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神沢祐樹-158 [高校生会議2-24]

「あ~、今頃、沢井さん達は女子会してるのだろうな…。」
「おいおい、そこに絵美お嬢さまが参加される事になったお陰で、俺達は祐樹くんと話す機会が出来たんだぞ、お前は江崎くんと席を代われ。」
「あ、ああ…。」
「昼間の話し合いの後、祐樹くん達が撮影に出られてから、俺達は話し合いを進めました。
内容は柳井女史がまとめていますので後日、ただ、一つ祐樹くんに聞いておきたい事が有りまして。」
「はい、何でしょう?」
「ハンディをお持ちの方にお仕事を、と言う取り組みですが、やはり利益を出すのは難しいと思うのです、その辺りの見通しは立っているのですか?」
「そうですね、確かに簡単な事では有りません、働きたいと思ってみえる方全員を対象と考えていますが、労働について良く分かって無い方もおられます。
今のところは比較的能力の高い方中心に作業をお願いしていますし、ボランティアの協力も有りますので問題は有りません。
この部門は色々な制約が有りますので、他の部門の様に拡大出来るとは考えていません。
他での利益を回して伸ばす事は可能ですが、それでは会社全体の伸び率を上げる事が出来なくなります。
今は初期投資分を計算から外した上で赤字にしない、との目標がクリア出来そうですので、しばらくはこのレベルで進めて行きます。
並行して、岩崎高校生会議社会福祉部門の協力の元、皆さん一人一人のハンディと向き合いながら、将来設計を考えて頂いています、公的な支援も有りますので可能性を見つけて頂けると思っています。
この展開に対する我が社の負担は少ないですから安心して下さい。
後、ハンディをお持ちでも能力の高い方には我が社の社員になって頂く方向で話を進めています、まだ、少しずつ体制を固めて行こうとしている段階なのですよ。」
「スタートして間が無いですものね、事業は商品に付加価値が有るから成り立っていると聞きましたが、その付加価値は今後も維持出来るのですか?」
「ええ、今の所はLENTO関連のグッズだけで充分なのですが、協力を申し出て下さっているアーティストが何人かいらっしゃいます、生産能力が上がっても大丈夫ですよ。」
「そうすると、生産性と収益のバランスが取れれば拡大して行けるという事ですね。」
「ええ、きちんと人件費を確保して赤字にさえならなければ、会社自体の拡大は他の部門が頑張ってくれますので。」
「会社の利益を無視して事業展開が出来る…、ハンディの程度が軽い人ばかりなら全く問題無いですね、でもそれは祐樹くんの目指している所ではない…。」
「祐樹くん、自分は焦らなければ充分拡大して行けると思っています、ここへ来る前に、福祉関連部門の状況を一通り確認させて頂きましたので。
感じたのは、ハンディをお持ちの方が金銭的に困っているから働くと言うよりは、生き甲斐や社会参加を求めているという事です、病院暮らしでも絵は描ける、その絵を商品に利用する取り組みと同様、趣味を後押しする様な展開は、まだまだ考える余地が有ると思うのです。」
「ええ、ただ、拡大のスピードを上げられないのは一人一人の状況に合わせないと行けないからなのです、多くの協力者がいますが、一人の方に多くの時間が掛かります、個別に色々配慮が必要ですので。」
「やはり社会福祉系に精通している仲間が必要ですね…。」
「まずは、協力して下さってる方のお話しを聴かせて頂くと言うのはどうですか?
遥香システムを通して事前に学んで頂いてからなら、お願いしても失礼にはならないと思います。」
「確かに…、チームVivaceを意味のある活動にして行くにはそこから始めないと行けませんね。」
「では、チームVivace担当社員が決まりましたら相談して下さい。」
「えっ、チームVivace担当社員が出来るのですか?」
「当たり前です、組織として動いているのですから、ただ希望する若手社員が多いので、どうやって決めるのか揉めてるのですよ。」
「チームVivaceの話は今日出たばかりですよね。」
「はは、歌はLENTOでも動きはPrestissimoなのですよ。」
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