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バトル-286 [高校生バトル-29]

「詩織、アルトバル支社から農業公園プロジェクトに派遣された連中は問題なくやってる?」
「問題は起きてます、元々貧困層出身者がエリート層と共に働くと言うプロジェクト、価値観が大きく違いますので。」
「それで大丈夫なのか?」
「チーム詩織が私達の理念を明示しながら新会社が一つに成れる様にと、双方の気持ちを聞き溝を埋める作業を試みています。
 ただ、英語力の差も有り簡単な作業では有りません、更に今後雇い入れて行く人達と私達との接点を作っていくのは更に難しいと言う問題も有ります。」
「そこを乗り越えられないと事業の成功は難しそうだな。」
「最悪の場合は現地の日本人スタッフから指示を出して貰うことになりますが、その手は最後まで温存し極力自分達で解決して行きたいと考えています、まだ時間的な余裕は有ると思いますので。」
「農業公園の工事はまだ始められる段階ではないものな。
 今は研修が中心なのだろ
 公園の設計には手を付けているのか?」
「はい、設計面まで任せられる様な体制を向こうで作り上げることは難しそうですので、遠江大学にも籍を置く国立大学農学部関係者らがチームを組み、現地の声を聞きながら進めています。」
「そのチームも新会社の一員に?」
「ええ、そのチームからチーム詩織の頭脳となって下さる方もおられまして、チーム詩織と言う人格は農業にも詳しくなりつつあります。」
「本来なら個人の名前で活動したい所をバーチャル詩織として動くと言うことなのかな?」
「どうでしょう、大学で研究してると言っても個人の名前で広くアピール出来るとは思えません。
 バーチャル詩織の一員として実績を上げ、次へのステップを考えて頂けたら良いのではないでしょうか。」
「確かにそうかもな、でも、その人の収入面は大丈夫なのか?」
「そこは遠江大学サイドにお任せです、私達の活動は全てが研究対象と言っても過言では無く様々な実験的取り組みを進めらて行きますので。」
「うちの会社でフォローする必要はないのかな?」
「はい、日本国内の展開に関しては大丈夫です、その分現地への投資に回して頂けたらと。」
「何処に重点投資をしていくのかは微妙でさ、国王陛下は当初予想していた以上の投資を考えておられてね。」
「みたいですね、国の将来、エリアの安定を考えたら少しばかりの出費はやむを得ないと聞いています。」
「その少しばかりが少しではないから、我々としても投資を考え直すことにして、検討中なんだ。
 詩織達の会社が、あのエリアだけに拘らず世界と向き合って行くのなら、そのフォローをして行きたいと言う社員もいてね。」
「それは…、確かにYouTubeへの書き込みでは我が国へもと言う声を少なからず目にしていますが…。」
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