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バトル-60 [高校生バトル-06]

「一郎兄さん、こんにちわ。」
「ああ、真子ちゃん御免な、三郎達は帰りが少し遅くなるんだ。」
「はい、三郎くんから連絡が有りましたが、たまには一郎兄さんと話すのも良いでしょって。
 今ぐらいの時間なら荷物整理は終わってるだろうからと。」
「はは、何かな~、時々有るんだよ、どうして三郎に分かってしまうのだろうと思う事がね。
 卒業アルバムとかを見ながらのんびり整理していて、今し方終わったばかりなんだ。」
「ふふ、お茶でも入れましょうか?」
「冷蔵庫に真子ちゃんの好きなプリンが有るとか春子が言ってたよ。」
「わお、春子さん、春風堂のプリン、買って来てくれたんだ、一郎兄さん、少し待ってて下さいね。」
「うん。」

「兄さん、どうぞ。」
「有難う、なあ真子ちゃんは三郎や春子と付き合って来て不思議な気持ちになる事はなかった?」
「有りますよ、優しさに包まれてる感じで嬉しくて嬉しくて、家族からは性格が変わったと言われてますが、二人と出会ったからだと自覚しています。」
「春子の場合は、たまに兄をからかう様に、俺の考えてる事を言い当てたりとかして、最近はしなくなったのだけどね。」
「三郎くんは、私がして欲しいと思ってる事をしてくれます。
 付き合い始めた頃から、女の子として凄く恥ずかしい話まで真面目に話し合って来たからか…、ホントに私の事を大切にしたいと考えてくれてるのだと感じています、見せかけだけの優しさでは無く。」
「それは嬉しいね、俺と次郎は春子が生まれた時、絶対大切にしようって幼いながらに約束したのだけど、三郎が生まれた時には春子と三人で優しい子に育てようって、子どもながらにね。」
「三郎くんの面倒は一郎兄さん達がしてたのですよね、お母さまが本当に楽だったと話してみえました、うちの姉はガサツなので考えられないことです。」
「まあ、人それぞれだからな…、人それぞれと言えば、ねえ、高校にはヤンキーが居たりするの?」
「そうですね、校則違反をする人はいますが…、一郎兄さん達が生徒会で変えたそのままだと聞いてます、それ以前は今ほど平和では無かったのですよね。」
「ああ、春子が入学するまでに何とかして置きたくて頑張ったからな。
 生徒会による学校改革が話題になり偏差値が上がったとは聞いているが、後輩達はそれを維持してくれてるみたいだね。」
「ええ、高校生バトルのことも有って兄さん達の功績はみんなが知ってますよ。」
「三郎に学校のヤンキーをまとめて貰おうかとも思ったのだが。」
「三郎くんはYouTubeで有名だったのがテレビCMに出始めて、先輩方からもよく声を掛けられています、内容にもよりますが、三郎くんのお願いなら校則違反してる様な先輩方でも聞いてくれますよ。」
「そっか、この前の食事会では、義兄弟姉妹の話から好ましからざる組織の話が出てたでしょ。
 そんな組織でもトップが変われば何とかなるのではと考えていたんだ。」
「うちの高校ではヤンキーとか暴走族の話はあまり聞かないです…。」
「生徒会からの誘いは無いのかな?」
「会社の会長職をしていて忙しい事は皆さんご承知の事です、一郎兄さんの頃と違い平和ですから、三郎くんに頼らなくても大丈夫でしょう。
 今年の入試、志願者数が増えたのは三郎くん効果、その結果生徒の質が上がってると先生が教えてくれまして、さりげなく高校に貢献しているのです。」
「そうか、俺達の学校改革は結構苦労したのに、三郎は入学の意思表示をしただけで…。」
「ふふ、貢献度は一郎兄さん達の方がうんと上ですよ。」
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