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近衛予備隊-183 [高校生バトル-61]

「気になっていたのですが、日本の王…、天皇と王さまは良好な関係に有るのですか?」
「いや、全く関わっていないんだ、私は日本国にとって地方公共団体の一首長に過ぎないからね。
 天皇が特定の市と特別な関係になるのはまずいことなのだよ。
 海外から王家の人や政治家が公式に訪問して来る時は日本の外務省と連絡を取り合ってはいるが、それだけかな。」
「遠江王国の人達にとっては王様が二人存在している訳ですが、それに対しては?」
「特に問題は起きて無い、元々日本は神道の神社と仏教の寺が共存して来たんだ、神道の代表が天皇で、こちらは仏教の代わりに社会学的観点から国造りをしているチームの代表って感じではないかな。」
「そんな感じでしたか、しかし皇室はとても長く続いているのですよね。」
「確かに長いが、政治の実権を長期間握り続けて来たのではなく、今の政府に当たる部分を…、えっと軍人が長い間行っていた、だから続け易かったのかも知れないよ。」
「将軍ですね、ある意味立憲君主制だったと言えるのでしょうか?」
「かもな、将軍家は征夷大将軍と言う役職を天皇中心の朝廷から任ぜられて政治を行う、簡単に打ち滅ぼせそうな朝廷でもそこに権威付けを求めたみたいだね。」
「その辺りも日本の特殊性ですか?」
「だと思う、ガラパゴスの生き物が他から隔離された状態で独特な生態系を創り出したのと同じく、島国の日本は独自の文化を発展させて来たと言えるかな。」
「我が国にはそんな文化を発展させられるだけの人があまりいなかったみたいです。」
「それでも、人々は子孫を残して来たしこれからも、人口が減って行く日本とは違い若い国だと考えたら良い、これからジョン達が先頭に立って国を作って行く、他の国と変に比べる必要は無いが他国の失敗や成功を参考にしながらね。
 村を王国にするのは詩織が先頭に立って進めて行くが、国をどうするかはジョン達が中心になって考えるんだ。」
「う~ん、村長で満足していたのですが…。」
「そうだったの?
 私達が考えていた村長業務を遥かに超えた活動をしているから、物足りないのかと思っていたわ。」
「それは、店のフロアマネージャー達が…。」
「詩織、国を乗っ取って国王になったとしても、村長業務と然程変わらないのでしょ?」
「ええ、村の組織よりかなり大きくなるけど、要所要所を任せられる人は見つけられると思うわ。」
「あっ、トップの役割は規模が大きくなっても同じなのですか…。」
「勿論よ、一人の人間に出来ることには限界が有る、その限界を超える為の組織なのだからね。」
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