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チーム遥香-04 [高校生会議-09]

ミッション当日。

「私達は学生以外の方とのコンパは初めてなんです。」
「桜さん、特別な違いは有りませんよ、まずは乾杯しますか?」
「はい、でもすいません二人が来れなくなくってしまって、四人対四人のつもりでしたのに。」
「気にしてませんよ、我々は遥香さまの近況を聞かせて頂きながら、お二人ともお近づきに成れればと思っていますから。」

その言葉通り話題は私の事ばかりだ。
こっそり聞いているのが恥ずかしくなる。

「ところで遥香さまのお出ましはまだなのですか?」
「えっ、どういう事で?」
「遥香さまは、今、この地にいらしています、そのタイミングに合わせて合コンの承諾を頂きました、社内で公開されている遥香さまのスケジュールで遥香さまはオフ、姫さまをほったらかしにして、お二人だけでこの店に来る筈はないでしょう?
もしそうなら、支社で問題にしますよ。」
「はは~、参りました~。」

忍が私を迎えに来る。
「遥香さま、相手が一枚上手でした。」
「そうみたいね。」
八人でテーブルを囲む。

「お久しぶりですね。」
「はい、遥香さまは一段と美しくなられて…、システム開発でご一緒させて頂いてた頃は、まだ可愛らしさも感じていましたが。」
「ふふ、忍と桜のミッションは失敗に終わりましたが、ちょっとドキドキして楽しかったわ、有難うね。」
「先輩方の洞察力の前に完敗でした、開発部では何時頃から遥香さまの事に気付いて見えたのですか?」
「はは、気付くも何も、始めのお誘いから…、担当者は忍さん達との合コンを狙っていましたが、タイミングを計れとの指示は私が出しました。」
「策士か~、私の行動パターンも読まれているのですね。」
「読むも何も、お二人のワークシートからは遥香さま愛が溢れていて、休憩時間の楽しみですよ。」
「え~、セキュリティーはどうなっているのです?」
「はは、セキュリティーも何もお二人は社内公開してるじゃないですか。
遥香さまにとって問題になる記述がなければ私達も眺めるだけですよ、娯楽として。」
「う~ん、大丈夫です、嘘は書いてませんし人に知られて困る事も有りません!」
「あっ、忍が開き直った、まあそんな話ばかりでなく、せっかく女子大生が三人来ているのですから、もう少し話題を変えて…、そうね桜の秘密とか知りたくない?」
「えっ、知りたいです、遥香さま!」
「教えて上げな~い。」
「え~、遥香さま~。」

それからはおバカな話で盛り上がった。
桜に酔いが回り始めた頃…。

「皆さんにとって遥香さまは恋愛の対象だったりするのですか~?」
「はは、姫さまは、別次元の存在だからね…、自分にとって最高の存在だって事は付き合ってる彼女も知ってるよ。」
「えっ、それで彼女は納得してるのですか~?」
「それより、彼女がいるのに合コン参加って如何なものかしら。」
「桜さん、彼女も遥香さまの大ファンなのですよ。
くじで勝ち抜いて、遥香さま情報を沢山ゲットして来いという指令を受けました。」
「支社総務部の山中さんでしょ、二次会にお誘いしても良いわよ。
二次会はうちの本館、今日は私が許可しますから本館にお酒を持ち込んでも構いません。」
「はい、有難う御座います…、でもどうして彼女だと?」
「私だって、ぼ~としていたい時も有るの、何となく開発部の進捗を見ていたりするのだけど、ワークシート左下の隠し…、うちは社内恋愛推奨だから問題無いわ。
でも、本社では皆、あなたの事を心配してるのよ、クリスマスデートで盛り上がったのに、初詣で失敗、こちらで得た情報によると総務の新人が結構なイケメン、勿論使えない人を採用するする様な人事課ではないでしょ。」
「えっと…。」
「山中さんに対しての、一筋です、という言葉が嘘でなかったら、本社社員は全員あなたを応援するわよ、全社公開情報として甘~いやりとりを公表する勇者ですから。」
「あ~、油断してた~、お前らは気付いてなかったよな?」
「ええ始めは、でも遥香さまから、静かに見守りつつ状況を報告せよと、シークレットモードでの密命が有りまして…。」
「二次会に彼女をお呼びしてプロポーズってどうかしら、なんなら演出をメイド隊に指示しますが。」
「すいません、少し頭を冷やしてきます。」

「遥香さま、どういう事なのですか?」
「彼は彼女とのやり取りを会社のシステムを使って行っていたの、お遊びでしょうけど、残念なのはシステム開発の人間だから、もう少しセキュリティーを気にして欲しかったという事かな。
まあ、彼女はセキュリティー設定を高くすると閲覧も書き込みも出来ないからだとは思う。
管理部の人なら絶対気付く事が開発部だと気付けなかったりという事かしら。
ところで、彼がくじに当たったのは偶然なの?」
「遥香さまがお見えになると予測して、くじに細工をしたのは自分です。
くじに外れた開発部若手独身男性社員は全員了承済です。」
「それでしたら今回の滞在中にうちの本館で、開発部独身男性とメイド隊中心に合コンパーティーを開きましょう、忍、手配して。」
「分かりました、今日の二次会はどうされますか?」
「そうね、メイド隊のメンバーから希望が有れば参加して頂いて構いませんよ。」
「はい、有難う御座います、すぐ手配させて頂きます。」
「私はお店の方にお礼をしてきますね。」

飲食店では写真撮影をお願いされる事が多い。
それにお応えすると大抵の場合値引きして下さる、今日は半額で済んだ。
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