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バトル-284 [高校生バトル-29]

「会社運営の事務的な作業は日本のメンバーである程度進めるにしても、現場での労働はうちのアルトバル支社から転籍する子達が中心になるから、その為の調整を進めてる最中だよ。」
「アルトバル支社としてはどうなんだ?」
「元々、職業教育を意識して子ども達を雇用して来たからね。
 青少年向けの職業教育と作業実習を新会社に移管し組織を変えはするけど、実質的な部分は当面今まで通り、支社から分離して行く部署が新会社の実働部隊と言えば良いのかな。」
「そこにチーム詩織や王女さまのチームが参加して新会社を形成して行くと考えれば良いのか?」
「そんな感じだね、日本メンバーの中には新規事業を考え始めている子もいるから、どうなって行くのかは楽しみだけど。」
「すでに案が出てるとか?」
「うん、募金活動をするより自分達で稼いだ資金を社会福祉にと考えてくれてね。」
「健全だな、募金活動をしてる団体の中には怪しげなのも有るからな。」
「そうなの?」
「ああ、別に違法行為をしていなくても、募金で集められた金の多くが団体の理事や職員の給料に充てられてると言う事例を聞いたことが有る。
 団体の維持も活動の一部なのだから問題は無いのだとか。」
「寄付した人達の思いとは違う使われ方をしてるのか…、寄付で成り立ってる国際機関には不透明さを感じさせられるけど。」
「理想と現実のギャップは大きいだろうな、その点、詩織達は自分達で稼いだ金を使い安定した雇用の拡大に取り組み地域社会に貢献しようとしてるのだろ、あのエリアだけでなく世界中に広げて行って欲しいと思うよ。」
「だよね、うちの会社も拡大を視野に入れてはいるけど、対外的なインパクトは中高生が大学生などの協力を得て展開と言う形の方が遥かに強いでしょ、今の社会に限界を感じてる人達が参加し易い形にして行きたいね。」
「大人の参加も考えているのか?」
「シンボルはチーム詩織と言う年齢の無い人格、子どもの為の活動をメインにしているからと言って子どもだけでと考えなくても良いでしょ、詩織達は僕等義兄弟姉妹の考えに同調してくれる人なら問題ないと考えているよ。
 まあ、組織が大きくなれば色々問題も出て来るだろうけど、才能ある若者が活躍出来る会社だと社会的に認識される所まで成長させることが出来たら面白くなるよね。」
「その辺りのカギを握るのがバーチャルな方の詩織なのかな?」
「だね、今までには無かったスタイルの集団、詩織の指示で動くのでは無く、バーチャル詩織を構成する一人一人が詩織ならこう考えこう行動するだろうと思考し試行して行く、その過程で自分の考えを見つめ直し時にはチーム詩織に対して問いかける。
 核が詩織で無かったら成立しない集合体だけど、それぞれが自分の意思をしっかり持って参加することを詩織は求めているからね。」
「詩織も雅も本当に真っすぐ成長してくれたな、やはり三郎や真子、春子が近くにいたからだろうが。」
「僕等だけじゃない、義兄弟姉妹の結束有ってのことだと思うよ。
 雅は旅行中、自分のことを現地の人達に話してくれたんだ、自分が義兄弟姉妹の一員になれてどんなに嬉しかったとか、血の繋がりは無くても私達とあなた方とが心で繋がれたら素敵だともね。」
「そうか…、私達は世界一幸せな家族かもな、雅達を養子として迎える時には大きな苦労を考えてたのだが…。」
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