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二学期-259 [花鈴-26]

 それからパソコンのモニター越しに、所謂面接を行った方は真面目そうな方で…。

「井上さんはラブアビス国を窓口とした、通販の可能性を考えておられるのですね。」
「はい、真面目に通信販売をしている企業をラブアビス国としてバックアップ、質の低い会社を排除出来ればラブアビス国の信頼度が上がると思うのです。
 と言うのも通販では失敗することが有りますので。」
「どんな経験をされたのですか?」
「謳い文句ほどの効果が無かった除湿器とか蚊取り機は安かったものの、直ぐゴミになりました。
 そんな商品は絶対に扱わない会社を厳選して行くことでイメージを高めて行けば、需要が伸びると思うのです。
 その為には常に取引先企業の状況を把握している必要が有りますが、その一手間が信用を生み出すと考えていまして。」
「ですね、私も価格では無く質で勝負したいと考えています。
 ラブアビス国の通販で扱える商材に心当たりは有るのですか?」
「勿論です、宣伝が下手であまり知られて無くても質の良い商品は色々有りまして、それを紹介して行きたいと考えています。」
「我が社での活動は副業として考えておられるのですね。」
「出来れば御社の仕事だけにしたいのですが、それは実績を上げてからの方が気持ち的に余裕が出来ると思いまして。
 今は派遣の仕事で、何かと低く見られているのです。」
「今の仕事先は、ラブアビス国での活動にプラスになりますか?」
「はい、悪い会社では有りませんので、御社の取引先にとも考えています。
 今まで私のことを低く見ていた方々と対等の立場になれたら面白いとも。」
「仕事に自信がお有りなのですね。」
「立場は派遣でも仕事は卒なくこなしているつもりです。
 ですが、正社員のフォローをしても、結局派遣社員と言うことで何かと…。」
「もし、我が社で働いて下さることが決まりましたら、その辺りの顛末をYouTubeチャンネルで紹介させて頂くことは可能ですか?」
「はい、ラブアビス国のチャンネルで取り上げて頂けたら、知人に自慢出来ます。」
「えっ、そんな感覚なのですか?」
「こうして姫さまとお話させて頂いてる事だけでも私にとっては大きなこと、大学生同様、顎で使われる様な存在になりたいのです。」
「う~ん、何か誤解が…。」
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