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二学期-253 [花鈴-26]

「姫、それで、ラブアビス国の方向性は固まって来たの?」
「まあね、設定はここの隣に存在する国だけどネットでしか訪れることの出来ない国。
 通販サイトとして田舎の魅力を伝えて行くのが一つの取り組み。
 もう一つはギフテッドの人達や隠れた研究者に日の目を当て手助けの必要な人に手を貸す取り組み。
 まずは人々に興味を持って貰う必要が有るのだけど、建国祭の動画撮影以降どう配信して行くかはラブアビス国に参加する大学生達が検討してくれることになってる。
 我が社はその運営を。
 ギフテッド関連は直接的な利益に繋がらないかもだけど、宣伝効果は有ると考えてるの。
 通販サイトで扱う商品は地元の物が中心になるけど、ラブアビス国で販売することに違和感の無い商品なら何でも有りかな。」
「そう言えばフェアトレードの話が出てたわね。」
「ええ、商品をここまで運んで来る必要は無いから名古屋の倉庫に委託する形になる。
 ボランティア的な意味合いも有るから、お父さんの会社と交渉中なの、赤字にする気は無いから。」
「難しいと話してた人がいたけど成功しそうなの?」
「トータルで赤字にならなければ良いのよ。
 企業は利益を追求する存在なのだけど、利益ばかりを追求し過ぎた結果が日本の少子化なのよ。
 ラブアビス国の姫としては、そんな日本を鼻で笑いたいわね。」
「えっと…、非正規労働者を増やしたとか?」
「ええ、最低賃金の全国平均がようやく千円を超えるのかな。
 適度なインフレの為には労働者の賃金アップが必要なのにそれをして来なかった。
 私利私欲しか考えない人達がこの国を残念な国にして来たの。
 それをこの地から変えて行きたいのよね。」
「姫は時々大きな話をするのだけど…。
 変えられるものなの?」
「それは分からないわ。
 でも、変えて行こうと思う人が動かなかったら絶対変わらないでしょ。」
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