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チーム遥香-02 [高校生会議-09]

静香は仕事の中心を遥香姫親衛隊に置くようになった。
社員達は直属の上司のみならず、静香にも判断を仰いだ上で事を進めている。
始めは高校生の意見も聞いておこうという軽い感じだったのが、彼女の急速な成長に伴い欠かす事が出来なくなった。
社員達は子どもらしさが消え始めた長身の美少女から、直接指示を受けたいと話しているが、システムを通してでも嬉しそうだ。
慣れない内は私に相談して来る事も有った彼女も、最近は自分で判断出来ている。
全体を見る事が出来ているので社員の見落としに気付く事も多い。
気付かなかったら口を挟もうかという事も、問題なく処理して、高一ながら立派に管理職としての仕事を全うしている。

「静香、仕事は広範囲に及んでいるけど卒なくこなしてるわね。」
「どうでしょう、確認作業が主ですから学校に通いながらでも何とかなっていますが…。」
「現場へ足を運んでくれるだけでも喜ばれているし、新商品発売イベントは盛況だったそうじゃない。」
「はい…、初めてモデルになった頃は全然余裕が無くてひどかったですが、色々遥香さまの無茶ぶりにお応えしてる内に、随分鍛えられました。」
「え~、無茶ぶりというのは心外だな~。」
「桜さんも忍さんも、遥香さまに鍛えられたと話してみえましたよ。」
「私は伸びそうな人に対して、その力に相応しい環境を用意させて貰ってるだけよ。
私だって、姫社長になってなかったら、威張り散らして指示を出すなんて事、無かったと思うわ。
静香も、モデルとして、親衛隊隊長として、持ってた力を発揮してるだけの事、もう私の僕なんて卒業ね。」
「それは嫌です、ずっと遥香さまに尽くさせて下さい、親衛隊隊長なのですから。」
「ふふ、社長補佐になってどう?」
「仕事時間は遥香さまの指示通りで変わらないのに、月給制にして頂いてしかも額が…。」
「病気がちのご家族を扶養して行けそう?」
「はい、有難う御座います、遥香さまは我が家にとって神の様な存在です。」
「それは神様に失礼ですよ、話は聞いていましたから他の形での支援を考えた事も有りました、でも静香が自力で稼げそうだと感じましたからね。」
「多過ぎる気がしています。」
「自信を持ちなさい、静香はその給料に見合う働きをしてるの。
高校生の間、学校の成績を維持しつつ、今程度の仕事は続けられそう?」
「はい、全然問題ないです。」
「しばらくは今のペースで、無理しないでね。
ちなみに、桜達は静香より随分給料が少ないけど、それは扶養する人がいないからと考えてね。」
「はい、前野副社長からもその様に伺っています、桜さんや忍さんにも伝えて下さっているそうで、誤解を招かない為に気を使って頂いてます。」
「そっか、ねえ、静香は聡美さんと話す事有るの?」
「はい、しばらくファミレスで一緒でした、頭の良い人ですから教えて頂く事も多かったです、彼女は遥香さまから春休みの合宿に誘われて喜んでいました。
桜さん達と相談して、社長補佐のワークシートにアクセスして頂ける様にしました、同じ部長待遇ですから。」
「うん、良いわね、聡美さんは社内のアイドル的存在で、静香とはまた違った人気者なのよ。
静香は合宿の日程どう?」
「少し高校を休んで早めようかと思っています、聡美さんは卒業で一足早く高校から解放されます、私は出来ればそれに合わせたいと。」
「学校の方に問題なければだけれど。」
「本心は、もう中卒でも良いかと思っています、遥香さまの後を追って中退したいぐらいです。
でも高校生会議の事も有りますので…、進学希望者より好成績で卒業して、聡美さんと同様、高校生に進学という事を考えさせるきっかけになるつもりです。
まあ、少しぐらいずる休みしても、うちの先生方は遥香姫親衛隊の隊員ですから、余程の事でない限り…、隊長には逆らわないでしょう。」
「私の知らない内に随分逞しくなったのね、ふふ、高校を王国の手中に治めたという事かしら。」
「はい。」
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