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二学期-257 [花鈴-26]

 どこの誰だか分からない人に働いて貰うと言うのは、絵梨との話から出て来た思い付きだが、普通に社員を採用する時も始めは同じだ。
 だから、例え一人だけで有ったとしても私の指示で働いてみたいと考える人がいるのなら、と社長とも相談し、ラブアビス国の国民として働いてくれる人を募集することにした。
 報酬面の相談内容も公表し、我が社の方向性を広く知って貰えたらと考えている。
 一回目の募集では副業可の在宅社員、若しくは請負とし、人数は若干名とした。

「募集開始は来年だと思ってたのに早く動いたのね。」
「大々的に募集する訳では無いし、コストは大して掛からないでしょ。
 会社運営にとって不可欠な現場の人材募集ではないのだから、採用ゼロ、応募ゼロでも構わない。
 我が社の事情を考えて建設的な話を持ち掛けてくれる人が応募してくれたら採用するけど、そんな人は少ないと考えてるの。
 それでも、配達や介護の仕事では無いから話題になるかもでしょ。」
「宣伝効果を考えてのことなのね。」
「勿論よ、色々動いてるとアピールすることで我が社に興味を持って貰える、それが狙いなの。
 常に先のことを考えた会社だと思われてないとね。」
「そっか、店を立ち上げる話が進んでるだけでは…、あっ、この企画も新店舗の宣伝に繋がるのか。」
「絵梨はそれに気付けたのね、気付けない大学生もいたのだけど。
 応募が全く無かったとしても、一人も採用しなかったとしても、それでさえ話題として発信出来る、そこが重要なのよ。
 何かをしようとしてる会社と言うだけで注目度が上がるでしょ。
 今回の募集はYouTubeチャンネルだけでの発表だから、コスパが良いの。
 これで、力の有る人を採用出来たら万々歳なのだけどね。」
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