SSブログ

近衛予備隊-182 [高校生バトル-61]

「えっと、選挙で選ばれた訳では無い人が政治を行う、新しい王政のメリットにはどんなことが有るのですか?」
「そうね、日本と比較するなら大臣になりたいだけの人でなく、大臣に成って欲しい人を大臣に出来ると言うことかな。
 日本の内閣では全くの素人が大臣になることが有ってね、ただのお飾りでほとんど必要のない人が。」
「どうしてなのです?」
「実務を官僚がきっちりやっていれば大臣は誰でも良い、長年国会議員をやってる人から順番に割り当てるみたいな感覚なの。」
「それで問題にならないのですか?」
「たまに総理大臣の足を引っ張ってはいるけど、政党内の事情が有るのでしょう。
 それに対して私達がイメージしてる新しい王政では、専門家を積極的に大臣に起用することが可能なの、義兄弟姉妹の一員として相応しい人物なら王家に入って貰うことも有りね。」
「王家に人数制限はないのですか?」
「国政に関われるだけの能力を持っていれば制限する必要はないでしょ。
 逆に日本では、専門知識を持っている人が国政には関わりにくくてね、頭の良い人にとって国政選挙なんて面倒なだけ、国が専門家の意見を聞くべく会議を開いても、そこに呼ばれるのは学会内で上手く立ち回って来た人で本当に能力が高いのかと言うと怪しいし、意見を出すだけで何の権限もないのだから。」
「我々の村を王国にして、優秀な人が政治に参加してくれるでしょうか?」
「そこはジョンの大人を丸め込む手腕に掛かっているのよ、近衛達の力である程度の環境は整えられても、組織の核に魅力的な人が居るのと居ないのとでは大違いでね。」
「その辺りはプリンセス詩織のお力で。」
「それでは駄目なの、所詮私は異国の人間ですからね、国の改革には遠江王国の王家が協力するけど。」
「異国の人だなんて誰も気にしませんよ、お年寄りの中には植民地時代が一番良かったと言う人がいるぐらいですからね。
 頼れる指導者なら国籍何て関係ないと思います。」
「う~ん…、あっさり植民地となったのは、その国民性が有ったからなのかしら?」
「昔のことは分かりませんが、圧倒的な力の差を見せ付けられのでしょう。
 今は女神さまのお力によって生活が良くなったと村人達は理解しています。」
「詩織、長い物には巻かれろ的な感覚でも、その分ストレスが少ないのでは?」
「そうね、ストレスを感じさせる日本的な努力の強要はしたくないとは思っていたけど。」
nice!(11)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 11

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。