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チーム遥香-10 [高校生会議-09]

その夜、岩崎社長と。

「聡美、遥香から話は聞いたよ、私なりに検討させて貰ったが良いと思う。
一政党のバックアップを岩崎高校生会議の名称で行う事に反発が有るかもしれないが、そういう事も含めて、既存の政治団体との違いを示す事になって面白いだろう。」
「高校生時代のピュアな気持ちを忘れないで政治に係わって下さい、という後付けの理由はどうですか?」
「腹黒い遥香からピュアな気持ちとはね…、まあ良いと思うよ。」
「岩崎社長、遥香さまは純粋な方です、王国を拡大する事の意味を誰よりも分かっておいでです。」
「ふむ、遥香、良い仲間を見つけたな。」
「ええ、聡美の考えをもう少し聞いておきたいのだけれど。」
「はい、私が話すまでもなく、遥香システムの導入によって岩崎王国自体が大きく動こうとしています。
ただ、王国全体を一つのシステムで管理するのは無理が有ります。
企業活動という王国の根幹に係わる部分は、今進められている各企業への遥香システム導入が進めば全体に良い結果をもたらすと思います。
でも、それ以外の部分、岩崎高校生会議や地域政党みどりの風がらみ、また社会福祉関連事業は、全国レベルのシステムが必要だと思います。
しかし、それぞれが個別で展開するには費用もかさみます、逆に、一つのシステムで運用して行けば、高校生が政治や社会福祉の現場に触れ易くなると思いました。
形を整え国政を目指す政党として名乗りを上げる段階で、政党独自のシステムを立ち上げれば良いと思います。
すでに高校生会議、三つの支部は、離れて活動していても共同での研究に取り組み始めています。
サポートスタッフ達は、その可能性を熱く語って下さいました。
その勢いで、みどりの風を国政政党へ発展させる準備も、上手く各地の活動を集約して行く事が出来れば一気に進むと思います。」
「だな、遥香、高校生会議への導入計画は練り直しが必要だぞ。」
「はい、前倒しと拡大ですね、大学生を全国に派遣する形でどうでしょう?」
「遥香システムの使い方を教える事を実習に組み込むか…、今は初級研修だけで良い、高校生と社会人が一緒に研修を受ける事もプラスになるだろう。」
「まずは、みどりの風が頑張ってる地域から、イレギュラーとしては優秀な高校生起業希望者のいる支部を優先なのよね、聡美。」
「ええ、でも、問題は組織作りだと思います、各支部、各地域で行って来た事を全国レベルでまとめるとなると、ギクシャクしかねません。
それで、組織の中枢にあたる人物は、チーム遥香の一員となって頂き、遥香さまの下に平等という形ではどうでしょう、王国の企業活動の象徴は岩崎社長、政治を含めた活動の象徴は遥香さまという事で。」
「そうね…、お父さまは如何ですか?」
「私一人に集中するより良いと思うが、私より遥香は大丈夫か?」
「正直言って、チーム遥香は政治活動まで意識してませんでした…、でも、お父さま、将来の総理大臣候補をチーム遥香の一員として迎える事は前向きに考えたいと思います。」
「まあ候補者はいるが…、聡美は政治の事にも前から興味があったのか?」
「以前はそれほどでもなかったのですが、高校生社員として研修を受ける過程で先輩方から教えて頂きました、もう直ぐ市長選挙という事情もあります。
岩崎社長、みどりの風で国政を目指すのは何時頃になりそうですか?」
「すでに結構な人材が集まりつつ有って、解散時期にもよるが、次回の衆議院選挙を考えている。
そこに向けて、遥香システムをどう生かすか考えていたところなんだ。
だが、高校生会議のシステムを活用する案は、聡美の話を聞くまでなかった。
明日は各方面に指示を出しまくる事になる、有難うな聡美。」
「いえ、私は遥香さまに認めて頂いた事で多くの方々から助言を頂ける様になりまして…。」
「はは、受験勉強してたら、ここまで成長出来なかったという事かな。」
「はい、受験の為の知識が必ずしも仕事に生きるとは思えません、岩崎社長が高卒でも力を発揮出来る環境を作って下って、それを遥香さまが生かして下さり…、私は恵まれています。
ダブルワーク社長社員の方々からも多くのアドバイスを頂いたお陰で、遥香さまのお役に立てる自分になれた気がしています。」
「皆さん聡美の事、褒めてらしたわ、そうね…、今度は彼等を部下として使いこなすトレーニングを始めましょう。
チーム遥香担当副社長は前野さんにお願いして有ったけど、事業規模が一気に大きくなりそうだから、聡美も副社長としてチーム遥香を引っ張ってくれないかな。
副社長の業務に関しては前野さんから指導を受けて…、前野さんも他で持ってる業務を整理出来たらチーム遥香の一員になって頂く事になってるの。」
「そんな…、先輩方を差し置き過ぎだと思いますが…。」
「みんな喜ぶわよ、聡美の成長ぶりを見守る事が社員達の楽しみなのだから。」
「大丈夫だ、聡美なら出来る、遥香の負担を減らしてやってくれな。」
「は、はい。」
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