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二学期-255 [花鈴-26]

「Judy Garlandに勝つつもりだったの?」
「いえいえ、そんな大それたことは…。
 でも、本家を越えられるぐらいでないと視聴回数は伸びないでしょ。」
「はは、そこでお母さんの出番になるのよ。
 宣伝することがお母さんの仕事だからね。
 宣伝しなかったら、新しいチャンネルの登録者数は伸びないし、もちろん視聴回数も。
 でも、最初の宣伝を成功させ勢いを付けさせることに成功したら、後は内容次第で自然と伸びて行く。
 お母さんは、姫が歌うSomewhere over the rainbowなら中高年の心にぶっささると話してたわよ。
 今はわざと下手に歌っといて、だんだん上手くなるなんて手法を使えば、孫の成長を喜ぶ感覚でファンをさらに拡大出来るなんて、お母さんらしい話をしてたわ。」
「わざとで無くても歌はまだまだなのよ。」
「プロと比較したらでしょ、でも孫路線は考えるべきだと思う。
 源じいったら、子どもは国の宝だと何時も話してるじゃない。
 そんなお年寄りを喜ばせるには花鈴姫が成長して行く姿を見せて行くことが一番なの。
 大学生連中の描いてる戦略は、花鈴姫の歌声で中高年層の心を鷲掴みにする、だったかな?」
「そんなこと言ってたなぁ~、聞き流していたけど。」
「お母さんは詐欺の話からお年寄りの金銭事情なんてことを口にしてね。」
「どう言うこと?」
「ほとんど利子が付かない貯蓄でお金を眠らせてるお年寄りが沢山いると…、私は興味が無いから真面目に聞いて無かったけど。」
「詐欺紛いのことを企んでいるとか?」
「いえいえお年寄り達が気持ち良く姫の為にお金を使って満足する、そんなシステムを作れたら嬉しいでしょ?」
「う~ん、詐欺にならなければ良いけど…。」
「推しのアイドルにお金を沢山使う若者が居る、それと同じこと。
 お母さんは姫を看板にしギフテッドの可能性を広げる財団を、孫正義育英財団とは違った角度から展開出来たら面白いかもって、姫のお父さんに話せるだけの企画を作り上げると話してたのよ。」
「財団って言われてもイメージが湧かないな~。」
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