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近衛予備隊-190 [高校生バトル-61]

 ゲームセンターにはプリンセス雅も同行。

「ジョン、コインが増えると嬉しくなるのは人間の性なのかしら?」
「かも知れません、ところで詩織、インチキしてないですよね?」
「多分。」
「多分?」
「こちらにそのつもりは無くても忖度されることが有るのよ、ね、雅。」
「最初にやったクレーンゲームは絶対怪しいわ、あんなに簡単に取れて良いのって感じだったでしょ、店のスタッフがお勧めの台だと案内してくれたし。
 でも、詩織が手にしてるコインは違うの。
 ジョン、私達は直ぐ無くなったのに詩織だけが順調に増やしてるでしょ、スタッフはジョンばかりに気を取られていたにも関わらず。」
「このゲームはスタッフの力でも、詩織にだけ勝たせると言うのは難しそうですね。」
「詩織は強運の持ち主なの、株で誰が一番稼げるかって勝負を元金一千万円でやった時、詩織が超ハイリスクな銘柄で勝負に出たので、私達は絶対大損すると思ってたら、倒産する筈の会社だったのに大逆転、苦し紛れで出した商品が大ヒットしたの、私だって良く考え、苦労して二百万円ぐらい増やしたのに桁が全然違ってね、お兄さま方が詩織をトップにしたのは詩織が強運の持ち主と言う理由も有ったのよ。」
「へ~、詩織にその自覚は有るのですか?」
「そうね、昔から運が良いと言われることは何度か有ったかな。」
「だから、カジノでの事業展開を考えたの?」
「そうではなく、雅、雇用を物の生産で拡大しようと思ったら、作った物が売れる必要が有って限界が有るでしょ。
 でも、ギャンブルなら安定した需要が有り、安定した収入源になると思ったの。
 その収入を公共事業に使って行けば、そこでも安定した雇用の場を増やせる、兎に角インフラ整備の進んでいない国だから必要な施設は幾らでも有ってね。」
「ギャンブル自体に良いイメージは無いのだけど…。」
「そこはオリジナルのプリペイドカードを利用して健全な娯楽となる様にして行くの。
 本人認証を厳しくするから家族のカードでも使えないし、一か月間にギャンブルで失うことの出来る上限をコントロール、その為に本人の収入確認なども徹底するのだけど、その個人情報によって脱税などの発見にも繋げるの。
 ギャンブルにお金を沢山つぎ込みたかったら、収入を多く申告、カードにもそれなりの金額を入金して置く必要が有ってね、面白いと思わない?」
「多く申告すると税額が増えるのね。」
「ギャンブルからの収益が伸びたら減税も考えているのよ。」
「カードの残高が必要なのは?」
「その月にギャンブルで使っても良い額まで使い切ったとしても、次の給料日まで生活出来る金額を目安にしての残高でね、本人が他で無駄使いした場合までは関知しないけど。」
「クレジットカードや現金は使えないの?」
「ええ、現金なんて手間が掛かるだけでしょ、オリジナルプリペイドカードに絞った方が色々と楽だからね、入金は簡単だから問題無いと思うわ。」
「それでも、ギャンブルをするのに手間が掛かると、やる人は少なくならないかな?」
「そこが問題で、楽しめる付加価値を加え健全な娯楽に出来ないかと検討してるのよ、ゲームセンターで遊ぶ感覚でね。」
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