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神沢祐樹-155 [高校生会議2-24]

「人材か…、祐樹くんや柳井さんは、がり勉系の秀才をどう見ているのですか?」
「そうですね…、何を目指しているのかによって違うと思いますが、少し目標を下げて、視野を広げて欲しいと思う事は有ります。」
「そうよね、満点を狙わない選択肢が有る事に気付いて欲しい、九十点ぐらいを狙っていると、まあ色々気付く事が有るのよ。」
「でも能力差は…、それを受け入れるべきなのだろうけど…。」
「どこで、どんな力を発揮出来るかが重要でしょ、高井くんが岩崎関係で働く事になるのか、オフィス白川で働く事になるのか分からないけど…、そうね、あなたが次のテストで時間を掛け苦労して学年順位を十番上げたとして経済効果はどう?
親に褒められて美味しい食事にありつけるか、何か買って貰えるぐらいじゃないの?
将来的な事を考えても大きな意味が有るとは思えないわ、もちろん大きく成績を下げたら残念だけど。
祐樹くんの学力だって同じ、テスト順位なんて大して意味が無いのよ。
祐樹くんの持ってる知識が私の心を揺さぶっている訳でもないわ、分かるでしょ、人としての魅力や能力、それは学校の学習で得られるものではないのよ。
仕事で必要な本当の能力は、様々な体験によって得られる事だと思わない?」
「学力に拘らずって事か…。」
「そうですよね、自分は高校生会議の研修プログラムで、就業体験を経験していますが、一番必要なのは学校で学習して来た事では無いと感じました、もちろん基礎知識は大切ですけどね。」
「片山さんの話す基礎知識のレベルが分かりませんが…。」
「まあ、岩崎学園大学に合格出来れば大丈夫じゃないですか?」
「あっ、自分は一瞬下を見てしまいました…、片山さんはエリート意識とか考えられた事有りますか?」
「我々が祐樹くんの下でハイレベルな活動をさせて貰えたとしても、それは効率を考えて作られたチームな訳で、そうですね、自分達が特別だと思ってしまったら、祐樹くんの目指すところからずれてしまいますね。」
「御免なさい、僕は片山さんや天野さん達の事を良く分からずに柳井さんがリーダーに相応しいと話してしまいました。」
「はは、江崎くんは間違ってないよ、自分の立ち位置は柳井さんのサブぐらいが調度良いんだ、天野くんもそう思ってるんじゃないかな。
君の考えに賛成だったから黙ってたんだよ、すでに彼女は俺達の心を掴み始めているだろ、それに気付けた事に自信を持って良いよ。
まあ、君もサブから経験を積んでくれな。」
「は、はい。」
「学力イコール能力ではないけど、我々の活動に自信を持って取り組むために、テストで結果を出しておきたいという人には協力させて貰うよ、学習方法を見直すだけで、そうだね柳井さんが話していた様に九十点ぐらいを目指したら、楽になると思う。」
「私も、努力型の秀才からレベルアップ出来るのでしょうか?」
「その努力出来る能力をどこで活かすか考えてみようよ。」
「はい、お願いします。」
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