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近衛予備隊-181 [高校生バトル-61]

「選挙ってそこまで信頼出来ないものなのですか?」
「ルーシーはイケメンが立候補したらその人に投票するでしょ?」
「はい。」
「その人の主義主張は?」
「それを聞いても良く分からないかも。」
「有権者全員が、立候補者の主義主張を良く理解して投票するのなら、代表者に相応しい人が当選するのだろうけど、有権者全員にそれだけの能力が有るとは思えないの、経済政策や外交問題に疎く、ルックスで判断するルーシーみたいな人が少なからずいてね。」
「う~ん…、ジョンみたいにルックスが良くて能力の高い人ばかりが立候補する訳ではないのですか…、まだ選挙を経験して無くて良く分からないです。」
「選挙は色々難しくて、国会議員を地域の代表者と考えるか、国全体の利益を考える人と捉えるかの判断によって地域間の人口格差による一票の重さの意味が違って来るし、一つのエリアから一名だけ当選する形とエリアを広げ複数当選する形とでは、政党にとって当選のし易さが大きく変わったりとね。」
「選挙によって民意が政治に反映されると学んだ気がしますが。」
「そうね、選挙時に民衆が感じていたことは反映されるでしょう。」
「それが正しいとは限らないと言うことですか?」
「正しくなくても、その結果に投票した人も責任を感じれば民主主義と言えるのかな。
 王政でも民衆の意見を聞くことは出来るのだけど、民主主義では無いのよね。」
「民主主義は良いことだと学びましたが。」
「より深く国民のことを考えた王政と、大した知識の無い人達が立候補者の言葉やルックスに左右されて投票する民主主義の政治、詩織は新たな王家による新しい王政をイメージしているのだよ。
 王政にも民主主義に元ずく政治にも、それぞれ長所短所が有るからね。」
「私達が考えてる王政でも、代替わりが上手く行かなくて、国民を第一に考えられなくなったら絶対王政と何ら変わらなくなってしまうでしょう、もっとも選挙によって選ばれたリーダーが独裁的な政権を築き上げることに成功したら似た様なことなのだけどね。」
「我が国では独裁的な大統領によって大きな改革が成し遂げられましたが、それが良い状態で続かなかったら、ただの独裁者になりかねません、結局はリーダーの資質と言うことなのですね。」
「ええ、トップリーダーを取り巻く人々も含めて、そうね、大統領や国王が暴走出来ないシステムを考えてみたいけど…。」
「そのシステムを必要とする国では難しいだろうな…。」
「歴史がそれを証明していますものね。」
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