてたけど、その縛りは解いても良いでしょ。」
「ええ、王国の活動に参加したいと思ってる人は少なからずいるものね。」
「まあ、一曲のみの新曲先行配信が好調だから増資の必要は当分なさそうだけど。」
「そう言って油断してると、後りの十一曲が全く売れなかったりするものよ。」
「そうなりそうならCDはおまけを付けてなんとかするさ、春子姉さんの水着姿とか。」
「それは却下、でも、新曲関係は海外投資の資金でしょ、会社の資金にはしない話だったわよね。」
「直接的な利益はそうだけど、間接的な利益も出て来てるでしょ、新曲を一曲配信しただけでYouTubeチャンネルの視聴回数が伸びたりとか。」
「そうだったわね、貧富の差ってこんな感じで広がって行くのかしら。
 資金力を生かして事業展開してると使っても使ってもお金が集まって来てしまうのだから。」
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バトル-217 [高校生バトル-22]

「お兄さま、これまで高校生部会として色々なバトルを各地方支部と展開して来ましたが、地域の活性化ではうちの圧勝ですよね。
 ここで勝利宣言をして、相手次第では遠江王国の属国にして行くとかは如何です、我らが王国をシンボルに地方都市が手を取り合って活性化を目指すと言う意味で。」
「それは詩織の考えなのか?」
「ええ、お兄さまの考えを伺ってからみんなに相談しようと思いまして。」
「ふむ、確かに相手次第では有りだな、バトルを戦国時代の戦として我らが遠江国が日本を統一しても良いが…、属国となるとそこに住んでる人達は良い気がしないかも。」
「そうですね、でも地域の活性化などに積極的になれなかった結果なのだから、その悔しさを糧にして頑張って貰うと言う考え方はどうです?」
「うん、高校生部会で考えて貰う様に伝えるが、チーム妹さくらチャンネルでも話題にして良いと思う、関係を持つエリアの活性化に繋がるのなら色々試してみるのは有りだからな。
 美濃国と豊後国にはうちのライバルを目指してる市が有るし、飛騨国には友好関係を望んでる市が有る、さくらチャンネルで呼び掛けたら色々な繋がりを作れるかも知れないぞ。」
「繋がりか…、敢えて県や市町村ではなく飛騨国とかを活用して、お兄さま昔の地名として話して行けば良いのですか?」
「そうだな、令制国もしくは律令国と言い、元は日本の律令制に基づいて設置された日本の地方行政区分なんてことも皆で学習してみてはどうかな、今でも観光案内などで使われたりしてるだろ。」
「都道府県と違うだけでなく歴史的な背景が有ると言うのが良いです、遠江王国に決まった時は良く分かりませんでしたが、遠江と言う国名は正解でしたね。」
「ああ、地方の活性化は故きを温ねる所から始めても良いのだからな。」
「そして新しきを知るのですね、こんな話をチーム妹に振ったら盛り上がりそうです、遠江の歴史を調べてるグループもあるのですよ。」
「その結果は積極的に発表して欲しいね。
 遠江王国としての歴史は浅くても、この地を語る時には静岡と言うより重みが有るからな。」
「メンバーに伝えておきます、お兄さまがそんな風に考えてると知ったら彼女達がどう言う反応を示すのか楽しみで、大学でも通用しそうな論文になりそうだと、グループにアドバイスして下さっている先生は話して下さったのですよ。」
「グループでなら中学生でもってことなのか?」
「先生は国名が遠江王国になったことで進路が歴史研究に変わった中学生がいるかもって。」
「そ、そう言う状況なのか…。」
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バトル-218 [高校生バトル-22]

「お母さん、市議会議員として市民と触れ合う様になってどう?」
「応援してますって声が多いわよ、三郎のことを弟だと思ってる人ばかりでね、三郎の姉ならば私の子も同然と思って上げたいのだけど今までの最高齢は九十三歳、私にとって微妙な人に対しても何とか笑顔で誤魔化してるわ。」
「そっちは気分の問題なのだからスルーしてれば良いのさ。
 遠江王国対しての反応はどうかな、情報としては伝わって来てるけど直接話を聞くのは難しい状況だからさ。」
「街を歩こうとしたら直ぐに人だかりが出来、それ以来車での移動ばかりだものね。
 皆さん、今の市政に対して好意的、私達に対してもね、王国として盛り上がってることで景気が良いでしょ、景気が良ければ不満は出にくい、遠江王国国営遠江株式会社への社名変更に対しても祝福の声を沢山頂いてるのよ。」
「市営化に挫折しての社名変更でも?」
「それに関しては三郎が経緯と今後の展望を明確に説明したでしょ。
 市営企業化出来なかったことに対して批判的な考えの人がいるかも知れないけど、説明によってそれなりの理解はしてくれたのではないかしら。
 一番ダメなのは事情を胡麻化し隠すことなの、三郎は当初の計画通りに行かなかったことを謝罪した上で今後を語ったのだから全然問題ないし、そもそも遠江王国国営遠江株式会社が社会に大きく貢献してることは誰もが知ってること、だから全く問題ないのよ。」
「それなら安心だけど。」
「三郎のファンは男女問わず多いのだから心配ないわ、まあ、適度なファンサービスは考えて上げないとだけど。」
「ファンサービスか…。」
「たまには国民の前に姿を見せるとか、しっかり準備した上でね。」
「考えておくよ、こちらとしては変わりゆく街の姿をゆっくり見たいのだけどな。」
「そうね、最近街を歩いてると街が生きてるって実感するのよ。」
「どんな感じ?」
「みんなで街の活性化に取り組むまでは新しい家なんてめったに建たなかったでしょ、それが今では建物の更新があちこちで進んでいて、街にとっての新陳代謝、工事は必要なんだなってね。」
「お母さんは、この前工事渋滞でうんざりしてなかった?」
「それは仕方ないでしょ、工事をしなかったら街は廃れて行く一方、あれでも渋滞を最低限に抑えようとしてた結果で、対策を取って無かったらもっと酷かったみたいなのよ。」
「調べたの?」
「市民から苦情が有った時に応えられる様にね、これでも市議会議員ですから。」
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バトル-219 [高校生バトル-22]

