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近衛予備隊-186 [高校生バトル-61]

「王国と計画経済って結びつくものなの?」
「社会主義と言ったイデオロギーが前面に出ないから破綻しにくいと思う。
 マーケットの展開をテンポ良く進められれば、この先、国の経済を自由に動かせるだけの力をプリンセス詩織が持つことは可能なんだ、比較的小さい国で競争相手がいないからね。
 我が国の経済活動には色々問題が有ったから、成功すればかなりマシな国になると思うよ。
 大統領もそれが解っているから、会社の活動を後押ししているのだろう。」
「でも、適度な競争は必要なのでしょ。」
「その競争相手を国内に作らず他国の企業と競う形にと、輸出を考えているのさ。
 まずは内需の拡大だけど、それだけでは伸びに限界が有るからな。
 輸出を頑張らないと給料は上がらないのだよ、社会主義国ではないからね。」
「難しそうだけど…。」
「今まで我が国は経済的に弱過ぎた、治安の悪い小国に投資しようと思う企業家なんている訳ないからな、でも、だからこそ改善し伸ばして行く余地は大いに有ると思うんだ。」
「シャルロット、プリンセスは難しいなんて考えて無いわよ、村では思い切った初期投資が直ぐに実を結んで大きな売り上げに繋がったでしょ。」
「資金力が有り、金儲けの才も持ち合わせていたのはマフィアのボスぐらいだったからな。」
「不正行為を働いて蓄財してた人達は資産を充分活かせなかったものね。
 でも、計画経済ってどうやって導入して行くの?」
「破綻する様な計画経済をそのまま真似する必要は無いから、自由経済を基本に計画的に進めているのさ。
 マーケットの売値は会社の判断で決められているだろ、生活必需品は利益率を抑えた安価な物を必ず棚に置き、贅沢品は取り敢えず利益率を高めに設定、売れ行きが悪過ぎたら値下げ、売れ行きが良いからと言って値上げしたのでは反発されかねないからな。
 その売れ行きを見ながら生産量や輸入量を調整、新規商品以外は安定した販売価格になりつつ有り計画が立て易くなって来ているよ。」
「それほど、価格の変動は無かったと思うのだけど。」
「担当者の読みが当たることが多かったのさ。
 出店のペースが速く全体の売り上げが右肩上がりで伸びてることも関係しているのかな。
 日本で同じことをしても、競合他社との価格差が売り上げに影響するから、贅沢品でも利益率を抑えざるを得ないそうだよ。」
「私達の国でも、マーケットと似た様な物を売る店は有るのだけど。」
「生活必需品は大量に仕入れることが出来るから安く仕入れることが出来る、贅沢品はうちでしか扱ってない商品ばかりだぞ。」
「そうか、競争にならないのね。」
「遠くからでも買いに来る人がいるそうだから、もっと店を増やして上げたいけど、既存の店にとっては迷惑な話よね。」
「これからはそんな店もうちのマーケットに組み込んで行く、フランチャイズについては学習した?」
「あっ、そうか、マーケットの展開と結び付けては考えられて無かったわ。」
「そんな店でも支払いは同じプリペイドカードになって行くんだ。」
「偽札を作ってもそれを使える所がどんどん減って行くのね。」
「それだけでなく、プリペイドカードやクレジットカードについてはその手数料も含めて会社の利益になると言うメリットが有る、すでにうちの関係先は給料をカードへの入金にし現金支給をやめ始めているだろ、いずれプリペイドカードの使えない店は、それだけで客を減らすことになるから嫌でもうちの傘下に入って来るだろう。」
「でも、そんな手数料を取られる商売に対して、反発する人が出て来そうだわ。」
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