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近衛予備隊-185 [高校生バトル-61]

「まずは底辺の子ども達を何とかしたいわね。」
「お腹を空かせた子どもには簡単なお手伝いと引き換えに美味しい食事、と言う事業をマーケット中心に展開してみてはどうかしら?」
「お手伝いの内容が少しずつでもスキルアップに繋がるもので有れば…、勿論虐待レベルの労働はNGで、子ども達がお手伝いを喜んで出来る環境にすることが必要だが悪くないと思う。
 継続的に支援出来る体制を作れると良いのだが。」
「そうね、どれぐらいの人数が支援を必要としていて、その為にどれだけの費用が必要なのか調査だけど、まずは小規模で実験的にスタートさせてみるべきかもね。
 それを通して大人達の反応を確認出来るでしょ、大して関心を示さず会社の指示に従って動くだけなのか、少しは社会的弱者のことを考えた行動をとってくれるのかを見ておかないと。」
「遠江王国は社会的弱者を救済する事業がそのスタートだったと聞いたけど、我が国の国民にもその辺りの感覚を伝えて行かないとな。
 マーケット展開によって職を得た人達が、例え会社の指示によるもので有ったしても、社会的弱者のことを考えてくれれば良いのだが、生活に困らなくなっても心が貧しいままでは…。」
「マーケット関連で職を得られた人は、まだ失業者全体の一部に過ぎないのよね。
 本当の意味で子ども達を取り巻く環境を改善して行くにはハードルが高くて多過ぎるわ。」
「それでもやれることをやって行かないと進まないでしょ。
 失業問題を解決して行く為にも輸出を伸ばして行きたいよね…。」
「プリンセス詩織はまずは内需だと話してたけど。」
「ああ、うちの国民は給料を溜めずに直ぐ使い、お金に寝る暇を与えないのが強みだそうだ、確かに会社からプリペイドカードへ入金した給料は、マーケットで使われて直ぐ戻って来る、うちの会社関連以外で全くお金を使わなくても済むように店舗展開したのが功を奏しているそうでね。
 その分初期投資が多くなっているが、直ぐに回収出来てると聞いたよ。」
「それで王家の皆さんは強気なのかしら?」
「ああ、他の国では出来ないレベルの独占状態を作り出せそうだからな。」
「独占か…、日本に色々な店が有ることには驚いたけど。」
「そこに競争が有ったから成長して来たのだが、競争の無いうちのマーケットでも経営者がしっかりしていれば成長出来るそうだよ。
 社会主義国の計画経済は学習した?」
「えっと、国や国営企業が管理し、自由な競争の無い状態で経済活動が行われ、貧富の差のない国になる筈だったかしら。」
「その管理に問題が有って破綻した国が有ったのだけど、今の我が国なら、我が社による計画経済を推し進めることが可能だそうでね。」
「会社が国全体をってこと?」
「ああ、国の経済を掌握出来ると考えているそうだ。」
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