「三郎、アルトバル国はこちらからの援助案を気に入ってくれたみたいでな、お返しに我らが遠江王国を国として承認したいと言ってきたぞ。」
「国として承認か…、次郎兄さん、国際法上はお遊びだとしても話題にはなるだろうね。
 どんな形で発表するのかな?」
「どの国にもネタを欲しがってるマスコミが存在していることは彼らの行動で明らかになっただろ、国連とか国際機関が関係する訳ではないのだから、アルトバル国の発表としてマスコミが報道してくれるだけで良いのさ。
 こちらとしては、国際法上の解釈を説明しつつ、国として認めて貰えて嬉しい、遠江王国とアルトバル国の友好関係を今後強固なものにして行きたい、とでも発表させて貰えば、それだけでまた色々儲けさせて貰えること間違いなしだな。」
「観光客が増えYouTubeちゃんねるの視聴者が増えるものね。
 この機会に両国の友好を記念する様なメダルとかを発売してみる?」
「そうだな…、今の金相場はどうだろう…。」
「金の価値に記念メダルとしての価値をどれぐらい上乗せ出来るかは微妙な気がするよ、それより誰もが手に入れ易くて…、ねえ、アルトバル国の通貨としても使える記念硬貨と言うのは面白くないかな。
 片面をアルトバル国、片面を遠江王国のデザインにして貰って、次のミュージカルでも使いながら話題にすれば…、ついでに記念切手を発行して貰えればアルトバル国の収入を増やせると思うよ。」
「もう考えてるかもだけど、提案しておくよ。
 こっちでも、綺麗な箱に入れ、おまけを付けてもっともらしく販売すれば、それなりに売れるだろう。
 沢山稼いでアルトバル国の貧困対策を進めて行きたいところだからな。」
「こちらの援助で色々整備して行けば経済が回り物価の上昇が考えられる、貧困対策を並行して行わないと、とんでもない不幸を生み出しかねないよね。」
「まあ、現時点で向こうの物価は安いから、三郎のおこづかいで貧困層の全員を養えそうだがな。」
「残念ながら、なんだかんだと使ってるからそこまでは持ってないよ、それに養うと言うより自立して貰うことが必要でしょ。」
「その辺りが難しいよな、まずは教育水準を上げ、職業訓練校の充実かな。
 ただ、入って来る情報だけでは見えない所が有る気がしてさ、一度行って見て来ようと思うんだ。」
「その必要は有るね、一人で?」
「いや、麻衣と一緒に、今まで派遣したスタッフとは違う視点で見て来られたらと思ってる。」
「それは良いね、今まで社の発展に貢献してくれた社員にも慰労も兼ねて行って貰ったら?」
「そうだな、希望を聴いて交代でとか、すでに自費で観光旅行に行った人もいるのだけどね。」
「へ~、仕事でなく観光で行った感想は聞いてるの?」
「彼は遠江王国を代表し、駐アルトバル国大使になりたいと言ってるよ。」
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バトル-220 [高校生バトル-22]

「お兄さま、アルトバル国に対する援助の計画が発表されましたね。」
「ああ、詩織の感想は?」
「建設工事を一気に進めるのではなく、今よりは建設工事に携わる人の数を増やしつつ、仕事が無くならない様な計画と言うのはさすがです。
 現地の雇用確保とその安定を考えてのことで、まず建設されるのが職業訓練校なのですよね。
 訓練校ではどんなことを教えるのですか?」
「卒業し就職した時にすぐ役に立つ知識をと考えてるのだが職種は幅広くなりそうなんだ。
 担当スタッフは現場実習を多めにし、訓練生が希望した職種を実体験、それを経て希望を変更出来るぐらいが良いみたいだと話してたよ。」
「職種には農業や漁業も含まれるのですよね?」
「勿論さ、人口が少ないだけにバランスが大切だろう、希望者の少ない職種は待遇改善を考える必要が有るのかも知れない。」
「人口が少なくても国と言うのはどうなのかしら?」
「昔だったら他国から攻められてとか有ったのかもだけど、今は…、まあ、メリットもデメリットも有るだろうね。
 日本は大国で力は有るけど、その大きさ故の弊害が、だから遠江王国を誕生させた訳で、日本国と遠江王国、双方のメリットで双方のデメリットをカバーと言う荒業が何とか上手く行ってる。」
「他の自治体は真似しないのでしょうか?」
「うちがYouTubeで稼いだ様な自由になる資金が無いと難しいのではないかな。」
「お金の問題ですか…。」
「我らが市長の様に私利私欲と無縁の人が首長になる必要も有るだろ。」
「ですよね、総理大臣経験者でも老害を巻き散らかしてる人がいたりして、うちの市長が日本国の総理大臣になれば良いのに。」
「総理大臣より国王の方が上だろ、雑事は下々の者に任せておけば良いのさ。」
「市長は随分格下ですが、でも市長と国王を上手く使い分けてるって好評ですよね、衣装も表情も変えて全くの別人みたいって。」
「演技指導は春子姉さんなんだ、次のミュージカルでは国王として登場するからな。」
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