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夏休み-04 [高校生会議-05]

九月の新会社創立に向けての忙しい時期なので、旅行は社員を同行させない方向で進めた。
サポートスタッフとも相談し、同行者は高校生会議のメンバーを中心に組んで貰ったが現地のスタッフも動いてくれるので心配はない。
向かう先は、岩崎学園大学の本部があり高校生の活動も盛んなエリア、高校生同士交流して貰えたら良いと思っている。
そして当日、特急列車の旅は快適だ…。

「遥香さま、夏服だとお姫様感が出しにくいかと思ってましたが、スタッフは清楚なお嬢様風にまとめてきましたね、さすがプロのお仕事です。」
「優子さんも落ち着いて座っていればお嬢様に見えますよ。」
「何か落ち着かないのです、普段動き易さしか考えてない服装なので、こういう服を着せられる度にふわふわした感じです…、その点、洋子は落ち着いてるのよね。」
「私はどの様な衣装を着ようが、遥香さまをお守りしお世話させて頂く事しか考えておりません。」
「洋子には負けたなぁ~、親衛隊隊長の座は密かに狙ってたのに、今日同行してる親衛隊は洋子を見る目も態度も違うもんな。」
「親衛隊も組織としての形を模索しています、裏は結構大変なのですが副長がまとめてくれています。」

そんな他愛のない話や真面目な話をしてる間に目的地に到着。
改札を出た所で大歓迎を受ける事になった…、今後慣れなければいけない事なのだろうが、歓声の大きさには驚いた。
優子さんや洋子が落ち着いてるという事は事前に連絡を取り合ってたということだろう、ここは任せておこう。

「本日は、遥香さまのお出迎え有難う御座います。」
洋子は短期間で変わった、何時も自信なさげで背が高いだけの地味な女の子が、今は美しいオーラを発して堂々と人々の注目を集めている。
ちなみに学校の成績も上がったそうだ。

「遠路お越しいただき有難う御座います、本日ご案内させて頂きます佐藤と申します、まずはお車までどうぞ。」
佐藤さんは洋子よりも高身長のイケメン、ここでも人選は間違ってない様だ。
車までは両側を高校生が守り、道を作ってくれる。
それが必要なだけの人が集まっている訳だ。
同行して来た親衛隊もそれを手伝う。
ゆったりとした高級車の後ろの席に私と洋子がエスコートされ乗り込み、助手席に佐藤さんが座ると、車はゆっくりと走り始めた。
車内では、佐藤さんと洋子が予定の確認を、旅行中親衛隊隊長は秘書の役割をしてくれる訳だ。
昼食を取るホテルに到着するとまたしても大歓迎、情報を流し歓迎の場所を駅とホテルで分散させたそうだ。
確かに、一か所に集中させたら面倒な事になったのかもしれない。
姫をアピールする必要は有るがトラブルは避けないと…。
駅とは違う高校生達が人の整理をしてくれた事には色々な思惑が有るという事だ。
部屋に通され一休みした後、着替えて歓迎の昼食会へ。
歓迎会の参加者は今後関連して行くであろう企業のトップが中心、ただし人数は控え目にして貰った。
この辺りの仕切りは、三人目の社長補佐をお願いする田中さん。
彼と直接会うのは初めてだが、岩崎社長に紹介され今まで連絡を取り合って来たからか、違和感なく部下として振る舞ってくれる。
一方、同行して来た人達はこの時間、ここの高校生達との交流を深めている筈、良い成果を上げてくれればと思うが、私の役割は…。
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