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バトル-285 [高校生バトル-29]

「詩織、チーム詩織の人数が増えたが問題は起きて無いのか?」
「高校生や大学生が増えたことで戸惑う声も聞かれましたが、基本的には今まで通りの作業を続けて行けば良いのだと理解して貰えてるみたいです。
 新たな頭脳は過去ログをチェックしながら、自分達の役割を考えてくれていまして、新会社の概要をYouTubeチャンネルで紹介して行く作業も進め始めてくれています。
 内容が固くなりますので多くの視聴数は期待出来ませんが、その作業を進めることにも意義が有るのだとかで。」
「確かにそうだ、対外的なPRを試みることで活動を見直すことにもなるものな。
 だが年齢差によるやりにくさは感じて無いのか?」
「皆さん、バーチャル人格を最大限に活かすことを考えて下さり、私を尊重して下さっています。
 集団と個人の関係が従来の組織とは大きく違いますが、そのことはマイナスよりプラスに働いてると感じています。
 判断基準を明確に示していますので、総務チームや経理チームとのやり取りも、一つの人格としてのチーム詩織が機能しています。」
「それだけ素直な人達が集まってくれたと言うことなのかな?」
「単に素直と言うよりは各々が考えて下さった結果、皆が同じ方向を向いていると。
 チーム詩織メンバーを増やす時には、状況に応じて人の入れ替えをせざる得ないと考えていたのですが、新たなメンバーは受け身だけの人では無く、バーチャル詩織を強化してくれる人ばかり、卒業などの環境変化が起きるまで、その必要はなさそうです。
 面接時には雅の直感も参考にしたのですが、改めて雅が人を見る目の鋭さを感じさせられました。」
「なるほどな、雅が詩織と初めて会った後に詩織のことをべた褒めしてたのを思い出すよ。
 新たな脳みそ達もリアル詩織に対して憧れの念を抱いているのかもな。」
「それは…、どうでしょう…。」
「チーム詩織に問題がないのなら、会社としての正式な発足日はどうする?」
「そうですね、すでに新会社としての業務を始めながら会社としての組織を固めつつ有るのですが、対外的に新会社設立を宣言するのは、アルトバルでの展開、農業公園プロジェクトの他に日本での展開をアピール出来るタイミングをと考えています。
 ある程度、先々の展開を示せる状態になっていないと、子どものお遊びと思われかねませんので。」
「そうか、タイミングを図り一気に事業を進めようってことだな。
 日本での展開、案は固まって来たのか?」
「はい、地方の活性化を一つの目標に掲げ、個別ではPRしにくい地方商店の商品をまとめ、通販の手助けをして行くサイトを立ち上げます。
 それぞれの商品に関して、地元の中高生が調査しアピールする形、商店との交渉を始めたばかりですが、すでに三つの商店が前向きに考えて下さっています。
 その辺りの交渉が成立すれば、他の商店へも直ぐに広がりそうです。」
「サイト構築は一郎兄さんと交渉した?」
「はい、サイトの構築や運営も高校生や大学生の学習、実習となる様に、そして、その経緯や経過もPR活動の一環として映像作品として残して行きます。」
「はは、抜かりはなさそうだね。」
「そこに、私達が考えた新商品をこっそり紛れ込ませようと、狙っていまして。」
「最近、雅がお菓子造りに励んでいるのはその一環なのか?」
「どうですかね、本人が食べたいだけかも知れませんよ。」
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